不死鳥忍者部隊ザ・フェニックス   作:shpfive03

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優香里さん、この輝きを受けてください イエロー・フェニックスりりか

「きえええええええぇっーーーー!!!」

 

奇声をあげながら襲いかかるヴェノム・ナース優香里の猛攻に苦戦するフェニックス・メンバーだった。

 

何しろ正体が松岡優香里看護師だと分かっているだけに、彼女を殺す、傷つけるという決断が出来ない。

 

その一方で、ヴェノム・ナース優香里は獣のような俊敏さで天井や壁を蹴り、多角的な突撃を仕掛けて来る。

 

たった一人の敵であるはずなのに、五人のフェニックスたちは翻弄されていたのだ。

 

「 来るぞ、凱さんっ!」

 

グリーン・フェニックス烈が叫ぶ。

 

「きえええええええぇっーーーー!!!」

 

ヴェノム・ナース優香里は今度は銀色の戦士に向かって飛びかかってきた。

 

それを迎え撃つシルバー・フェニックス凱が、その手にした剣を右回しに高速回転させる。

 

「フェニックス・ワールウィンド・スラッシュ!!」

 

その旋風回転は大きな風を呼び、そして、それはカマイタチのように、ヴェノム・ナース優香里に向かって攻撃を仕掛ける。

 

だが、ヴェノム・ナース優香里は、そのカマイタチ攻撃を

 

ひらり、ひらり

 

巧みにかわすと、その手に持つ注射器のような剣を向けて、シルバー・フェニックス凱に向かって襲いかかってきた。

 

それを見たグリーン・フェニックス烈は敢えて防御を捨てると、ヴェノム・ナース優香里がシルバー・フェニックス凱に向かって突き出してきた注射器のような剣に向かって飛び出していき、その間に自分の義手である左腕を差し出したのだ。

 

ガッシーーーーンッッ!!!

 

なんとグリーン・フェニックス烈の左腕は、ヴェノム・ナース優香里の注射器のような剣による猛攻をも跳ね返したのだ。

 

「無駄だ! この左腕には、お前の毒エネルギーも通用しない!」

 

思わず叫ぶグリーン・フェニックス烈

 

そして

 

「ぎゃああああああああーーーーっっ!!」

 

その衝撃でヴェノム・ナース優香里はその場に転倒する。

 

「今だっ!!」

 

グリーン・フェニックス烈の義手がエメラルド色に輝きはじめる。

 

「これで吹き飛べ!、フェニックス・グリーン・ブラス…」

 

だが、そんなグリーン・フェニックス烈を手で制止したものがいる。

 

「竜也さん!!」

 

思わず自分を制止した者、ブルー・フェニックス竜也の方を振り向く。

 

だが

 

「烈、気持ちは分かるんだが、ここは俺とりりかに任せてくれ。ここで彼女を消滅させても、それが勝利じゃない!」

 

グリーン・フェニックス烈にそういった竜也は、今度はイエロー・フェニックスりりかの方へと視線を向ける。

 

その間にヴェノム・ナース優香里は立ち上がって、体勢を立て直していた。

 

それは承知の上で

 

「いいかっ!、りりか、よく聞け!!」

 

ブルー・フェニックス竜也は、イエロー・フェニックスりりかに向かって大声で叫ぶ。

 

「これは賭けだ。俺の見るところ、優香里さんの心は、まだ死んでいない。もしかしたら、お前のフェニックス・シャイニング・ソードで心を取り戻す事が出来るかもしれない!」

 

ブルー・フェニックス竜也のその声は、ヴェノム・ナース優香里の

 

「きえええええええぇっーーーー!!!」

 

耳を劈く奇声と、毒液が地面を焼く音を突き抜けてイエロー・フェニックスりりかの耳に届く。

 

フェニックス・シャイニング・ソード

 

不死鳥の光輝く剣こそは、イエロー・フェニックスのみが行使する事が出来る霊力により、相手の魂を映し出すことにより洗脳や呪縛を断ち切る究極の破邪の剣

 

ただし相手に「善の心」が残っていないのであれば、単にその存在を破壊する事になる剣でもある

 

「でも、竜兄ちゃん!! もし失敗したら、私が優香里さんの命を奪うことになるかも……!」

 

躊躇するイエロー・フェニックスりりかの前で、ブルー・フェニックス竜也は青いマスク越しでも分かるほどの鋭い眼光で

 

「きえええええええぇっーーーー!!!」

 

今度はグリーン・フェニックス烈と自分に向かって襲いかかるヴェノム・ナース優香里を凝視した。

 

「今から俺が、あいつの動きを完全に止める。安心しろ、お前に失敗はさせない!!」

 

そう言うとブルー・フェニックス竜也はヴェノム・ナース優香里の猛攻の真っ只中へ正面から勢いよく飛び込んだのだ。

 

ザシュッ!!!

 

ヴェノム・ナース優香里の注射器を模した剣がブルー・フェニックス竜也の肩を裂き、火花が散る。だが、彼は退かない。

 

「竜兄ちゃん!?」

 

「りりか、迷うな! これは運命の結果なんかじゃない、そんな未来は、俺たち自身がこの手で変える、それを忘れるなっ!!」

 

ブルー・フェニックス竜也は自らの体を盾にしながら、ヴェノム・ナース優香里を力任せに羽交い締めにし、その動きを封じた。ゼロ距離で浴びせられる毒液と奇声。スーツの警告音が鳴り響く。

 

「今だ、いけぇっ! りりかぁーー!!」

 

ブルー・フェニックス竜也の捨て身の咆哮。その熱い意志がイエロー・フェニックスりりかの心に火をつけた。

 

彼女は自らの持つ剣を大きく天に向かって掲げる。

 

それは破壊の剣ではなく、聖なる光の剣、明日への希望の光。

 

イエロー・フェニックスりりかはその剣を大きく振りかぶると

 

「優香里さん、私は信じてます。あなたの本当の心は、まだここにあるって事を!!」

 

そう、大声で叫んだ。

 

竜兄ちゃん、見てて!!

 

イエロー・フェニックスりりかの全身から、強いオーラが溢れ出てくる。

 

「伊賀忍法極意……フェニックス・シャイニング・ソード!!」

 

不死鳥の輝く剣は、今やイエロー・フェニックスの手の中で強い光を放っていた。

 

そして、その光と輝きの剣を頭上に掲げると、精神エネルギーを集中させる。

 

そして剣を眩い輝きをブルー・フェニックス竜也に取り押さえられているヴェノム・ナース優香里に向けた。

 

剣の輝きは、ヴェノム・ナース優香里の影を大きく映し出す。

 

「輝きよ、破邪の光となれっ!」

 

イエロー・フェニックスが剣を一閃させると、剣の輝きは不死鳥の形をとり、そして音速すら超えてヴェノム・ナース優香里へと向かっていく。

 

そして放たれた不死鳥の輝きは、そのままヴェノム・ナース優香里の体を包み込んでいった。

 

それは、肉体を切り裂く輝きではない。

 

不死鳥の輝きはヴェノム・ナース優香里の心を縛り付けていたチグルマンの『変異の影』だけを正確に貫き、焼き払っていく。

 

「きえええええええぇっーーーー!!」

 

ヴェノム・ナース優香里の体内に埋め込まれたヴェノム・コアが激しく暴れ出す。

 

彼女は大きな悲鳴をあげた。

 

「私、信じてる、優香里さん、戻ってきて!!」

 

イエロー・フェニックスりりかは閃光と共に一気に踏み込んでいった。

 

ブルー・フェニックス竜也が必死で作った一瞬の隙。

 

シャイニング・ソードの切っ先が、ヴェノム・ナースの胸に宿る『チグルマンの毒』だけを正確に貫いていく。

 

まばゆい光が二人を包み込み、ヴェノム・ナース優香里の悲鳴は、次第に穏やかな女性の声へと変わっていく。

 

竜也は崩れ落ちそうになる優香里を、その腕でしっかりと受け止めた

 

紫黒の毒が噴き出し、ヴェノム・ナース優香里のアイマスクがひび割れていく。

 

ついに桐谷が目を見開き、高笑いを止めて叫んだ。

 

「なっ……!? 何するのよ、あんた!!私の芸術を……私の傑作を壊す気!?」

 

だが、そんな桐谷の言葉は、もうヴェノム・ナース優香里には届かない。

 

彼女の意識の中で、過去の記憶がフラッシュバックする。

 

病院で笑顔で患者の世話をする日々……

 

板垣大臣の優しい言葉……

 

その孫娘を演じていた鳳桃香の笑顔……

 

「……私……私は……看護師……だった……」

 

イエロー・フェニックスりりかは剣を握ったまま、必死に彼女に向かって声を届ける。

 

「優香里さん!あなたの優しさは、チグルマンの毒なんかじゃ塗り潰せない!私が……シャイニング・ソードの聖なる力で、その鎖を断ち切ります!だから……どうか、戻ってきてください……人の心を!!」

 

シャイニング・ソードが最大光量を発し、ヴェノム・コアを内側から浄化していく。ヴェノム・ナースの身体が激しく震え、紫の毒が黒い煙となって蒸発していく——。

 

そして不死鳥の輝きがその場から消えた時

 

ドサッ!!!!

 

ヴェノム・ナース優香里は、元の看護師松岡優香里の姿に戻っていたのだ。

 

ただし、完全に元に戻ったわけではなく、ヴェノム・ナースとしての毒の後遺症で力尽きた状態ではあったのだが…

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

そして、その結果を見て桐谷は、自身の作品であるヴェノム・ナースが、元の人間松岡優香里の姿に戻ったのを優雅に眺めながら

 

パチパチパチパチ

 

ゆっくりと拍手した。

 

「まあ……私の最高傑作が、こんなに脆かったとは。感情の残滓を残しすぎたのが失敗だったかしら。でも、いいデータは取れましたわ。ありがとう」

 

この期に及んでも彼女は余裕綽々の様子を崩さない。

 

その様子を見て

 

「桐谷さん、どこまでもあんたという奴は…」

 

怒りに任せて、既にエネルギーが充填されている左腕を彼女に向けようとするグリーン・フェニックス烈。

 

「竜也さん、こいつならいいだろう!!、こんな奴、既に人じゃない!!」

 

彼はフェニックス・グリーン・ブラストを目の前の桐谷に向かって放とうとしていたのだ。

 

だが桐谷はそんなグリーン・フェニックス烈に向かって余裕の笑みを浮かべる。

 

「その通りよ。私は既に無力な人間じゃない」

 

そして

 

「それよりも、あなたたち。一応は人の姿に戻った彼女をこれからどうするつもり?」

 

そう言うと桐谷は、人の姿に戻ったものの、その場に気を失って倒れている松岡優香里を指差すと

 

「それに、この施設が表向きは[b:高級ホリスティック医療センター]、つまり心身を統合的に治療する自然療法・リハビリ重視の病院として運営されていることくらい、いくら鈍感なあなたたちでも分かるわよね!」

 

あらためて、そう語り出す。

 

「ここは一般患者も受け入れているれっきとした病院施設。完全に無関係な[b:通常の一般患者]だっているのよ。随分派手にやってくれたけど、あなたたち、私を倒した後、ここの入院患者をどうするつもりなの?、ここの後始末はどうするつもりなの?」

 

「そんなのは、お前を倒してから考えればいい!!!」

 

グリーン・フェニックス烈は、ほとばしる感情で熱くなっていた。

 

 

だが、そんな彼を見て、桐谷はニヤリと笑う。

 

「何がおかしい!!」

 

そんなグリーン・フェニックス烈を冷ややかに見た桐谷は、その白衣の前をはだけさせ、首に下げていたサソリのペンダントを強く握りしめる。

 

「さて……ここまで私の病院、そして作品を壊されたのですから、私自身が直接、皆さんを浄化して差し上げましょう」

 

そして彼女は

 

「化身っ!!」

 

大きな声でそう叫ぶと、両手をクロスさせた上で、それを大きく上に回し、再びクロスさせる。

 

次の瞬間、桐谷の身体は紫黒の毒気と緑色の再生光に包まれる。

 

白衣が溶けるように剥がれ落ち、黒と紫を基調とした極めて露出度の高い、女王のような戦闘ドレスに変化していく。

 

それも一時的なものだった。

 

やがて、その体は鎧のような甲殻をに覆われ、全身の関節や甲殻の隙間、そして巨大なハサミや尾の先端から、毒々しい紫と緑の毒霧として常に溢れ出ている怪物の姿へと変貌していく。

 

 

「クカカカカカカカカカカカカーーーッ!!」

 

奇怪な叫び声とともに毒サソリの化物、いや変異化忍がフェニックスたちの前に姿を現したのだ。

 

「桐谷沙耶は人の時の名前、今の私はチグルマンの変異化忍サソリーナ!!」

 

怪物は自ら名乗りをあげる。

 

そして、その異形の怪物に向かって

 

「化物め!、これで吹き飛べ!、フェニックス・グリーン・ブラスト!!」

 

グリーン・フェニックス烈は義手の掌を正面に向け、充填されたエネルギーを一気に解放した。

 

ドゴォォォォーーン!!

 

強力な緑色の衝撃波が爆発的に広がり、変異化忍サソリーナへと向かって行く。

 

だが桐谷、いや変異化忍サソリーナはその両手のハサミでフェニックス・グリーン・ブラストの光撃を受け止めると

 

「クカカカカーーーッ、このくらいで私を倒せると思うなっーー!!」

 

あっさりと、それをはね除けて見せたのだ。

 

「くっ!」

 

必殺技が通用しなかった現実を見て悔しがるグリーン・フェニックス烈

 

それを見た変異化忍サソリーナは

 

「クカカカカカカ!」

 

と叫ぶと

 

「お前たち出てこい!!」

 

大声で、この施設内にいるすべてのチグルマン男女戦闘員を動員する。

 

カッカッカッカッカッカッカッカッ

 

大勢の靴音がしたかと思うと

 

フェニックスたちとヴェノム・ナース優香里との戦闘などで廃墟のようになった院長室に二十人以上のチグルマン男女の戦闘員たちが集まってきた。

 

「クエッーー!!」

 

「クエッーー!!」

 

「クエッーー!!」

 

チグルマン男女戦闘員たちは剣を構え、一斉に奇声をあげる。

 

それに向かって

 

倒れたまま意識不明になっている松岡優香里を守るようにして囲んでいた五人のフェニックスたちも闘志を剥き出しにする。

 

だが、倒れている松岡優香里看護師をどうする?

 

そして変異化忍サソリーナは、そんなフェニックスたちに攻撃をするように

 

「かかれえっ!」

 

集まってきたチグルマン男女戦闘員たちに号令をした。

 

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