ウマ娘ONE PIECEダービー~黄金の浮沈船は大海原を駆ける~   作:武藤 桜

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第十六話「アラバスタ編 砂の王の猛威! 黄金の浮沈船、沈む!?」

1.砂漠の死闘――スナスナの実

 灼熱の砂漠。

 

 仲間たちが王都アルバーナへと向かう中、ルフィとゴールドシップは、目の前に立ちはだかるクロコダイルと対峙していた。

 

「お前たちは、ここで終わりだ」

 

 クロコダイルが右手を掲げる。

 

 次の瞬間、彼の手のひらから砂が渦を巻いて広がった。

 

「うおっ!?」

 

 足元の砂が一気に舞い上がり、ルフィとゴールドシップを包み込む。

 

「砂嵐だと!? おいルフィ、目に砂が入る! これはいかん! 私の美しい顔が砂まみれになる!」

 

「そんなこと言ってる場合か! ゴムゴムの――!」

 

 ルフィは腕を引き絞った。

 

「バズーカァッ!!」

 

 両腕がクロコダイルへと伸びる。

 

 だが、拳が命中する寸前、クロコダイルの身体はさらさらと崩れ、砂へと変わった。

 

「なっ!?」

 

 ルフィの攻撃は空を切る。

 

「何度やっても同じことだ。俺の身体は砂。普通の打撃など通用しない」

 

 砂の中からクロコダイルの声が響いた。

 

「くそっ! だったら、こっちはどうだ!」

 

 ゴールドシップが金属バットを構える。

 

「ゴルシ式・黄金バットォォォッ!」

 

 渾身のフルスイングが砂の身体を薙ぎ払った。

 

 しかし、手応えはない。

 

「うっそだろ!? 空振り判定かよ!」

 

「お前の攻撃も無意味だ。力任せに振り回すだけでは、俺には届かん」

 

「むむむ……! ならば、砂を全部まとめて殴ればいいのか!?」

 

「そんなことができるなら苦労しねえよ!」

 

 ルフィが叫ぶ。

 

 クロコダイルの左手が動いた。

 

「干割れろ――砂漠の宝刀!」

 

 鋭い砂の刃が地面を走る。

 

「危ねえ!」

 

 ルフィは跳び上がった。ゴールドシップも大きく横へ飛び退く。

 

 しかし、着地した瞬間、二人の足元から砂が崩れ落ちた。

 

「うおおおおっ!?」

 

 砂漠の地面が一瞬にして乾き、ひび割れ、崩壊していく。

 

「これが俺の能力だ。触れたものから水分を奪い、砂へと変える。お前たちの身体も、いずれ同じ運命をたどる」

 

「冗談じゃねえ!」

 

 ルフィは地面を蹴って距離を取る。

 

 ゴールドシップもバットを振り回しながら後退したが、砂が足にまとわりつき、思うように動けない。

 

「おいルフィ! この砂、なんか私の足を捕まえてくるぞ!」

 

「そりゃ砂だからな!」

 

「砂ってこんなに性格悪かったのか!?」

 

「砂に性格なんかねえよ!」

 

 ふざけたやり取りを交わしながらも、二人の表情には焦りが浮かんでいた。

 

 打撃は通用しない。

 

 相手の身体は砂となり、攻撃を受け流す。

 

 しかも、触れられれば水分を奪われる。

 

 これまで数々の敵を力ずくで倒してきたルフィにとって、クロコダイルはまったく勝手の違う相手だった。

 

「どうした、麦わらのルフィ。威勢がよかったのは最初だけか?」

 

 クロコダイルが笑う。

 

「俺は王下七武海だ。お前たちのような若造が、正面から挑んで勝てる相手ではない」

 

「うるせえ!」

 

 ルフィが再び拳を構えた。

 

「勝てるかどうかなんて、やってみなきゃ分かんねえだろ!」

 

「ほう」

 

 クロコダイルの目が細くなる。

 

「その無謀さが、お前の命取りだ」

 

 再び砂嵐が吹き荒れた。

 

 視界が完全に閉ざされる。

 

「ルフィ! どこだ!?」

 

「こっちだ、ゴルシ!」

 

「こっちってどっちだよ!? 右か!? 左か!? それとも上か!?」

 

「知らねえよ!」

 

 砂嵐の中で二人の声が飛び交う。

 

 クロコダイルは、その騒ぎを冷静に聞いていた。

 

 砂嵐を起こすのも、地面を崩すのも、彼にとっては容易いことだった。

 

 そして――。

 

「終わりだ」

 

 砂嵐の陰から、クロコダイルが姿を現した。

 

 ルフィが気づいたときには遅かった。

 

「ぐっ!?」

 

 クロコダイルの鉤爪がルフィを捕らえ、彼の身体から力が抜けていく。

 

「ルフィ!」

 

 ゴールドシップが振り返る。

 

 その瞬間、クロコダイルの砂の腕が伸び、ゴールドシップの手首をつかんだ。

 

「なっ……!」

 

「お前もだ」

 

 水分が奪われる感覚。

 

 全身から力が抜け、視界が揺らぐ。

 

「ちくしょう……! まだ……まだ沈んでねえぞ……!」

 

 ゴールドシップは必死にバットを振ろうとした。

 

 しかし、腕に力が入らない。

 

「沈むのは得意でも、浮かび上がるのは簡単ではないようだな」

 

 クロコダイルは二人を砂の上へ投げ捨てた。

 

 ルフィは起き上がろうとするが、身体が動かない。ゴールドシップもまた、砂に片膝をついたまま、歯を食いしばっていた。

 

「くそ……! 俺は……まだ……!」

 

「ルフィ……!」

 

 ゴールドシップは手を伸ばす。

 

 だが、その手も途中で力尽きた。

 

 クロコダイルは二人を見下ろし、葉巻の煙を吐き出した。

 

「悪くない根性だった。だが、根性だけでは国は変えられん」

 

 彼は踵を返した。

 

「王女を追う。お前たちは、ここで砂に埋もれていろ」

 

 砂嵐が吹き抜ける。

 

 クロコダイルの姿は、あっという間に砂漠の彼方へと消えていった。

 

 残されたルフィとゴールドシップ。

 

 ルフィは悔しさに歯を食いしばった。

 

「……ちくしょう……! あいつ……絶対にぶっ飛ばす……!」

 

 ゴールドシップもまた、砂に埋もれかけながら笑った。

 

「へへ……当然だろ……。この黄金の浮沈船が……こんなところで沈んでたまるかよ……」

 

 しかし、二人はまだ動けなかった。

 

 クロコダイルは王都アルバーナへ向かっている。

 

 ビビを追い、王国を手に入れるために。

 

 そして、ルフィたちはまだ知らない。

 

 仲間たちもまた、王都の手前で、バロックワークスの幹部たちと命懸けの戦いを始めようとしていることを――。

2.王都への道を塞ぐ者たち――バロックワークス集結!

 一方、その頃。

 

 王都アルバーナへと続く道を、ビビたちは急いでいた。

 

「もうすぐアルバーナよ! ここを抜ければ、王都に入れる!」

 

 先頭を走るビビが叫ぶ。

 

「よし! このまま一気に突っ切ろう!」

 

 テイオーが槍を握り直した。

 

「敵が待ち構えている可能性もある。油断するなよ」

 

 ゾロは刀の柄に手をかける。

 

「分かっとる。けど、ここまで来て立ち止まるわけにはいかへん!」

 

 タマモも二本の刀を構えた。

 

 そのときだった。

 

「――お待ちしておりました」

 

 道の先から、落ち着いた男の声が響いた。

 

 砂煙の向こうに、複数の人影が現れる。

 

 先頭に立つのは、全身を鋼のように鍛え上げた男。隣には、細長い脚と鋭い棘を持つ武器を携えた女。

 

 さらに、奇妙な衣装をまとった男と、巨大な銃を構えた大男、その傍らに立つ女性の姿もあった。

 

 ビビの顔から血の気が引いた。

 

「そんな……! あなたたちは……!」

 

「久しぶりだな、王女殿下」

 

 鋼のような身体の男――Mr.1が低い声で告げる。

 

「ここから先へは通さん」

 

 その隣で、ミス・ダブルフィンガーが不敵に笑った。

 

「せっかくここまで来たのに残念ね。あなたたちには、ここで消えてもらうわ」

 

「……バロックワークスの幹部!」

 

 ナミが顔を強張らせる。

 

 Mr.2ボン・クレーは、両腕を大きく広げた。

 

「オカマ道を極めしこのボン・クレー! お前たちを華麗にお相手してあげるわよーん!」

 

「相変わらず、ずいぶんと派手な奴だな……」

 

 サンジが眉をひそめる。

 

 Mr.4は巨大なバットを肩に担ぎ、隣のミス・メリークリスマスは地面を這うように笑った。

 

「ウィーッハッハッハ! お前ら、ここで終わりだ!」

 

「さあさあ、早く始めましょうよ!」

 

 彼らの背後には、王都へ続く道を塞ぐようにバロックワークスの部下たちが展開していた。

 

 敵の数は多い。

 

 しかも、目の前にいるのは、いずれも一筋縄ではいかない幹部たちだった。

 

「くっ……!」

 

 ビビが歯を食いしばる。

 

 このままでは、王都に入れない。

 

 そして、クロコダイルが先回りしている可能性もある。

 

「ビビ!」

 

 ナミが彼女の肩をつかんだ。

 

「ここは私たちに任せて!」

 

「でも、みんな……!」

 

「あなたは王女でしょ!」

 

 ナミは真っ直ぐビビを見つめた。

 

「あなたには、あなたにしかできないことがある。ここで足止めされている場合じゃないわ!」

 

 ビビは仲間たちを見回した。

 

 ゾロ、タマモ、ナミ、フェスタ、サンジ、オグリ、ウソップ、テイオー、チョッパー、タキオン。

 

 誰も逃げようとはしていない。

 

 むしろ、彼女を送り出すために戦う覚悟を決めていた。

 

「……ありがとう、みんな」

 

 ビビは深く頭を下げた。

 

「必ず、王国を救ってみせる!」

 

「よし、行け!」

 

 ゾロが叫ぶ。

 

「道はウチらが切り開く!」

 

 タマモが二本の刀を構えた。

 

 ビビはカルーの背に飛び乗る。

 

「カルー、お願い!」

 

「クワッ!」

 

 カルーは勢いよく走り出した。

 

「行かせるか!」

 

 Mr.1が踏み出そうとした瞬間、ゾロがその前に立ちはだかった。

 

「お前の相手は俺だ」

 

「ほう……」

 

 Mr.1が足を止める。

 

 ゾロは刀を抜いた。

 

「タマモ。こいつは俺が斬る」

 

「はぁ!? 何言うとんねん! 二人でやるんや!」

 

「俺一人で十分だ」

 

「その台詞、ミホークにボコボコにされた直後に言うとったら、ウチが笑い転げてたところやで!」

 

 タマモは鼻を鳴らす。

 

「けど、今回は譲らへん。ウチも一緒に戦う。こいつを倒すんは、二人がかりや!」

 

 ゾロは一瞬だけタマモを見た。

 

 そして、口元をわずかに吊り上げる。

 

「……勝手にしろ」

 

「最初からそのつもりや!」

 

 二人は並んで刀を構えた。

 

 それを見たMr.1が、両腕を刃へと変える。

 

「面白い。二人まとめて斬り伏せてやろう」

 

 同時に、他の幹部たちも動き出した。

 

「ナミちゃん、久しぶりねえ!」

 

 ミス・ダブルフィンガーが棘の武器を構える。

 

「……あんた、私のことを知ってるの?」

 

「もちろん。あなたのことは、クロコダイル様から聞いているわ」

 

 女は不敵に笑った。

 

「さあ、踊りましょう。棘の上でね」

 

 ナミはクリマ・タクトを構える。

 

「フェスタ、行くわよ!」

 

「はいはい。どうやら、今回の賭けも簡単には終わりそうにないね」

 

 フェスタはライフルを構え、照準を敵に合わせた。

 

 一方、Mr.2はサンジを見て、目を輝かせた。

 

「まあ! なんて素敵な眉毛! その足の長さ、しなやかな身体! あなた、私のタイプよーん!」

 

「……気色悪いことを言うな」

 

 サンジの眉間に深い皺が刻まれる。

 

「俺は女以外に興味はねえ」

 

「そんな冷たいこと言わないでえええ!」

 

「黙れ!」

 

 サンジの蹴りが飛ぶ。

 

 Mr.2は軽やかに跳び上がり、その攻撃をかわした。

 

「いいわ! その情熱、受け止めてあげる!」

 

「誰がお前に受け止められたいと言った!」

 

 オグリは二人の間に割って入った。

 

「サンジ、相手の挑発に乗りすぎるな。こいつは強い」

 

「分かってるさ、オグリ!」

 

 Mr.2はオグリの大斧を見て、楽しそうに笑った。

 

「あら、そっちの子もなかなか素敵ね! 大きな斧を振るう女の子、嫌いじゃないわ!」

 

「そうか。私は食べ物を大切にする人間なら、誰とでも仲良くできる」

 

「食べ物?」

 

「そうだ。食事を粗末にする者は許さない」

 

「……話が噛み合ってないわよーん!」

 

 ボン・クレーの叫びを合図に、戦いが始まった。

 

3.ゾロ&タマモVS Mr.1――鋼を斬る二刀の閃光

 最初に激突したのは、ゾロとタマモ、そしてMr.1だった。

 

「来い!」

 

 Mr.1の腕が刃へと変わる。

 

 鋭い斬撃が、二人に襲いかかった。

 

「双閃・稲妻駆け!」

 

 タマモが地面を蹴り、左右の刀を交差させながら突進する。

 

 ゾロもまた、二本の刀で斬撃を受け止めた。

 

 ガキィィンッ!

 

 金属同士がぶつかる甲高い音が響く。

 

「くっ……!」

 

 ゾロの腕に衝撃が走る。

 

 Mr.1の身体は、まるで鋼そのものだった。

 

「どうした? その程度か」

 

 Mr.1が腕を振るう。

 

 刃がゾロの肩をかすめ、血が飛び散った。

 

「ゾロ!」

 

「見るな! 集中しろ!」

 

 ゾロは痛みを押し殺し、再び刀を構える。

 

 タマモが横から斬り込む。

 

「双閃・白狐乱舞!」

 

 二本の刀が連続して閃く。

 

 だが、Mr.1はそれを受け止め、刃の腕でタマモを弾き飛ばした。

 

「きゃっ!」

 

 タマモは地面を転がり、すぐに立ち上がる。

 

「なんちゅう硬さや……! 刀が通らへん!」

 

「普通の斬撃では無理だな」

 

 ゾロは呼吸を整えた。

 

 ミホークに敗れたときの痛みが、胸の奥によみがえる。

 

 あのとき、自分は何もできなかった。

 

 世界最強の剣士を前に、圧倒的な実力差を見せつけられた。

 

 だが、だからこそ――。

 

「俺は、ここで止まるわけにはいかねえ」

 

 ゾロは刀を握る手に力を込めた。

 

「タマモ。お前も、あいつの身体を斬れないと思っているのか?」

 

「……んなわけあるかい!」

 

 タマモは口元の血を拭い、笑った。

 

「斬れへんのやったら、斬れるようになるまで斬るだけや!」

 

「いい答えだ」

 

 ゾロは前を向く。

 

 二人は同時に駆け出した。

 

「双閃・稲妻駆け!」

 

 タマモが左右から斬り込む。

 

 Mr.1は両腕の刃で受け止めようとした。

 

 その瞬間、ゾロが低く身を沈める。

 

「三刀流――!」

 

 口にくわえた刀が、陽光を反射した。

 

「虎狩り!」

 

 斬撃がMr.1の胴を襲う。

 

 しかし、Mr.1は身体を硬化させ、攻撃を受け止めた。

 

「無駄だ!」

 

 反撃の刃がゾロの胸を切り裂く。

 

「ぐっ……!」

 

 ゾロは後退した。

 

 タマモもまた、腕を切られ、膝をつく。

 

「ゾロ……!」

 

「まだだ!」

 

 ゾロは刀を支えに立ち上がった。

 

 その脳裏に浮かんだのは、ミホークの圧倒的な強さ。そして、自分が誓った言葉だった。

 

 ――二度と負けねえ。

 

 ルフィとの約束。

 

 そして、隣で戦うタマモとの約束。

 

 ゾロは静かに目を閉じた。

 

 鉄の刃。

 

 鋼の身体。

 

 斬れないものを斬るのではない。

 

 斬るべきものを、見極める。

 

 ゾロは息を吸い、刀を構え直した。

 

「……タマモ。もう一度、合わせるぞ」

 

「おう!」

 

 二人は同時に踏み込む。

 

「双閃奥義――疾風・白狐返し!」

 

 タマモの二刀がMr.1の腕を引きつけ、斬撃の軌道をずらす。

 

 その一瞬の隙。

 

 ゾロの刀が、Mr.1の身体へと迫った。

 

「一刀流――!」

 

 ゾロの意識が、刃の一点へと集中する。

 

「獅子歌歌!」

 

 鋭い一閃。

 

 Mr.1の身体に、深い傷が走った。

 

「なに……!?」

 

 Mr.1の目が見開かれる。

 

 鋼の身体が、初めて斬られたのだ。

 

 ゾロは膝をつきそうになりながらも、刀を握り続けた。

 

「……斬れたな」

 

 タマモは息を切らしながら笑った。

 

「当たり前や! ウチらが、こんなところで負けるわけないやろ!」

 

 Mr.1は傷口を押さえ、二人を睨みつける。

 

「認めよう……。お前たちは、ただの剣士ではない」

 

「今さら気づいたんか?」

 

 タマモが刀を構える。

 

「けど、まだ終わりやないで!」

 

 ゾロもまた立ち上がった。

 

「決着をつけるぞ」

 

 Mr.1は再び腕を刃へと変え、最後の攻撃に出た。

 

 ゾロとタマモは左右に分かれる。

 

 タマモが二刀で敵の斬撃を受け流し、ゾロが正面から踏み込む。

 

「双閃・白狐乱舞!」

 

 タマモの連撃がMr.1の動きを封じる。

 

「三刀流――鬼斬り!」

 

 ゾロの三本の刀が交差した。

 

 激しい衝撃が走り、Mr.1の巨体が地面へと倒れ込む。

 

 勝負は決した。

 

「……勝った、んか……?」

 

 タマモが肩で息をしながらつぶやく。

 

「……ああ」

 

 ゾロは刀を収めようとしたが、腕に力が入らず、片膝をついた。

 

「ゾロ!」

 

 タマモが駆け寄る。

 

「大丈夫や! まだ立てるやろ!」

 

「うるせえ……。少し休ませろ」

 

「何や、格好つけとる場合かいな!」

 

 そう言いながらも、タマモはゾロの肩を支えた。

 

 傷だらけの二人は、互いに顔を見合わせる。

 

 そして、わずかに笑った。

 

 ミホークに敗れた痛みは、まだ消えていない。

 

 だが、二人は確実に前へ進んでいた。

 

4.ナミ&ナカヤマフェスタVS ミス・ダブルフィンガー――棘の女王

 一方、ナミとフェスタは、ミス・ダブルフィンガーと対峙していた。

 

「さて……あなたたち二人を相手にするのは、少し面倒ね」

 

 ミス・ダブルフィンガーは指先を鋭い棘へと変え、笑みを浮かべる。

 

「でも、クロコダイル様の邪魔をするなら容赦はしないわ」

 

「そう。なら、こっちも遠慮なくいくわよ」

 

 ナミはクリマ・タクトを構えた。

 

「フェスタ、援護して!」

 

「了解。派手に賭けようじゃないか」

 

 フェスタはライフルを構え、照準を合わせた。

 

「フェスタ・ロングショット!」

 

 銃声が響く。

 

 弾丸はミス・ダブルフィンガーの肩を狙ったが、彼女は身体をひねってかわした。

 

「銃なんて、当たらなければ意味がないわよ!」

 

 棘の腕が伸びる。

 

「きゃっ!」

 

 ナミは紙一重でかわしたが、衣服が裂け、腕に傷が走った。

 

「ナミ!」

 

「大丈夫! これくらい!」

 

 ナミはタクトを振るう。

 

 だが、ミス・ダブルフィンガーは地面を蹴り、棘を突き出しながら迫ってきた。

 

「あなたの武器、面白そうね。でも、そんな玩具で私に勝てると思わないことよ!」

 

「玩具ですって……?」

 

 ナミの目が細くなる。

 

「これはね、天候を操るための武器なのよ!」

 

 ナミはタクトを組み替え、気流を発生させた。

 

 温度差を利用し、空気を操る。

 

 その変化に気づいたミス・ダブルフィンガーが、眉をひそめた。

 

「何をするつもり?」

 

「見てなさい!」

 

 ナミはタクトを振り上げる。

 

「サンダーボルト=テンポ!」

 

 雷が落ちた。

 

「きゃあああっ!」

 

 ミス・ダブルフィンガーが吹き飛び、地面に転がる。

 

 ナミは息を切らしながら、タクトを握りしめた。

 

「どう? 私の武器、ただの玩具じゃないでしょ?」

 

「……なるほどね」

 

 ミス・ダブルフィンガーは立ち上がり、服についた砂を払った。

 

「確かに、少しは面白い。でも、私を倒すにはまだ足りないわ!」

 

 彼女の身体から、無数の棘が生える。

 

 ナミは後退しようとしたが、足元に棘が突き刺さり、動きを封じられた。

 

「しまっ……!」

 

 ミス・ダブルフィンガーが一気に距離を詰める。

 

 その瞬間――。

 

「フェスタ・スナイプショット!」

 

 銃声が響き、棘の一部が弾き飛ばされた。

 

「なっ!?」

 

「ナミ、今だ!」

 

 フェスタが叫ぶ。

 

 ナミは即座にタクトを構え直した。

 

「サンダーボルト=テンポ!」

 

 再び雷が落ちる。

 

 ミス・ダブルフィンガーは直撃を受け、地面へと倒れ込んだ。

 

 静寂が訪れる。

 

 ナミは大きく息を吐き、フェスタのもとへ歩み寄った。

 

「助かったわ、フェスタ」

 

「なに、仲間を助けるのは当然だろ?」

 

 フェスタは銃を肩に担ぐ。

 

「それに、あんたにはまだ借りがあるからね」

 

「借り?」

 

「この航海は、まだ終わっていない。賭けの決着をつけるまでは、あんたを勝手に倒れさせるわけにはいかないのさ」

 

 ナミは一瞬きょとんとしたあと、苦笑した。

 

「本当に、変なところで律儀なんだから」

 

「褒め言葉として受け取っておくよ」

 

 二人は互いの肩を支え合い、戦場を見渡した。

 

 戦いは、まだ続いている。

 

5.サンジ&オグリVS Mr.2ボン・クレー――変幻自在のオカマ拳法

「さあ、続きといきましょうか!」

 

 Mr.2が軽やかにステップを踏む。

 

「あなたたちの実力、じっくり見せてもらうわよーん!」

 

「俺はお前と踊る趣味はねえ!」

 

 サンジが蹴りを放つ。

 

 Mr.2はそれを腕で受け流し、回転しながら反撃した。

 

「オカマ拳法――!」

 

 強烈な蹴りがサンジの脇腹を捉える。

 

「ぐっ……!」

 

 サンジが後退した。

 

「サンジ!」

 

 オグリが大斧を振り下ろす。

 

「グレート・アックス・スマッシュ!」

 

 Mr.2は跳び上がり、攻撃をかわした。

 

「危ないわねえ! そんな大きな斧を振り回して、食事の時間に当たったらどうするのよ!」

 

「食事を粗末にするつもりはない!」

 

「だから、どうして食べ物の話になるのよーん!」

 

 Mr.2は地面に着地し、オグリへと飛びかかった。

 

 その動きは予想以上に速い。

 

 オグリは斧で受け止めたが、衝撃に腕が痺れた。

 

「くっ……!」

 

「力は強い。でも、動きが大きすぎるわ!」

 

 Mr.2の蹴りがオグリの肩を打つ。

 

 オグリはよろめき、地面に片膝をついた。

 

「オグリ!」

 

 サンジが駆け寄ろうとする。

 

 しかし、Mr.2はすかさずその前に立ちはだかった。

 

「あなたの相手は私よーん!」

 

「邪魔だ!」

 

 サンジの蹴りが連続して飛ぶ。

 

 Mr.2はそれをかわしながら、次々と反撃を繰り出した。

 

 互いの攻撃が交錯し、砂煙が舞い上がる。

 

「くそっ……! こいつ、動きが読めねえ!」

 

 サンジが歯を食いしばる。

 

 Mr.2は相手の動きを見極め、隙を突く戦い方を得意としていた。

 

 力任せに攻めても、容易には当たらない。

 

「サンジ!」

 

 オグリが立ち上がった。

 

「一人で戦おうとするな。私たちは二人だ!」

 

「……ああ!」

 

 サンジは笑った。

 

「そうだったな!」

 

 二人は互いに目配せする。

 

 サンジが正面から攻め、オグリが側面へ回り込む。

 

「グレート・アックス・カウンター!」

 

 オグリの斧がMr.2の退路を塞ぐ。

 

「なっ!?」

 

 Mr.2が跳び退いた瞬間、サンジの蹴りが飛んだ。

 

「ディアブルジャンブ――!」

 

 脚に熱が宿る。

 

「ムートンショット!」

 

 強烈な蹴りがMr.2の身体を捉え、彼を地面へと叩きつけた。

 

「ぐはっ!」

 

 Mr.2は砂の上を転がった。

 

 しかし、すぐに立ち上がる。

 

「やるじゃない……! でも、まだまだよーん!」

 

 彼は再び構えた。

 

 サンジとオグリもまた、傷だらけの身体で立ち向かう。

 

 攻防は激しさを増していった。

 

 サンジの蹴りがMr.2の腕を弾き、オグリの斧が地面を砕く。

 

 Mr.2は変幻自在の動きで攻撃をかわし、隙を突いて反撃する。

 

 だが、二人は決して離れなかった。

 

「サンジ、右だ!」

 

「分かってる!」

 

 オグリが斧で敵の動きを制限し、サンジが蹴りを叩き込む。

 

 Mr.2は防御しようとしたが、連携の前に反応が遅れた。

 

「これで終わりだ!」

 

 サンジの蹴りが、Mr.2の腹部に直撃する。

 

 オグリが最後に斧の柄で足元を払った。

 

 Mr.2は体勢を崩し、そのまま地面へと倒れ込んだ。

 

「……まいったわねえ……」

 

 彼は大の字になって空を見上げた。

 

「二人がかりなんて……ずるいじゃない……」

 

「二人で戦うのが仲間ってもんだ」

 

 サンジは息を切らしながら答えた。

 

「一人で何でもできると思うなよ」

 

 オグリは斧を背負い直した。

 

「それに、私は仲間と一緒に食べる食事が好きだ。仲間を傷つける者は、食卓に招くわけにはいかない」

 

「最後まで食べ物の話かよ……」

 

 サンジは苦笑した。

 

 しかし、その表情には確かな安堵が浮かんでいた。

 

6.ウソップ&テイオー、チョッパー&タキオンVS Mr.4ペア

 別の場所では、ウソップとテイオーがMr.4、ミス・メリークリスマスと対峙していた。

 

「ウィーッハッハッハ! お前ら、俺様のバットでぶっ飛ばしてやる!」

 

 Mr.4が巨大なバットを振り回す。

 

「ちょ、ちょっと待て! あんなの食らったら、俺の頭がスイカみたいに割れるぞ!」

 

 ウソップが震え上がった。

 

「大丈夫だよ、ウソップ!」

 

 テイオーは槍を構え、笑顔を浮かべる。

 

「ボクたちなら勝てる!」

 

「その自信はどこから来るんだよ!?」

 

「走ってきたから!」

 

「意味が分からねえ!」

 

 ミス・メリークリスマスが地面へ潜り、二人の足元から姿を現した。

 

「ウィーッハッハッハ! 油断したね!」

 

「うわあああっ!?」

 

 ウソップが飛び退く。

 

 テイオーは槍を構え、突進してきた彼女を受け止めた。

 

「スピア・ガードスラスト!」

 

 槍の柄で攻撃を受け流し、距離を取る。

 

「ウソップ、援護お願い!」

 

「お、おう!」

 

 ウソップはパチンコを構えた。

 

「必殺――火の鳥星!」

 

 火をまとった弾が飛び、Mr.4の足元で爆発した。

 

「ぐおっ!?」

 

 Mr.4がよろめく。

 

「よし! 効いてるぞ!」

 

 ウソップが叫んだ。

 

「なら、続けていくよ!」

 

 テイオーが地面を蹴る。

 

「スピア・ライトニング!」

 

 鋭い突進がMr.4へと迫る。

 

 しかし、Mr.4は巨大なバットを振り抜き、テイオーを弾き飛ばした。

 

「きゃあっ!」

 

「テイオー!」

 

 ウソップが駆け寄る。

 

「大丈夫!?」

 

「う、うん……! ちょっと痛いけど、まだ走れる!」

 

 テイオーは槍を握り直した。

 

「なら、もう一回!」

 

 一方、チョッパーとタキオンは、ミス・メリークリスマスの地中移動に苦戦していた。

 

「どこから出てくるんだ、こいつ!」

 

 チョッパーが周囲を見回す。

 

「地下を自由に移動できる能力か。実に興味深いねえ!」

 

 タキオンは目を輝かせた。

 

「興味深いじゃない! どうやって戦えばいいんだよ!」

 

「簡単さ。相手が出てくる場所を予測すればいい」

 

「それができないから困ってるんだ!」

 

 地面が盛り上がる。

 

「下だ!」

 

 タキオンが叫んだ。

 

 チョッパーは瞬時にランブルボールを取り出し、変身する。

 

「ウォークポイント!」

 

 四本足で地面を蹴り、攻撃をかわした。

 

 ミス・メリークリスマスが顔を出した瞬間、チョッパーは勢いよく突進する。

 

「ロゼオコロネード!」

 

 強烈な角の一撃が、彼女を吹き飛ばした。

 

「ぎゃあっ!」

 

 ミス・メリークリスマスは地面を転がる。

 

「やった!」

 

 チョッパーが喜ぶ。

 

「ふむ、素晴らしい反応速度だ。身体能力の変化も興味深い……あとで詳しく――」

 

「今は戦いに集中しろ!」

 

 チョッパーが怒鳴った。

 

 その直後、Mr.4のバットがウソップとテイオーへと振り下ろされた。

 

「危ない!」

 

 テイオーがウソップを突き飛ばす。

 

 巨大なバットが地面を砕き、砂煙が舞い上がった。

 

「テイオー!」

 

 ウソップは起き上がり、テイオーのもとへ駆け寄った。

 

「大丈夫か!?」

 

「う、うん……でも、ちょっと腕が……」

 

 テイオーは槍を握る手を震わせていた。

 

 それでも、彼女は立ち上がった。

 

「まだ、終わってないよ!」

 

 ウソップはその姿を見て、唇を噛んだ。

 

 自分は怖い。

 

 目の前の敵は、どう見ても強い。

 

 逃げ出したくなる。

 

 だが、テイオーは傷つきながらも立ち上がっている。

 

 仲間を守るために。

 

「……ちくしょう」

 

 ウソップはパチンコを握り直した。

 

「俺だって……やるときはやるんだ!」

 

 彼は弾を装填し、Mr.4へと狙いを定める。

 

「必殺――特用油星!」

 

 弾がMr.4の足元に命中し、地面が滑りやすくなる。

 

「ウィッ!?」

 

 Mr.4の足が滑った。

 

「テイオー! 今だ!」

 

「うん!」

 

 テイオーは槍を構え、全力で駆け出した。

 

「スピア・トライデントラッシュ!」

 

 連続突進がMr.4の身体を打ち、彼の巨体が大きく揺れる。

 

 その隙に、チョッパーがミス・メリークリスマスを押さえ込んだ。

 

「タキオン! 今だ!」

 

「了解だとも!」

 

 タキオンは地面に転がっていた道具を拾い、ミス・メリークリスマスの進路へと投げ込んだ。

 

 彼女がそれを避けようとした瞬間、チョッパーが角を構える。

 

「ロゼオコロネード!」

 

 再び強烈な一撃が決まった。

 

 ミス・メリークリスマスが倒れ込む。

 

 残るはMr.4だけだ。

 

「ウィーッハッハッハ! まだまだだ!」

 

 Mr.4はバットを振り回し、テイオーへと迫る。

 

 テイオーは槍を構えた。

 

 腕は痛む。

 

 脚も疲れている。

 

 それでも、彼女は笑った。

 

「ボクは、ここで止まらない!」

 

 テイオーは最後の力を振り絞り、槍を突き出した。

 

「スピア・ライトニング!」

 

 鋭い突進がMr.4の懐へと入り込む。

 

 同時に、ウソップの弾が飛んだ。

 

「必殺――火の鳥星!」

 

 爆発がMr.4の足元を包む。

 

 巨体がぐらりと傾いた。

 

「ウィーッ……ハッ……!」

 

 Mr.4はそのまま地面へ倒れ込んだ。

 

 戦いが終わった。

 

 ウソップはその場にへたり込む。

 

「はあ……はあ……。勝った……のか?」

 

「うん! 勝ったよ!」

 

 テイオーが笑顔でうなずく。

 

「やったね、ウソップ!」

 

「お、おう……!」

 

 ウソップは照れくさそうに頭をかいた。

 

「ま、まあ、この俺様にかかればこんなもんだ!」

 

「さっき逃げそうになってたけどね」

 

 タキオンがにこやかに指摘した。

 

「そこは言わなくていいんだよ!」

 

 チョッパーは二人の傷を確認しながら、真剣な表情になった。

 

「テイオー、腕を見せて。ウソップも、頭を打ってないか?」

 

「大丈夫だよ、チョッパー!」

 

「俺も大丈夫だ。……いや、やっぱり少し痛い」

 

「じゃあ、ちゃんと手当てする!」

 

 タキオンも白衣のポケットから道具を取り出す。

 

「ふむ。実戦による身体能力の変化も観察できたし、実に有意義な戦いだったねえ」

 

「お前、最後までそれかよ!」

 

 ウソップが叫ぶ。

 

 しかし、その声には安堵が混じっていた。

 

 誰もが傷を負い、苦しい戦いだった。

 

 それでも、彼らは勝った。

 

 仲間を守り、互いに助け合いながら。

 

7.それぞれの勝利、そして王都へ

 砂漠の道に、戦いの静けさが戻った。

 

 ゾロとタマモは肩を支え合いながら立ち上がり、ナミとフェスタも傷を負った身体で仲間たちのもとへ集まってきた。

 

 サンジとオグリも、息を切らしながらMr.2のそばを離れる。

 

 ウソップとテイオーはチョッパーに手当てを受け、タキオンは倒れた敵たちを興味深そうに観察していた。

 

「全員、無事か?」

 

 ゾロが尋ねる。

 

「無事と言いたいところだけど、あちこち痛いわね……」

 

 ナミが腕の傷を押さえた。

 

「でも、勝ったよ!」

 

 テイオーが笑顔を見せる。

 

「ボクたち、ちゃんと勝てた!」

 

「おう! 俺様の活躍を見たか!」

 

 ウソップが胸を張る。

 

「最後まで逃げずに戦ったのは立派だったよ、ウソップ」

 

 チョッパーが褒める。

 

「そ、そうだろうとも!」

 

 ウソップは鼻を高くした。

 

「ただし、傷は放っておくな。無理をしたらあとで響くぞ」

 

 チョッパーは全員の傷を確認しながら、医者としての顔を見せていた。

 

「ふむ。負傷者が多いねえ。戦闘データをまとめるのは後にして、まずは応急処置を優先しよう」

 

 タキオンも珍しく真面目な口調で言った。

 

「珍しくまともなことを言ったな」

 

 ゾロがつぶやく。

 

「おや、私はいつでもまともだとも」

 

「それはないわ」

 

 ナミとタマモの声が重なった。

 

 フェスタはライフルを肩に担ぎ、王都の方向を見つめた。

 

「さて……これで道は開けた。けど、まだ終わりじゃないね」

 

 ビビは、すでに遠くへ走り去ったカルーの姿を思い浮かべていた。

 

「ビビちゃんは、もう王都に着いているかもしれない」

 

 サンジが言う。

 

「なら、急ごう。クロコダイルが先回りしている可能性もある」

 

 オグリがうなずいた。

 

 ゾロは刀を収め、傷ついた身体を起こした。

 

「ルフィたちも、必ず追いついてくる」

 

「あいつらのことや。砂漠に埋まってても、勝手に掘り起こして出てくるやろ」

 

 タマモが苦笑する。

 

「それはそれで怖いな……」

 

 ウソップが顔を引きつらせた。

 

 ナミは仲間たちを見回し、深く息を吐いた。

 

「……みんな、ありがとう。ビビを王都に送り届けるために、ここまで戦ってくれて」

 

「何言ってんだよ、ナミ!」

 

 テイオーが笑った。

 

「仲間なんだから、当然でしょ!」

 

「そうだ。仲間を助けるのに、理由なんていらない」

 

 チョッパーも力強くうなずく。

 

 フェスタは帽子のつばを上げた。

 

「それに、ここまで来た以上、最後まで見届けないとね」

 

「よし!」

 

 サンジが煙草をくわえ直す。

 

「行くぞ、みんな!」

 

 一行は再び歩き出した。

 

 目指すは、アラバスタ王国の王都アルバーナ。

 

 そこでは、ビビが国を救うために走り続けている。

 

 そして砂漠の彼方では、ルフィとゴールドシップが、クロコダイルに敗れた悔しさを胸に、再び立ち上がろうとしていた。

 

 仲間たちが道を切り開いた今、彼らに残されたのは、砂の王との決着。

 

 アラバスタ王国を巡る戦いは、いよいよ最終局面へと向かっていく。

 

 ――アラバスタ編、続く。

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