F!みなさん!よう実ラジオのお時間です!   作:野菜の神

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ほんとは書いてなかったけど予約投稿してる時に思いついたから入れたやつ。


第3回!よう実ラジオのお時間です!

 5月1日。人によっては阿鼻叫喚の中過ごし、人によっては達成感の下過ごし、人によっては安堵の下クラス一丸となって得たものを誇りに思って過ごしていた5月の初日。

 クラスポイントが朝のホームルームに明かされ、判明した。1番悲惨なのはいうまでもなく20クラスポイントしかないDクラスである。なんと20クラスポイント、つまり2000プライベートポイントしかもらえないわけだ。

 高校生の平均お小遣いも下回り、無料の品がいくつもあるとはいえ食費や衣類など含めてのものと考えると大変少ない額しかもらえないのだ。

 単純に酷な話であるが、本来の額を知る者から取ればまだまだマシというほかない。そもそもよう実ラジオを理由に節約している者もいたのだ。それでも使い切ったバカもいたが。

 昼休みとなるとあの山菜定食くわねぇといけねぇのかよと嘆く者もおり、金の無心も始まっていたそんな時、それは流れる。

 

『みなさんお昼時にこんにちは!今年度3回目5月1日のよう実ラジオのおっじかんっでぇっす!!』

 

 4月中に2回も放送し、Sシステムについて言及したよう実ラジオに対し、なんだなんだと目を向ける者たち。

 Dクラスでは向けられる目線が他クラスとは異なり、憎悪に満ちたものとなっていた。理由は単純明快、よう実ラジオにDクラスが不良品でありクラスポイントも20しかない責任を押し付けているからである。

 よう実ラジオがなければ500クラスポイントは残せていたと、もっと早く内容を放送しとけばもっと残せていたとあまりにも的外れな憎悪を抱く。

 

『まずは〜新入生クラスのクラスポイントを言っていこうかな?私の放送を聞いて生活態度を改めてくれた生徒がどれだけいるのか私、気になります!というわけでドーン!Aクラス960!うん、素晴らしい素晴らしい!40クラスポイントしかマイナスされてないね、さすが優等生の集まりかな』

 

 当然だと胸を張るAクラスの者たち。よう実ラジオがあったから、ということもあるが、たとえなかったとしても940くらいは残していただろうと考えている。

 場合によっては、放送がなかった方が他クラスとの差が広がっていたのではないかと考える者はいるが、Dクラスと異なり恨む者はいない。

 

『Bクラスは860クラスポイント!こちらも優等生であることには変わりないね!さすがは平均上な優等生のBクラスだよぉ、一人一人が優等生なのもそうだけどクラスをまとめ上げる生徒の実力もあったのかな?かなかな?』

 

 Bクラスの中ではその功績の多くは一之瀬にあると多くの生徒が確信していた。一之瀬がよう実ラジオより早いうちにSシステムについて皆に教え、対策を打ち立て協力体制を気付き上げていった。

 素晴らしきチームリーダーとそれぞれの協調性があったからこそなせるものだろう。

 この音声を録音した人物は自画自賛をしている音声を客観的に聞き、少し頬を染めている。

 

『次にCクラス!660クラスポイント!流石だねぇ、Cクラスから結構不真面目な生徒が増えていくイメージなんだけど、それでもここまで残したとはっ、やっぱりリーダーが優秀なのかな?優秀なリーダー、まさしく実力者だね!この学校に相応しいよ』

 

 Cクラスでは褒められたとしても愚問だなと笑い飛ばす生徒と、そのある生徒をもてはやす部下。別にあんたがいなくても問題なかったと思うけどとツンデレのような発言をする生徒がいた。

 

『そしてDクラス!こちらは20クラスポイント!残念無念また明日っ、聞く話だと前半と終わり付近で学級崩壊しちゃってたらしいしあちゃーって感じかな?でもでもぉ?そんなところから逆転ストーリーが見られちゃうのがこの学校?初めてのDクラスがAクラスになる逆転卒業なるか!乞うご期待!』

 

 ふざけんなー!テメェがちゃんとしなかったせいだろー!という怒号は無視しつつ、またクラス内で言い争いが起こる。そもそもお前たちが真面目にやらなかったからだとか、そもそと自分たちをBクラスやCクラスのようにまとめ上げなかったのが悪いんだとか。

 責任逃れが起きていた。教師に不良品と言われるに相応しい、まさに不良品である。

 

『最後にFクラス!このクラスはクラス対抗には関係ないしAクラスにもならないから気にしなくてもいいけどFクラス1000クラスポイント!満点!今年から始めたFクラス、しかもたった1人のクラス。一体どんなものになるのかと思ってたけど、予想外にすっごく真面目な生徒さんを呼び入れたのかな?今後に期待だね!』

 

 Fクラスで弁当をつつく2人の生徒。片方はもう片方に対し、「お前のクラス低いねぇ、ポイント恵んであげようか?」と煽りを入れていた。こいつこそ、朝早くに放送室に行き、録音を予約放送枠に組み込みこの内容を放送している張本人である。

 

『ここでぇ?みんなに今後のアドバイっすー!』

 

 本題が始まるとざわめき出す。ここまでの内容は序章。既に多くの生徒が把握していた事案であった。皆がよう実ラジオに求めるのはラジオではなく、情報源である。ある種ラジオの存在意義としては正しいのだが、よう実ラジオそのものへのファンはそこまで多くはない。

 人々の関心がスピーカーへと向く。

 

『いろいろ不安を抱えてる生徒がいると思うんだよね?Aクラスで卒業できるのかー、とか。退学することになっちゃわないかー、とか。定期テストで赤点取りたくないなー、とか。下手に休んだらクラスポイント減ってクラスメイトに迷惑かけちゃうなー、とか!』

 

 そんな不安を抱えるものは特にDクラスに多い。Aクラスは心配なんてなく、Bクラスは私たちならきっといけるよ!の精神。Cクラスは俺がテメェらを連れてってやるという気概を持つリーダーに付き従い、Dクラスはただただ不安を抱える。特に赤点組は。

 だからこそ、Dクラスはそのアドバイスというものに惹かれていた。有益な情報ならば、たとえ恨むべき宿敵であろうと気にかける必要がある。

 

『この学校のものはプライベートポイントでなんでも買えるって最初に説明されたよね?あれって物理的な物品に限らないんだー!知ってた?知ってた知ってた?ふっふーん、実はね?この学校での心配事って大抵はプライベートポイントで買えるんだよ!』

 

 その言葉に対し、その事実を既に把握していた生徒はそのことかと興味を失せさせる。勘の良い一部生徒は既に教師へと質問を終えていた。教師はSシステムとは異なり、それらは口止めの対象外なので話していた。

 そもそも教師が質問の中でクラス全体に対し話したものもある。

 しかし、多くの生徒は知らないことである。Dクラスには可能性を考えていた生徒はいるが、教師に聞いた生徒はいない。

 

『たとえば、あー今日疲れちゃったなー学校休みたいなーでも休んだら欠席になっちゃうなー。そんな時は学校から公欠を買っちゃえばいいんだよ!なんとなんと?公欠は買えちゃうのです!インフルになる必要もないんだ!』

 

 その放送に驚いた無知なる生徒たちは目を点にする。

 公欠を買える、それはつまり出席を買うに等しいのだ。教育機関としては明らかにおかしい話である。出席記録なんてものを買えるようにすれば、そこまで単純でなくとも永久的に休むということも可能である。

 

『そして、クラスによってはみんな知ってるのかな?退学の取り消し。みんなこれ欲しいよね?これさえあれば赤点とろうが試験で落ちようが関係ない!退学することなくぬくぬく過ごせる便利なものっ、その額2000万ポイント!うーん、高い!』

 

 Dクラス内ではその事実は既に話されている。なので、赤点組にとっては救いの情報というよりは既知の情報であり、ぬか喜びさせやがってと落胆が広がっていた。

 

『でもでもなんと!定期テスト赤点での退学に至ってはもっとお得に取り消せちゃうよ!』

 

 そんな話に即座に食いつく単純な生徒がいるのがDクラスである。どちらにせよプライベートポイントが枯渇しているクラスなのだからお得になろうが実現が難しいという点は目を背けているのか、気づいていないのか。

 

『テストの点数を1点10万ポイントでかえるよ!つまり、赤点ラインとの差が5教科合計200点未満なら、たとえ0点を取ろうが退学の取り消しを買うよりもお得に買えるってこと!1点だけ赤点とかならたったの10万ポイントでいいってこと、うーんお得!でも無駄金だから勉強は怠っちゃダメだぞ!』

 

 それに対しては少しだけだが希望が湧く。赤点をとるか取らないかのラインを上下している生徒にとって1点というのは本当に気にしてしまう点数なのだ。

 もし、1点だけでも逃せば本来は2000万のところを、10万ポイントでどうにかできるという事実は希望となる。しかし、Dクラス生徒1人ではまともに買うことができないという点に目を瞑る必要がある。

 

『あ、あと。みんなAクラスで卒業したいよね?そんな人のために朗報です!なんと、なななんと??2000万クラスポイントで1人クラスの移籍ができちゃいます!そうなるとDクラスだろうが関係ない!1人で一気にAクラスまで昇格だ!卒業間近とかに昇格したら勝ち確だね!まぁ単独じゃ不可能という点に目を瞑れば最高の案だね。不可能という点に目を瞑れば!それじゃお時間も良いところなので今回おわりまーす!それでは恒例のご挨拶!ようこそ実力至上主義の教室へ』




ぶっちゃけ、1発ネタだと思ってるからよう実ラジオたくさんやって面白いというわけではないと考えている作者。前作の前半と今作ならどっちの方が好まれるのだろうか。
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