ユカリ様の番犬   作:三笠みくら

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忠犬の品定め

 

ホテルZ 会議室

 

 

「えーっと、それでは会議を始めたいと思いますが……」

 

「よろしく」

 

「どうして彼がここにいるんです?」

 

 

デウロとピュールは異物…カズミに困惑しているようだった。それは当然だろう、MSBCのバトル大会に出て行ったと思ったらカズミを連れてホテルに戻ってきたのだから。

 

 

「オレも暴走メガシンカの鎮圧に協力する。できるだけ早く解決しよう」

 

「…というわけだ、進めてくれ」

 

「わ、わかった。えーっと、マスカットさんからの連絡によると暴走メガシンカポケモンは3体!メガユキメノコ、メガチルタリス、メガフシギバナ!それぞれが対処に当たります!」

 

「じゃあ、わたしもいつも通り全部に対処でいいとして……カズミさんはどうしよう?」

 

「じゃあオレも全部に対応する。大丈夫、オレのポケモンたちは強いから」

 

「え、いいのか?いやこっちとしては嬉しい限りだけど…」

 

「もちろん。人手が多いことに越したことはない」

 

「そういうことなら……決まり!急いで各自暴走メガシンカの鎮圧に動きましょう!」

 

「おー!」

 

 

ガイ、デウロ、ピュールがそれぞれの暴走メガシンカの場所に出向いた後、セイカとカズミは2人きりになった。

 

 

「どこから行く?オレはどこでもいい」

 

「カズミさん……ありがとうございます、暴走メガシンカの対処を手伝ってくれて」

 

「気にしなくていい。オレはユカリさまのために協力してるから」

 

「えっと……カズミさんとユカリさんって、どういう関係なんですか?」

 

「ユカリさまは、オレのご主人様。オレは、ユカリさまの犬」

 

「い、犬!!」

 

(あの時の聞き間違いじゃなかった!!ハルジオさんと一緒でユカリさんに仕えてるってこと!?じゃあもしかしてこの首輪も……そういうヤツ!?)

 

「急ごう。ユカリさまを待たせるわけにはいかない」

 

「は、はい……」

 

 

セイカとカズミは、最初にメガユキメノコの鎮圧に動いた。セイカはクチート、カズミはメタグロスを繰り出して対処に当たり、無事に鎮圧することに成功した。

 

 

『まあ、今のが暴走メガシンカでしたのね』

 

「ひゃあ!?」

 

「ユカリさま」

 

『お見事でしたわ、カズミ。それからセイカさまも!周囲に被害が出ないよう細心の注意を払いながらも大胆な戦い!うふふ、不謹慎なのはわかっていますけど…とっても素敵でした。あとの暴走メガシンカは2件♡頑張ってくださいましね?』

 

 

言うだけ言って、ホロユカリは消えてしまった。

 

 

「あれ……なんですか?」

 

「ユカリさまは、ホロの技術を買ってる…って言ってた。ピンク色なのはユカリさまだから」

 

「そんなことありなんだ……」

 

「オレも初めてみた時はびっくりした。でも結構便利」

 

「そうなんですね……」

 

 

続いて、メガフシギバナの鎮圧に動いた。セイカはリザードン、カズミはファイアローを繰り出して対処した。無事に鎮圧し、またしてもホロユカリが現れた。

 

 

『うふふ、またしても!やっぱりセイカさまの実力は本物ですわね♡ああ、トーナメントが楽しみでたまりません♡』

 

「……ユカリさま、オレも頑張りました」

 

『もう、カズミったら。あなたの実力は分かっているわ、だからこそセイカさまの監視を任せたのです!』

 

(はっきり監視って言った!!)

 

『さあ、残りはあと一件。なるべく早く対処してくださいまし〜』

 

ぷつん

 

「ユカリさん……なんというか、フリーダムですね」

 

「あれがユカリさま。いつも自由で余裕で優しい。」

 

「や、優しい……?」

 

「そう。ユカリさまはボロボロだったオレを拾ってくれた。そして番犬にふさわしく育ててくれた。オレはユカリさまを尊敬してる」

 

「カズミさん……」

 

 

とうとう最後、メガチルタリスの鎮圧に動いた……のだが。

 

 

「2人とも!大変だよ、あれ見て!」

 

 

デウロが指差した先には、暴風を巻き起こして暴れるメガチルタリスの姿があった。屋上にいた人々は避難しているものの、あれでは被害が増大する恐れがある。

 

 

「そういうことなら策がある。とりあえず近づこう」

 

「カズミさん!?」

 

「ちるるぅ!!」

 

「……ユカリゾーン、展開!!」

 

「「!??!」」

 

 

カズミが珍妙なポーズを取ると、ピンク色のホロが展開された。バトルゾーンのホロと同じく、メガチルタリスはこのホロの中から出られないようだった。

 

 

「あ、あの……今のは」

 

「今のはユカリゾーン。ユカリさまがホロの技術を買って作った、ユカリさまだけのゾーン。ちゃんと頑丈だから安心して」

 

「そうなんですねー……」

 

 

ポーズについて一切触れられなかったことに困惑しながらも、セイカたちは暴走メガチルタリスに対処した。セイカはクチート、カズミはペロリーム。それぞれ連携を取りつつ、無事暴走メガシンカの鎮圧に成功したのだった。

 

 

「ふう、これで全部解決かな……」

 

『おみごとですわ!!』

 

「ぎゃあ!!」

 

『これにて暴走メガシンカを全て鎮圧!なんてファビュラスな戦いだったのかしら!うふふ、わたくしもう待ちきれません♡今すぐシュールリッシュにいらしてくださいな!!』

 

ぷつん

 

「びっくりしたぁ……」

 

「あはは、そうだよね……わたしも全然慣れない」

 

「………」

 

「とにかく!これで暴走メガシンカは全部解決したんだから、セイカはホテルに急ぎなよ!」

 

「うん、ありがとうデウロ!」

 

「……待って」

 

「カズミさん?」

 

 

走り出そうとしたセイカに、カズミが声をかける。カズミの眼光は鋭く、セイカを見据えていた。

 

 

「……ユカリさまは、きみのことを気に入ってた。だから……見定める」

 

「それって……」

 

「うん。……オレと、勝負!!」

 

 

▽MSBCのカズミが 勝負をしかけてきた!

 




カズミ
ユカリさまの犬。勝負を挑む。

セイカ
常識人なのでユカリに振り回されっぱなし。

ユカリ
安定のユカリさま。


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