恐怖症を患ったのでVtuberになって治していこうと思います   作:水永有軌

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皆喜Live鯖に入るぞ!

 本来であれば、もう少し時間をかけて決めるはずだったファンネームとファンアート名。だが、岩世さんが持ってきた案が想像以上の人気を集め他の案を出す前に決まってしまった。

 

「いやぁ、こんなに早くファンネームとファンアート名決めるつもりなかったんだけどなぁ。ねぇ恐怖民」

 

 配信コメント

 :早速使ってやがる

 :恐怖民、悪くない響きですねぇ

 :淡々というから俺らが怖がってるみたいに聞こえるな

 :けど配信開始から五分で決まるとはw

 :早すぎw

 :取締役のせいw

 

 ファンのみんなはやはり、この名前を気に入ったらしい。けど本当に早すぎる、この話題だけで三十分は持たせるつもりだったのに。

 

「配信予定時間は一時間のつもりだったのにまだ五十分も残ってる。時間大丈夫かな?」

 

 配信コメント

 :大丈夫だろ

 :五十分ぐらいあっという間だぞ

 :話していれば終わる

 

 コメント欄が温かい。こんな人たちがこの世の中にはいたんだな。僕の周りとは大違いだ。

 そういえば香菜に連絡取れてないけど大丈夫かな。きっと心配してるだろうな。

 

「よし! それじゃあ後半にやる予定だった企画を前倒しにしてやろう!」

 

 配信コメント

 :来た来た

 :さて、ここまで驚かしてくれて何をするのか

 :雑談かな

 :ゲーム配信?

 :それとも歌枠?

 :歌聞いてみたいわぁ

 :歌枠あるのかね

 :あるんじゃね、皆喜Live歌上手な奴多いし

 :あぁ。あの先輩に引っ張られるのか

 :心君もあの地獄を経験するのか

 :あれは地獄だった

 :上に同意

 

「地獄? そんなことがあったの」

 

 皆喜Liveに加入する前にある程度のことを調べたが、そこまで深い情報は手に入れられてない。ましてや今までVtuberという文化にすら触れてこなかったのだから。

 

 配信コメント

 :2期生に歌が得意な歌姫がいるんだけど

 :その歌姫が暴走した

 :24時間カラオケ配信

 :聞いてる側もやってる側もあれは地獄だった

 :何度耳が壊れるかと思ったか

 :歌はうまいんだけどなぁ

 :音割れがありますから

 :それがいいのでは

 

「え、24時間カラオケ配信……。なにその地獄」

 

 え、二十四時間カラオケするの。ずっと? 死ぬのでは? 主に喉が。

 まぁいいや、とりあえず今日は雑談じゃなくて企画なんだから。

 

「でね、これからやりたいことなんだけど。皆喜Liveのメンバー鯖ってあるじゃん」

 

 配信コメント

 :あぁ、CRのね

 :新人らも入ったのか

 :入るだろ、情報共有とかあるんだから

 :先輩方の第一イメージどうでした

 :あのチャット欄はすごかったぞ

 :引きこもりがしゃべるごとに補足説明入ってたな

 :あのチャットでなんで会話できてるのか意味わからない

 

「そうそうCR。そこの鯖に僕ね、まだ入れてないの。その結果岩世さんから早く入りなと言われてしまいました」

 

 配信コメント

 :予想はしていたが……

 :おいおい

 :まぁしょうがないんじゃね

 :病気だしなぁ

 :けど連絡大変やろ

 :取締役が頑張ればいいだけや!

 :ん? まて、ということは今日の企画はもしかして

 :え、そういうこと

 

「もう気づいた人もいるらしいけど。ということで今日の企画は皆喜Live鯖に入ろうだよ」

 

 岩世さんに説明したことは、せっかく病気のことを暴露したのだからこのことを最大限生かしていこうということだった。なのでまず、女性恐怖症で入れていなかった皆喜Live鯖に入る様子を配信で見せようと企画したのだ。

 その企画案を聞いた岩世さんは思いっきり笑っていた。

 

「うちの取締役からはもう許可をもらったからCRの画面を映すね」

 

 配信コメント

 :大事な部分は隠してるか?

 :昔それで自分の趣味暴露した奴いたぞ

 :騎士だな

 :けどその結果姫さん公式の騎士になれたんだからよかったやん

 :過保護すぎるけどな

 :それがいいのでは

 :皆喜Liveらしいだろ

 :うわぁ、見事に何もない

 :友達すら登録してないやん

 :一人だけいるな名前は隠れてるけど

 :この一人誰なんだろな

 :気になるぅ

 :女か

 :なわけないだろ

 :だよな

 

 コメント欄を除くと俺の友達やサーバーがなさすぎるCRの画面に驚きつつ、唯一友達欄にいた一人のことを気になっているようだ。

 

「この友達はね、僕の幼馴染なの。小さいころから遊んでたね。けど恐怖症になってから連絡も取れてないし、自分の事情すら話せてないんだよね。心配されてるだろぉなぁ、あの子僕のことになるとお姉ちゃんみたいになるし」

 

 配信コメント

 :幼馴染おるんかワレ

 :うらやまけしからん

 :海に沈めるか

 :まて、どんな子か聞いてないぞ

 :海に沈めるのは情報を聞いてからにするか

 :さぁ言ってみろ

 

「え、気になるの? じゃあ言えるところだけね。僕の小さいころからの幼馴染で、たまにお互いの家で遊んだり、勉強をしたりしているだ。それでお互いのことが大好きなんだ、けど別に付き合ったりしてるわけじゃないよ。」

 

 配信コメント

 :ここではてぇてぇはないと油断してました

 :てぇてぇなのか?

 :なんか砂糖をぶち込まれたような

 :え、恋愛来るのか

 :幼馴染ちゃん女性恐怖症を持ったの知らないのか

 :今の話聞いた限りだと家に来そうだけどな

 

 お母さんによると最近になって僕の家にきてくれたらしい、でも僕が顔を見せてあげることはできなかった。女性恐怖症のことについては伝えてないとも言っていた。

 

「まぁ僕の幼馴染の話はここまでにして、早速企画を始めていこう」

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