恐怖症を患ったのでVtuberになって治していこうと思います 作:水永有軌
オーディションを受けてから一晩が経過した、いやぁ帰るまでに時間がかかりすぎた。
行きよりも昼時で人が多すぎでプラスで30分もかかってしまった、遅すぎない僕⋯
昨日の最後の会話の通りだと今日結果の電話がかかってくるはずだ、受かるかが心配だな~
プルルルル!プルルルル!
考えてたら掛かってきた!
慌ててないでとにかくでなくちゃ、と思いつつスマホを落としかけながら電話に出る僕であった
「はい⋯未守です⋯」
「こちら皆喜LiVeになります、昨日はオーディションありがとうございました。(女性の声)」
スマホから聞こえてきた声は女性の声だった、先程まで慌てていた僕だったがこの一瞬で落ち着いた、というよりは体が固まってしまった
「もしもし、未守様?もしもし(女性の声)」
そのまま動けずにいると相手の方から聞き覚えのある声が聞こえてきた
「君、今電話しているのは未守君かい⋯?なら電話を代わろう」
「取締役っ!はい、そうです」
この声は岩世さんの声だ!
「未守君もしもし、岩世だ」
「あっ、未守です。昨日はありがとうございました」
電話から聞こえてきたのは昨日僕のことをオーディションしてくれた人だ
すごく安心した自分がここにいる
「すまないね、まさか電話でも駄目だとは思ってなかったがたまたま近くにいてよかったよ」
電話口からは少し笑っている岩世さんの声が聞こえた、たまたまでも様子を察して電話を代わってくれたのはとてもありがたい、あのままだと何も進まなかっただろうから
「すみません、どうやら知らない女性の声だと電話越しでも固まってしまうようで…今初めて知りました」
「そうなのかい、新しいことが知れてよかったな。さて昨日のオーディションの発表をさせてもらおうか、まぁそのための電話なんだがね」
「お願いします…」
この一瞬がとても長く感じた、ただ結果を伝えてもらうだけなのに。こんなに時間を長く感じたのはいつぶりだろうか。
いや、いつぶりという訳でもない。つい最近女性恐怖症になる前にも一度そういえば起きたな…
そんなことを考えていると長く感じていた時間は案外一瞬出すぎてしまうようで
「結果は……合格だ。ようこそ皆喜LiVeへ私たちは君を歓迎しよう、そしてようこそ君の治療場へ」
結果が一瞬で伝えられた、この時声にならない声が出た気がする
とてもうれしいのだ
「ありがとうございます!岩世さんこれからよろしくお願いします。」
「あぁ、こちらこそよろしく頼むよ。さてここからは少し仕事の話だ。すまないねもう少し時間を上げたいところだけどこちらも時間がなくてね…」
申し訳なさそうに岩世さんは伝えてきた、けどいいのだ自分がやりたいことをできるのだから今なら何でもできるがするのだから
「まず君のマネージャーだが本来は社員が担当をするのだが今回は特例で私が担当することになった。改めてよろしく頼むよ」
「え、岩世さんが担当してくれるんですか!」
驚いた、まさか事務所の代表取締役がライバーのマネージャーを担当してくれるとは、他の仕事でも忙しいはずなのに…
「本来ならありえないことだが君は事情が事情だからね、少しでも君という人物を知っているものが担当したほうがいいだろうと結論になってね。オーディションを担当した私になったんだ、いやぁまだ事務所に所属しているライバーには伝えていないけど伝えたら大変お驚くだろうね」
「でしょうね…けどうれしいです、これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしく頼むよ未守君いや、名前で読んでいいかい?狛《はく》君とね」
「はい!」
ここから僕のライバー人生が始まった、重度の女性恐怖症を治すための一つの目的のために
あっ精神科の先生にお知らせしなくちゃ『先生、僕…Vtuberになれました』ってね