サトシ「お邪魔します。」
サトシは勢いよく扉を開けることなく、丁寧に挨拶してジムの中に入った。だがジムの中は真っ暗だった。
カスミ「暗いわね。」
リーフ「まだ準備中かな?」
サトシ「前と同じか。」
ピカチュウ「ピッカ。」
???「・・・ジムの挑戦者か?」
威厳のある声と共に照明がつくと、逆立った髪型と糸目が特徴的な、浅黒い肌の10代半ばくらいの男性が大きな石の上に居た。その男性こそ、このニビジムのジムリーダーにして、サトシの兄貴分だったタケシだった。
サトシ「あ、ええっと。」
タケシ「・・・ふっ、そんなに固くならなくていい。」
サトシ「え?」
タケシ「待っていたぞ、サトシ。」
サトシ「まさか。」
タケシ「ああ、俺もだ。それと弟達や俺のポケモン達もな。」
サトシ「そっか。」
リーフ「ねえ、2人は何の話をしているの?知り合いみたいに話しているけど・・・。」
カスミ「さあ、なんでしょうね。」
観客席である2階に移動したカスミはリーフに質問されたが上手く誤魔化して、リーフは納得できない顔をしていた。
タケシ「カスミもいたんだな。」
サトシ「ああ。自転車は壊していないけど、なんやかんやで一緒に旅することになったんだ。」
タケシ「もう1人は以前挑戦に来た子だが、お前の知り合いか?」
サトシ「この世界でできた、俺の同期の幼馴染のリーフだ。」
タケシ「成程な。(相変わらず羨ましい奴め。)」
お姉さん好きのタケシはサトシの天然タラシに内心嫉妬していたが直ぐに真剣な顔になった。
タケシ「それじゃ、早速始めるか。」
サトシ「ああ。」
パチン!
タケシが指をパチンっと鳴らすととジムのセットが反応し、岩のバトルフィールドが直ぐにセットアップされた。
サトシ「岩のフィールド・・・。」
タケシ「そうだ。そしてこのジムのルールはジムリーダーは交代認められず、チャレンジャーは交代が可能。使用ポケモンは互いに2体だ。」
サトシ「そうか。」
タケシ「それと、弟達にはちゃんと釘は刺してあるぞ。」
サトシ「え?」
タケシ「あの時は途中で終わってしまったが、今回は真剣にやるぞ。」
サトシ「望むところだ!」
そう言って2人はそれぞれの位置についてボールを構える。
タケシ「先ずはお前だ!イシツブテ!」
サトシ「モクロー、君に決めた!」
ポーーーン!
イシツブテ「ラッシャイ!」
モクロー「ホォウ!」
タケシ「そのモクローは!?」
サトシ「ああ、俺がアローラで仲間にしたモクローだ。2年前にアローラに行ってな。」
タケシ「成程。だからって手加減はしないぞ。イシツブテ、ロックカット!」
イシツブテ「ラッシャイ!」
タケシ「そのまま丸くなるからの転がる攻撃だ!」
イシツブテ「ラッシャイ!」
サトシ「モクロー避けろ!」
モクロー「ホォウ!」
サトシ「葉っぱカッター!」
モクロー「クロー!」
イシツブテの転がるを避けたモクローはイシツブテに葉っぱカッターを放った。だがロックカットで素早さを上げていたため当たることはなかった。
サトシ「簡単には当たらないか!」
タケシ「そういうことだ。イシツブテ、岩落とし!」
イシツブテ「ラッシャイ!」
サトシ「ヤバい!モクロー、当たらないように避け続けろ!」
モクロー「ホォウ!ホォウ!ホォウ!」
タケシ「いつまで持つかな?」
モクローはイシツブテの岩落としを連続で回避するが岩の数が多くて中々突破口が見いだせなかった。
サトシ(何か手はないか?・・・そうだ!)
タケシ(あの顔、何か閃いたな。)
サトシ「モクロー、兎に角岩落としを避け続けろ!」
モクロー「ホォウ!」
タケシ「ただ避けているだけじゃ倒せないぞ。イシツブテ、岩落とし!」
イシツブテ「ラッシャイ!」
サトシ「イシツブテの周りを飛び続けろ!」
モクロー「クロー!」
ドゴーン!
イシツブテ「ラッシャイ!?」
タケシ「これは!?」
イシツブテの岩落としはモクローがイシツブテの周りを飛び回ったことでイシツブテを囲むように落ちた。そのためイシツブテは岩の中に閉じ込められてしまった。
サトシ「葉っぱカッター!」
モクロー「クロー!」
逃げ場を失ったイシツブテはモクローの葉っぱカッターを受けて戦闘不能になった。
タケシ「戻れイシツブテ。」
シュルルルーン
タケシ「まさか岩落としを利用してくるとはな。」
サトシ「へへ!」
リーフ「凄い。」
カスミ「本当ね。(相変わらずやることが滅茶苦茶ね。)」
サトシ「モクロー、このまま頼むぜ!・・・モクロー?」
モクロー「zZz」
サトシ「モクロー;」
ピカチュウ「ピーカ;」
タケシ「あはは;」
モクローは疲れたのか飛びながら寝ていた。
リーフ「ね、寝てる?;」
カスミ「バトルで疲れたのね;」
サトシ「はぁ。モクロー、戻って休んでくれ。」
シュルルルーン
サトシ「悪いなタケシ。」
タケシ「なに、モクローも頑張った方さ。だが次はそうはいかないぞ。来い、イワーク!」
ポーーーン!
イワーク「イワァァァァァァ!!」
サトシ「イワークか!」
タケシ「さあ、どうするサトシ?」
サトシ「だったら俺は!ケロマツ、君に決めた!」
ポーーーン!
ケロマツ「ケロ!」
タケシ「今度はカロスのポケモンか。」
サトシ「ああ。行くぞケロマツ!水の波導!」
ケロマツ「ケーロ!」
タケシ「甘いぞサトシ!イワーク、ロックカットからの穴を掘るだ!」
イワーク「イワァ!イワァアアア!!」
ドゴーン!
水の波導はロックカットで素早さを上げたイワークに掠り程度しか当たらず、穴を掘るで回避された。
タケシ「締め付けるだ!」
サトシ「イワークに悟られないように影分身だ!」
ケロマツ「「「「ケロ!ケロ!ケロ!ケロ!」」」」
イワーク「イワァアアア!」
タケシ「やるな!」
サトシ「居合切り!」
ケロマツ「「「「ケロ!ケロ!ケロ!ケロ!」」」」
バシュン!バシュン!バシュン!バシュン!
イワーク「イワァアアア!?」
サトシ「トドメの水の波導だ!」
ケロマツ「ケーロ!」
バシャン!
イワーク「イワァアアア!?」
ケロマツの水の波導を受けてイワークは戦闘不能になった。
サトシ「よっしゃ!」
ピカチュウ「ピッカ!」
ケロマツ「ケロ!」
リーフ「やった!」
カスミ「ま、頑張ったわね。」
タケシはイワークを戻してサトシの元に歩み寄った。
タケシ「流石だなサトシ。」
サトシ「皆が頑張ってくれたお陰さ。」
タケシ「そういう所も変わってないな。これが勝利の証のグレーバッジだ。」
サトシ「サンキュー。グレーバッジ、ゲットだぜ!」
ピカチュウ「ピ、ピカチュウ!」
ケロマツ「ケロケロ!」
モクロー「ホォウ!」
いつの間にか出てきていたモクローと共にいつもの台詞を言うサトシであった。
ジム戦を終えたサトシ達はポケモンセンターでポケモン達の回復をしてもらっていた。
サトシ「さて、次はハナダシティかな?」
タケシ「次に一番近いジムはそこしかないからな。」
サトシ「リーフはどうする?」
リーフ「本当はハナダシティまでサトシの様子を見たかったけど、一足先にハナダシティに行って今話題になっている水中ショーを観に行かないと行けないの・・・。」
タケシ「ハナダシティで?」
リーフ「実は親の手伝いで。」
サトシ「そっか、リーフのお父さんはシルフカンパニーの社長だもんな。」
カスミ「シルフカンパニー!?」
タケシ「モンスターボールとかの道具を開発・製造しているカントーで有名な会社じゃないか!」
リーフ「うん。お父様にジムチャレンジ中でもいいから仕事を手伝ってほしいって言われたの。」
カスミ「でもそれだとまともな旅ができてないんじゃない?」
リーフ「それについてもお父様に抗議したんだけど・・・お父様は・・・。」
執事「旦那様はリーフお嬢様を溺愛されてますからな。つい過保護になってしまわれるのです。」
サトシ「あ、執事さん。」
執事「お久しぶりです、サトシ様。」
サトシ達の会話に割って入ってきたのはリーフを迎えに来た執事だった。サトシとは前々から面識があったため直ぐに会話が弾んだ。
執事「私がお嬢様をこのニビシティに連れてきたのはニビ博物館でのイベントに間に合わせる為でもあるのです。」
リーフ「ごめんね、時間を取らせちゃって。それじゃ、私はもう次に行くね!また会ったらバトルとか色々としようね!」
サトシ「ああ!お互い頑張ろうぜ!」
そう言ってリーフは執事と共に先にハナダシティへと向かうのだった。
サトシ「そういえばタケシ、ムノ一さんは?」
タケシ「さっき帰ってきた。ジムや弟達は親父が面倒を見るから夢を叶えてこいって押してくれたよ。」
サトシ「ということは・・・。」
タケシ「ああ、俺もお前の旅に同行するよ。ジムリーダー変更届もジロウにするためこの後出す予定だ。」
サトシ「そっか。またよろしくな、タケシ。」
カスミ「カントーの旅といえば、やっぱりこれよね。」
こうしてカントーで旅をした3人が揃い、新たな冒険が始まった。
サトシのポケモン
ピカチュウ
ケロマツ
モクロー
ニャビー
バタフリー
ピジョン