恐怖症を患ったのでVtuberになって治していこうと思います 作:水永有軌
配信画面に映し出されるのはCRのホーム画面。
岩世さんから送られてきたURLを隠しながらクリックすると、そこには皆喜Live招待画面が表示される。
「あ、無事に出てきたね」
配信コメント
:例の皆喜Liveの画面ですな
:親の顔よりも見た皆喜Liveの画像
:親の顔もっと見ろ
:配信でさらす人が多すぎてこの画面も見慣れたなぁ
:招待画面からはさすがに初やろ
:実は一人だけいるんだなぁ
:だれやそれ
:引きこもり
:あぁ
:なっとく
:それならしゃぁないかぁ
「え、僕みたいな企画をした先輩がいたの?」
配信コメント
:いたぞ
:まぁ状況はちゃうけどな
:あっちはめんどくさくて入ってなかった結果の強制だったし
:こっちもある意味強制的にじゃね?
:こっちはちゃんとした理由があるからちゃうやろ
:よく生き残れるよな
:なんでこの事務所に入れたのかよくわからん
:それはみんながみんな思ってる
コメント欄を見ていると僕のような企画をした先輩がもう一人いたらしい。
僕が招待画面を前に固まっているとなぜかコメント欄が激しくなった。
配信コメント
:おい! 先輩たちが同時配信してるぞ!
:それこの配信内で言うなや
:確認した。同時配信内容この配信やんけw
:うわ、まじだ
:何してんだよあの人たち
:おいおい、なんか同期まで始めたぞ
:どうなってんだよこれ
「え、先輩たち同時配信してるの?」
俺はサブモニターにカーソルを持っていき皆喜Liveに所属するライバーの配信状況を確認する。
すると事務所の一期生の先輩方と同期が配信しているわけではありませんか。
「えぇぇえ! 先輩たちこの配信見てるの⁉」
配信コメント
:そうらしいな
:どういう状況やこれ
:ついに待ちきれなくなったか
:まぁあれだけ入れなければな、背中押したくなるやろ
:これ逆に動かなくなるんじゃね?
:あ。可能性ではナシもあらず
幸いなことにか女性恐怖症の影響は出ずに済んだ。
仮にこれが通話などでつながるとなるとまた話が変わるのだろうか、今のところもんだいなさそうなのでまぁいいだろう。
「先輩方に同期か。初めまして、昨日皆喜Liveで新たにデビューさせていただいた天怖心って言います。こんな形では何ですがよろしくお願いします」
配信コメント
:すっごく丁寧だな
:今までの感じからなんとなくいい子なんだなとは思ってたけど、思ってた以上にいい子だった
:こんな子がなんで女性恐怖症なんかに
:かわいそうだよな
:和乙時雨|こちらこそよろしくね
:春音桜|よろしく
:光野楓|よろしくお願いします
:灯儂凪|よろしくです
:漣渉|よろしくだ
:水無田穂乃|こちらこそよろしくお願いします
:志士時雨|よろしくなのじゃ
:いや、全員きた
:まさかの展開w
:どうしてこうなった
:みんな一気にコメントしてきたなw
コメント欄には一期生の先輩方と同期のライバーがコメントをしてくれていた。
僕はコメントに目をやりながら改めて「よろしくお願いします」と返していた。
「さて、なんやかんやで時間も迫ってきちゃったからそろそろ真面目に入ろうか」
俺はメインモニターに未だに映されている皆喜Live鯖の入室ボタンをポンッとクリックをし、入室した。
「なんだ、簡単入れるじゃん」
先ほどまで手が中々動けなかったのとは打って違い、簡単にボタンを押すことが出来た。
今回がたまたまなのか、それとも必然だったのか。それは僕にはわからないし、まだまだこの僕が抱えている女性恐怖症についてもはっきりとわかり切っていない。
今後も似たようなことがあるかもしれない。
けど、コメント欄に来てくれた先輩や同期を見ているとなんだかんだで今後もいいように成功するような気がしていた。
「じゃあ、無事に皆喜Live鯖に入れたから今日の配信はこれでお開きにするよ。ここまで見てくれた恐怖民のみんなありがとね。それに先輩方や同期のみんなもありがとうございます。こんな僕ですが今後もよろしくお願いします」
配信コメント
:今日も楽しかったよ
:また次の配信を楽しみにしています
:あれ、なんかフレンドのところマークついてね?
:ほんとじゃん
:もしかして、例の幼馴染からか
:わくわく
:こんな終わり際にまさかの展開w
:開くのか? 開くのか?
「え、うそ! と、とりあえず今日の配信はこれでおしまい。また次の配信を見てね! それじゃあ」
配信コメント
:うそぉ
:見せてくれないのかよ
:最後の最後でほんとに閉まらないなw
:まさかこんな展開が待ってるとは思ってもなかったw
:おつかれさまぁ
:おつかれ
:おつ
:おつかれさま
配信が終了しました