F!みなさん!よう実ラジオのお時間です! 作:野菜の神
朝のホームルームにて、理事長が現れる。
「おはよう佐原くん。これから朝のホームルームを始めるんだが、月も変わったことだ。新しい生活にも慣れてきた頃だと思うけど、何か質問はあるかい?」
「はい。前に放送された、よう実ラジオ?で保証がAクラスにしかないとか、真面目さでプライベートポイント変わるとか、ABCDがプライベートポイントの量順とか言ってましたけど、真実ですか?」
「おおかた正しいね。厳密には、プライベートポイントをもらえる量ではなくクラスポイントだが。それはこれから説明していくとしようか」
自分がまるでよう実ラジオとは何の関係もない一般生徒のふりをしても、理事長は何も苦言を呈すことも顔に何か思いを浮かべることもない。確実に教師陣は誰があんな放送をしたか知っているとは思うのだが。まぁ、生徒の自由の範囲と判断したのだろう。
そもそも校則にも法にも倫理的にも違反してないからね。これで文句言われたら教師陣に都合の悪いことは排除する独裁国家となるし。
そうこうして待っていればクラスポイントの表が張り出される。
『 A 960
B 860
C 660
D 20
——————
F 1000 』
知ってはいたものの、こうみてみると色々感じるものがある。線が引かれていることも見るに、やはりFクラスは別、クラス間闘争とは関係のない領域にあるらしい。
「それぞれのアルファベットの横に書かれている数字がクラスポイントだよ。これを100倍したものが毎月始めにプライベートポイントとして生徒全員に振り込まれる。今朝に十万ポイント振り込まれていただろう?」
「はい。よう実ラジオで変動するって聞いたので拍子抜けしてました」
「それだけ君が真面目にしていたということだよ。詳しくは言えないが、授業態度や素行などによってもこれは下がる仕組みになっていてね。君には問題点がないと評価された」
別に、Aクラスとかにも問題点が微塵もないと判定された生徒はいるだろう。Aクラスとかには特に。流石にAクラスの引かれた40が40人の生徒が一ポイントずつ下げたわけではいないだろうし。だとしても胸を張って誇りに思ってしまう。
「もし、自分に問題点があるって判定されたらどうなっていましたか。他クラスは40人、自クラスは1人となっているとクラスポイントのマイナスがあまりにも差があるかと」
「判定内容を調整してはいるけど、下がる数値の倍率が他のクラスに対して、最大が40倍となっているね。まぁ、倍率はさまざまな判定項目によって異なっているよ。それを教えることはできないけどね」
「なるほど。ありがとうございます」
やはり、ただ1人だからと有利になるようなことはないらしい。しかし、本人1人が気をつければ良いだけなのでAクラスで満点を維持するよりかは幾分も楽だろう。その逆に、サボりまくれば1人のサボりでも0ポイントにもなるということだが。
「よう実ラジオ、あれの内容はおおかた真実でね。そして、クラスポイントやその変動などを含めたシステムをSシステムというんだ。ここまでの内容は大丈夫かな」
「はい。大丈夫です……あ、一つ質問が。表を見たところFクラスがAクラスを上回ってますけど、やはりFクラスがAクラスになることはないのですか?」
「そうだね、このFクラスは完全に別れた扱いをされているからね。Aクラスに上がることはできなくなっているんだ」
「なるほど、ありがとうございます」
この後は説明が続いたので省略する。
そんなこんなで放課後となり、自分がこれから向かうのは生徒会室である。なぜ、生徒会室に行くか。それはある先輩と話をするに際して、そこが良いと言われたからだ。ある先輩とは言ったが勿体ぶらずいえば生徒会長。
目的を言えば、三年生の持つ過去問である。
なぜ生徒会長なのかと言えば、現在交流のある唯一の三年生だからである。厳密に言えば、橘先輩とも会長が橘先輩と一緒にいた時に知り合ってはいるのだが、連絡先も交換しておらず自己紹介をしあっただけで殆ど関係はない。
どうせ、もうFクラスであることと調査に出ていたことで生徒会長には目をつけられているだろうし、今更構わんだろうという姿勢だ。
幸いなことに、現在11万ポイントもある。これで法外なポイントを請求されたのなら帰るが。
というわけで以前もらった連絡先で連絡し、人のいない生徒会室で話をすることになったわけだ。
「ここならば記録されていない、それで、お前の目的はなんだ?」
「連絡したように、過去問を買いたいというのが目的です」
「その過去問を買う目的について聞いている。小テストでのお前の点数を見る限り、勉学に不安がある点数ではなかったが、わざわざ過去問を手に入れるのか?」
「備えあれば嬉しいなです」
「備えあれば憂いなしの間違いだろう。いや、嬉しいなでも意味はとおるが」
どうやら会長はネタを理解できないらしい。前回のシビレて憧れますも、敬語にしていたとはいえ反応しなかったことを考えるとサブカルチャーには疎いのかも知れない。
まぁ、突然サブカルチャーのネタを披露してる方が悪いので気をつけるべきは自分である。今後気をつけて会話に支障がないくらいにこっそり混ぜ込むにとどめることにしよう。
まぁ、備えあれば嬉しいなくらいならば意味は通ると思うが。
「仕方ないです、白状しましょう。クラスポイントも中間テストで増えるそうじゃないですか。なので万全の対策を行いたいと思いました。この学校よくわからないルールがありますし、定期テストも何か仕掛けがあるんじゃないかと。ちなみに、今回は仕掛けとかありますか?」
「どうだろうな」
「ありがとうございます」
2度目の口止め確認をする。ぶっちゃけ、これに関してはテスト問題を2年と3年の分をそろえたら確認の必要もないとは思うが。
あと、クラスポイントの向上も理由の一つではあるので嘘ではない。
「ところでだ、お前の目的は、自身の点数のためだけか?」
「どうでしょうね」
しれっと同じ事をし返してきた生徒会長に敬意を持って、嘘はつかずにはぐらかす。この人にはよう実ラジオのことバレてそうな気がするんだよね。
調査してたことと、唯一放送が許される新入生であること、そして他クラスが と競い合う関係ではないFクラスであること。まぁ、放送した段階では確定もしてないので憶測の段階でしかなかったが。
会長にとって放送をしそうな人物No.1はおそらく自分である。
「ふっ、ならば、これに答えてくれれば三万で渡す気だったが一万で渡そう」
「はい。何でしょう」
「あのラジオで放送された内容以外、どこまで把握していた?」
「ちょっと答えるものが多すぎるので絞ってくれませんか?」
「ふむ。なら少し質問の内容を変えよう。5月初めの1000クラスポイント。1人のFクラスだからこそ達成できた偉業だと思うが、この結果は意図的か?」
「意図的です」
意図的でなければ、わざわざ公欠を買ったり校則をあそこまで読み込んだりはしない。1人だからこそ1000を達成したいという明確な意思である。
まぁ、授業とかだとマンツーマンですし、サボることにも圧を感じて900か800は維持してたと思うが。
「そうか、わかった。……過去問はPDFで送った。確認してくれ」
「あ、ならポイントを送」
「いや、構わない。一回の予定だった質問を二回していたからな」
「あれ一回判定だったんですか」
「あぁ、お前が少なくとも他にも多くのことを知っていることは知れた。今はそれで十分だろう」
「会長がいいならいいですけど、恩とか貸しにはしませんからね?」
「あぁ、それでいい」
何とお優しい生徒会長なのだろうか。まぁ、10,000ポイントなんて会長にとってさして意味のないものだろうし、対価要求したのだって義理のようなものなのだろう。
とまぁ、これで2年と3年の二つの過去問を会得したわけだが、その二つのデータは中身が同じだった。
「では、確認も終わりましたのでまたいつか」
「あぁ」
さて、原稿作りに取り掛かろう。
今の予定じゃ明後日によう実ラジオです。よう実ラジオ多くない?とくどく感じているそこの君!
くどく感じてるのなら前作を読めばよう実ラジオのあまりの密度の低さにくどさがなくなるぞ!(宣伝)2学期からはまともにないからね。