F!みなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:野菜の神
第6回放送後
「ほう。今の放送、それにより放送されていた内容。それを踏まえれば、訴えは虚偽であったと断定できるわけだが」
「!い、いやおかしいでしょ!あくまでもあれらは審議に関係のない放送で、証拠として認めるわけには」
「あぁ!?どう考えてもお前らから喧嘩ふっかけてきた証拠だろうがっ」
放送の後の審議は騒がしいの一言に尽きた。放送に対して淡々と述べる生徒会長、必死にあの音声は無効だと主張する原告、あの音声は実情を表していると怒る被告。
「静粛に。原告の言い分は確かにそうだ。だが、あの放送で今回の判決を下して良いわけでもない。正当な証人が起こしたものでもなければ、データとして今ここにあるわけでもないからな。あれを証拠として今回の件にそのまま使うわけにもいかない」
「!生徒会長、お言葉ですが正当なものであるかは関係なく認めて良いほどに明確に当時の状況を表していました。正当な判決を下すにはあまりにも十分な内容かと」
「だが、その音声が現在データとしてここにはない以上、この証拠をそのまま流用することはできんだろう。だが、このまま判決を下すことにも問題がある」
生徒会長が下した判断に堀北は異議を唱える。しかし、生徒会長としてもその堀北の異議を否定する理由が存在していた。
証拠の不在。証拠は今現在、放送で聞いたという記憶でしか存在していないのである。証拠としての形を持っていないのだ。
「だが、先ほども述べたように今回の審議を先の放送の内容を踏まえずに下すことにも些か問題があることも事実。よって、追加の不確実な情報が出てきたことにより今回の審議はここで終え、明後日に再度執り行うこととする。被告は主張をしたいのなら形を持った証拠を持ってくるように。これにて審議を終える」
————
「ひゅー。Cクラス焦ってんじゃないのこれ」
「良い様ね。これで面倒な敵視を向こうに向けてくれたら良いのだけど」
放送中であれ、CクラスとDクラスの間での問題。Dクラスの味方をしていたBクラスでもなく、AクラスとFクラスというなんの関係もないクラスのメンバーで行われているお茶会は和やかに進んでいた。対岸の火事という奴である、なおそのうち一人はある種ばちばちの当事者であるのだが。
「ふふ。さて、佐原くん。一つ答え合わせでもしませんか?」
「ん?なに坂柳さん。できればその話をするなら二人っきりで話したいんだけど、自分の目的的にも」
今回、お茶会に参加した理由はいくつかある。
まず一つは手作りお菓子の試食会。これは理由の一つだが、今回のお茶会を開くための表向きな理由と言える。
裏向きな理由があるのだ。前々回に最低な理由と述べたものも、裏向きな理由にある。
「おや。隠さなくても良いと思うのですが。しかしご本人の希望なのでしたら従ってあげましょうか。神室さんに橋本くん、少し席を外していただけませんか?」
「ん?なになに?俺的には気になんだけどその話」
「坂柳が言ってんだからとっとと退くわよ」
「へいへい。姫様と二人っきりだからって変なことすんなよ佐原?」
おちゃらけた様子の橋本と坂柳の命に従い素直に行く神室さん。彼彼女らが外に行く様子を見守りおわると坂柳と向かい合う。
「ふふ。では私から言いましょうか。今回の放送、いえ、今の所のよう実ラジオはすべて、佐原くんが放送したものですか?」
「聞かなくてもわかってるくせに」
「ふふ。答え合わせはしたいものですよ?」
「まぁ正解。自分のやったこと」
「やはりそうでしたか。調べてみたのですが、あれらの情報は上級生には口止めがされていたようで、問題なく放送できるのが一年のみであること、自クラスへの貢献という概念が希薄であろうたった一人のFクラス生徒であること、クラスポイントを一人とはいえ驚くほどに減らしていなかったこと。理由を挙げれば他にもありますが、なぜ私がわかったかについては理解してもらえたでしょう」
「まぁ大体予想の通り。やっぱわかる人には大体把握されてるねぇ。龍園にも明確に認識されてたし」
「ふふ、もう一つ当ててみてみましょうか?あなたが今回お茶会を開いた理由は、龍園くんたちからのヘイトをAクラスにも向け分散するためでしょう」
自分があげた裏向きな二つの理由の一つ、最低な理由とはこれのことだ。自分一人に向くヘイトを坂柳にも被ってもらおうとしたのである。
「いえいえ、怒っていませんよ?私としても龍園くんが翻弄される様は面白いですから。まぁ、今回の件をどのようにして事前に把握していたのかは気になりますが」
「すまないと思ってはいるが、黙秘します」
原作知識なんてそうそうに言えるわけないだろ。そんな目的でお茶会開いのたに関しては悪いとは思っているが。
「しかし、父の判断は正しかったと言えるかもしれませんね。このような方法で学年を動かすというのはあなたでもなければしていなかったでしょうから。Fクラスというものを作りあなたを入れた理由はあったのでしょう」
「自分がこんなことするって決めたのFって知ってからだからなぁ。どこでこんなことやらかすって判断されたのやら」
「さぁ、どうでしょう。結果的にはこのような成果が現れただけで実際は全く異なる理由ということもあるでしょう。佐原くんならば、何か心当たりがあるのではないですか?」
「ん?うーん……」
心当たりと言われてもわからないものはわからないのである。多分、今世のどこかに理由があるのかもしれないが、そもそも前世と今世がごっちゃになっている上に、記憶がどこか霞みがかっているのだ。
今世で言えば入学前の大体中3前後の記憶、前世で言えば転生する前の記憶があまりない。前世は仮に死んだとしてそのショックで記憶を無くした。今世は前世が脳内に舞い込んできたことによるショックで記憶を無くした。という説明がつくかもしれない。
もしかしたら今世のその空白期間に何かあったのだろうか。平田とか櫛田とか一之瀬さんみたいに。Fなんて隔離クラスにぶち込まれる過去ってなんぞや?知らんな。
———龍の息吹劇場———
「録音か。はっ、木の監視カメラから見つけたみたいに言ってたが嘘だったみてぇだな。少なくとも盗聴器を近くに事前から仕掛けてやがった。音から考えるに須藤本人に仕掛けられてた盗聴器じゃねぇ、俺が特別棟を見たあとに近くで仕掛けられたもんだ」
「ちょっ、なんでそんなに冷静なのよっ!木から撮影した動画ならまだどうにかなるって話じゃなかった!?」
「そもそも今回は勝ちを譲る心づもりでいたからな。目的は学校の行動を見ること、そして佐原の野郎がどう動くかを見ることが目的だった。その目的は十分に果たされたぜ?その結果がこういうわけだが、今回で確信した。聞いたか?あのラジオの途中に、俺が事前に考えてあいつらに教えておいた言い訳が含まれていたことを」
「!えーと、たしか、須藤が暴力的だから警戒して石崎も連れて行ったってやつ?」
「あぁ、偶然の一致か。言い訳を事前に推測してたのか、それとも審議の様子を盗聴でもしていたか。だが、あの内容をリアルタイムで流すには無理がある。佐原自身放送室におらず偶然か坂柳と共にいたからな。事前から知ってたと考えるべきだろう」
「なんで佐原がそんなこと知ってんのよ」
「さぁな。理由はしらねぇが、佐原が事前からこの件から様々を把握してるってことは確信してるぜ?たまたま事件が起きた場所に盗聴器を仕掛けた、更にはたまたま俺がカメラや盗聴器を探したのと事件の間に設置した、そこに言い訳のたまたまか内容が一致した。これを全部偶然の産物で片付けられるか?冗談じゃねぇ。必然に決まってる。今回のことを事件を起こす前から知ってたのはCクラスの中でも限られている、俺、お前、アルベルト、実行役の3人だ。言い訳の内容を知るのもこれに限られる」
「ちょっ、裏切り者がいるって言いたいわけ!?私は違うんだけどっ」
「あくまでも可能性の一つだ、少なくともテメェは裏切りをするような玉じゃねぇし、そもそもできる奴でもねぇ。アルベルトもだ」
「なら残りの3人だっていうの?」
「石崎のバカにそんなことを隠し通す頭脳はねぇだろう。残りの二人のどちらか、と言いてぇところだが裏切るメリットが感じられねぇ。それに、裏切りをさせていたとして、その結果が貸しにもできず、自分の利になりにくい無差別的な放送ときた。佐原の目的はわからねぇよ。坂柳と事前に組んでCクラスを学校中の腫れ物にする目的があったか、それくらいしか今はわからん。まぁ、裏切り者がいようがなんらかの方法で情報を得ていたとしても関係ねぇ。どのみち、佐原はいつか潰す。まぁ、正面対決するような機会は早々になさそうだがな」
龍の息吹劇場誕生日秘話〜。
龍園と伊吹の会話を書いたのは良いものの、どうせ同じ場所にいるであろう山田アルベルトの描写が全くない上に、二人の会話のセリフだけ先に書き出しちゃった。地の文書かないと。でも文字数的にもセリフのみがちょうどいいんだよね。あとセリフのあとに地の文書くのめんどく(殴
というわけで龍の息吹劇場とすることで山田アルベルトの描写がないことを正当化しつつ、地の文がないことをそういうものなんだなと納得させるためです。完全に自分勝手な理由ですね。
龍園→龍 その→龍の 伊吹→息吹