僕はヒーローが大好きだ、どんな困難も弾き飛ばす強靭な身体と心、時につまずいて
それでも最後には立ち上がり成長と共にハッピーエンドを目指すその姿勢、みんなも好きだろう?
おいらは大好きでゲス!
………しかし
「此処はいったいどこなんだ???」
後ろを振り返ってみればそこにあったのはとまれの標識だ、今自分は家の玄関を通ったばかりなのに。
いや、落ち着いて考えよう。 、、、、、、??
だめだまったく落ち着けない看板の文字からしてここは日本のはずだ、ビルもある、田舎ではないだろう、たぶん。とりあえず誰か人がいないか探そう。
僕一人だけの夜の十字路にリリリリと虫の合唱だけがいやに頭に響く。
どのくらい経っただろうか。人がいないないばあっ!…ふう。人がいない、どうしてこんなことがあり得ようか、まさかコンビニの中にさえ誰もいないとは。
「怖すぎるだろ。」
僕が家を出た時刻は九時、深夜というにはまだ早かったはずだ。標識を頼りに大きな道に出た、車のひとつもありゃしない。誰もいない町で街灯だけは爛々と光っていた、ただ何も照らすこともなく。
何も?
足元を見た、きれいな歩道だよく手入れされているのかな??
両腕を見た、汚い腕だ帰ったらよく洗わないとだな。
全身を撫でた、確かな存在感だ言うこともないな。
無い
僕の影だけががない。
それを認知した瞬間、虫の声がより鮮明に頭に入ってくる、さっきまで合唱だったはずのそれは独唱となりそれでもなお気配を増し僕の心を侵す。
頭痛をこらえ頭を上げる、そこにいたのは、自分の影だ。
「は?」
思わず声をあげた、いやあげてしまった。目?があった影はこちらへ向きかえり走り出した、リリリリといやというほど聞いた音色を奏でながら。
足が痛い、肺が膨らまない、もう体力がない、だが今止まれば命がない、いまだ止まない演奏は
ジリリジリリと迫ってくる。
不意に背中に熱を覚える。
「ぁがあっ‼」
しまった。おいつかれた。もう終わりだろうか。
先に逝ってしまうとは親に申し訳ないなあ、明日会おうと約束していた友にも申し訳ないなあ
「いや、まだだ」
妙に諦観する思考を隅に追いやり、影をにらむ、せめて最期の一瞬ぐらいは自分で選んだ結果でありたい。
僕は不格好な構えをとって影と相対する、背筋を伝う冷たさはきっと血のせいだけではないのだろう。
影がこちらへと向かう、まるで勝ち誇るのように堂々と。
僕はただ見せかける、心を奮い立たせるために堂々と
数瞬のち影は僕へと飛び掛かり
ドゴォン!!!
巨拳が
影を叩き潰す。
「…はあっ⁉」
なんだ今の!たすかった?助けてくれた?てかまず誰「大丈夫か!?少年‼」…うぇ!
声のするほうへと顔を向けた。そこにいたのは
「大丈夫か?少年、もう安心しな、けがの手当てもすんでいる。後はこの領域が閉じるのを待つだけさ。」
「、、あひん」
かっっっっっっこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!
ヤバい!かっこよすぎる!筋骨隆々!立派なお鬚!大胆な攻撃!いつの間にか僕の手当てを終わらせている気配りと手際の良さ!!やばいよおお!ドストライク!ドストライクなヒーローさまのおじさまに助けられちゃったよおおおおおおおおおおおお
「大丈夫か⁉?少年⁉馬鹿なダメージはすでに私が回復させた。まだ何か攻撃を食らっているのか?」
まさかのまさかヒーローとおぼしきひとに助けられちゃった僕は興奮によって気絶してしまいましたとさ
次の日
「目が覚めても、見えるのは知らない天井かぁ…」
やはりあれは夢ではなかったみたいだ、急に連絡が取れなくなってしまって両親には迷惑をかけてしまうなあ、
まだ18なのに別れるには早すぎるし申し訳ないや。
「ナースコールは…あるね。」
夢じゃないならあの人にもお礼が言いたいし、ナースさんにでもいろいろ説明してもらおう。
僕一人の病室、ナースコールを押して ナースさんが来た
「はーい、お加減いかがでしょうか~」
早すぎやしないか?ワープでもしてるのか。
「起きたのなら早速あなたの今後について話してもよろしいでしょうか~」
「あっはい」
「ではまず~、今日はこのあとは来復の光の方々との面談ですね~。」
「あのー来復の光というのは?」
「ん~と、そういった説明は本人から聞いたほうがいいかもしれないですね~、多分そろそろいらっしゃるので~」
そう言うとナースさんは部屋を出て行ってしまった。らいふくのひかり、どんな組織なんだろう。
まあ、考えてばっかでもあれだし寝よう。