畜生から妖狐、そこから神目指す   作:インテリアタマツヨスギキツネ

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この狐畜生、いつも死者ばっかに絡んでんな?


踊らにゃ損損♪

 

 

 陰陽師の一人は頭を悩ましていた。

 

 大馬鹿者が解放してしまった禍忌の退治または封印の目処、政治舞台から追い出された原因、最後に風葬場に現れた妖狐の退治。

 

 普通であれば様々な家の頭が話し合い解決するような内容。だが、禍忌によって数多の陰陽師の分家は潰え、なんとか組織のような形には保てたもののこう言った政治に対応できる陰陽師は少ない。

 

 なんとか組織を保てるほどに育成は出来たが、今回の出来事はそれら全てを無に帰す最悪の出来事だ。

 

「禍忌の行方を調べる隊を編成し、行方を調べ上げろ!くれぐれも戦おうだなんて思うな!情報だけを仕入れろ!」

 

「上皇様に今回の重要性を説いてなんとか兵を出してくれるよう嘆願しろ!最悪、あの女官の正体を伝えろ!背に腹は変えられん!」

 

「風葬場の妖狐は後回しだ!だが何人かは監視にあたれ!自身の判断で殺すも放置するも任せる!」

 

 次々に舞い込んでくる凶報を噛み砕き、加工し、下に伝え対処に当たってもらう。

 

 陰陽師の一人は頭を悩ます。

 

 最悪を回避するために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 禍忌は遊んでいた。

 

 己を追跡しようとする身の程も知らぬ馬鹿者で遊んでいた。

 

 森の中を頭虫のようについてくる馬鹿者を玩具に見立てて。

 

 幻影をまるで光に寄せられる蛾のように追いかける馬鹿者を一人ずつ気づかれぬよう翅をもぐように無邪気に殺していく。

 

 殺す際は、できるだけ悲鳴や顔を見るように殺す。

 

 覚悟を決めて追いかけてきた男の臓物がまろび出るように腹を切り裂けば顔はたちまち恐怖に溢れ覚悟は後悔に変わる。

 

 死ぬと思っていなさそうな女の足や腕を一本ずつ飛ばしていく。幻術で痛みを感じさせないようにするが少しずつ自分が消えていく顔を楽しみながら殺す。

 

 万能感に満ち溢れた子供には狐火を口から体内に侵入させて何も出来ない苦しみを与えて殺す。

 

 残った老人は殺し尽くした人間どもの骸を見せつけそれを腹に入れる場面を見せてやる。それで復讐心で襲いかかってこようが尻尾で掴み取りゆっくりと圧力をかけて圧死させる。

 

 そしてそれを飲む。

 

 最後に絶望で過呼吸を起こし、もはや放っておいても自殺しそうな女は逆に幻影でそのものの幸せな場面を想起させ生きる希望を与えてから現実を見せて踊り食いした。

 

 腹は満たされている。

 

 でも食べたい。

 

 いくらでも食べたい。

 

 美味しいものは無限に食べたい。

 

 次はどうやって食べようかな。

 

 禍忌は口元や歯についた血を舐め取りながら歩き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!クソッ!あの陰陽師どもがァ!私の正体を上皇に伝えやがってェ!」

 

 森の中を女官、藻女が狐の姿で駆け逃げる。

 

 後ろからは、手練れの陰陽師が一人、藻女を退治するために追いかけてきている。

 

「殺すゥ!殺してやるゥ!陰陽師ども全てを殺してやるゥ!私のォ!邪魔をォ!する奴はァ!殺すゥ!」

 

 実を言うと藻女の正体はこの国に紛れ女官になった時から陰陽師にバレていた。

 

 陰陽師はそれに気付きながらも常にマークすることを条件に女官として働かせていた。この国は有能な人物が少ない為。

 

 しかし、政治舞台から追い出した事と禍忌に対応する兵を出す為に上皇の信頼を勝ち取る出汁とされた。

 

「何がなんでも殺すゥ!全て殺してェ!私が全て手に入れてやるゥ!」

 

 彼女は森の中を駆け逃げる。

 

 何故か追いかけてくる陰陽師が入るのを躊躇っていた森を駆け走る。

 

 彼女はもうすぐ出会うだろう。

 

 恐るべき同族と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれが件の妖狐か?」

 

「あぁ、風葬場を縄張りにして他の妖どもを全て殺したらしい」

 

「チッ.....風葬場を縄張りにするなんて。迷惑極まりない」

 

 遠くに見える妖狐は、死体に何かしているがそれだけだった。

 

 だから監視より上の行動は起きなかった。

 

「どうする?殺すか?」

 

「いや、命令は監視だ。無駄に仕事を増やすのはな」

 

「だが、こちらの判断で殺してもいいとも言っていた」

 

 その発言に陰陽師は会話を続ける。

 

「よく考えろ、ここで藪蛇を突いて新たな仕事が増えたらどうする?」

 

「殺せばいいだろ」

 

「殺せなかったらどうすんだ」

 

「殺す、仲間が」

 

 その発言に一人の陰陽師がため息をつく。

 

「よく考えろ、普通妖狐は縄張りを作らずに生者の精気や肉を食べる。なのにあの妖狐は縄張りを作り死んで時間が経ち精気もない死体を食べずに何かするだけ」

 

「つまり?」

 

「異常ってことだよ。今は禍忌っていう特大な仕事が残ってんだ。無駄に仕事を増やすのは良いことじゃない」

 

「それなら尚更殺した方がいいんじゃないのか?ここで殺しておけば俺らも禍忌を殺せるじゃねーか」

 

 またため息が漏れる。

 

「お前死にたがりなのか?」

 

「はぁ?」

 

「こんな監視するだけの楽な仕事と死ぬかもしれない仕事、どっちが最高かわかるか?」

 

「殺せる方が最高じゃんか」

 

「........はぁ」

 

「また、ため息かよ」

 

「お前、さっきの反応的に妖狐のこと全然知らねーだろ」

 

「殺せる狐」

 

「ちげーよ、習性だよ習性」

 

「人を化かすんだろ?殺せばいい」

 

「その化かしかたが豊富だから恐れられてんだろ。幻に人になれる変化能力、狐火に言語能力。あいつら人間の真似でこっちを油断させてくるから嫌なんだよ」

 

「幻も全部殺せばいいだろ。実際、殺したし」

 

「......はぁ、この任務の唯一の欠点がまさか身内とはねぇ?」

 

「あ"あん?」

 

「何でもないよ......俺らはあの妖狐を気楽に見とけばいいいんだから。そんなに殺伐すんな」

 

「......チッ!」

 

 





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かなーーーーーーーーーり忙しくて当分の間、投稿出来ないです。すんません。
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