グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER 作:霊槍って、良いよね
クラピカを連れてやって来たのはジャポンの無人島。
珍しい植物とか、気に入った植物とかを栽培しておくために3年ほど前に購入したものだ。
それなりの値段はしたが、なかなか良い買い物だったと思う。
「さて、これからはまずはオーラ操作技術の修行をして、オーラ操作技術が一定以上に達したら本当の修行を始めるっス。9月1日という明確なタイムリミットがあるから、オーラ操作の修行は一週間を目安に完了させるっス。それなりの無理をすることになるっスけど、着いて来れるっスよね?」
「当然だ。強くなるためならば、私はなんでもするさ」
「なによりっス。それじゃ、まずは水見式をしてもらうっス。イメージを固めるために、どんな能力にするかは早めに考え始めた方が良いっスからね。あ、水見式っていうのは、念の系統を見分けるための方法っス」
そう説明しながら、コップに水を入れ、葉を浮かべた。
「これに練をすることで、系統を見分けるっス。まあ、実際に見せた方が早いっスね」
とりあえず、俺が手本を見せるとしよう。
コップに向かって練をした。
その瞬間、葉がグジュグジュと不快な音をたてながら変質し、膨張し、収束すると同時に種子へとその姿を変容させ、水に向かって根を伸ばした。
水がまるで消滅したかのように一瞬で枯れ果てると同時に種子が発芽し、次の瞬間には細長い幹と枝を持ち、青々と茂る葉を生やした木へと成長すると共に一瞬にして枯れ果て、灰のような粒子となって散り、空気に溶けていった。
「これがあたしの反応。特質系を表しているっス。まあ、ここまで顕著な反応をするのは相当練の精度を上げる必要があるっスけど」
「特質系とは、皆このような反応をするのか?」
「いや、他の系統と違って、特質系だけは決まった反応がないんス。あたしが知ってる他の特質系は……確か水が灰色の泥のようなものに変質して、葉を飲み込んで溶かしたりする反応があったっスよ」
雲隠れの里の長老衆の1人が確かそんな感じだった。
説明をしながら、もう一つコップを用意する。
今ので俺が使ったのは壊れたからな。
「なるほどな。では、私もやるとしよう」
クラピカの反応は、水の中に不純物が発生した。
そのため、具現化系だと思うのだが、なんか腑に落ちない。
そういえば、原作だと特質系……だった気がする。
ダメだな、記憶が曖昧すぎる。
ハンター試験の時は結構思い出せてたけど、やっぱりそれ以降がなかなか思い出せないな。
俺多分ハンター試験編を結構読み返してたんだろうな。
あまりにも昔過ぎて本当にそうだったかは分からないけど。
……………そういえば、クルタ族って感情の昂りで緋の眼とかいうのが発現するんだっけ?
これかな?
一応、緋の眼の状態でも水見式をさせると、特質系を表す反応が現れた。
オーラも若干増えてるな。
「特質系…それなら、やれることの幅が広がるっスね。あ、そういえば、これから本格的にあたしの弟子になるんスから、あたしのことは師匠って呼んで貰うっスよ」
「………分かった」
さて、これから具現化系、そして特質系に合わせた修行もやるとするか。
そして期限以内にクラピカが一定以上の実力に達したら……うん
…………………………
……………
……
あれから月日が流れ、およそ半年後、今は
『グルオアアアアアア!!!!!』
巨大な怪物が、身体中の鞭のような触手をしならせ、よじりまとめ、その眼下の、怪物からすれば豆粒のように小さい人影へと叩きつける。
触手の振り下ろされる先にいた人影……クラピカは指の鎖を距離の離れた巨木の木の枝に巻きつけ、自身をそちらへと引っ張ることで回避する。
叩きつけられた触手によって大地震さながらの揺れが巻き起こる。
しかし、クラピカはそれを気にもとめずに巨木を蹴り、怪物へと迫り、怪物を蹴ると同時に翻り、その場から離脱する。
何度も、何度も攻撃を避け、そして何度も同じ場所へと蹴りを叩き込むこと10分ほど。
クラピカが、今まで蹴っていた場所に鎖を打ち込んだ。
時間をかけることで、怪物の頑丈な表皮を脆くしていたのだ。
瞬間、怪物が絶叫を上げてのたうち回り、その複数ある全ての口から膨大な量の血を吐き出し、息絶えた。
クラピカの鎖によって、その内臓をグチャグチャにされたのだ。
「よし、上出来っス。これなら、修行を終えても良さそうっスね」
疲れ果て、倒れたクラピカに声をかける。
「ハァ………ハァ………ハァ………そうか……やっとか」
地獄という表現すら生ぬるい、普通なら初日の数分で死んでしまうレベルの修行をつけた甲斐もあり、クラピカは相当成長した。
ここ、
この暗黒大陸は、何も純粋な強さだけが求められる場所というわけではない。
しかし、大前提として純粋な強さは必要なのだ。
呪いや毒、ウイルス、細菌さえどうにかしてしまえば、ここほど修行に向いた場所は他にない。
そして、呪いとかは俺が十戒対策に作り出した魔術でどうとでも出来るのだ。
俺が十戒対策に作り出した魔術…その名も『
元々は、十戒の戒禁をどうにか無効化することを目標に作っていた。
けれど、そもそも戒禁がどのような仕組みで成り立っているのか分からないため、どうすれば良いか行き詰まったのだ。
呪いだとは思うのだが、毒もワンチャン混じっていたり?
あるいは………と、思考の迷宮に入ってしまった。
そこで、俺は考えた。
もう害なら全部除去する魔術にすれば良いのではないかと。
呪いも、毒も、細菌も、ウイルスも、その全てを除去する魔術を作れば良いと。
そう考え、メリオダスにマーリンを紹介してもらって何回か会って、魔術について教えてもらいながら、魔術開発に勤しんだ。
そして完成したのが『除害』である。
ちなみに完成した術式をマーリンに見せたところ、『これほどまで吐き気を覚えてしまうほど醜く汚いのに感動すら覚えてしまうほど美しい術式は初めて見た』と言われた。
褒められたのか貶されたのかいまいちよく分からない。
まあ、美しいなら良いじゃないか。
それに、俺が求めていたのは実用性だ。
術式の美しさとかは正直どうでも良い。
この魔術が完成したのは、3000年前の聖戦が終わった後だったけど、中途半端なものは聖戦中に使えるようになっていたため、十戒相手では重宝したものだ。
ちなみに、俺が死んだ時点でこの魔術を完璧に使えたのはダリアとマーリンの2人のみだ。
マーリン曰く、気持ち悪いくらい難しいらしい。
まあ、難しいとか言いつつ、マーリンは一瞬で完璧に習得してたけど。
一応、キングことハーレクインにも術式は伝授してあるし、羽が完全となれば、普通に使いこなすと思う。
まあ、そんなわけで、この魔術があれば暗黒大陸でも強ささえあれば問題なく生活できるのだ。
その必要な強さが人類からすれば異常なレベルなだけ。
とりあえず、疲労から気絶してしまったクラピカを連れて樹を操って作った家に戻る。
クラピカはすぐに起きたため、クラピカを風呂に入らせ、その間にご飯を作り、一緒に昼食をとった。
「それにしても、見違えるほど成長したっスね」
「そうだろうか?あまり実感がない。今日戦った怪物だって、本来は群れで行動するやつだっただろう?あの1匹を残して師匠が皆殺しにしたから私が対応できただけだ」
「それでも、十分な成長っスよ」
「それにしても、本当にここは何処なのだろうか?」
クラピカには、ここが何処かは言っていない。
気絶させてから連れてきたしな。
「ま、何処でも良いじゃないっスか。もう帰るんだし」
「考えるなということか?まあ良い。強くなれているのなら、文句はない」
人類圏に住んでいる人がここに来るためには、めちゃくちゃ面倒な手続きが必要だしな。
まあ、俺は元々ここにいたんだし、里帰りとも言える。
里帰りに弟子を連れて行くなんて普通のことだし、問題なかろう。
厄災も持ち帰らないしな。
「修行は終わりとのことだが、今は何月何日なのだ?」
「8月5日っス」
「ヒソカと会う日まではほぼ1ヶ月あるのか。もう少し修行するべきか?」
「いや、ここからは十分休むべきっスね。これまで相当無理させたから、今でもクラピカは万全な状態じゃないっス。旅団と戦うのなら、この1ヶ月を使ってベストコンディションに持って行くのが良いっスよ。まあ、瞑想とかならしといた方が良いかもしれないっスけど」
「なるほど、分かった」
「さて、これ食べ終わったら帰るっスよ」
「また気絶させるつもりか?」
「もちろんっス」
「………分かった」
こうして、クラピカの修行の日々は幕を下ろした。
旅団には同情するよ。
今のクラピカは相当強いぞ。
魔術『除害』
呪いに毒、ウイルス、細菌など、ありとあらゆる害を除去する魔術。どんなものでも発動者が害と判断すれば除去できる。
直接的な攻撃を害と判断して除去することはできないことだけが欠点。
また、取り憑くタイプの存在がいた場合、その自我を害として除去することが可能。マーリンがこれを使えるということはつまり、キャスは詰み。
アーサーに取り込まれたとしても、万が一自我が残っていて悪さしたらたまったものではないため、マーリンによって綺麗に除去される。
アーサーの協力さえあれば、キャスに残る混沌の力による魔術への抵抗力も弱められると思われるため、アーサーの中にいる限り普通に効く。
つまり、黙示録の四騎士の悲劇は起こらない。
実は除念にも使える。
修行シーンを飛ばしたのはGがつく方の年齢制限に引っかかる可能性があったからです。