グロキシニア転生者が行くHUNTER×HUNTER   作:霊槍って、良いよね

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まさかこんなにも読んでくださる方々がいるとは……めちゃくちゃ嬉しいです!!!!!


2話 旅立ち

 あれから、随分時が流れた。

 

 多分数100年。

 

 実際のところは分からないんだよな。

 

 四季がないというかめちゃくちゃなせいで、正確な年月も分からない。

 

 ある時は太陽が降りて来たのかと思うほどの灼熱で、かと思えばその次の日には絶対零度にすら到達し得る寒波が襲ってくる。

 

 そんな訳の分からない場所なせいで、正確な年月は分かるはずもないのだ。

 

 さて、そんなこんなで今日、ついに世界樹くんの能力が完成したため、その試運転だ。

 

 相手は…

 

『ピギャロロロロアアアアアァァアア!!!!!』

 

 来た。

 

 ここから少し離れた場所に巣を持つ体長100メートルほどの巨大な鳥。

 

 定期的に『暴走期』ともいうべき状態になり、見境なく壊しまくるヤバいやつだ。

 

 そんな鳥が世界樹くんに勢いよく向かってくる。

 

 その(くちばし)の突進は、世界樹を穿つことも可能な威力を持つ。

 

 今までは、俺が対処していたのだが、今日はしない。

 

 さて、どうなるか。

 

『ピギャッ……!!!』

 

 突然、鳥が動きを止め、それと同時に苦しそうな表情をすると共に干からびた。

 

「うん、ちゃんと使えてるようっスね」

 

 これは世界樹くんの第一の能力『生命(いのち)(つた)』。

 

 世界樹くんから1ミクロンにも満たない極細の蔦が生えており、その蔦が世界樹くんを取り囲むようにこの空間内に張り巡らされている。

 

 外敵が一度この蔦に触れて仕舞えば最後、その蔦が体に突き刺さり、生命を吸う。

 

 しかし、この能力はそれだけではない。

 

 吸い取った生命を使い、傷を癒す効果も持つ。

 

 生命の貯蓄も可能であり、傷付いた側から回復することも出来るし、霊槍バスキアスの『月の華(ムーンローズ)』のように癒しの力を持つ雫を作り出し、他者に与えることも可能だ。

 

 さて、これで鳥はもう死んだわけだけど、実はまだ終わらない。

 

 破裂音が響くと共に、大量の胞子がその爆散した体から大量に散布された。

 

 この鳥の恐ろしいのはこれである。

 

 この胞子は、とあるカビのものである。

 

 このカビは、一度根付けば、そこから一瞬で一気に広がる。

 

 単純に、胞子が1つでも根付けば、1秒以内に世界樹くんを覆い尽くすことが出来るほどの繁殖力である。

 

 一度覆われて仕舞えば、栄養を全て吸いとられてしまう。

 

 鳥の『暴走期』も、このカビが関係している。

 

 カビが新たな場所へと向かうために暴走させているのだ。

 

 しかし、鳥にとっても悪いことばかりではない。

 

 植物や土壌にとっては最悪なこのカビだけど、実は動物に対してのみ利点を持つ。

 

 このカビを体内に飼うことで、動物はカビが持つエネルギーを得ることが出来るのだ。

 

 この大陸は、とにかく食事を手に入れるのが難しい環境だ。

 

 そんな中で、このカビを体内に飼っていれば食事せずとも生きることが出来るというわけで、この鳥はわざわざカビを取り込む。

 

 いずれ暴走すると分かっていても、種は繁栄することが出来るから。

 

 さて、飛び散ったカビの胞子だけど、舞いながら世界樹くんへと根付こうとしていた。

 

 しかし、もちろん対策は存在している。

 

 世界樹くんが震え、その震えに合わせて暴風が駆け巡る。

 

 この暴風によって胞子を吹き飛ばす……訳ではない。

 

 前述した通り、1つでも根付いて仕舞えば終わりなのがこのカビの胞子。

 

 それを防ぐための能力、その名も『蠱枯(こがらし)』。

 

 この風を浴びた植物及び菌類は、その生命活動を終わらせる。

 

 実はこの能力は『魔力・災厄(ディザスター)』を元にした能力だったりする。

 

 『災厄』は、成長、繁栄、そして衰退を司る能力であり、その副産物として植物を自由自在に操ることも可能。

 

 成長、繁栄、衰退の対象は植物だけではなく、人間や菌類に対しても使用可能。

 

 人間相手であれば、傷を成長させたりとかも出来る。

 

 そして、この『蠱枯』は、『災厄』の衰退のみを拡張した能力なのだ。

 

 第一の能力『生命の蔦』。

 

 第二の能力『蠱枯』。

 

 この2つが、世界樹くんの防衛能力。

 

 うーん、とんでもない過剰戦力……ともいえないのがこの大陸のヤバいところだよな……。

 

 ま、何はともあれ、

 

「両方ちゃんと機能してるようで何よりっスね」

 

 そう、世界樹くんが自分で自分の身を守れるようになったということは…

 

「それじゃあ、あたしの役目も終わりっス。あたしはここを立つっスよ」

 

 世界樹くんから寂しいといった思念が伝わってくる。

 

 まあ、正直、俺もかなり愛着がある。

 

 だから、

 

「たまには帰って来るっスよ。ここは第二の故郷みたいなもんスから」

 

 おお、喜びの思念!!!!!

 

「それじゃ、行って来るっス!!!」

 

 羽を大きく広げて、飛び立つ。

 

 久しぶりの全力飛行で、風が気持ち良い。

 

 この世界に来て、俺は常に魔力で遠くを感知し続けていた。

 

 それは一重に、意思疎通出来る者を見つけるため。

 

 このとんでもない環境の大陸には、意思疎通が出来るという条件を満たしている種族もいるにはいた。

 

 けれど、この過酷な環境のせいか、新しいものを怖がるのか、接触したとして仲良く出来る感じでは無かった。

 

 しかし、そんな中で、ついに俺は見つけることが出来た。

 

 明らかに人間だと思われる者たちを。

 

 とある湖のほとりに数回感知出来たため、その湖の中を感知してみたら大当たり。

 

 どうやら、その湖の中が人類圏らしい。

 

 という訳で、早速そこに向かっている。

 

 ん?

 

 そういえば、このまま飛んで行ったら目立つか。

 

 うーん……よし、久しぶりだけど、使うとしよう。

 

 『疑似(フェイク)絶気配(ゼロサイン)

 

 七つの大罪『強欲の罪(フォックス・シン)』バンが使用する技術である『絶気配』。

 

 それの模倣である。

 

 数千年と、時間はたっぷりあったから習得した。

 

 正直これめちゃくちゃ有能な技術だしな。

 

 確か、続編でバンが息子に『絶気配』だと思われる技術を教えてたから能力ではなく技術だと思ったのだけど、案の定だった。

 

 さて、これで目立つ心配もなくなった。

 

 早速人類圏に入るとしよう!!!!!

 

 そういえば、湖の中に人類圏って、やっぱりなんかの漫画で読んだことがある気がするんだよなぁ……。

 

 世界樹くんの時と同じような既視感だ。

 

 

 

 

 

 

 

 




世界樹からグロキシニアへの印象
自分で呼び出したは良いものの、『災厄』とかいう植物である自分に特効の能力持ってて実は結構慌ててた。
けれど、自分に従う義理なんてないのに守ってくれたり、能力開発を手伝ってくれたりと面倒見が良く、だんだんと友情を感じ始める。
今はもう完全に友達だと認識している。
ちなみに、能力フルに使ってもグロキシニアには勝てないと思っている。
『災厄』がある限り、植物である自分に勝ち目はない。
まあ、友達だから敵対しないけど。
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