「ここに!!ユカリトーナメント〜ZAロワイヤル編〜の開催を宣言いたしますわ!!」
パチパチパチ………
ホテルシュールリッシュのパーティ会場で、ユカリはそう高らかに宣言した。多くのMSBC会員とカズミはそれを素直に賞賛したが、ハルジオは「また始まった……」と頭を抱えた。
ユカリトーナメントとは。ユカリによるユカリのためのポケモン大会である。今まではジムリーダー編、MSBC最強決定戦編、タイプ統一編など色々あったが……今回はどうやらZAロワイヤルの上位ランカーを集めた大会のようだ。
「今回の参加者はこちらの方々ですわ!」
ビジョンに映し出されるのは、ミアレ有数の実力者たち。その中にはサビ組の面々も含まれているが、ユカリは一切気にしないのだ。
「…というわけで。ハルジオ、カズミ。2人で分担して参加者のみなさんにお声がけしてちょうだい」
「はい、ユカリさま!」
「……承知しました」
「ち な み に。ありえないとは思いますけれど……参加者の皆さまが参加を渋った場合には。」
ユカリの真顔が、カズミとハルジオにずいっと近づく。
「全力で……“おもてなし”しなさい」
「はい!」
「……はい」
「うふふ、よろしい♡それではお願いね?」
「分かりました、ユカリさま!」
「カズミったら、やる気満々ですわね♡まあ、カズミにとっては初めてのユカリトーナメントですから当然ね。」
ユカリに命令されて、カズミはやる気に満ちていた。
ロトロトロト……
「セイカとガイのスマホロトムが一緒に鳴ってる?」
『セイカさまへ ミアレソシアルバトルクラブより伝達です このたび開催されますユカリトーナメントにおいて、あなたは参加者のひとりに選ばれました ホテルシュールリッシュまでお越しください』
「……だって、ガイは?」
「オレも同じだ、ミアレソシアルバトルクラブ……名前は聞いたことあるけどなんだったかな?」
「やれやれ…これだからガイは」
「なんだよピュール、知ってるのか?」
「当然です。ミアレソシアルバトルクラブ…通称MSBCはミアレのセレブがバトルを楽しむクラブです。ですがその実力は確かなようで、ZAロワイヤルの上位ランカーの名前にもかなりMSBC所属の人は多いですよ」
「そうなんだ!そんなすごいところの大会に呼ばれるなんて、2人ともすごいねえ!」
「そうは言われてもなあ……」
その時だった。ホテルZの玄関が開き、珍妙なメイド姿の女性が入ってきた。
「失礼します、こちらにセイカさんとガイさんはいらっしゃるでしょうか」
「オレがガイでこっちがセイカだけど……あんたは?」
「わたしはミアレソシアルバトルクラブのハルジオというものです。お二人にはメッセージは送りましたが一応確認しに参りました」
「なるほど……あの、ユカリトーナメントってなんですか?」
「それはですね……MSBCのトップでありわたしの主人、ユカリさまが開催されるポケモンバトル大会のことです。今回はZAロワイヤルの上位ランカーの方を集めて開催されます」
その時、セイカの脳内に突如としてある考えが降りてきた。もしユカリトーナメントにZAロワイヤルの上位ランカーたちが集っているのなら……Cランクであるカズミとも会えるかもしれない!!
「分かりました、参加します!!」
「え、セイカ!?」
「ありがとうございます。ではできるだけ早くシュールリッシュに……すでに他の方々は招集済みですので」
「はい、分かりました!!」
ハルジオが去り、MZ団の面々は一斉にセイカに詰め寄った。
「いきなりOKなんてどうしたの!?さっきまでちょっと渋ってたのに!」
「だって、ZAロワイヤルの上位ランカーたちを集めてるんでしょ?だったらカズミさんとも会えるかもしれない!!」
それを聞いて、デウロは頭を抱えた。というのもセイカは以前カズミに助けられてからというもの、完全にカズミの追っかけと化していたのだ。あれ以来バトルゾーンでカズミに会えていないのもあって、よりセイカの中のカズミへの執着は増していた。
「もちろん会えない可能性もあるけど……それでもバトル大会、楽しそうじゃない?」
「まあ、セイカがいいならいいか……」
こうしてセイカとガイはドレスアップをして、ホテルシュールリッシュに訪れることになった。パーティ会場には、今までセイカが戦った面々が集っている。
「なんや、セイカやん。オマエも呼ばれたんか」
「セイカさんではないですか!お久しぶりです!」
「やっほー、セイカじゃん。キミも無理やり集められたのー?」
(カズミさんは……いないみたい。残念)
「みなさま〜〜!!」
ドアが開き、ユカリが姿を見せる。豪華絢爛、唯我独尊。そんな言葉を体現したかのような存在であるユカリに、参加者は気圧される。
「本日はわたくしによるわたくしのためのユカリトーナメントに参加いただきありがとうございます!みなさまのような実力者が一堂に介しているなんて……ああ、なんて幸せ!!」
「あれが、ユカリさん……すっごいお嬢様」
「さあ、それでは早速トーナメントを…」
ロトロトロト……ガイのスマホロトムが鳴った。
「もしもし……え、暴走メガシンカ!?分かりました、今行きます!」
「嘘、このタイミングで!?」
「まあ、どうなさったの?」
「ユカリさん……オレたちはトーナメントを棄権させてください。急を要する用事ができたので…」
「………はい?」
ガイの言葉に、ユカリは分かりやすく不機嫌になった。明らかなダークオーラを出し、声にもドスが効いている。
「わたくしのトーナメントより優先するものがある、と?」
「いやぁ、ハハ……」
「そういう事なら、オレがついていく」
「え……」
その言葉と共に現れたのは、燕尾服に身を包んだカズミだった。
「え、は、カズミさん!?」
「さっきの言葉は聞いた。暴走メガシンカ…いいことじゃないのは確か。でも嘘をついてたらいけない。だからオレも一緒についていく。そうすればユカリさまも安心」
「カズミ……そうですわね、あなたの実力なら心配いりませんわね。ということですので!その暴走メガシンカ?というものの解決に、カズミも連れて行かせます!」
「待ってくれ、暴走メガシンカは本当に危険で……」
「……これがあっても?」
カズミは懐から、メガリングを取り出した。それは確かに、カズミの実力を証明するものだった。
「……わかった。よし、行こう!」
「……よろしく」
「は、はい……」
セイカとガイ、そしてカズミは暴走メガシンカの解決に走り出したのだった。
カズミ
メガシンカ使い。ユカリさまの犬。
セイカ
カズミが執事姿で現れたことにびっくり。
感想・お気に入り登録お願いします