畜生から妖狐、そこから神目指す   作:インテリアタマツヨスギキツネ

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アニミズムって響きなんか健康に良さそう

 

 

 とある集落に住んでいる男は、突然の尿意に叩き起こされた。

 

 外は闇に満ちており、一寸先も見えないほどに暗い。

 

 されど、男は慣れたように暗闇を歩いていき川屋に辿り着く。

 

 川が流れる音と自身が出したものが川に落ちる音しか聞こえない静かな夜に男は目を瞑り排尿後の震えを感じていた。

 

“ざり....ざり....”

 

 突如として静かな夜に一つの異音が紛れ込む。足裏を地面に擦るときに出る音が聞こえはじめる。

 

“ざり...ざり....ざり....”

 

 次第に強く聞こえ始める異音に男はアソコを隠すことも忘れ音の正体を必死に知ろうとする。

 

“ざり....!ざり....!ざり....!”

 

 もはやすぐ手前まで来ていると察した男は湧き上がる恐怖を無理矢理の虚勢で覆い隠し、気合いとアソコを奮わせながら異音の方面へと足を動かす。

 

 恐怖で足が上がらず地面と擦り合わせるように前へと動かす。男の足音はまるで異音と酷く似ており,その事が頭によぎった瞬間──

 

「ギャァォン!」

 

「        !?!?」

 

 静寂を突き破る鳴き声が男の鼓膜を突き抜ける。男は天元突破した恐怖に耐えられず声にならない悲鳴をあげながら倒れてしまった。

 

 異音の正体は口と思われる部分を愉快に歪めその場を去った。

 

 そして、そこに残ったのは恐怖によってアソコが反りたったまま気絶した男がいるだけだった.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人間驚かすのガチで楽しすぎワロタwビビらせやめれないんだけどwww

 

 それはそうとして、排尿さんはガチですまん。気絶するとは思わなんだ。それもあんなにご立派なもん反らして。せめて隠してから驚かすべきだったわ...

 

 人を驚かして早くも数週間、もはや深夜に起きてるのは見張りとして起きてる人間くらいで他の人は寝床でビビりながら必死に寝ようとしている。

 

 しかも、灯りがない暗闇故、俺の狐ぼでぇが人間にバレておらず、狐だァ!殺せェ!と狙われることもない。これが完全犯罪よ。

 

 その他にもしょうもないイタズラを仕掛けまくって俺はだいぶ満足している。人が慌てふためく姿ってなんであんなに面白んだろう。人間って、面白....!!

 

 でもそろそろ飽きてきたし、見張りの数が増えてきたし、お偉いさんが亡くなったせいか忙しくなりそうだし、イタズラもほどほどにした方が良さそうだ。

.....お偉いさんの死因は老衰だよ?俺は関係ありません。ホントダヨ?

 

 これ以上邪魔して古墳が完成せずに死体が腐りましたってなったらちょっと後味悪いし、山頂で大人しく古墳が作られる光景でも見とこかな。

 

 古墳作成がんばえ〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お偉いさんが亡くなってから一週間経ったんだが、何かアクシデントがあったのか工事の進みも遅く、人々の顔も暗い。それでも仕事するのは流石、日本人の祖先。ブラックには慣れてる。

 

 一週間の間に何があったのか分かってない俺は、とりあえず原因を把握するために真夜中に集落に侵入して情報を集めたんだが.....

 

 何故か皆、夜を怖がっており殆どの人が眠らずにうずくまっていた。

 

 .................俺のせい?

 

 俺が怖らがせすぎたからトラウマになって寝れなくなった....?

 

 と、思ったが違いそうだ。

 

 俺が冷や汗たらたらして焦ってたところ、突如として人の叫び声が聞こえた。その叫び声を聞いた人は、小さな悲鳴と共により一層体を小さくする。

 

 手掛かりが悲鳴をあげたので急いで向かってみると、腰を抜かして空気が漏れるような声を出しながら空中を凝視する男と、その男の目線の先に夜の暗闇よりも暗い“何か”がふよふよと漂っている。

 

 それを見た俺は、この“何か”を散らさないとダメだと一瞬で判断して男と“何か”の間にシュワット!と挟まり、“何か”に対して唸り声を出した。

 

「     ⬛︎.....⬛︎⬛︎.....?」

 

 後ろの男が何か呟くが知らない言語なのと耳傾けてる場合じゃねぇ!という現状なので無視して、“何か”を睨み続ける。なんかアンモニア臭いけど無視っ!

 

 空中でふよふよ漂っている“何か”は、俺に恐れを抱いたのか、それとも不利を悟ったのか、飽きたのか分からないが夜を元の暗さに戻すように消えていった。

 

 “何か”が消滅したのを確認した俺は、後ろからの視線と臭いから逃げるようにその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、焦ったぁ!分からん殺しされるかと思って内心ビックビクしてたけど消えてくれて助かったぁ......!

 

 ていうか“アレ”なんなんだよ。今まであんな生きてるかどうかも怪しい生き物初めて見たぞ。ていうか“アレ”を生物学に分類するのは極めてなにか生物学に対する侮辱を感じます。

 

 多分、“アレ”を恐れて夜眠れないのが古墳工事が遅れてる原因なんだろう。皆んなうずくまって震えてたし。

 

 “アレ”が何なのかは分からないがこのまま放置しておけばいつか、事故で死人が出るかも知れない。でも、あの現状を見るに誰も“アレ”を対処する方法持ってないんだろうな。

 

 で、そんな恐れられてる“アレ”を退散させた狐が一匹ここにいますと....

 

 人間たち不安よな。俺、動きます。

 

 一応、撃退方法は思いついてるから今夜、早速試してみよう。その方法で大丈夫か?

 

 ──大丈夫だ、問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の尻尾が真っ赤に燃えるぅ!!明かりを灯せとぉ!轟叫ぶ!!

 

 ばあぁくえぇぅん.....!!トォォォォチ、テエェェェェェェェェルゥゥ!!!

 

 轟轟と燃える火が“何か”を消し飛ばす。ふっ...!また、つまらなぬものを消してしまった.....!暗闇で作業してた人間が俺を驚愕の表情で見ているのですぐに退散する。

 

 ちなみに燃えてるのは尻尾じゃなくて松明だ。なんか神聖な儀式をしてるところから一本ちょろまかして、その火で“アレ”をぶちのめしている。え?罰当たり?人の為だから許されるって。

 

 ていうか、“アレ”が多すぎる。人がいる所に確実にいるんだけど。どこから湧いてきてんだよ。Gか?Gなのか?古墳は台所だった....!?

 

 衝撃の事実を頭の片隅にぶん投げまた“アレ”を松明の明かりでぶちのめす。

 

「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!」

 

 女の人がなんか言ってるが言語が分からないので立ち止まらず走り続ける。いくら走っても息切れしないの自分の体なのに怖いんですけど。今の状況的に有難いけどさ。

 

 そして、かれこれ数時間走り回り、朝の日が出てきたので森へと退散した。はぁ〜疲れてないけど疲れた〜松明もよく持ってくれたなぁ。

 

 と思い、尻尾を見てみると松明なんて無く、尻尾が燃えてた。

 

 しょ、消化!!!!!

 

 朝日が差し込み、きらきら輝く川に一匹の燃えた狐が飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えー、なんか尻尾が燃やせれるようになりました。ていうか、火を操れるようになりました。

 

 熱さも感じないし、尻尾が焼け落ちることも無い。

 

 こ、これが妖狐の能力なんですね!?

 

 知らん.....何それ....怖.....

 

 原理を理解してない現象とか一番使ったらダメな奴じゃん。代償とか無いよね?

 

 一応、自身の意思でオンオフ出来るけど、これしっかりコントロールできなかったら山燃えるんですが。嫌だよ?起きたら燃えカスに覆われての起床とか。

 

 でも、これでいちいち神聖な儀式をしてるところから松明をちょろまかす必要が無くなったってことか。え?松明盗んだ罰すか、これ。

 

 とりあえず、使えるもんは使うってことで今日も“アレ”をぶちのめしますか.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この国に現存する数多の古墳。

 

 数多くの権力者が古墳の中で未だに眠り続けている。

 

 そんな古墳だが、何故か名称によく「狐」という文字が使われている。

 

 さらに、古墳からは狐の埴輪が出土しており、古墳時代での狐と人の関わりが今もなお研究されている。

 

 ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の女王、⬛︎⬛︎⬛︎も狐が好きだったことも関連つけられており、この国の歴史には狐がよく現れる。

 

 狐が歴史に現れる理由としては、害獣の鼠を喰い、食糧を守ってくれるからという理由が一番有力視されており、狐を神の使いとして祀ったためかこの国の至る所に稲荷が設置されている。

 

 何故、この国の歴史には狐の影があるのか。そして何故、昔の人は狐を神聖視したのか。

 

 人と狐、はるか昔からの謎の繋がり。この繋がりに人は何を感じるのか。あなたはいつか“それを”知るのかも知れない。

 

 ────桂木民明書房「歴史の浪漫」より、

 

 




妖怪にこんなのいるらしい

うわん:静かな夜道や古い家で、突然「うわん!」と大声を出して驚かせます。

なんかイタズラしてた狐に似てね?
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