畜生から妖狐、そこから神目指す   作:インテリアタマツヨスギキツネ

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小鬼くんのモチーフは元興寺の鬼です。


はたらけ!ろうどうの森!

 

 

 小鬼くんマジ便利。褒美に鹿肉を存分にくれてやろう。と、思ったが要らないらしく拒否られた。マジムリヤケグイスルネ....

 

 この数日間、何も食べない小鬼くんとは対照的に俺のお腹くんの鳴き声はおさまる兆しは見えない。鹿や猪を一日一匹、丸々食べているのに空腹感が未だに尽きない。

 

 このままでは、恐暴狐になって目の前のもの全てを食べてしまうもしれない.....!流石にありえないか。

 

 とにかく、小鬼くんがマジで偉くて便利。察し力が高くて、不器用ながらも諦めずにやり遂げてくれる。なんだこの健気な生き物は。労働力として素晴らしすぎる。made in kooni.

 

 え?小鬼くんが働いてる間、俺は何をしてたかって?

 

 安心してください、働いてますよ。俺は無能な上司ではないんだ。

 

 小鬼くんが床を張り替えたり、小道具を作ったりしてる間に俺は遠くの廃村に材料を取ったり、狩りをしたり、毛繕いをしたり......三分の二が私事だが、これも必要なことなのだ。

 

 狩りは俺の腹を慰める獲物を取って、毛繕いは何故か吐き出した毛玉を小鬼くんが喜んで回収するので存分にぺッ!してる。回収された毛玉が何処に行ったかは知らない。時には無知が物事を進めるのだ。

 

 小鬼くんが何を考えて行動しているかは知らないが、順調に物事は進んでいる。寺の住居環境が小鬼くんの匠技術で生まれ変わっていくし、小道具とかも自主的に作り始めるし、マジで小鬼くんサイコー!

 

 でも、そろそろなんか娯楽の品が作りたいんだよなぁ。俺と小鬼くんだけじゃ遊べる内容も少ないし。

 

 ということで、小鬼くんに娯楽の道具を作ってもらうことしました!え?労働き、じゅんほう?ちょっとなにいってるか分かんない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、蹴鞠擬きを作ってもらいました。

 

 作り方は、俺が狩ってきた鹿の皮をなんとか使えるようにし、中に乾いた雑草やらを詰め込み封をすれば完成!これが小鬼クオリティ....

 

 作り終えて早速、俺と小鬼くんは蹴鞠擬きで楽しんだ。

 

 平坦な土地で蹴鞠擬きを全力で蹴り込む小鬼くんにそれを全力で走り空中でキャッチする俺。

 

 立場は代わり、俺が尻尾で蹴鞠擬きを真上に放り投げると小鬼くんは笑顔を作りながら蹴鞠擬きをキャッチしている。

 

 その後も投げたり掴んだり、蹴ったり蹴り返したり、蹴鞠擬きを当てたり当てられたりと、思いつく限りの遊びを楽しんだ。

 

 最後に小鬼くんの全力シュートで蹴鞠擬きは空中分解したが、小鬼くんが楽しそうなのでヨシ!俺も楽しかったしヨシ!蹴鞠擬きは小鬼くんがまた作り直すからヨシ!俺は毛繕いするからヨシ!

 

 真上にある太陽が見えなくなるまで遊ぶなんて久しく、いや、人生で初めてかもしれない。そう思うとなんか、虚しく感じてきたがこれからは小鬼くんが遊び相手になってくれるよ!嬉しい!やったね!いやマジで嬉しい。

 

 これからは一週間に一回ぐらい全力で遊ぶ日を設けようかな。小鬼くんも楽しそうにしてたけど、遊び過ぎは飽きが来る。ほどほどに遊ぶのが一番よ。

 

 さて、次は小鬼くんに何を作ってもらおうかな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか日が経つにつれて、小鬼くんの身長がデカくなってる気がするし、知能も上がってる気がするんだけど、何があった?

 

 手元をガチャガチャと何かを作っている小鬼くんに視線を送れば、作業をやめて此方を見て首を傾げるだけ。うん、気のせいだな。

 

 別に小鬼くんの身長が高くなっても、頭が良くなっても、何も変わらないからなぁ。多分、小鬼くんも作業スピードが速くなって喜ぶだろ。

 

 そんな成長疑惑がある小鬼くんが現在作っているのは、独楽だ。やっぱ、頭良くなってるよね??駄目元でお願いしたらちゃんと形になってて驚いたんだが。

 

 手作り感満載の独楽が二つ出来上がり、俺は自身の尻尾で独楽を包み込み、小鬼くんは近くのツルで縄の代用品にしていた。

 

 そして、ふっ!と独楽を地面に滑らせるように着地されるが、俺の独楽は少し遠くに飛んでいき、小鬼くんの独楽だけが悠々と回っていた。負け....た....だと....?

 

 その時の小鬼くんの馬鹿にするような嘲笑は、俺のやる気スイッチを押し込む起爆剤になった。独楽を回す?できらぁっ!!

 

 どんどんと上達していく小鬼くんに比べて俺は、未だに独楽を回せていない。何度も飛んでいく独楽を回収し、尻尾で巻きつけ回す。

 

 そしてついに、計数十回を超える試行回数により、独楽を回すことが出来た。スタンディングオベーション!!

 

 出来ちまったよ....!と小鬼くんの方へと振り返ると、小鬼くんは自分の手のひらの上で独楽を回しており,それを見た俺はやる気スイッチが故障した。勝てるわけない.....!!

 

 楽しそうに独楽を回す小鬼くんに意気消沈して真っ白な狐。

 

 それじゃあ、次は何を作ってもらおうかな〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小鬼くんにこれ作って、これも作ってと言ううちに寺の中は、娯楽品やらで埋め尽くされた。

 

 最近の小鬼くんのブームは、お手玉らしく限界までお手玉を作り回そうとしている。

 

 そんな小鬼くんは、なんと背が2mとなり知能も俺が何か知識を与えなくても自力で何かを作り始めるぐらいに頭が良くなった。あれ?俺、お役御免?

 

 い、いや、俺も役に立ってるから。狩りしてるし、小鬼くんが喜ぶ毛繕いもほぼ毎日してるし、小鬼くんの遊び相手になってるし、知識与えてるし......

 

 とにかく!小鬼くんは昔の怯えまくってた小鬼くんとは違い、既に一人前の小鬼........いや、鬼と言ってもいいほどに成長した。

 

 でも、小鬼くんは俺から離れず遊び相手になってくれたり、毛繕いをすれば喜んでくれる最高の友人なのだ。

 

 マジで出来た小鬼だよ、ほんと。

 

 そんなことを考えていると小鬼くんが蹴鞠擬きを手に持ってこっちこっちと手招きしている。マジで小鬼くんサイコー!

 

 立ち上がり歩行リフティングしている小鬼くんの隣に並び、いつもの遊び場に向かう。

 

 楽しいなぁ。楽しい。とても楽しい。いつも楽しい。すんごい楽しい。狐生でも群を抜いて楽しい。小鬼くんも楽しそうだなぁ。うん、楽しそうだ。

 

 あぁ、でも、なんかお腹空いたなぁ?

 

 

 





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