足元にいるピンク・フェニックス、ブルー・フェニックス、そしてシノアヤメの雷光剣による雷撃のダメージを受け、その場に倒れたままのイエロー・フェニックスを、その足で踏み潰そうとする、全長約六十メートルもの巨大獣一つ目鬼
「ブガアァーーー!!!!」
だが、である。
キュゥゥゥンーーー!!!
その巨大一つ目鬼に対して、空中から光線を放った銀色の小型戦闘機が一機。
ズカアアァーーーンッ!!!
頭に光線の直撃を受けた巨大獣一つ目鬼は
「ブガアァーーー!!!!」
大きな声で悲鳴をあげると、一瞬、光線の直撃を食らった頭を両手で押さえる。
右手に持っていた巨大な棍棒は落としてしまった。
ドシーンッ!!
そして、その銀色の小型戦闘機の機上から三人のバトル・スーツに装着された通信機を介して、操縦者の声が伝わる。
「みなさーんっ!!、お待たせしましたあっ!!」
銀色の戦闘機、その名前はシルバー・ファイター
そして、その操縦桿を握っているのはシルバー・フェニックスこと銀水凱であった。
その声を聞いたブルー・フェニックスこと葵竜也は通信機を通じて
「凱、遅いぞ!!」
と文句を言うのを忘れない。
が、シルバー・フェニックス凱は悪びれもせず
「竜也さん、そうは言うけど、こっちも大変だったんすよ!、何しろ皆さんの機体をパスワード設定から自動操縦に切り替えるのに手間がかかって…」
だが、それを聞いて
「何いっ!!」
と気色ばんだのは、通信機など持たないはずのシノアヤメだった。
が、次の瞬間、彼女に向かって、空から光線が発射されたのだ。
キュゥゥゥンーーー!!!
「くそっ!」
ズカアアァーーーンッ!!
シノアヤメは素早い動きでその光線をかわすと、自分に向かって攻撃を仕掛けてきた方角へと、睨み付けるようにして視線を向ける。
その方角には四機の小型戦闘機が飛んでいたのだ。
緑色の戦闘機が先導し、後ろに控えるのは桃色、青色、そして黄色の小型戦闘機たち。
そして、先ほどシノアヤメに向かって光線を放ったのは緑色の小型戦闘機だった。
そして、またしてもピンク・フェニックス、ブルー・フェニックス、そして、ようやく立ち上がろうとしていたイエロー・フェニックス三人のバトルスーツに装着された通信機に、今度は緑色の小型戦闘機を操縦する者からの声が聞こえてくる。
「桃香さん、竜也さん、りりかちゃん、お待たせ。三人の戦闘機を何とか連れてきたよ。といっても、今は自動操縦で、それこそ今は、ただ、飛んでいるだけだから、早く本来の操縦者に搭乗してもらわないと!!」
それは烈の声であった。
「シノアヤメは僕が引き受ける。今からピンク・ファイター、ブルー・ファイター、イエロー・ファイターを着陸させるから、後はよろしく!」
そう言って高度を下げようとするグリーン・ファイター、そしてピンク・ファイター、ブルー・ファイター、イエロー・ファイターの三機。
それを見たシノアヤメは
「くそっ、小賢しい!」
と叫ぶと、直ちに
「雷光剣っ!!」
その魔力を持つ剣を振るう。
そして、あらためて
「雷 (いかづち)よ!!」
と叫んだのだ。
彼女の持つ雷光剣は、稲妻による雷撃を自由自在に操り、そして、それを使って相手を攻撃する事が出来る。
高度をさげ、こちらに向かってくるグリーン・ファイターとピンク、ブルー、イエロー三機に対して、彼女は雷撃を放とうとしたのだ。
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ!!
雷鳴、そして
バリバリバリバリバリバリッッ!!!
だが、グリーン・ファイター操縦席の烈が叫ぶと
「させるかっ!、 烈風プラズマ・キャノンビーム!!」
グリーン・ファイターからも光線が放たれる。
ピュウウウーーーンッ!!!
そして雷撃と光線が正面衝突する。
ズドォォォーーンッ!!!
その事による凄まじい衝撃波が周囲を揺らし、そしてシノアヤメは衝撃でよろめいた。
「ああっ!」
そして、それと共に周囲には土煙が舞い起こり、それが三機の着陸ポイントを覆い隠す。
「今だ、ピンク、ブルー、イエロー、三機着陸せよ!」
グリーン・ファイター操縦席の烈から、自動操縦の三機のAIに指令が飛ぶ。
そして、ピンク、ブルー、イエローの三機は土煙のカーテンの中へと突入し、地上へと滑り込んだのだ。
そのまま地上にいる持ち主たちに向かって疾走してくるピンク・ファイター、ブルー・ファイター、イエロー・ファイターの三機
目指すはそれぞれのコックピット・ハッチだ!
「ビンク・ファイター、エンター・ザ・コックピット」
まずピンク・フェニックス桃香が自らの愛機のコックピット・ハッチへ向かって一気に跳躍すると、そのまま乗り込む。
続いてブルー・フェニックス竜也が
「ブルー・ファイター、エンター・ザ・コックピット」
向かってくる自らの愛機ブルー・ファイターのコックピット・ハッチへ向かって一気に跳躍し、そのまま乗り込んだ。
最後はイエロー・フェニックスりりかである。
「イエロー・ファイター、エンター・ザ・コックピット」
自身がこれから操縦する愛機のコックピット・ハッチへ向かって思い切り跳躍すると、そのまま乗り込むことに成功したのだ。
「ピンク・ファイター、発進っ!!」
「ブルー・ファイター、発進っ!!」
「イエロー・ファイター、発進っ!!」
自動操縦からマニュアル操作へと切り替わり、三機の不死鳥たちは機体とパイロットの心を一つにし、そして大空へと舞い上がっていく。
続いてグリーン・ファイターも再び上空に舞い上がり
既に上空にいたシルバー・ファイターと合流して、五機は大空に並び立った。
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そしてピンク・ファイターの操縦席からピンク・フェニックス桃香が通信用マイクに向かって叫ぶ。
「みんなっ、今日は機上から行くわよっ!」
彼女の声、そして気迫は残りの四人にも直ちに伝わる。
「おうっ!」
まず、ブルー・ファイター操縦席からブルー・フェニックス竜也の声
続いて
「分かりました!」
とグリーン・ファイター操縦席のグリーン・フェニックス烈
「りょーかいっ!!」
シルバー・ファイター操縦席のシルバー・フェニックス凱
「はいっ!!」
最後にイエロー・ファイター操縦席のイエロー・フェニックスりりかが、ひときわ大きな声で叫んだ。
今、彼女の脳裏に浮かんでいたのは在りし日の陽菜の笑顔だったのだ。
陽菜、戦う時は一緒だよ…
それを確認したピンク・ファイター操縦席のピンク・フェニックス桃香は操縦桿を握ったまま通信用マイクに向かって叫ぶ。
「フェニックス・フォーメーション、スタンバイ!!」
そして五機が飛ぶ大空には、巨大な不死鳥の姿をした大いなる光の渦が姿を現れたのだ。
それを確認したピンク・フェニックス桃香はピンク・ファイターの操縦桿を握ったまま叫ぶ。
「ビンクフェニックス!」
続いてブルー・ファイター上のブルー・フェニックス竜也
「ブルーフェニックス!」
グリーン・フェニックス烈が
「グリーンフェニックス!」
シルバー・フェニックス凱が
「シルバーあっ!、フェニックスうっ!」
と、独特の決めゼリフを叫び
最後にイエロー・フェニックスりりかが
「イエローフェニックス!」
と、それぞれ名乗りをあげだのだ。
そして五人は、それぞれの操縦席から異口同音に一斉に叫ぶ。
「世の平和、令和の御代を守るため、現代の伊賀忍者、ここに集う!」
そして
「不死鳥忍者部隊ザ・フェニックスっ、ただいま参上!!」
と、五人の心を一つに合わせ、そして言霊を呼ぶ。
「フェニックス・イマージョン・ゾーンッ!!」
この空間にイマージョン・ゾーン、つまり光の輪による不死鳥の結界を設定し、その中に約60メートルもの巨体を持つ巨大獣一つ目鬼を封じ込めるのだ。
それによって外界の被害を最小限とするために。
そして五機の機体はそれぞれの桃、青、緑、銀、黄というパーソナルカラーの光を放ち、巨大獣一つ目鬼を取り囲む光の檻を形成していく。
その様子を地上に置き去りにされた感もあるシノアヤメは歯噛みしながら見ていた。
「くっそおっ!、またしても」
たが、巨大獣一つ目鬼はフェニックス・イマージョン・ゾーン、つまり不死鳥の結界に閉じ込められてしまい、もはやシノアヤメには手出しする事も出来なくなったのだ。
そして、その結界、イマージョン・ゾーンの中である。
「ブガアァーーー!!!!」
悲鳴のような雄叫びをあげる巨大獣一つ目鬼。
だが、その叫びは最早外界には届かない。
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「行くわよっ!、不死鳥無敵合体っ!!」
「了解 っ!!」
桃香の通信機を通じた号令。そして異口同音に応じた四人。
そしてビンク、ブルー、グリーン、シルバー、イエロー五機のファイターが空中で一つになる。
まず、シルバー・ファイターが最上空へ舞い上がると、機首を折り畳み、胴体中央が展開。巨大なロボットの胴体と、勝利の王冠を思わせる頭部に変形する。
続いてブルー・ファイター、イエロー・ファイターの二機が水平に並ぶと、巨大ロボットの右脚、左脚の形へと姿を変え、シルバーが変形した胴体下部へとドッキング。
そして巨大な下半身部分が大地に
ズシイイィーンッ!!!
と降り立った。
「脚部、合体完了!!」
ブルー・フェニックスの声。
そしてグリーン・ファイターが胴体左側に
ピンク・ファイターが右側に並び立つと
それぞれが翼を折り畳み、機体が分割・再構成され、巨大な右腕と左腕となり、胴体へと接続される。
「接続完了!」
それを合図に、五機のエネルギーが循環すると、頭部の『不死鳥の眼』が眩い輝きを見せる。
五機が合体し、一つになった瞬間、巨大な鋼鉄の不死鳥ロボットが大地を揺るがした。
[pixivimage:142554082-1]
その全高は優に六十メートルを超える巨大ロボット。
シルバーとゴールドを基調とし、肩や胸部にはグリーン、ピンク、ブルー、イエローのパーソナルカラーが輝く不死鳥たちの愛機
その名はフェニックス・ガイオーである。
「合体完了! フェニックス・ガイオー!!」
チームリーダーであるピンク・フェニックスが操縦席中央で宣言する。
「ブガアァーーー!!!!」
結界に閉じ込められ、錯乱する巨大獣一つ目鬼は、そのままフェニックス・ガイオーと向かい合う。
今、巨大な者たちの戦いが始まる。
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フェニックス・ガイオーの操縦席に座る五人
中央はピンク・フェニックス
右上にはイエロー・フェニックス、右下にはブルー・フェニックス
左上にはシルバー・フェニックス、左下にはグリーン・フェニックスが
それぞれ着席する。
これは、かつて初期メンバーであるピンク・フェニックス、ブルー・フェニックス、グリーン・フェニックスの三人だけでフェニックス・ガイオーを操縦していた頃の名残ではあるが
設定は変わり、今は五人いないとフェニックス・ガイオーを動かすことは出来ない。
「ブガアァーーー!!!!」
相変わらず、というより、もはや雄叫びをあげる事しか出来ない巨大獣一つ目鬼。
知性などはなく、ただ暴力という本能で動いているだけに過ぎないのだ。
そして咆哮する巨大獣一つ目鬼は、その手にする巨大な棍棒を無闇やたらに振り回す。
ブンッ!、ブンッ!、ブンッ!、ブンッ!、ブンッ!
こんな化け物を結界の外に出してしまったら、街は壊滅させられてしまう。
五人の心は一つになり、この巨大獣を倒すために精神を集中していた。
「ブガアァーーー!!!!」
巨大獣一つ目鬼は大きな声で咆哮すると、その手にある棍棒を振り上げ、そしてフェニックス・ガイオーを叩きのめそうと振り下ろすが、フェニックス・ガイオーはその巨体に似合わぬ俊敏さを発揮し、左腕のシールドを掲げ、これを受け止て見せる。
「ブガアァーーー!!!!」
一撃で敵を打ちのめすつもりだったらしき巨大獣一つ目鬼は動揺したのか、叫び声にも戸惑いらしきものが感じられる。
「巨大獣一つ目鬼!!、その 悪しき魂を浄化する!」
操縦席中央のピンク・フェニックスは、そう宣言する。
そしてフェニックス・ガイオーの両目がギラッと光ると、その翼の一部を分離させる。
そして分離した翼の一部は巨大な銀色の長剣へと姿を変え、そしてフェニックス・ガイオーの右手に握られた。
その右手にある長剣を
ブンッ!
と振るうフェニックス・ガイオー。
「ブガアァーーー!!!!」
なおも棍棒を振り回して、目の前のフェニックス・ガイオーを叩きのめそうとする巨大獣一つ目鬼だが
操縦席にいる五人の叫びが一つになる。
「必殺! フェニックス・グランド・インフェルノ!!」
フェニックス・ガイオーの持つ剣に、合体した五機のエネルギーが集中し、巨大な火の鳥を纏った斬撃が巨大獣一つ目鬼を叩き斬る。
「ブガアァーーー!!!!」
フェニックス・ガイオーの剣によって斬られた巨大獣一つ目鬼は、よろめくと、そのまま倒れる。
そして
ズカアアァーーーンッ!!!
自爆して果てたのだ。
巨大獣一つ目鬼との戦いは終わった。
一方、結界の外にいたシノアヤメは
「くそっ、覚えてろ!!」
捨て台詞を残し、瞬間移動でその場から姿を消した。
それを確認したかのようにフェニックス・ガイオーは結界、イマージョン・ゾーンを解除し
少しだけ時間をおくと、元の五機に分離する。
これから基地、フェニックス・ネストへと帰投するのだ。
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だが、イエロー・ファイターに乗るイエロー・フェニックスりりかのみは操縦桿を握りながら
「桃姉、竜兄ちゃん、烈さん、凱さん、ごめんなさい、少しだけ私に時間をください!」
そう言うと、他の四人の返事も待たず、その場に着陸しようとする。
彼女の気持ちを察したピンク・フェニックス桃香は操縦席の通信機から、まず着陸のために高度を下げるイエロー・ファイター上のイエロー・フェニックスりりかに向かって
「分かったわ。私たちはここで待っている」
と告げた。
そして旋回運転しながら待機する、いわゆるホールディング(上空待機)の態勢に入る。
以心伝心、他の三機つまりブルー・ファイター、グリーン・ファイター、シルバー・ファイターも、その場で旋回しながら待機するホールディングの状態に入った。
「ありがとうございます!!」
戦いの終わった、その場所に着陸するイエロー・ファイター。
そして呼吸を弾ませながら、急いで機体から降りるイエロー・フェニックスりりか。
彼女の探し物は直ぐに見つかった。
「あったあっ!!」
それは彼女の失われた友である陽菜の通学用バッグであった。
今や持ち主を失った通学用バッグ
イエロー・フェニックスりりかはそれを手に取ると、思わず抱きしめる。
「陽菜…、陽菜…」
強化スーツのマスクの中の彼女は溢れんばかりの涙を流していた。
「陽菜…、皆(みんな)と一緒に基地へ帰ろう…」
イエロー・フェニックスりりかはそう言うと、バッグを手にして愛機イエロー・ファイターに乗り込み、そして、その助手席に『陽菜のものだった通学用バッグ』を、そっと乗せる。
そして、再び操縦桿を握ると
「イエロー・ファイター、スタンバイ!」
そう叫ぶ。
そしてイエロー・ファイターは再び上空へと舞い上がっていく。
上空待機していた、他の四機もそれを確認した。