あのクソスライムをぶちのめして、俺は絶対に成りあがる(n回目)   作:遺物

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ちょっと良いことして、いっぱい褒められたいなぁ

燃え盛る豪邸を背に、男はマントを翻す。目線の先に見据えるはスライムの魔王。男は大きく息を吸い、高らかに声を上げる。

 

「グヘハハハハハハハ!魔王リムル=テンペスト!貴様の運命はこの俺!氏家逆人(ウジケ・サカヒト)の手で終わるのだ!」

 

 

 

 

本当に、なんでこうなったんでしょうね。いや、これには理由があるんです。

 

元の世界での私は、とても悪人ではなくとも、善人ともいえぬ中途半端な人間でした。

 

そんな私は不運にも、歩道橋から転げ落ち、その拍子にぶつかったヤンキーにボコられ、その後、不注意にも自動車に轢殺されました。

 

親や運転手等の方々にはとても良いとは言えない行いをしてしまったことを、心より詫びております。

 

その後、私はユニークスキルという品物を貰い(与えて下さった方には、いずれ会えたら恩返しをしようと思っております)、この世界に転生した次第であります。なんか拡縮者(ノビチヂムモノ)という、物の大きさを変える力のようです。しかし、私は如何せん厨二病というものでして、人と話す時、口調が少々荒くなってしまうのでございます。

 

 

 

あの方との初対面は酷いものでした。上位魔将のゲルミュッドさんという名前のお方です。彼は私に会うなり、私を殺そうとしてきたのです。

 

「待て待て待て!まずは話を!話し合おうじゃないか!」

 

「黙れ人間!このゲルミュッド様の邪魔をするんじゃない!」

 

咄嗟に口が動いていました。本当に知らなかったのです。この男があのオーク・ディザスターを引き起こした張本人とは、到底存じる余裕は、私には無かったのです。お互いに気持ちが高ぶっているこんな状況では、自身の防衛が先決と判断したのです。

 

「役に立たせてくれ!」

 

「何ぃ?」

 

「俺はお前の役に立てると思うんだよ!なんか、スキル?がどうのって!分かるだろう!」

 

「・・・ほう?転生者、それにユニークスキル持ち、フーム・・・」

 

 

そこから彼から沢山の情報を頂きました。この世界には魔物や魔人といった、ファンタジーじみた存在がいるということ。剣や魔法が当たり前に存在すること。転生者という私と同じような人間がいること。

 

そして私は、彼の上司、クレイマンさんに会わせてもらうことになりまして、彼はこの世界に存在する十人の魔王の一人らしいのですよ。

「俺の名前は氏家逆人。とにかく早く仕事をくれ。」

 

「クレイマン様。こやつは転生者らしく、中々役に立つかと。」

 

そこに居ましたのは、白い服に、白い髪の男性でした。

 

「お前は、何が出来るのだ?」

 

そこで私は、意味ありげな笑みを浮かべ、こう言いました。

 

「そんなことどうだっていいだろ?あんたの命令は必ず遂行する。任せてくれ。期待は裏切らないぜ?」

 

「もし失敗すれば、お前の命、力、その全てを私の物にするとしても?」

 

なんだクレイマンさん。私が初対面で緊張していると思って、冗談で場を和ませようとしてくれるとは。あんまり面白くないけど、ノッておこう。それが礼儀というものだ。

 

「グへへ・・・なんだよ。そんなことでいいのか?任せろ。俺、期待されると頑張るタイプなんだ。答えはYESだぜ。」

 

彼は口元をわずかに吊り上げました。ノリの良い人だ。この後、なんか呪文みたいなのをかけられたけど、宴会芸かなんかだろう。

 

「なるほど、良い人材だねゲルミュッド。お前はコレをどう使う?」

「コイツにはアレを任せようかと・・・」

 

 

そうして、私は彼の手伝いをすることになりました。

 

私のするべきことは・・・

 

 

 

 

「ここが我々が潜入する国。魔国連邦・テンペストです。」

 

この女性はミュウランさん。なんと五本指と呼ばれる、あのクレイマンさん直属の部下なんです。

 

「了解。これからどうする?」

 

「私はヨウム警備隊と接触、しばらく彼らと過ごします。」

 

ヨウム警備隊って何度聞いてもカッコイイ名前だなぁ。どんな人たちか一回会ってみたいなぁ。

 

「それにしても、お前ってすごい綺麗な声してるよなぁ。」

 

「はぁ!?う、うるさい!早く行きますよ!」

 

「オッケー。そんでもって俺は?」

 

「あなたは豚頭帝(オークロード)計画の為に、テンペストの最重要人物、リムル・テンペストの情報を集めてください。」

 

「アイアイ・・・サー。」

 

さぁ、頑張ってクレイマンさんの役に立つぞ!

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