オリバーの正体がオリベイラでまさかの魔人で帝国に恨みを持っているとはね。
これは厄介な事になりそうですね。
私の事をある程度は調べられているということはオリベイラの配下は恐らくは斥候部隊と思われます。
最近魔物があまり現れず王国に沢山出ていて王国は疲労しているという情報は恐らくは偽の情報でしょうね。
狙いは兵士を沢山出撃させて守りが少なくなった隙に帝都を落とすつもりでしょうか。
皇帝は完全に引っかかりほぼ全ての兵を王国に向かわせるみたいです。
私も出撃を要請された上に黒天十二星も出撃しないといけません。
黒天十二星以外にも部隊を用意しているので守りが得意な蟹をある程度は残してその部隊を防衛に任せましょう。
(やはりバレているな。)
王国へと進軍の最中、ゼストはルクスに警戒されている事に気づいていた。
(だが皇帝が愚かで助かったな。その為にルクスは僅かな部隊だけを残してここに来ているからだ。)
そう思いながら進軍を続けていたがルクスは大胆な行動に仕出した。
なんと自身の配下を使い味方である筈の帝国軍になんらかの魔法をかけたのだ。
ゼストは流石に魔法をくらうことはせずに自身の部隊を連れてすぐに逃げ出した。
既に自身の役目はほぼ完了していて後は帝都が魔人の手に堕ちるまで後少しだけ時間を稼げば良い。
そう思いながらゼストは自身の部隊を連れて離れて帝都までの帰還ルートに魔物を配置していくのだった。
流石に逃げられましたか。
進軍の最中私は黒天十二星の乙女による魅了で帝国軍全てを支配下におこうとしたがゼストをはじめとする斥候部隊には逃げられました。
これだと帰りは障害だらけでしょうね。
私は帰還には転移がありますから平気ですがこんなに大軍は無理です。
そして魅了を使ってもある程度は誘導出来ますが戦争をやめてすぐに帰還は難しいですね。
なので一瞬で戦争を終わらせる程の魔法を使う事にしましょう。
魔法を使い王国軍ほぼ全員を狙える地点にまで移動して私にとっての最大火力の魔法を放ちます。
「これこそが絶対的な力というものだ。『
ドミニクが最初に思ったのは帝国軍は何を考えているのかという事だった。
ほぼ全軍を率いて王国へと進軍しており防衛などは考えていないのかという理由だ。
その次に思ったのはたった1人がこちらへと来た事だ。
1人の少女が空を飛びながら王国軍へと来ているという事を奇妙に思った。
魔人かと思いきやその目は普通で片目は眼帯で覆われているというが片目が普通な魔物は存在しないから普通の魔法使いだ。
だがその少女が空を飛びながら魔法師団長ルーパーの扱える魔力を遥かに上回る魔力を扱い始めた事でようやく焦った。
魔法を使い弓を使い少女を狙うが少女には届かずあるいは少女の防壁に防がれた。
やがて少女の魔法が放たれてドミニクの視界は閃光に埋め尽くされ衝撃に吹き飛ばされた。
ドミニクが意識を取り戻した時既に戦場は悲惨だった。
八万もいた大軍はほぼ壊滅し生存している者は少ない。
そして生存者も無傷な者はおらず軽い怪我はほぼいなく重傷者しかいない。
ドミニク自身もなんらかの支えがないと立っている事ができない有様だった。
魔法を放った少女は既に戦場から去っているが王国軍は安心できなかった。
何故なら無傷の帝国軍が少女の代わりに戦場へと進軍してきたのだ。
ドミニク達が帝国軍に蹂躙されるのも時間の問題だった。
蟹
黒天十二星の一部隊。
守りが得意で防衛戦を主な活動とする。
1番騎士らしい風貌の部隊だが正確には鎧ではなくて甲殻である。
その為服に関しては特注品しか着れない、中には全裸もいる。