ひっどいパロディを書いてしまった…。グリキネさんの髪は天パじゃないですし、サンブリテニアさんは仮面を被ってません。なので、パクリじゃないんですっ!本当なんです!!
「じゃあ、僕の身体を頼んだよ。【翼はなけれど、浮かぶ我が身】【アストラプロジェク】」
フグリが魔法を告げると、くたりとネモの胸に横たわる。行動不能に陥った彼の身体からは、半透明の存在が浮き出てきた。
「うわ、ちっさ……」
『どこを見て言ってるのかな!何度も言ってるけど、霊体には生えてないだけだからね!?』
それは呪術によって、身体から分離した彼の魂だ。【アストラプロジェク】を使い幽体離脱した彼は、一人で遺跡の先へ進んで行く。
「ふ〜んふふ〜ん♪フグリのフグリは、ミクロンサイズ〜♪」
意識のない兄の頭を膝に乗せながら、妹は失礼極まりない鼻歌を歌って時間を潰していた。
「見せて貰おうか。御自慢の魔導兵器の、性能とやらを」
「やってやる!相手が人族ならば、人間じゃないのじゃっ!」
グリキネが作り上げた魔導兵器たちは合体し、巨大な白い
領主が鮮やかな紅いドレスを閃かせ、軽やかなステップを踏むと、コックピットに映っていた少女は影も形もなくなった。すれ違いざまに鋭い蹴りを撃ち、砲撃のような重い衝突音が戦場に響く。脚の反動で距離を取った彼女は、口角を釣り上げる。
「どうだっ!……馬鹿な!?直撃の筈だ!」
僅かな土埃こそ付いているが、白の装甲へは凹みすらない。領主は苦虫を噛み潰したように表情を変えながらも、再び兵器へ接近する。
「これが、戦い……!うわあっ!?」
グリキネは研究者だ。初めて出た戦場で敵対した強敵を相手に、恐怖で身を震わせている。それでも機体を仰け反らせて、領主の剛腕を回避した事は奇跡に等しい。最早本能による物だろう。操縦桿のスイッチが押されると、兵器の砲身が光り魔力の光線が放たれる。
「速い……ッ!なんと言う運動性」
狙った訳でもないビームは敵を射止める事はできず、ドレスを掠めるだけに終わる。しかし当たれば只では済まぬその熱量に、領主は脂汗が浮かぶのを背中に感じた。
「魔法で衝撃を散らされてる!物理攻撃じゃ、ありゃあ不利だよっ!」
「オリーブ、来たか。敵の魔導鎧の後ろへ!!」
「私たちだけで、アレの相手をする気かい!?さっきの魔砲の威力を見ただろ!」
「当たらなければどうということはない!援護しろ!」
一時は戦闘不能になったオリーブが、領主の元へ駆け付ける。領主に命令されると、渋々と言った様子で魔法による攻撃を始める。
魔導鎧の腕による鷲掴みをヒョイと躱しながら詠唱が紡がれ、無数の火矢が放たれる。並行詠唱。戦闘行動を取りながら詠唱を続けるそれは、少数で危険に挑む冒険者の魔術師には必須の技能だ。
魔法攻撃により、徐々に鎧の防壁が薄くなるのをモニターで見たグリキネは、顔を青くさせた。
『
「言われなくっても、分かっておるわあ!」
半狂乱になりながら頭部バルカンを乱射し、相手を近寄らせないグリキネ。威力はそれ程でもないが、弓兵の大隊ですら霞む連射性能によって敵を後退させる。領主の舌打ちによる言語ではない指示を受けて、オリーブが口ずさんだ。
「【同胞を手繰る見えざる糸】【マグネット・フォース】」
素早い詠唱により生み出されたのは、彼女が最も得意とする造形魔法だ。右手に小さな黒い棒が現れる。
「ほれっ!あんたにくれてやるよっ!!」
「ぬうっ!?そんな物、儂の知識の粋には効かんぞ!」
手に持った棒が軽く放られ、それをグリキネは避けようともせず鼻で笑う。初めての戦闘という事もあり、二人の華麗なる貴婦人のみを見ていた彼女は気付かなかった。周囲の黒い砂粒が、戦場に散らばる矢尻やナイフが、意思を持ったかのように宙に浮いて向かって来ている事を。
バチンと軽い音と共に、棒は鎧に吸い付いた。中に乗り込むグリキネは、その様子に気付く事は出来ない。彼女が驚愕の声を上げたのは、その一瞬後。この場に大量の砂鉄や瓦落多が押し寄せる光景に、目を白黒させパニックになる。
「なっ、なんじゃあっ!?操作魔法か!土か!?金か!?いつの間に、なんつー高レベルな物を!?」
「ざあーんねん。エルフでもあるまいし、私の魔法1つでこんな量の操作なんてできるかい」
軽い調子で答えたオリーブは、再び同じ魔法を使い、手品のように小さな棒を出現させる。それをヒラヒラ振りながら、からかい混じりの説明を続けた。
「こいつは金属性の造形魔法。ちょっとした磁石を作るだけのショボい魔法さ」
「おお!そうじゃったか!!初級程度で、遠くの物まで引き寄せるとは。お主は、強力な魔術師なんじゃな!すごいすごいっ!」
「あんたね……、立場分かってんのかい?」
「んむ?つまり、その棒に集まると言うだけじゃろう?多少の重りが付いた程度で、儂の【MODE:YASYA】は止まりはせぬよっ!」
自信満々に振る舞うグリキネの様子に、オリーブは大きな溜息をついた。出来の悪い子に物を教える教師のように、つらつらと言葉を並べる。
「あのねえ。磁石だけじゃなくて、それがくっ付いた物も、磁力を帯びるんだよ……」
「ふむ。つまり今は儂の夜叉ちゃんも、大きな磁石になっていると言う事かの?」
「正解だよ。なんだ、説明すれば理解できるんだね」
「ふふんっ、当たり前じゃろ?だって儂、天才魔導科学者じゃもん!」
鼻息荒く答えた彼女の姿は、鎧で覆われ見えないと言うのに、生えてもいない子犬のような尻尾を振っている所を幻視してしまう。
「そんで今は強力な磁石が2つあるから、その力が釣り合って、ここに物が浮かんでる訳だね。なら、片方だけ消したらどうなると思う?」
「そんなの簡単じゃ!残ったほうに、漂うゴミ共が押し寄せるっ!!どうじゃ?そうであろう!」
「さあ、どうかね?ここは一つ、試してみようじゃないか」
そう言いながら手に持つ磁石を消して、オリーブは
二つの磁力の均衡が消え、漂っていた物共がグリキネへと押し寄せる。当然それらに、強力な魔導鎧を拘束できる重量などない。しかしセンサーにもカメラにも纏わりついたそれらのせいで、彼女が乗り込むコックピットからは、何も見えなくなってしまった。
「ぬわーっ!?そうか!夜叉ちゃん自身が磁石なのじゃから、こうなる事は明白じゃったあ!?」
「またまた正解。身をもってお勉強できたじゃないか、ハカセちゃん?」
鎧の手足をバタバタさせて慌てふためく彼女には聞こえていないだろうが、オリーブはその姿をからかうように嘲笑った。鎧の背後から、決着を着けるべくサンブリテニアが優雅に歩み寄り、声をかける。グリキネにとって領主の声は、死神の鎌にも等しい恐怖を感じさせた。しかしこの舞台は、一対二の決闘ではない。多くの敵味方が入り乱れる戦場である。
『後ろです!上昇してくださいっ!!』
「ほわあぁぁぁああっ!?」
遺跡の最上階からの声に言われるまま、グリキネがスラスターを吹かせて飛び上がった途端、突如として風が吹き荒れる。ゴミが飛ばされた事により僅かに空いた視界に捉えたのは、アッパーカットを振り抜く領主の姿。さらに別方向から、乾いた破裂音が鳴り響く。
「夜猫銃士隊、ただ今到着しました!スプラウト特別准将、援護に入ります!」
「フン、変哲もない魔導技師共か」
「びええええっ!助かったのじゃあ!!怖かったんじゃああっ!!!」
「はぅ……!准将が今日もカワユイ……っ!!」
『こうら!雌猫共ぉ!!グリキネさんは私のですよおっ!色目使ってんじゃねえ!!』
磁石が撃ち落とされ、魔導鎧に付着していたゴミがボロボロ崩れ落ちる。視界が戻り感極まったグリキネは、大泣きしながら感謝を述べた。
「おい。貴様がべらべらお喋りしていなかったら、こいつらは間に合わなかったんじゃないか?」
「そりゃあ悪かったね。けどアンタ、あいつを相手に不意打ちなんて出来たのかい?」
「ああ……、うん。それもそうなんだよなあ……」
二人揃って、遠い目をした彼女たち。可哀想な目で見られている事なんて知る由もなく、グリキネは声を荒らげた。
「お主ら、もう許さんからなあ!儂と夜叉ちゃんとお友達で、ケチョンケチョンにしてやるのじゃあっ!!!」
人族と蛮族の戦闘は激しさを増していく。彼女たちの戦いも、まだまだ終わらないようだ。
「ぼ〜けん♪ぼ〜けん♪ぼ〜けんだ〜♪」
「おい、何だお前……カヒュっ」
「こいつ人族じゃ……クフっ」
「さっきからどこの音痴よ、この酷い歌……ぶげらぁっ!?」
蛮族の根城である遺跡。魔水晶の明かりがぼんやり光る廊下に響くのは、ライラックがスキップする足音と調子外れの鼻歌。怪しい音を聞き付けてやって来た蛮族を、彼らが気付く前にダガーに塗り付けた麻痺毒により昏倒させる。
部屋に潜り込むと寝起きの蠍蛮人がいたので、全力のグーパンを見舞ったところだ。グーパンなのは、少女が事実を言われて腹が立ったからでは、決してない。たまたま距離が近かったからに、違いないだろう。多分。きっと。恐らく。メイビー。
「うーん……。ここにも、なんにも変なのはないね」
「そうか?オレには、蛮族よりもよっぽど野蛮なやつが見えてるぜ」
隠密行動とは何だったのか。某ロケットな組織を潰しに行く赤帽子の少年が如く、通り道にいる蛮族を戦闘不能にする呑気な少女。行動を共にするフランクリーは、彼女へ悪態をつきながら周囲を探った。
「もう一階だろ?ここまで降りてきて、蛮族の居住スペースしかねえもんなあ……」
「でもね、あたいの勘は、お宝が近いって言ってるよ!」
「そーかよ。なら、さっさと進もうぜ。ただし、もう歌うなよ?足音も立てんな」
「えぇっ!?フランはバカなの!?冒険者は陽気に歌う物だよっ!」
「バカはお前じゃいっ!!冒険者だって、潜入してる時は歌わねーだろ!多分なっ!!」
「潜入中に、おっきい声出さないでよ!!これだからシロートはっ!!!」
「お前に言われたかねえよ!?このドアホウっ!!!」
歌う歌わないの水掛け論をする彼らは、どっちも騒がしい事に気付いていない。子供特有の高い声を廊下に反響させながら、変わらず喧しいままに突き進む。その先に待ち受けている運命は、きっと神様にしか分からないだろう。
お疲れ様です!鈴木です!好きなMSはアルケーガンダムです!対戦よろしくお願いします!