恐怖症を患ったのでVtuberになって治していこうと思います 作:水永有軌
オーディション開始2分前に事務所についた僕は遅刻をしなかったことに少し安堵したところでとあることに気がついてしまった
『受付が女性だ~~~~!!!』
そうこの事務所はなかなかに大きいようでオフィスビルになっており受付で入館のパスポートをもらわなければならないのだが受付がまさかの女性であった
普通の高校生の男の子なら喜ぶかもしれないが僕の体質状喜べずに逆に絶望をしていた
『ここまで頑張ってきたのに(´;ω;`)』
入口近くの椅子に座り絶望をしていたところある男性が僕に話しかけてきた
「ねぇ、君ってもしかして今日の10時からオーディションを受ける予定だった子かい?」
「あ、はい」
「それはよかった、ここについてからのことを説明しておけばよかったね。さぁ僕の後をついておいで」
僕は案内をしてくれる男性から入館パスポートを受け取りたまに女性とすれ違い固まりながらも後ろをついていった、そして案内された場所は
「だ、代表取締役室…」
「さぁ入っていいよ」
どうやら僕が入っていいのか困惑しているのを察せられたようで男性から手招きをされた僕はおとなしく室内に入ることにした
「し、失礼します」
「いらっしゃい、そこら辺にある好きな椅子に座っていいよ」
僕は言われたとおりに近くにある椅子の横に立ちお辞儀をしてから座らせてもらった一応これでもある程度の礼儀はわきまえているつもりなのだ
「さて先に自己紹介をさせてもらおう、私はこの事務所『皆喜《みなき》LiVe』の代表取締役をやらせてもらっている岩世春樹《いわせはるき》だ。そして今日君のオーディションの担当もさせてもらう、よろしくね」
Vtuber事務所皆喜LiVe大手Vtuber事務所のひとつであり様々な有名Vtuberを輩出している事務所であり、この事務所はライバーに好きなことをさせるというVtuber事務所の中では異例の緩さがここの大きな特徴であり今回僕もこの点にひかれてここのオーディションを受けようと決めたのはまた別のお話
「僕の名前は未守《みもり》狛《はく》です。今日までいろいろと対応してもらってありがとうございます」
「いや、それについては全然いいよ。さっきはごめんね受付が女性だったのを忘れていたよ。いや~一応確認に行っておいてよかった。」
うんうんとうなづきながら僕の目の前にある椅子に座った岩世さんは話を続けた
「それで女性恐怖症を患っているんだってね、この部屋に来るまでに君の様子を見ながら来させてもらったけど女性社員とすれ違うごとに止まっていたのもそれが原因かい?」
「そうです。つい数週間前に精神科の先生から重度の女性恐怖症だと診断されました。悲しいことに…」
「それは今後君の長い人生を過ごしていく中でとても不便だろうね。で重度の女性恐怖症を患っている君がなぜVtuberになろうとしたんだい?うちの事務所は男性のライバーもいるけどどちらかと言ったら女性ライバーのほうが人数比は多いんだ。どうして数ある事務所の中でうちを選んでくれたのか聞いてもいいかい?」
「理由はすごく単純です、先ほど岩世さんがおっしゃられていた通り僕は重度の女性恐怖症を患っています。そこで今後どのように治療していこうかと医師と話し合った結果暴露療法で治療しようと話になりそこで僕はある考えが思いつき先生にそのことを話しました」
「どんなことをその医師に伝えたんだい」
真面目な顔になった岩世さんに先生に伝えた言葉をー先生が宇宙猫の顔になった言葉をそのまま伝えた
「『先生...僕Vtuberになってみたいです』と」
「はい?」
あらら代表取締役の岩世さんまでもが宇宙猫の顔になってしまったではありませんか
「すまないがもう一度聞いてもいいか治療法の話で医師に君が言った言葉を」
「『先生...僕Vtuberになりたいです』」
「うん、意味がわからないね。笑ってしまうくらいには」
とてもいい笑顔だ隠す気がほとんどないではないか、先ほどまでの真面目な顔はどこへ行ったのだろう
けどしょうがないじゃないか突然あの時思いついたのがVtuberになって治療しようということだったんだからさ
「ごめんね、話を止めてしまって。Vtuberになろうとした経緯は分かったけど本当になぜこの事務所に」
「だから最初っから言ってるじゃないですか単純だって。この事務所はライバーの好きなことをさせることが一番になっているだからこそ他ではできないようなことがこの事務所だったらすることができる僕の女性恐怖症の治療とかね」
「ははは、本当にすごい単純な理由だね。そんなことを言ってきた子なんてこの事務所を開設してから聞いたことがないよ」
「でしょうね、後になって自分でもこいつ何言ってんだって思いましたし」
その後は自分の長所や短所について話したり、何気ない世間話をしていると気が付けば二時間が経過しようとしていた
「おっともうこんな時間か、君と話していると時間を忘れてしまうよ」
「僕もとても楽しかったです。今日はオーディションを受けに来たはずなんですけどね」
「いいじゃないかこういうのもうちの事務所の特徴だ」
「ですね」
この人と話すのは本当に楽しい、ますますこの事務所に入りたくなってきたぞぉ
「さて今日はオーディションを受けに来てくれてありがとう。結果については後日電話をさせてもらうよ」
「こちらこそ今日はありがとうございました」
よくある挨拶をした後僕は代表取締役室を出て家にへと帰るのだった