畜生から妖狐、そこから神目指す 作:インテリアタマツヨスギキツネ
めっっっっっっっちゃ短いです。なんか段々と書く量が少なくなってる気がする......
妖狐の朝は早──くはない。
狐畜生故、好きなだけ起き続け、好きな時に寝る。今回は、太陽が沈みかけると同時に起き始める。
彼の一日は、尻尾の毛繕いから始──まらない。
尻尾が増えるたびに毛繕いの日はどんどんと先延ばしされている。六本となった今では、隔週でしか行われない。
まるで頑固な職人のような顔をしながら妖狐は、視線を尻尾へと見やる。どうやら暗闇の荒野を突き進む覚悟を決めたようだ。
熊と相撲が取れるほどの体躯を丸め、尻尾が口元に近づくようにする。
そして、ザリ、と尻尾を一舐め、二舐め、三舐めと、舐めていく。舌に分泌された唾液が尻尾の毛を湿らせ整っていく。が、何やら様子がおかしい。何かあったようだ。
唐突だが、狐の舌は猫のようにザラついている。ザラつきの理由として、舌の表面に糸状乳頭というケラチンで出来た小さなトゲが付いていおりそれがブラシの役割となっている。
毛は一日に数十本抜け落ちる。
そして妖狐は、隔週もサボっている。
何かを吐き出すような身振りをしながら妖狐は悶え苦しむ。これは、毎日の毛繕いをサボり続けた罰なのだ。
そして、彼は現在進行形で悶え苦しんでいるが、彼の地獄はまだまだ続く。
───残り五本。
どうやら妖狐の一日は長いらしい───
カァッ!ペッ!ペッ!ペッ!べちゃ!
ゲホッゲホッ...シヌカトオモッタッ!!!ナントカロッポンゼンブオワラセタゾ!
ウゥッン!まだ喉やら口で違和感がパレードしてるがなんとか落ち着いた。多分、過去、現在、未来除いて自分の毛で死にかける狐は俺以外にいないだろう。
尻尾が九本になった時の苦しみを想像し体を震えさせながら川の水を飲む。ほぼ、一日中舌を使ったせいか、舌がシビレてる気がする。吹き飛ばし攻撃受けないと.....
部分的に老化した舌でなんとか水を舐め取りながら今後について考える。が、何も思いつかない。どうやら舌を伝って脳も老化したらしい。飯はまだか!
徘徊ジジイのように川岸を歩きながらこれから何をするか悩み始める。
古墳工事の観察は、既に数日前に完成したためもう見ることは出来ないし、“アレ”も暗闇を恐怖する人間が極々僅かしかいないため最近じゃ、夜も暇になった。
しかも、最近はなんか神聖視されすぎてちょっと行きづらくなってきた。ふへへ......とか喜んでた頃が既に懐かしい。
そして、なんか......あー.......その、な?お偉いさんのな?視線がやらしいって話したじゃん?それで.........前に、あんなことしたじゃん?
なんか.............視線が、いやらしい感じになった............
.......................いやなんでだよ!?なんでそんな艶やかな目で見てくんだよ!?欲深い視線だったのに今じゃ、欲深い(意味深)視線だよぉ!?貴方、奥さんいるでしょ!ケモナーに目覚めたら駄目だって!ていうか時代を先走り過ぎてるって!あの視線を向けられるとなんか尻尾がキュッてなるから嫌なんだよ!この漢....すけべ過ぎる!乙女の目線でこっち見んな!やっぱ赦さなきゃ良かったって思わせないでくれよ!あと、奥さんも「仕方ないね」みたいな表情で夫を見るな!止めろ!なんで浮気止めないんだよ!それも浮気相手狐だぞ!?普通、止めるかドン引きして離れるかだろ!なんで受け入れるんだよ!奥さんも多様性を受け入れるのが些か早過ぎんだよ!見張りの奴らも止めろ!この集落の長が狂い始めてんだぞ!止めろ!責務を全うしろ!お前らは何を見張ってんだよ!遠くどころか隣に狂ってる長がいるぞ!狐憑きがいるぞ!狂人が!隣に!いるぞ!止めろぉ!てか、他の人間もなんで止めねぇんだよ!家に凸るぐらい抗議してたのに欲情は認めんのかよ!?なんなんだよォォォォォォォォォ!!!!!!
はぁ......はぁ.......はぁ......ふぅ、吐くもん吐いたらスッキリした。
以上の理由から、ちょっと....いや、少し........物凄く!あの集落に行きたく無いのだ。
よって、旅に出ます。
真っ直ぐに進み続けて何かしらの集落を見つけるまで歩き続けます。
探さないで下さい。
そこからの旅は過酷だった。
真っ直ぐ歩き始めて、二時間後に海に突き当たって真っ直ぐに歩くという誓いを一瞬で破り、方向転換して真っ直ぐに歩き続けて、集落を見つけた!と思い近寄れば、いやらしい視線が飛んできたし、そこから逃げるように走ったせいで迷子にもなった。
他にも、殉死にされかけていた女性を人知れず助け出して違う集落に届けたり、違う大陸からやってきた三千人の渡来人が亡くなりこの地に身を埋めるまで見守ったり、一匹の巨大な白鳥が美しく飛んでいるところを眺めたり、身体が巨大故に鬼と勘違いされて殺された渡来人を悼んだりと、数百年が一瞬で過ぎ去った。
あの頃は、当事者だったというのに今では既に遠い過去。
皆が美しく懸命に輝き消えていく中、俺だけが足並みを揃えれず置いていかれる。
そのことがちょっとだけ残念に思える。
でもまぁ....その輝きを永遠に覚えてあげられるのは少しいいことかも知れない。
それはそうとして尻尾が七本目に突入したけど、どうしたらいいと思う??
誤字報告多すぎワロタァ!
深夜テンションで書くの楽しすぎワロタァ!