森の中を抜けてサトシ達はポケモンセンターを目指していたが突然の大雨に見舞われていた。
カスミ「もう最悪!」
サトシ「いきなりだもんな!」
タケシ「急ぐぞ!」
サトシ「待てよ、確かこの辺りって・・・。」
サトシが突然立ち止まってある場所に視線を向けると岩場の上で葉っぱを傘にして雨を凌ぐポケモンを発見した。
サトシ「ヒトカゲだ!」
タケシ「なに!?」
カスミ「そういえばここって!」
そのポケモンオレンジの体色にトカゲのフォルムに尻尾の炎が特徴を持つカントー御三家ポケモンの1匹であるヒトカゲだった。そう、このヒトカゲは後にサトシのエースとなるリザードンなのだ。
ヒトカゲ「カゲ。」
ヒトカゲはサトシを見るや否や嬉しそうに駆け寄ってきた。
サトシ「ヒトカゲ、お前・・・。」
ヒトカゲ「カゲ。」コクリ
サトシ「そうか、お前も・・・。」
タケシ「サトシ、それよりも今は・・・。」
サトシ「そうだな。」
カスミ「急ぎましょ!」
???「物好きな奴だな。」
突然声を掛けられ、振り向くと真夜中の姿のルガルガンを連れた特徴的な茶髪の少年トレーナーがいた。
サトシ「誰だお前?」
クロス「俺の名はクロス、そいつの元トレーナーだ。」
タケシ「なに!?」
カスミ「あんたが捨てたっていうの!?」
目の前の人物のクロスはヒトカゲを捨てたトレーナーだと自ら明かした。
クロス「だからなんだ?そいつは弱いから捨てたんだ。ついてくるなって言ってるのにしつこいからそこで待てって言ってたんだがな。」
サトシ「そう言うお前の方が最低だけどな。」
クロス「なんだと?」
サトシ「ヒトカゲの力のほんの少しも発揮させることもできないお前自身が弱いって言ってるんだ。」
クロス「お前!」
ルガルガン(真夜中の姿)「ルガン!」
サトシ「ふん!」
ドゴーン!
ルガルガン(真夜中の姿)で仕掛けてきたが、サトシは蹴り飛ばして近くの木に叩きつけた。
ルガルガン(真夜中の姿)「キャウウン!?」
クロス「ルガルガン!?」
サトシ「トレーナーがトレーナーなら、ポケモンもポケモンだな。」
クロス「貴様!」
サトシ「やるか?」ギロリ
ピカチュウ「ピーカ。」ギロリ ビリビリ
クロス「!」
サトシがクロスを睨みつけてピカチュウが頬から電気をバチバチさせると、クロスは一瞬だけ恐怖を抱いた。
クロス(この俺が震えているだと?こいつを恐れているというのか?認めるか!)
???「グォウ!」
サトシ「え!?」
タケシ「なんだ!?」
カスミ「なに!?」
クロスと対峙していたら突然雄叫びが聞こえ、そこには全身の茶色い毛皮と背中と胸から生えている鋼色の甲殻、冠のようにも見える額の黄色い飾りが特徴で、四肢は獅子のような逞しさを持っており、顔は頬が赤色の甲殻に覆われ、後頭部からは火山の噴煙を思わせる鬣が、背中全体を覆うように伸びているポケモンがいた。
エンテイ「グォウ。」
サトシ「え、エンテイ!?」
カスミ「うそ!?」
タケシ「何でこんな所に!?」
その正体はジョウト地方の伝説のポケモンの1体のエンテイだった。そのエンテイはサトシをじっと見つめていた。
クロス「は、ハハハハー!!見つけたぞエンテイ!俺の、俺のポケモンになれ!行け、ルガルガン、ガオガエン!!」
ルガルガン(真夜中の姿)「ガルゥ!」
ガオガエン「ガエン!」
サトシ「ガオガエン!?」
タケシ「またアローラのポケモンか!」
サトシ達同様に固まっていたクロスだったが、突然高笑いをして蹴飛ばされたルガルガン(真夜中の姿)と持っていたボールからガオガエンを繰り出してエンテイに攻撃を仕掛けた。
クロス「ルガルガン、ストーンエッジ!ガオガエン、DDラリアット!」
ルガルガン(真夜中の姿)「ガルゥ!」
ガオガエン「ガエン!」
エンテイ「グォウ!」
ドカーン!
ルガルガン(真夜中の姿)「ルガン!?」
ガオガエン「ガエン!?」
クロス「なに!?」
タケシ「今のは破壊光線!」
カスミ「なんて威力!」
2体の攻撃を諸ともせず、エンテイは破壊光線で一掃した。するとエンテイはサトシを見つめ続けていた。すると・・・。
ピカーン!
サトシ「ん?」
サトシの懐から何かが光り出し、取り出すと虹色の羽が輝きを放っていた。
タケシ「あれは・・・。」
カスミ「虹色の羽よ。」
クロス「くっ!」
エンテイ「グォウ・・・。」
輝きを放つ虹色の羽にエンテイが目を細めてサトシを爪先から頭のテッペンまで凝視する。そして視線をヒトカゲに向けるとサトシに向かって炎を放った。
ボッ!
サトシ「うわぁ!?」
カスミ・タケシ「「サトシ!?」」
だが放たれた炎はサトシに当たることなくサトシの目の前に着弾して轟轟と燃えていた。
エンテイ「グォウ。」
サトシ「『この炎を使え』、だって?」
エンテイ「グォウ。」コクリ
エンテイの言う通りに両手を炎に突っ込み抱えるヒトカゲを炎に浸す。
サトシ「不思議だ。全然熱く感じない。」
すると弱弱しかったヒトカゲの尻尾の炎は次第に強くなり、顔色が悪かったヒトカゲも良くなった。
その直後、役目を終えた様に炎が一瞬で消え、後には灰だけが残っておりピカチュウが掻き集めていた。縁起物だと思いサトシも掻き集めて袋に詰める事にした。
サトシ「・・・ありがとう、エンテイ。」
エンテイ「グォウ。」コクリ
サトシがお礼を言うとエンテイは小さく頷き、森の中へと消えていった。
タケシ「サトシ、ヒトカゲをポケモンセンターに!」
サトシ「ああ。」
カスミ「急ぎましょ!」
大雨なのは変わらないのでヒトカゲをポケモンセンターに連れて行くことにした。
クロス「何故だ?何故あんな奴が!」
クロスが何やら呟いているとも気づかずに。
ポケモンセンターに辿り着き、ヒトカゲをジョーイに治療を任せてサトシ達は濡れた身体を温めて身体を休める事にした。
サトシ「ヒトカゲ、今回はあのクロスって奴に捨てられたのか。」
カスミ「前はダイスケっていう最低な奴だったわね。」
タケシ「あいつもろくでなしだったがな。」
クロスのことは最低な奴だと前回のダイスケ同様評判が悪かった。
サトシ「それにしても、エンテイが現れるなんて思わなかったな。」
カスミ「ええ。」
タケシ「それにしてもサトシ、あの虹色の羽をどうやって手に入れたんだ?」
サトシ「マサラタウンを旅立った時なんだけど・・・。」
サトシは旅立ちの時のことを話し、懐から虹色の羽を取り出した。
タケシ「綺麗な羽だな。」
カスミ「ええ。」
サトシ「持ってみるか?」
タケシ「ああ。」
タケシに虹色の羽を持たせてみるとタケシが持った瞬間に虹の輝きが消えてしまった。まさかの事態に慌てたタケシがサトシに返すと虹色の輝きを取り戻し元の虹色の羽に戻る。
タケシ「い、一時はどうなるかと思ったぞ。」
カスミ「まあ、サトシは伝説や幻のポケモンに認められることが多くあったからね。」
サトシ「いつかまた会いたいとは思ってるけどな。」
そんな話をしつつ、翌日になるとヒトカゲがジョーイから元気になったと知らせを受けてポケモンセンターの外に出た。
サトシ「ヒトカゲ、また俺達と強くなろうぜ。」
ヒトカゲ「カゲ!」コクリ
ヒトカゲの返事を受けてサトシはモンスターボールを投げた。ボールはヒトカゲに当たり、ヒトカゲはボールに入ってゲットされた。
サトシ「ヒトカゲ、ゲットだぜ!」
ピカチュウ「ピ、ピカチュウ!」
新たにヒトカゲを仲間に加えてサトシ達の旅はまだまだ続く。この時サトシは懐にある虹色の羽が静かな輝きを放った事に気付かなかった。
エンテイ『・・・また会おう、ホウオウに選ばれし者よ。』
離れた所でそれを見届けたエンテイも静かに去っていった。
サトシのポケモン
ピカチュウ
ケロマツ
モクロー
ニャビー
バタフリー
ピジョン
フシギダネ
ヒトカゲ