恐怖症を患ったのでVtuberになって治していこうと思います   作:水永有軌

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夢と悪夢

 二回目の配信でまさかの配信を切ることが出来ておらず、配信事故を犯した天怖心は現在夢の中にいた。

 背中からは冷や汗が止まらず、顔は緊張しており体が魚のようにぴくぴくと動いている。

 まるで悪夢でも見ているかのように。

 

『お前、調子乗ってるの』

「え、普通に生活してるだけだけど」

『だ~か~ら~、そのお前にとっての普通が私らにとってうざいの』

 

 ある日の放課後突然。校舎裏に呼び出された未守狛はクラスの中でも悪い意味でもいい意味でも目立っているいわゆる一軍女子たちに詰められていた。

 進学校ともいえる高校に入学し新しい友人や幼馴染と楽しく生活しようとしたまさにその時、この女子たちが邪魔をしてきた。

 理由は何とも身勝手なうざかったから、そんなくだらない理由で貴重な時間を消費させられたと考えるだけでも気分が下がる。

 

「そんな理由で俺のことを呼び出したの」

『当たり前じゃん』

「身勝手なんだね」

『は? なんか文句でもあるの』

 

 俺をかこっていた女子の一人が壁に足を押し当て俺に威圧を掛けてくる。

 正直あまり怖くはない。

 このままどこかに行ってしまいたいが俺が手を出すわけにもいかない。

 今の時代は触ってしまっただけでもセクハラもしくは言いがかりをつけて暴行と言われるかもしれない。

 

「当たり前じゃん、文句の一つも言いたくなるよね。俺は普通に学校生活を送りたいだけなのにそれを邪魔しようとしてるのは君たちじゃん」

『うるさいんだよ!』

「はっ?」

 

 壁に足を押し当てていた女子生徒は体重をずらし俺の腹に足でけりを入れる。

 油断、体重がいくら軽がろうとも油断しているところにもろに食らってしまえば耐えられるものも耐えられない。

 

「あっ……」

『だっせぇの』

「てめぇら」

 

 俺が腹を抱えて地面に伏せているのを女子たちは笑っている。

 こいつらは間違いなくカスだ。

 すると一らは何を考えたのか俺の頭や背中に追加の蹴りを浴びせてくる。

 何発も蹴り俺が反応をすることが無くなったころ女子生徒の一人が俺の髪を掴む。

 

『お前、今日から私たちの奴隷な』

 

 返事をする余裕はない。もろに蹴りを貰い続け頭はまともに考えを働かせる余裕すらなく威力こそそこまでないとはいえ何発ももらい続けれは必然とそれなりにいいダメージが体にたまっていた。

 この日から俺の地獄は始まった。

 

 目を覚ました時、僕はまともに呼吸が出来ておらず肺と脳が酸素を要求していることが分かった。

 心臓は激しく振動しており落ち着かせるように深く深呼吸をする。

 酸素を全体に回すが目は閉じない。またあの光景を見る気がするから。

 

「くそっ」

 

 口から言葉がこぼれる。僕を女性恐怖症にした原因の女子生徒たち。

 たびたび夢の中に現れては悪夢を見せ体験させてくる。

 せっかく昨日いいことがあったというのにいい気分が台無しだ。

 ベットから体を起こし、服が冷や汗のせいでびしょびしょになっているのを確認後机の上に置いてあった水を一気に飲み干し改めて深呼吸をし心を落ち着かせる。

 

『この場に女子生徒はいない。大丈夫だただの夢だと』

 

 何度も何度も心に言い聞かせる。

 時計を確認するとまだ朝の5時。ずいぶんと早起きをしてしまったなと思うが二度寝する気分には慣れる、学校用のパソコンを開き先生から課題が届いていないかを確認する。

 病院から女性恐怖症だと診断後、俺は電話越しに男性職員と今後について話し合った。

 学校に行くことが出来ないのが大きな痛手だが進学校ということもあったためか俺が進路を自由に決められるよう対応してくれることになった。

 出席点を取れない代わりに大量の課題を行うことで出席点の代わりを貰えることになった。分からないところがあれば放課後の先生がたとの個別リモート授業を行えることも約束してもらえた。

 ただし放課後の授業に関してはすべて男性の先生が対応してくれることを優先順位の一番にしてもらった、そうでもしないと俺のからは固まってしまうに違いないから。

 

 もくもくと届いていた課題を解き進め、朝の8時ころになった時一区切りをつけた。

 もともとある程度勉強をすることが出来ていたということもあり課題を解くことには特に困ることはなかった。

 パソコンを閉じ朝食や歯磨きなどをすませ部屋にもう一度戻るとスマホに一本の着信が来ていることに気づいた。

 電話を確認すると画面に表示されていたのは岩世さんの名前が表示されていた。

 すぐに電話に出ると岩世さんの落ち着く声が聞こえてきた。

 

『おはよう狛君、昨日はよく眠れたかな』

「正直なこと言うと最悪といったところですかね」

『それはもしかして昨日の配信事故のことかい?』

「この度は大変申し訳ありませんでした」

『次からは気を付けなよ』

「はい、十分気を付けます」

『ならよろしい。で、眠れなかった理由は声色を聞く感じこれが理由ではないんでしょ?』

「岩世さんはなんでもお見通しなようで」

『これでもいろいろな人は見てきたつもりだしね、それに今の狛君口調がちょっと違うし』

「夢の中で()の女性恐怖症になる原因を作った奴らが現れまして、おかげでトラウマが刺激されたんですよ」

『それはドンマイだね』

「えぇ、朝から最悪な気分ですよ」

 

 岩世さんとの何気ない会話はやはりどこか落ち着く。

 このままもう少し会話をしていてもきっと罰は当たらないだろう。

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