チグルマンの使役妖怪『
ガチッ、ガチッ、ガチッ!!
と耳障りな音を立て、それを軋ませる。
そして青白い骨の悪魔は
「ガシャーッ!!」
と地響きのような雄叫びを上げると
立ちはだかる桃色、青色、緑色のバトルスーツを着用した三人のフェニックスたちを、闘志を剥き出しにして睨みつけた。
だが、その眼窩に宿る暗黒の炎が、今度はもう一人、別の存在を睨み付けると、そこで止まる。
ただの無力な民間人として、今まさに踏み潰すはずだった青年(つまり凱)が、眩い銀色のバトルスーツを身に纏った、フェニックス四人目の新たな戦士へと変貌を遂げていたのが見えたからだ。
「ガシャーッ、ハハハ! 死に損ないのガキめ。カッコだけはフェニックスの奴らと同じになったようだが、どうせ中身はただの人間、まともには戦えまい! ならば、まずお前から血祭りにあげてやる!!」
それに対し、銀色のスーツに身を包んだ戦士、つまりシルバー・フェニックスとなった凱は、一歩も引かずにその足で地を蹴り、毅然と怪物を指差した。
「この化け物め! 望むところだ! なんだか知らねえが、今の俺は銀色の戦士らしいからな。負けるもんか、その生意気な体の骨を一本残らず叩き折ってやる!!」
叫ぶや否や、凱はそのままの勢いで
「ええと、シルバー・フェニックス!! 待って!!」
まだ彼の名を知らない桃色の戦士、つまりピンク・フェニックス桃香が、鋭い静止の声を張り上げた。
「貴方はまだ変身したばかりで、自分のスーツの出力も、力の制御の仕方も分かっていないわ! 無茶よ、ここはまず私たちに任せて!!」
そのピンク・フェニックス桃香の制止の声に、シルバー・フェニックス凱は一瞬立ち止まる。
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だが、である。
フェニックス相手に五人の戦闘員だけでは不足と見たか、妖怪
「ガシャー!!、お前たち、集まれえっ!!!」
その指揮官の叫び声に、たちまち多くのチグルマン戦闘員たちがこの場に集まってくる。
「クエェッーー!!」
「クエェッーーー!」
「クエッーー!!!」
人ならざる奇怪な叫び声を響かせ、物陰や路地裏から次々と
湧き出す人ならざる者ども
オレンジ色のターバンのような帽子に赤いアイマスクをつけ、前側上半身は赤だが、全体的には黒のレオタード調のスーツに身を包み、手には赤いロンググローブをつけ、腰には銀色に髑髏のエンブレムが入ったバックルをつけたベルトを着用、足には黒のロングブーツをはいた異形の姿をしたチグルマン戦闘員たちは大軍勢となって四人を包囲する。
「お前たち、小賢しいフェニックスの奴らをまとめて始末しろ! 俺様は、カッコだけは一人前のこの銀色のガキを直々に血祭りにあげてやる!」
「ガシャーッ!! 覚悟しろ!」
と激しい地響きのような声と共に、その巨大な
コゴォォォッーーー!!
凄まじい爆音と共に、地獄の業火が凱めがけて吐き出したのだ。
真っ赤な炎が濁流のように押し寄せるが、シルバー・フェニックス凱は臆することなく地をしっかりと踏みしめる。
そして
「フェニックス・ワールウィンド・スラッシュ!!」
その背中に差していた銀の剣を素早く引き抜くと、上段で右回しに猛烈な速度で高速回転させた。
凄まじい風の壁が巻き起こり、襲いかかった飢者髑髏《ガシャドクロ》の吐き出した炎を、瞬く間に四方へと力任せに弾き飛ばしていく!
飛 び散る火花の中、シルバー・フェニックス凱の銀色のボディが眩しくギラリと輝いた。
その一方
「クエェッーーー!!」
呼び集められたチグルマン戦闘員たちが、剣を振りかざして一斉に他の三人のフェニックスたちに向かって襲いかかる。
だが
「フェニックス・ソウル・ブレード!!」
まず、ブルー・フェニックス竜也の凛とした声が響く。背中から引き抜かれた剛剣が、鋭い風切音を立てた。
竜也は剣を大きく構え、天に向けて滑らかに円を描く。その軌跡に沿って青いオーラ・パワーが凝縮され、凄まじいエネルギーが刃に充填されていく。
「行くぞ!」
という叫びと共に地を蹴ったブルー・フェニックス竜也は向かってくるチグルマン戦闘員たちの真ん中へ自ら飛び込んだ。
円の軌跡を描くように振り抜かれた一閃が、迫ってくるチグルマン戦闘員たちを次々と十字の光で切り裂いていく!
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
悲鳴を上げ、バタバタと地面に倒れ伏すチグルマン戦闘員たち。
彼らは生命活動の停止と共に
シュウッ!!
と不気味な音を立て、煙のように気化して跡形もなく消滅していった。
これに負けじと、ピンク・フェニックス桃香が華麗な跳躍を見せる。
「やあっ!!」
着地と同時に彼女の手には、光の粒子を激しく放つ巨大なエネルギー弓が握られていた。
引き絞られた弦には、ピンク・フェニックス桃香の精神力そのものである桃色の光の矢が番われる。
美しく、かつ圧倒的な殺気を孕んだ完璧な静止の構え。ヘルメットの奥の瞳を鋭く見開いたピンク・フェニックス桃香が、一気に弦を解き放った。
「気高き正義の矢『フェニックス・イグニッション・アロー』!!」
凛とした叫びと共に放たれた極大の光の矢は、一本でありながら無数の光線へと拡散し、襲いかかるチグルマン戦闘員たちの胸を正確に射抜いた!
「クエェッーー!!」
「クエェッーー!!」
と光の弾丸を浴びた戦闘員たちが悶絶し、やはり倒れ込むと同時に
シュウッ!!
と音を立てて気化し、その姿は消え去っていく。
残った何人かの戦闘員たちが、じりじりと後ずさりながらグリーン・フェニックス烈を囲む。
グリーン・フェニックス烈は静かに腰を落とすと、その義手である左腕に全ての意識を集中させた。
義手の内部機関に不死鳥の力が爆発的に流れ込み、エメラルドグリーンの光が激しく明滅し始める。
「これで……まとめて吹き飛べ! フェニックス・グリーン・ブラスト!!」
グリーン・フェニックス烈が義手の掌を正面へ突き出した瞬間、充填された全エネルギーが一気に解放された!
ドゴォォォォーーン!!
強烈な緑色の衝撃波が扇状に爆発し、迫っていた四人の戦闘員をまとめて消し飛ばした。
大地に転倒し、激しい火花を散らしながら動かなくなった戦闘員たちもまた、その生命が絶えると同時に
シュウッ!!
と怪しい音を立て、空気中に溶けるように消滅した。
瞬く間に手下を全滅させられ、
「ガシャー!!き、貴様らーー!!」
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だが
「シルバー・フェニックス!」
あらためてピンク・フェニックス桃香は、シルバー・フェニックス凱のことをそう呼ぶと
「こいつとの勝負、一気につけるわよ!!」
そう叫んだ。
彼女の言葉にシルバー・フェニックス凱は素早く決断する。
「分かった!!」
その言葉を合図にしたかのように四人の不死鳥戦士たちはズラリと並ぶ。
ピンク・フェニックス桃香
ブルー・フェニックス竜也
グリーン・フェニックス烈
シルバー・フェニックス凱
『不死鳥忍者部隊ザ・フェニックス』の四人が、チグルマンの使い魔・
「街の人たちの安全は確保した!チグルマンの使い魔 飢者髑髏《ガシャドクロ》、お前たちの卑劣な作戦も、ここまでだ!」
ブルー・フェニックス竜也の頼もしい声に、ピンク・フェニックス桃香が力強く頷く。
「みんな、行くわよ!」
「おうっ!」
「はいっ!」
そして一瞬の戸惑いのあと、凱が
「了解っ!!」
大きな叫び声をあげる。
そう、凱は腹を決めたのだ。
「四人の力を一つに! 『フェニックス・ファイナル・クラッシュ』!!」
新たに銀色の戦士が加わった四人のフェニックスたちが同時に印を結び、それぞれのエネルギーを中央へと集中させる。
そして四人のフェニックスたちの体から放たれた桃、青、緑、そして銀色の光が巨大な不死鳥の形を成し
「ガシャー!!」
なおも絶叫する
そして合体必殺技『フェニックス・ファイナル・クラッシュ』の直撃を受け、凄まじい爆発と共に吹き飛ぶ飢者髑髏《ガシャドクロ》。
「ガシャーッッ!!」
地面に激突した
「おのれ……おのれフェニックス……! このままタダで死ぬと思うな……!」
自らの最期が近いことを悟った
「ガシャーッ!!貴様らも道連れだあっ!!」
「みんな、結果を張るわよ!」
ピンク・フェニックス桃香が即座に弓を掲げ、そして結果を用意する。
「フェニックス・イマージョン・ゾーン!!」
ピンク・フェニックス桃香のその叫び声と共に
ブルー・フェニックス竜也、グリーン・フェニックス烈が並び立ち、三人で印を結んだ。
そして、この場にいる三人のフェニックスたちの全エネルギーを結界『フェニックス・イマージョン・ゾーン』の防護壁へと集中させたのだ。
残念ながらシルバー・フェニックス凱は、まだ、それに参加することは出来なかったのだが……
そして、その直後
ズガアァァーーーーン!!!
しかし、その凄まじい爆風と熱量は、フェニックスたちの強固な結界によって完全に遮断され、傷一つ負わせることはなかったのだ。
「やったあっ!!」
思わず快哉を叫ぶシルバー・フェニックス凱
だがピンク・フェニックス桃香、ブルー・フェニックス竜也、グリーン・フェニックス烈は、まだ慎重な姿勢を崩していない。
確かに戦いは、こうして、いったん終わった
かに見えたのだが…