オレンジ色のターバンのような帽子に赤いアイマスクをつけ、前側上半身は赤だが、全体的には黒のレオタード調のスーツに身を包み、手には赤いロンググローブをつけ、腰には銀色に髑髏のエンブレムが入ったバックルをつけたベルトを着用、足には黒のロングブーツをはいた異形の姿をしたチグルマンの五人の戦闘員たち
「クエェーーーッ!」
独特の奇声をあげながら、女子高生風祭りりかが返信したばかりの不死鳥忍者部隊戦士イエロー・フェニックスに向かって襲いかかる。
そしてイエロー・フェニックスの背後には、彼女の幼馴染みであり、高校生としての友人でもある佐原陽菜が、同じく彼女たちの高校生としての友人である川口智花の首筋に背後からナイフを突きつけ、人質にしていた。
チグルマンの戦闘員たちと戦おうにも、陽菜によって智花を人質にとられたイエロー・フェニックスは下手な抵抗も出来ないのだ。
もう一人の友人である西野翠は、想像もしていなかった事態に震え、ただ、おろおろするばかり
一方で悪の組織チグルマンの使い魔である一つ目鬼は
「フガアッー!!」
と雄叫びをあげながらも、まずはお手並み拝見とばかりに、配下であるチグルマン戦闘員たちがイエロー・フェニックスを取り囲む様子を見ている。
もはや絶体絶命か?
だが、実はイエロー・フェニックスには、ある確信があったのだ。
「クエェッーー!!」
チグルマン戦闘員の姿をした男の一人が、イエロー・フェニックスに向かって、自分の持つ剣を投げつけた
か、に見えた。
ビュンッ!!!
が、イエロー・フェニックスがそれを軽くかわすと
その剣は、何と
友人であるはずの智花の首筋にナイフを突きつけていた佐原陽菜の、その右腕を強くかすめたのだ。
シュッ!
「きゃあっ!!」
投げつけられた剣によって右腕を傷つけられた陽菜は、思わず智花に突きつけていたナイフを落としてしまう。
そして
次の瞬間、イエロー・フェニックスは大きく跳躍する。
「やああああああああっっっ!!!」
そして、そのまま、長年の幼馴染みであり、親友であったはずの佐原陽菜に向かって、キックを繰り出したのだ。
「陽菜っ、ごめんっ!!」
一瞬だけイエロー・フェニックスは呟いた。
が、容赦することなく、そのまま彼女は目の前の佐原陽菜を蹴飛ばしたのだ。
「あああっ!!」
イエロー・フェニックスのキック技を受け、堪らず、その場に倒れてしまう陽菜
「智花、今のうちに、早く!」
陽菜が倒されたことで突きつけていたナイフから解放され、自由の身となった智花はそのまま、その場に降り立ったイエロー・フェニックスの背後に隠れるように回り込んだ。
続いて翠も同じく、イエロー・フェニックスの背後に避難するかのように隠れる。
思わぬ事態に
「フガアッー!!」
一つ目鬼は怒りの声をあげながら、予想もしなかった方向に剣を投げつけたチグルマン戦闘員の姿をした男の姿を睨み付ける。
勿論、他の四人のチグルマン戦闘員たちも、警戒するようにその男を取り囲んだ。
「クエェッーー!!」
奇声をあげて、仲間だと思っていた、その男を取り囲むチグルマン戦闘員たち。
「き、貴様、何者だ?、戦闘員じゃないな!!」
怒りの声でそのチグルマン戦闘員の姿をした男に向かって一つ目鬼は叫んだ。
「勿論、その通り!!」
なに食わぬ様子で、そのチグルマン戦闘員の姿をした男は一つ目に向かって返事を返す。
そして、クルリと一回転して見せると、そこには、もうチグルマン戦闘員の姿はなく
青いジャンバーにデニムの長ズボンというラフな姿の長髪の青年がそこにいたのだ。
「フガアッー!!」
一つ目鬼は怒り心頭に、その男を指差すと
「き、貴様あっ!!」
と声を震わせる。
「その通り!!」
青いジャンバーに青のデニム姿の青年は一つ目鬼、そして四人のチグルマン戦闘員たちに向かって、キッパリと自らの名を叫ぶ。
「葵 (あおい)竜也、ただいま見参!!」
だが、その宣言を聞いて、真っ先に叫んだのは、一つ目鬼でも、チグルマン戦闘員たちでもなかった。
「竜兄ちゃんっ!!」
イエロー・フェニックスの歓声である。
その声に対して、竜也も応える。
「たくっ、お嬢、いつもながら危なっかしい奴だな!」
それに対して、イエロー・フェニックスは
「だって、こんなこと予想も……」
そこまで竜也に答えたのだか、そんな彼女の目の前で
いったんはイエロー・フェニックスのキック技により倒された佐原陽菜が、ゆっくりと、その口から少し血を流しながらも立ち上がってきたのだ。
「りりか、よくも!、よくも!、やってくれたわね!!」
まさに激怒という表現がふさわしい叫び声を上げた陽菜は、それこそ殺意を剥き出しに、イエロー・フェニックスを睨んだのだ。
イエロー・フェニックスは、その背後に智花、翠、二人の友人を庇いながらも
「陽菜、お願い!。本当にどうしちゃったの?、考え直してよ!!」
そして、及ばずながらも、イエロー・フェニックスの背後で隠れた形の智花も
「陽菜、りりかの言う通りよ!」
と、続けて、その声をあげる。
そして、同じく翠も
「陽菜、止めてよ!、一体どうしちゃったの?」
と親友だったはずの陽菜に向かって疑問をぷつけたのだ。
だが、陽菜は、そんな親友だったはずの三人の声を聞いても、ふっと冷笑するばかり
そして
「智花、翠、ごめんね。あなたたちには何の恨みもないけど、これは私とりりかの長年の確執なのよ」
確信犯的に断言するのだった。
「そんなことないっ!」
イエロー・フェニックスは、なおも叫ぶ。
「長年の確執?、何なの、それ?、言いたいことがあるなら、いつだって私に言ってよ!」
それを聞いた陽菜は、あらためてフッと笑う。
その笑いには自嘲的なものが含まれていたが…
「言いたいこと?」
陽菜はキッパリと言いきった。
「なら、言ってあげるわ!、私はこの手であんたを倒す!」
そして
「どのみち智花と翠を背中に庇いながらじゃ、あなたも満足に戦えないでしょ!」
いつの間にか、制服姿のままの陽菜は剣を持ち、そして、それを構えていた。
そして
「りりか、行くわよっ!」
叫びながら、その剣で陽菜はイエロー・フェニックスに向かって斬りかかってきたのだ。
智花と翠、二人の友人を背中で庇いながらも
イエロー・フェニックスは、それに応戦するしかなかったのだ。
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「フガアッー」
一つ目鬼は、またしても雄叫びをあげると
「ブルー・フェニックス!、貴様、いつ、俺たちの動きを知って、戦闘員に化けて紛れ込んでいたのだ?」
それに対して竜也は
「戦闘員に化けたのは、つい、さっきかな?」
済まして答えると
「もっとも二、三日前くらいから陽菜ちゃん、つまり009号の様子がおかしいという話は桃香がしていて、そして、逆にそれを手がかりにして、俺たちは貴様らの動きを掴んだというわけ。いつもながら、あいつの直感はよく当たるなと…」
と、それに続ける。
が、そこまで言ったところで
「クエェッーー!!」
四人のチグルマン戦闘員たちが竜也に襲いかかってくる。
それに対して、彼は素早く
「フェニックス・チェンジ・オン!」
と叫んだ。
そして左手をいったん前に出し、すぐにその左手で右腕にあるブレスレットを掴む。
すると、そのブレスレットが光輝き、そして点滅し
竜也の姿も、先ほどのりりかと同じく大いなる光に包まれる。
そして光の中から、完全武装した青色の戦士が姿を現したのだ。
「冷静沈着、青の戦士、ブルー・フェニックス!」
ブルー・フェニックスは自ら名乗りをあげる。
この間、一瞬のことであった。
そして
「フェニックス・ソウル・ブレード!!」
と叫ぶ。
その声と共に、彼は背中に差していた剣を抜いていた。
そしてブルー・フェニックスは、フェニックス・ソウル・ブレードと自ら呼んだ剣を大きく構えると、上に向けて大きく円を描く。
こうしてオーラ・パワーを貯め、そして敵を斬るのが彼の必殺技である。
そして
「行くぞ!」
ブルー・フェニックスはそう叫ぶと、その手にした剣を振り上げ、そして、その剣で大きく円を描き、そのパワーで、向かってくるチグルマン戦闘員たちを次々に十字に切り裂く。
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
チグルマン戦闘員たちは、あっという間にブルー・フェニックスのフェニックス・ソウル・ブレードに斬られ、その場に倒れ伏す。
そして彼らは、その生命活動が止まると共に
シュウッ!!
その体は不気味な音と共に気化するように消滅する。
「こいつらも、元は人間だったはずだが…、成仏してくれ」
ブルー・フェニックスは悼むように呟いた。
「フガアッー」
四人の戦闘員たちが、あっさりブルー・フェニックス一人に倒されたことで、今度は一つ目鬼が憤怒をあからさまにする。
「ブルー・フェニックスっ!!、ならば、今度はこの俺様が相手だああっ!!」
そう叫ぶと、手にした棍棒をブンブンと振り回しながら
「フガアッー!!、ブルー・フェニックスっ、死ねえっ!!」
と叫び、そしてブルー・フェニックスを叩き潰さんとばかりに向かってくる。
だが、である。
そんな一つ目鬼に向かって、横から飛びかかってキック技を食らわせた者がいた。
ドカアッー!!
大きな体格の一つ目鬼をあっさりとキック技で蹴り倒したのは、だが
ピンク色のバトル・スーツを身につけた、むしろ小柄で華奢な女性戦士だったのだ。
「竜也、助けにきたわよ!」
ピンク色のバトル・スーツを身につけた女性戦士は軽い口調で、仲間であるブルー・フェニックスに向かって声をかける。
「なんだ、桃香。こんな奴なら俺一人で…」
ピンク色のバトル・スーツを着た女性戦士に向かって不満げに言うのだが
「仮にあなたが一人でこいつをいったんは倒したとしても、どうせ、その後で再生し、巨大化するに決まっているわ!、だって、それがパターンでしょう」
ピンク色のバトル・スーツを着た女性戦士は事も無げに言う。
そして、いったんはキック技で倒されたものの、再び起き上がってきた一つ目鬼は忌々しそうに、ピンク色のバトル・スーツを着た女性戦士を指差す。
「ピンク・フェニックスっ!、二体一とは卑怯だぞ!」
それに対して彼女は素早く応えた。
「ええ、私は」
そこまで言うと、あらためてファイティング・ポーズを取り、そして
「愛と勇気の桃の戦士、ピンク・フェニックス!」
と名乗りをあげる。
そして
「烈くん、凱くん、りりかを助けてあげて!」
と叫ぶ。
そして、その声に呼応するかのように
イエロー・フェニックスと、その背後に庇われている智花と翠の二人の女子高生、そして、それと対峙し、剣を構える佐原陽菜の目の前に
上から緑色のバトル・スーツを着た戦士、銀色のバトル・スーツを着た戦士、二人が飛び降りてきたのだ。
「烈さんっ!、凱さん!」
イエロー・フェニックスも、仲間たちの登場に思わず緊張感を緩め、そして二人に声をかけた。
まず緑色のバトル・スーツを着た戦士が名乗りをあげる。
「自然と安らぎを守る緑の戦士、グリーン・フェニックス!」
続いて銀色のバトル・スーツを着た戦士も名乗りをあげた、のだが…
「希望と未来の銀色の戦士、シルバーあっ、フェニックスうっ!」
両手を回して決めポーズを取りながら、本人がカッコつけているのが丸わかりな名乗り口上をあげたのには、既に慣れている他のメンバーはともかく、イエロー・フェニックスの背後に庇われている二人の女子高生は呆気にとられた。
「ええと、あれって?」
という智花に対して、スーパー戦隊ファンを自認していた翠が
「海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイシルバーの真似よ、きっと。私、この前、配信で見たわ」
と、もっともらしく解説する。
が、緑色のバトル・スーツを着た戦士グリーン・フェニックスと、銀色のバトル・スーツを着た戦士シルバー・フェニックスは、そんな二人の女子高生の声など気にすることもない。
「りりかちゃん、お待たせ!」
まずシルバー・フェニックスが、イエロー・フェニックスに向かって声をかける。
「うん、二人ともありがとう!」
二人に向かって礼を言うイエロー・フェニックス。
だが…
緑色のバトル・スーツを着た戦士、グリーン・フェニックスは、あえて佐原陽菜を睨み付けるようにして向かい合う。
「伊賀工作員009、お前の裏切り行為は完全に発覚した。大人しく降伏すればよし、さもなくば」
そして
「我々はお前を裏切者として処分する!」
と、彼女に向かって最後通告をしたのだ。
だが、それを聞いた陽菜は剣を構えたままニヤリと笑う。
「覚悟は出来ているわ!。どのみち、ここまで来れば勝たない限り、私の命はない!」
それを聞いて驚いたのはイエロー・フェニックスの背後に庇われている二人の女子高生、智花と翠だった。
まず翠が
「ええっ!、今どき、そんなのってない!!」
と叫ぶと、続けて智花が
「陽菜っ!、無理しないで謝っちゃいなさいよ。私ならいいから。怖かったけど、でも、いいから!。私たち友だちだよ!!」
と、及び腰ながら、陽菜に向かって改心するよう呼びかける。
先ほどまで自分の首筋にナイフを突きつけていた、その相手に向かって、である。
だが、陽菜は
「三人がかりは卑怯だわ!、せめて戦うにしても一対一を希望します!」
目の前のグリーン・フェニックス、シルバー・フェニックス、そしてイエロー・フェニックスに向かって叫んだ。
だが、それを聞いたイエロー・フェニックスはグリーン・フェニックス、シルバー・フェニックス二人の間に割り込むと
「りりかちゃん?」
疑問の声をあげるシルバー・フェニックス、そして、その横にいるグリーン・フェニックスに向かって、彼女はキッパリと言いきったのだ。
「烈さん、凱さん、智花と翠のこと、どうかお願いします。私に、自分自身の手で陽菜と決着をつけさせてください!」
それに対して、彼女より二つだけ年上のグリーン・フェニックスは落ち着いた口調で、仲間であるイエロー・フェニックスに向かって言った。
「りりかちゃん、本当にそれでいいのかい?」
それに対して、イエロー・フェニックスは当然のようにして答える。
「はい。そして私は決して陽菜を殺したりはしません。陽菜を捕らえた上で、あらためてキチンと話をつけたいんです。ええ、誰よりも私自身のために!」
それを聞いたグリーン・フェニックスは一瞬だけ優しく、仲間であるイエロー・フェニックスを見つめると
「分かった。りりかちゃんの友人二人のことは俺たち二人に任せてくれ。009、いや、陽菜ちゃんのことは任せる」
彼女に向かって、そのように告げた。
「ありがとうございます!!」
イエロー・フェニックスはペコリと頭を下げて、目の前にいるグリーン・フェニックス、シルバー・フェニックス、二人の仲間に心からの礼を言うと
「陽菜っ!、あなたが望む通り、一対一、私が決着をつけるわ!!」
親友の佐原陽菜に向き合い、そして叫んだのだ。
それを聞いた陽菜はニヤリと笑う。
「いいわ、それこそ、あなたとの決着をつけてやる!」
それを聞いた翠が泣きながら叫ぶ。
「二人とも止めてよおっ!!、なんで戦うのよっ!」
彼女の目には涙があふれていた。
だが、そんな親友を智花が柔らかく制する。
「智花?」
泣きながら翠は、もう一人の親友の顔を思わず見る。
「私たちはりりかを信じましょう。大丈夫、きっと陽菜も…」
そこまで言うと、智花はワッと泣き出してしまった。
「最後には分かってくれるからっ!!、きっと、きっと、分かってくれるから…」
そして、なおも涙を溢れさせていた智花だったが、自分の肩にそっと手をかけてくれたグリーン・フェニックスに向かってペコッと頭を下げる。
「グリーン・フェニックスさん、シルバー・フェニックスさん、私たちはあなた方を信じます、よろしくお願いします!」
それに対して、智花の肩に手を置いていたグリーン・フェニックスは頷いた。
なおも泣いている翠にはシルバー・フェニックスが、やはり肩にそっと手をかけている。
「智花さん、翠さん、今から俺たちが安全な場所に案内します。行きましょう」
グリーン・フェニックスが二人に向かって言った。
二人の女子高生は泣きながらも、同意の意味で、それに対して頷いた。
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チグルマンの使い魔一つ目鬼と対峙するのは
桃の戦士ピンク・フェニックスと青の戦士ブルー・フェニックス
伊賀の裏切者、工作員009こと佐原陽菜と対峙するのは
彼女の親友、イエロー・フェニックス
川口智花と西野翠、二人の女子高生を安全な場所に案内するのはグリーン・フェニックスとシルバー・フェニックスの二人
あらためての戦いが、今、始まる。