その後に『不死鳥忍者部隊ザ・フェニックス』をシリーズ化したという過去の経緯があり、この作品も番外編としてこちらで投稿させていただきます。
それと共に不死鳥忍者部隊ザ・フェニックスに『仮面ライダーV3』タグを追加します。
純子にはかつて想い人がいた。
風見志郎=仮面ライダーV3
50年近く昔、この日本社会を恐怖に陥れた悪の組織デストロン。
そのデストロンの悪魔の所業を目撃したばかりに命を狙われた珠純子は当時18歳。
その彼女を匿ったばかりにデストロンの差し向けた改造人間によって惨殺された風見一家。
だが、風見家の息子志郎と、娘の雪子は改造人間となることで奇跡的に生き残った。
そして風見家の長男志郎は仮面ライダーV3として生まれ変わり、デストロンと勇敢に戦ったのだ。
純子も弟のシゲル、風見志郎の妹雪子、そして今は亡き立花藤兵衛(当時存在した少年仮面ライダー隊の会長)などの協力を得て、志郎(V3)の戦いを支援し続けた。
戦いはおよそ一年ほど続き、そして、遂に志郎(V3)は勝利し、強大な悪の組織デストロンは滅びたのだ。
戦いが終わったとき、純子は思いきって志郎に対して、自分の想いを打ち明け、共に人生を歩ませてほしいと願った。
だが、志郎は純子のその願いをあえて拒絶し
「純子さん、あなたには人としての幸せをつかんでほしい」
という言葉を残して、妹の雪子と共に日本から去った。
その後、純子は特別公務員職にある風祭響という、どこか志郎と似た雰囲気を持つ男性と結婚し
やがて男の子が生まれた。
そして、その子も成人して結婚し、女の子をもうけた。
今、純子は風見志郎と知り合った当時の自分より一つ下の17歳の女の子を孫に持つ祖母である。
そして、その女の子は高校生でありながら
国家機密を扱う特別公務員職にあるのだ。
名は風祭りりか。
コードネームは
イエロー・フェニックス
という。
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「りりか、私から
もうすぐ70歳になる純子おばあちゃんは、孫であり、特別公務員職である『不死鳥忍者部隊ザ・フェニックス』の一員となったりりかに古びた赤いペンダントを手渡した。
りりかがまだ小さい頃、純子は時々
「りりか。おばあちゃんがまだ若かった頃、デストロンという悪の組織に襲われ、命まで狙われた時、その強大な悪の組織と勇敢に戦った英雄がいたのよ」
という話を聞かせていた。
まだ幼かった当時のりりかは、そんな祖母の話を目を輝かせながら聞いていたのだ。
彼女は、その幼い時から自らの家系が代々受け継ぐ『特殊な職業』のことを知っており、いつか、自分がその一員になるだろうということも理解していた。
そんなりりかにとって、過去に強大な悪の組織と英雄仮面ライダーV3と共に戦ったという祖母は誇りでもあったのだ。
純子が普通の男性と思って結婚した風祭響は、実は内閣調査室の特命で動く伊賀班統括部のリーダーという特殊な任務についていたのだ。
現在では伊賀班統括部の『主忍』という地位にある。
建前としては『世界平和を守るため』のようなスローガンを掲げてはいるが
実際には『日本国の治安を守るため、内閣調査室の特命により動く』現代の伊賀忍者、そのまとめ役である。
徳川幕府の命によって、国の治安を守るため、様々な内偵、秘密工作を行ってきた忍軍の子孫たち。
その組織は徳川幕府の大政奉還後、天皇陛下の名のもとに、明治新政府に属することとなり
そして、紆余曲折はあっても、その姿を都度変えて、現代まで組織は生き続けている。
江戸時代と違うのは、命令をくだす側の立場が、その時の政治情勢により、いろいろ変わることだろうか‥‥
けれども、実際に国の治安を預かり、その平和を守っている
その誇りを持って任務に当たっている。
純子は、その一員であり、主要なメンバーである男性と、それと知らずして結婚したのだ。
勿論、今は夫の『職業』については知っており、理解もしているつもりであるが。
そして
今や令和という年号に代わった現代、過去からの系譜を受け継ぐ強大な悪の組織が再編され、再び
それに対抗するため、現代の伊賀忍の中から優秀なものを選抜して『特殊戦隊』を結成するということになり
優秀だったりりかは、そのメンバーとして選ばれたのだ。
メンバーの中では最年少。
けれども、過去に強大な悪と戦った祖母を誇りとする彼女は
進んで、新たに結成された忍者部隊に入隊したのである。
そして入隊が決まった、その日の夜
りりかは祖母である純子から
その古びた赤いペンダントを渡されたのだ。
「おばあちゃん、これは?」
「これはね」
純子は微笑んだ。
「おばあちゃんが少年仮面ライダー隊の一員だった頃のペンダントよ」
「へえっ‥‥」
りりかは目を輝かせる。
「このペンダントは当時、仮面ライダー隊との通信機能を持っていて、デストロンに襲われるなどの困ったとき、このペンダントを使って呼べば、仮面ライダーV3は必ず助けに来てくれたのよ」
懐かしそうに語る純子。
「今はもう少年仮面ライダー隊はないけれど、でも、このペンダントに願いを込めれば、その気持ちはライダーV3にきっと通じる」
その祖母に言葉に対してりりかは
「だったら私には必要ないわ」
と憮然とする。
「今の私は民間人じゃない、いや、民間の人たちを守らなければいけない立場よ。仮面ライダーV3がどれだけ強かったとしても民間人に変わりはないし、私たちは守られるのではなく、守らなきゃいけないの!!」
それは忍者部隊の一員になったばかりのりりかの初々しい決意の表明でもあった。
が、純子は微笑みを絶やすことなく
「りりか、いいからこれを受け取って」
と言った。
「あれから何十年もたち、もう仮面ライダーV3が本当にいるのかどうかも私にはわからない。でも、助けを求めるためじゃなくて」
そこで純子は孫であるりりかの目をきっと見据える。
「貴女にはV3の『心』を受け継いでほしいの。そして弱き人たちを守るためにこそ戦ってほしい。それが私の願い!」
りりかは祖母の真剣な眼差しを見て
「おばあちゃん、わかった!」
と返事をする。
「このペンダントから受け継いだ『おばあちゃんの想い』を受け取って、りりかは頑張ります!」
「ありがとう、りりか」
純子はそんな孫の決意を見て嬉しくなった。
「あなたのこれからの活躍、おばあちゃんは期待して見ています」
夜は次第に更けていく。