F!みなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:野菜の神
第一回よう実ラジオが放送されていた頃に比べてまだ真面目になっているクラスもあり、それは基本的には良いものだと捉えられるべきだろう。
教育機関として、真面目になるというのならそれは喜ぶべきものであり、本来忌避すべきものではない。そのきっかけを作った放送を忌避すべきでもないだろう。
まぁあんな放送なんてもうないだろうし、気にする必要もないか。どこかの教師がそんなふうに思っているそんな時、それは流れた。
『あーあー、マイクテスマイクテス。はいはい!みーんなー!きっこえってるー?今年度2回目エイプリルセカンド、ようこそ実了至上主義の教室へラジオこと、よう実ラジオのおっじかん、はっじまっるよー!!今年度の初回休んでた人は初めまして!多くの久しぶりの民たちは久しぶり〜』
多くの生徒は顔を挙げ、スピーカーに目を向ける。
そこにある意思はさまざまで、次はどんな内容を放送するのか、次はどこまでの範囲を放送するのか、これ放送してるの誰なんだと訝しむ人などなど。好意的に捉える人もいれば憎く思うものもいた。
そんな人々の考えなど関係ないと言わんばかりに放送は続く。
『あ、本題に入る前に言っておくけどこのラジオは不定期放送になりまーす。毎月2回あるなんて勘違いしないようにね!みんなもラジオ放送を聞きたいと思うけど気をつけることをお勧めするよ!ということで今日も今日とて新入生のみーんなに特別情報ー!』
今度は何を暴露する気かと多くのひとはおもう。特別情報というくらいなのだから、新入生にとっては前回と同等なレベルの内容だろうと予測できる。
『みんなはこの学校のABCDのクラス順について何か知ってるかなー?ふむふむ、うんうん、あーあーなるほどなるほどぉ』
質問形式の放送に、その答えを知らないものはよくある並びだろうとなんの疑問も持たず、一部の推察を持っていた生徒は答え合わせができるとほくそ笑む。
すでにその答えをクラスのリーダーに教えてもらっているとあるクラスでは、まぁあのことだろうと発表される内容を察していた。
上級生や教員は当然知っているので特別何かはない。強いていえば、まるでこちらの考えが聞こえてるみたいな相槌がウザい程度である。
『やっぱりそうだよね〜。ABCDなんてどこの学校にもある普通にクラス名、でもでも?実はここには大きな意味があるのです!その意味とはなななんと!?もらえるプライベートポイントの額の多さの並び順になってるんだ!』
なに!?てことはうちのクラス1番もらえないってことじゃねぇか!?と反応する生徒、てことはうち1番ポイントもらえるじゃんラッキーと思考する生徒。すごい、リーダーの言っていた通りだと反応する生徒など、反応はさまざまである。
しかし、一部のものはプライベートポイントのもらえる数は初月はみんな一緒だったが、そこはどうなっているのか。初月のABCDには意味がないのか、それとも意味があり、すでに入学時点である程度真面目さなどで生徒が分けられているのかなどと推測をする。
『初月はみんな十万ポイントで変わらないけど、5月からはもらえるポイントの額が高いほどAに、低いクラスほどDにいるんだ。ABCDはアルファベットで名付けられてるだけじゃなくてその並びにちゃんとした意図があるわけだね。つまり!5月からは4月の真面目さNo. 1のクラスがもらえるプライベートポイントマックスのAクラスだ!大体この並びが4月から5月のうちに変わることはそうそうないね』
多くの生徒はそれなら最初からAクラスがよかったー、不平等だー自分もAクラスにいれろーと嘆く。ポイントを多くもらえるクラスに入りたかったという、自身の実力に考慮がいかない生徒の思考である。
しかし、一部のものはクラス分けの真実に到達するものもいた。
4月から5月のうちに変わることはあまりない、つまり最初のクラス分けの段階で真面目さなどで生徒が分けられていたのだと理解する生徒。
なんか妙に騒がしいクラスと妙に静かなクラスが存在していた理由を察する生徒。
上級生はSシステムのポイントの範囲をあらかた説明されたなと、もはやある種の達観をしているものもいた。
クラスポイントという名は出ていないがプライベートポイントの配布料としてほとんど同じ意味で活用できる単語が出てきていることに回りくどいと感じる者もいれば、クラスポイントという名を知らないのならば口止めされているはずの誰かに聞いたのでもなく、独学で辿り着いたのかとラジオの発信者に興味を持つ者もいる。
『さらにさらに!ABCDクラスの中でなんと卒業時がAクラスの生徒にのみ、とある特典が!?一体なんだと思う?思うかな?気になる?気になる気になる?』
気になるから早く教えろと衝撃的な告白を受けながらも情報を欲するよく深き行き急ぐ者や、まだ情報の整理ができてないのにだ来るのかよと頭を抱える者。
そしてそこも放送するのか、ともはや驚きも対してなくなったすでに内容を知っている面々。知る時期が多少速くなるだけだと最初の放送に比べれば影響は薄いともはや落ち着きを見せる教員の皆様方。
この放送で衝撃を受けるのは主に新入生である。
『この学校といえば、希望の進路保証100%!が売りだよね』
その時点で情報を整理して聞いてる生徒は続きを聞かずとも理解した。
真面目さや能力ごとに分けられたクラス、すでに学級崩壊を引き起こしかけたクラスがあるという噂を聞いたことがある生徒もいた。そのクラスの当事者も、こんな生徒たちが希望の進路と言って大企業などに進んでいったら日本は終わりを迎えるだろうと考えていた生徒もいる。
そんな違和感、その全てがその発言で理解できた。
Aクラス、すなわちプライベートポイントを1番もらえるクラス。教師は最初、お前たちの実力を学校が期待するだけのものと言っていた。すなわちその額=実力とも言える。つまりAクラスは最優のクラス。
そう考えると当然。卒業の進路保証、それがもらえるのは当然。
『でもでも?あれって別に卒業者に全員じゃないんだ!だってだって?そもそも公式には100%なんてうたってないし、あくまでも噂が公然の事実として流れてるだけで。というわけでここまでの流れで皆さんお察し、Aクラスに与えられる報酬とは希望の進路の保証なのです!というわけで希望の進路をもつ皆の者ー!Aクラス目指して真面目にがんばるのだ!』
すでにAクラスであるものはある種の安堵を覚えるだろう。しかし、問題はDクラス。
話が違うぞ、Aクラスだけ?なら100%ではなく25%ではないか!などと言ったほとんど詐欺の所業に文句を言う声。その怒りは学校やその事実を放送しただけのラジオにまで及ぶ。
今現在不満が爆発し、その中でも冷静なものや場を沈めようとする生徒もいる中、周囲に合わせて動揺したふりをしようとする生徒もいた。
『というわけで今回の放送は終わりかな?みんな楽しかったかーい?ということで恒例のご挨拶で締めましょう!ここまできたらこの挨拶の意味がわかる人も多くいるはず、ご唱和ください!ようこそ実力至上主義の教室へ!』
放送は嵐のように突然現れては過ぎ去り、多くの生徒にさまざまな情報をぶつけるだけぶつけ無責任に消えていった。
どちらにせよ5月になれば、1回目の放送と2回目の放送の内容をまとめてぶつけられるのでその意味では衝撃を分散してくれているとも言えるが、皆の衆はそんなこと知らないのでただただ翻弄されるのみであった。
今日はもう一本あるのじゃ。前作は毎日2本投稿してたけど流石に今作は厳しいけど、きょうはとくべつ19:00