ウマ娘ONE PIECEダービー~黄金の浮沈船は大海原を駆ける~ 作:武藤 桜
1.王宮の危機――砂の王、再び
王都アルバーナ。
街の至る所で、王国軍と反乱軍が激突していた。
銃声、砲声、怒号。砂埃が舞い上がり、建物の壁が崩れる。かつて活気に満ちていた王都は、今や戦場と化していた。
「やめて! みんな、戦うのをやめて!」
王宮へ続く道を駆けながら、ビビは必死に叫んだ。
「この戦いは、クロコダイルが仕組んだものなの! あなたたちが戦う必要なんてない!」
しかし、兵士たちの耳には届かない。
長く積み重なった不信と怒り。そして、クロコダイルの策略によって煽られた憎しみが、彼らを戦いへと駆り立てていた。
「ビビ様!」
王宮の門で、王国軍隊長チャカが彼女を迎えた。
「ご無事でしたか!」
「チャカ! お願い、戦いを止めて! クロコダイルが王国を乗っ取ろうとしているの!」
「承知しております。ですが、今は兵たちを止めることができません……!」
チャカは悔しげに拳を握る。
「王宮は私たちが守ります。ビビ様はどうか、陛下のもとへ!」
「ありがとう、チャカ!」
ビビは王宮へと駆け込んだ。
だが、その先に待っていたのは――。
「ようやく戻ったか、王女殿下」
冷たい声。
バルコニーの向こうから、クロコダイルが姿を現した。
「クロコダイル……!」
ビビの顔が強張る。
「あなたの計画は、もう終わりよ! 反乱軍も王国軍も、あなたの嘘に気づけば――」
「気づく? 今さらか?」
クロコダイルは鼻で笑った。
「この国は、すでに戦争を始めている。人間は一度憎しみに囚われれば、真実など見ようとしない」
「そんなこと……!」
チャカがビビの前に立ちはだかった。
「クロコダイル! 王宮から立ち去れ!」
チャカの身体が獣の姿へと変わる。
「王女には指一本触れさせん!」
彼はクロコダイルへと突進した。
しかし、クロコダイルは砂へと姿を変え、攻撃を受け流す。
「無駄だ」
砂の腕がチャカを捕らえた。
「ぐっ……!」
クロコダイルの能力が、チャカの身体から水分を奪っていく。
「チャカ!」
ビビが叫ぶ。
チャカは抵抗しようとしたが、力が抜け、その場に倒れ込んだ。
「忠臣の勇気は認めてやろう。だが、俺の邪魔をするには力が足りん」
クロコダイルはビビへと歩み寄る。
「さあ、王女殿下。最後まで見届けるがいい。お前の国が崩れていく様を」
「いや……!」
ビビは後退した。
クロコダイルの手が彼女へ伸びる。
次の瞬間、ビビの身体が宙へと投げ飛ばされた。
「きゃあああっ!」
王宮のバルコニーから、ビビが落下していく。
その眼下に――。
「ビビィィィッ!」
ルフィの叫びが響いた。
砂漠でクロコダイルに敗れたルフィとゴールドシップは、傷を負いながらも再び立ち上がり、王都へとたどり着いていた。
二人は、王宮から落ちてくるビビを見つける。
「ゴルシ!」
「任せろ!」
ゴールドシップが地面を蹴った。
「ゴルシ式・黄金キャッチ!」
「技名をつけるなァァァッ!」
ルフィのツッコミと同時に、ゴールドシップは両腕を広げ、落下してきたビビを受け止めた。
ルフィも伸ばした腕で二人を支え、地面へと着地する。
「ビビ! 大丈夫か!?」
「ルフィ……! ゴールドシップ……!」
ビビは二人を見て、涙を浮かべた。
「どうして……ここに……!」
「当たり前だろ!」
ルフィが笑う。
「お前を助けに来たんだ!」
「私もだ! 黄金の浮沈船は、仲間を見捨てない!」
ゴールドシップが胸を張る。
そのとき、王宮の門からもう一人の隊長が駆けつけた。
「ビビ様!」
隼の姿へと変身したペルだった。
「ご無事で何よりです!」
「ペル……!」
ビビは彼の姿を見て、再び涙をこぼした。
ルフィはビビをそっと地面に下ろす。
「ゾロたちはどこだ?」
「王宮の近くまで来ているはずよ!」
ビビが答える。
「よし。ビビ、お前はゾロたちと一緒に行け!」
「えっ?」
「クロコダイルは俺たちが止める!」
ルフィは王宮を見上げた。
「それと、街のどこかに大砲が隠されてるはずだ。そいつを探してくれ!」
「大砲……?」
ビビの表情が変わる。
「まさか、反乱軍と王国軍をまとめて吹き飛ばすつもりなの!?」
「そうだ。クロコダイルは、戦争を終わらせる気なんかねえ」
ルフィが拳を握る。
「だから、俺たちで止める!」
ゴールドシップもバットを構えた。
「大砲探しは任せた! こっちは砂のワニを追いかける!」
「ゴルシ、クロコダイルはワニじゃないわよ!」
「砂のワニだろ?」
「違う!」
ナミの声が聞こえた気がした。
ルフィとゴールドシップは、クロコダイルの気配を追って王宮へと走り出した。
2.崩れる王宮――二人の追跡
王宮のバルコニーでは、クロコダイルが眼下の街を見下ろしていた。
戦いは続いている。
王国軍も反乱軍も、互いを敵だと信じ込んでいる。
「これでいい」
クロコダイルは呟いた。
「戦争が終われば、俺の計画も終わる。だからこそ、終わらせるわけにはいかん」
その背後から、ルフィとゴールドシップが駆け上がってきた。
「クロコダイル!」
ルフィが叫ぶ。
「もう逃がさねえぞ!」
「お前たちか……」
クロコダイルは振り返る。
「まだ動けたとはな」
「当たり前だ!」
ゴールドシップがバットを肩に担ぐ。
「黄金の浮沈船は、何度沈んでも浮かび上がる! ただし、今回は砂漠の砂に沈む予定はない!」
「意味が分からん……」
クロコダイルは面倒そうに目を細めた。
「お前たちに構っている暇はない。俺は王宮を離れる」
「待て!」
ルフィが飛びかかる。
しかし、クロコダイルは砂へと変わり、攻撃を受け流した。
「砂嵐!」
砂が吹き荒れ、ルフィとゴールドシップの視界を覆う。
「またこれかよ!」
ゴールドシップがバットを振るう。
「ゴルシ式・砂嵐掃除!」
「そんな技で砂嵐が消えるか!」
ルフィが叫ぶ。
クロコダイルは二人の攻撃を避けながら、王宮のバルコニーへと移動した。
「ここでお前たちを相手にする必要はない」
彼が手をかざす。
王宮の壁が乾き、ひび割れ、崩れ始めた。
「なっ!?」
ルフィが目を見開く。
「王宮を壊す気か!?」
「邪魔なものを取り除くだけだ」
クロコダイルの能力によって、バルコニーの床が砂へと変わっていく。
「うわっ! 足場が!」
ゴールドシップが跳び退く。
ルフィも崩れる床を避け、どうにか壁にしがみついた。
その間に、クロコダイルは崩壊する王宮から離れ、街の地下へと姿を消していった。
「くそっ! 逃げられた!」
ルフィが拳を握る。
「ルフィ、追うぞ!」
ゴールドシップが砂を払う。
「でも、あいつどこに行ったんだ?」
「知らねえ! 探す!」
「おう!」
二人は王宮を飛び出し、街の中へと駆け出した。
クロコダイルを追うために。
そして、王国を救うために。
3.時計塔の大砲――王都に迫る時限爆弾
一方、ビビたちは王宮近くでゾロたちと合流していた。
「ビビ! 無事だったか!」
ナミが駆け寄る。
「うん……ルフィとゴールドシップが助けてくれたの」
「まったく、あいつらは……!」
ナミは安堵しつつも、王宮の崩れた様子を見て顔を曇らせた。
「クロコダイルは?」
「街のどこかへ逃げたわ。ルフィたちが追っている」
ビビは息を整え、仲間たちを見回す。
「私たちは、大砲を探さなきゃ。クロコダイルが街に隠した大砲で、反乱軍と王国軍を一気に壊滅させるつもりなの!」
「大砲だと!?」
ウソップが青ざめる。
「そんなもの、どこに隠してるんだよ!」
「王都のどこかにあるはずよ」
ビビが答える。
「でも、時間がない……!」
そのとき、遠くから海兵たちの声が聞こえた。
「ビビ王女!」
たしぎが駆けつけてきた。
「スモーカー大佐から話は聞いています! クロコダイルの計画を止めるため、私たちも協力します!」
「たしぎさん……!」
ビビは目を見開いた。
「ありがとう!」
「礼には及びません。海軍として、王国を混乱させる者を見過ごすわけにはいきません!」
たしぎは部下たちに指示を出す。
「街の建物を調べてください! 不審な設備や、砲撃に使われそうな場所を探すんです!」
海兵たちが一斉に動き出した。
ナミは街の地図を広げる。
「大砲を隠せる場所……。高い位置から街全体を狙える場所が怪しいわね」
「時計塔はどうだ?」
ゾロが指差した。
王都の中心にそびえる巨大な時計塔。
その内部は広く、砲撃装置を隠すこともできそうだった。
「確かに……!」
ビビが顔を上げる。
「時計塔なら、反乱軍と王国軍の両方を狙える!」
「よし、行こう!」
タマモが刀を構える。
だが、時計塔へ向かう道には、バロックワークスの残党たちが待ち構えていた。
「王女を行かせるな!」
「クロコダイル様の計画を邪魔させるな!」
「ちっ、まだいたか!」
ゾロが刀を抜く。
「ここは俺たちが引き受ける!」
タマモが二本の刀を構えた。
「ナミ、フェスタ! ビビを連れて時計塔へ行け!」
「分かったわ!」
ナミはビビの手を取る。
フェスタはライフルを構え、敵の進路を狙った。
「フェスタ・ロングショット!」
銃声が響き、敵の武器を弾き飛ばす。
「さあ、王女様。急ごう!」
ナミたちは時計塔へと走り出した。
4.援護と連携――仲間の技で時計塔を駆け上がれ!
時計塔の内部へ入ったビビたちは、すぐに異様なものを見つけた。
巨大な砲身。
時計の機構に紛れるように設置された、大型の砲撃装置だった。
「これが……!」
ビビが息を呑む。
「本当に大砲があった……!」
「しかも、もう準備が終わってるみたいね」
ナミが砲身の向きを確認する。
「街の中心を狙っているわ。反乱軍も王国軍も、まとめて吹き飛ばすつもりよ!」
時計塔の下から、敵の足音が響く。
「王女を止めろ!」
バロックワークスの残党たちが追いかけてきた。
「くっ……!」
ビビが身構える。
そのとき、時計塔の外から海兵たちの声が響いた。
「こちら海軍! 敵を押さえます!」
たしぎ率いる海兵たちが、塔の下で敵を迎え撃っていた。
「ビビ王女! 砲撃を止めてください!」
「たしぎさん!」
ビビは時計塔の内部を見上げる。
大砲は高い位置に設置されており、砲身の先には導火線が伸びていた。
「導火線を切れば……!」
「でも、あそこまでどうやって登るのよ!?」
ナミが叫ぶ。
時計塔の内部には足場が少なく、上へ登るには狭い階段を使うしかない。
その階段にも、敵が待ち構えていた。
「時間がない……!」
ビビが歯を食いしばる。
そのとき、階下から仲間たちの声が響いた。
「ナミー! ビビー!」
ウソップとテイオーが駆けつけてきた。
「敵は俺たちが引き受ける!」
ウソップがパチンコを構える。
「テイオー、行くぞ!」
「うん!」
テイオーは槍を構えた。
「スピア・ライトニング!」
敵の足元へ鋭い突進を繰り出し、階段を塞いでいた敵を押し返す。
「ウソップ、援護!」
「任せろ!」
ウソップの弾が飛び、敵の武器を弾き落とす。
さらに、階下からゾロとタマモの声が響いた。
「上へ行け!」
ゾロが叫ぶ。
「こっちは任せとき!」
タマモの二刀が閃き、敵の進路を切り開く。
サンジとオグリも、時計塔の外壁へと回り込んでいた。
「ビビちゃん! 外壁を登るんだ!」
サンジが叫ぶ。
「階段じゃ時間がかかる!」
「私たちが飛ばす!」
オグリが大斧を構えた。
「サンジ、頼む!」
「おう!」
サンジはビビの足元へと走り込み、彼女を支える。
「オグリ!」
「グレート・アックス・スマッシュ!」
オグリが斧を地面へ叩きつける。
衝撃で足場が崩れ、サンジがその反動を利用してビビを高く跳ね上げた。
「きゃああっ!」
ビビの身体が時計塔の外壁を飛び越える。
「ビビちゃん、行けえええっ!」
サンジが叫ぶ。
フェスタもライフルを構え、外壁に張り付く敵を狙った。
「フェスタ・スナイプショット!」
銃声が響き、敵の足場を崩す。
ナミはビビの進路を見定め、風を操る。
「風よ、ビビを押し上げて!」
タクトが空気を巻き起こし、ビビの身体をさらに上へと押し上げた。
チョッパーとタキオンも、塔の下で敵を押さえていた。
「チョッパー、右から来るよ!」
「分かってる!」
チョッパーが角を構える。
「ロゼオコロネード!」
敵を吹き飛ばし、タキオンがその隙に装置を操作して階段の扉を閉じた。
「これで少しは時間を稼げるねえ!」
「よし! ビビ、あと少しだ!」
時計塔の上部。
ビビは外壁の縁に手をかけ、必死に身体を引き上げた。
目の前には、大砲の導火線。
火が、すでに燃え進んでいる。
「間に合って……!」
ビビは最後の力を振り絞り、導火線へと手を伸ばした。
そして――。
パチンッ!
導火線が切れた。
「止まった……!」
ビビはその場に膝をついた。
「間に合った……!」
時計塔の下から、仲間たちの歓声が響く。
「やったあああっ!」
テイオーが槍を掲げる。
「ビビちゃん、成功だ!」
サンジが笑顔を見せた。
ナミも安堵の息を吐く。
「よかった……。これで、砲撃は止められた……!」
だが――。
大砲の内部から、かすかな音が響いた。
カチ、カチ、カチ。
ビビが顔を上げる。
「……え?」
砲弾の中から、時計のような音が聞こえていた。
砲身の奥に仕掛けられた、時限装置。
導火線を切っても、止まらない。
「まさか……!」
ビビは砲弾を見つめた。
そこには、爆発までの時間を刻む仕掛けがあった。
「爆弾……!?」
ナミが息を呑む。
「砲撃を止めても、爆発するようになってるの!?」
時計塔の内部に、絶望が広がった。
5.ペルの決意――王女を守る翼
「そんな……!」
ビビは震える手で砲弾を見つめた。
「どうすれば……! どうすれば止められるの……!」
爆発まで、残された時間はわずかだった。
砲弾を解体する時間はない。
時計塔の内部で爆発すれば、王都の中心が吹き飛ぶ。
「ビビ様!」
ペルが駆けつけてきた。
「ペル……!」
彼は砲弾を見て、すぐに状況を理解した。
「……これは、もう止められない」
「そんな……!」
ビビは首を振る。
「嫌よ……! また誰かが犠牲になるなんて……!」
ペルは静かに彼女の前へ膝をついた。
「ビビ様。どうか、王国をお守りください」
「ペル……?」
「あなたは、アラバスタの希望です」
ペルは穏やかに微笑んだ。
「この国のために、命を懸けることができる。それが、王宮を守る者の誇りです」
「やめて……!」
ビビは彼の腕をつかむ。
「行かないで! お願い……!」
ペルは彼女の手をそっと外した。
「……お別れです、ビビ様」
彼の身体が、隼の姿へと変わる。
ペルは砲弾を抱え、時計塔の外へと飛び立った。
「ペルーーーーッ!」
ビビの叫びが、王都の空へと響く。
隼は空高く舞い上がる。
王都から遠ざかり、誰もいない空へ。
爆発まで、あとわずか。
ペルは最後に王都を振り返った。
「どうか……この国に、平和を……」
次の瞬間。
空が、白く染まった。
轟音。
巨大な爆発が、空の彼方で起こる。
砲弾は王都から遠く離れた場所で爆発し、街を襲うはずだった破壊を、ペル一人が引き受けた。
「ペル……!」
ビビは膝をつき、涙を流した。
ナミが彼女を抱きしめる。
「ビビ……!」
誰も、言葉を発することができなかった。
テイオーは槍を握りしめ、俯いた。
ウソップも唇を噛む。
サンジは煙草を握る手を震わせ、オグリは静かに目を閉じた。
チョッパーは涙をこらえながら、ビビの肩に手を置いた。
タキオンも、いつもの笑みを消して空を見上げていた。
「……彼は、自分の命を使って、王都を救ったんだね」
フェスタは帽子を深くかぶった。
「……ああ。最後まで、賭けを降りなかった男だ」
だが、ペルの犠牲によって爆弾が止められても――。
王国軍と反乱軍の戦いは、終わらなかった。
街の各地で、兵士たちはなおも戦い続けている。
ビビは涙を拭い、立ち上がった。
「……まだ、終わってない」
彼女は王都を見渡す。
「ペルが守ってくれたこの国を、今度は私が救う!」
ナミがうなずく。
「そうよ。まだ戦いを止めなきゃ!」
「行こう!」
テイオーが槍を掲げる。
「みんなで、戦いを終わらせるんだ!」
仲間たちは再び走り出した。
6.地下遺跡――砂の王との決着へ
一方、王都の地下。
古代遺跡へと続く通路を、ルフィとゴールドシップは走り続けていた。
「クロコダイルは、絶対この先にいる!」
ルフィが叫ぶ。
「砂のワニの匂いがするぜ!」
「砂のワニに匂いなんかあるのかよ!」
「ある! 悪党の匂いだ!」
「それはお前の勘だろ!」
二人は地下の広間へとたどり着いた。
そこには、巨大な石柱が並び、古代の壁画が刻まれていた。
広間の奥に立つ男。
サー・クロコダイル。
「ようやく来たか」
クロコダイルは葉巻をくゆらせ、二人を見下ろした。
「王都の騒ぎはどうなった?」
「知るか!」
ルフィが拳を握る。
「お前をぶっ飛ばすことだけ考えてきた!」
「私もだ!」
ゴールドシップがバットを構える。
「王国を乗っ取ろうとしたこと! 仲間を傷つけたこと! 全部まとめて返してやる!」
クロコダイルは薄く笑った。
「お前たちに何ができる? 砂漠で一度、俺に敗れたことを忘れたか?」
ルフィは歯を食いしばる。
「ああ。忘れてねえ」
彼は拳を握りしめた。
「だから、今度は勝つ!」
ゴールドシップもまた、傷だらけの身体で前へ出る。
「黄金の浮沈船は、沈んだままじゃ終わらねえ!」
クロコダイルの右手から砂が舞い上がる。
「ならば、もう一度砂に沈めてやろう」
広間に砂嵐が吹き荒れた。
ルフィとゴールドシップは、同時に駆け出す。
王国を救うため。
仲間たちの想いに応えるため。
そして、砂の王を倒すために。
地下遺跡に、最後の戦いの火蓋が切られた。
――アラバスタ編、最終決戦へ続く。