中国国内は、熱狂と不安が渦巻いていた。
**北京 人民大会堂**
江沢民国家主席は、中央軍事委員会拡大会議で力強い演説を行った。
「台湾独立勢力とその背後にいる日本・アメリカの陰謀を粉砕する歴史的機会である!
南西諸島は元来、中国の領土だ。我々は正義の戦いをしているのだ!」
会場は「統一万歳!」のスローガンで沸いた。
国営テレビ(CCTV)は24時間体制で「解放軍の輝かしい勝利」を報じ続け、大学生による愛国デモが北京・上海・広州で組織された。
しかし、裏では別の動きがあった。
上海の証券市場は急落し、外国企業の一部は従業員を国外退避させ始めていた。
党内保守強硬派(太子党系)は「今こそアメリカと決着をつけるべき」と主張し、改革派は「経済が崩壊する」と慎重論を唱えていた。
民間では、香港や深圳で「戦争が長引けば生活が破綻する」という不安の声が広がり始めていた。
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**中国軍占領下の南西諸島**
**尖閣諸島(釣魚台)**
中国は即日「釣魚台県」を設置し、人民解放軍海軍の施設を急造。
国旗掲揚式を国営テレビで生中継し、「100年ぶりの領土回復」と大々的に宣伝した。
**石垣島**
中国軍は島を「臨時軍政区」と宣言。空港を軍事基地化し、住民の一部を「保護」という名目で収容所へ移動させた。
抵抗した住民や国防軍残存部隊に対しては、厳しい取り締まりが行われていた。
**宮古島**
最大の戦略拠点として位置づけられ、中国軍はすでに工兵部隊を投入して滑走路の拡張を始めていた。
高橋拓也三等陸尉の部隊と米軍の降下部隊は、島北部山岳地帯で中国軍と激しいゲリラ戦を展開中だった。
高橋は無線で本部に報告した。
「宮古島北部、依然として激戦中。中国軍の99式戦車と歩兵が山道を制圧しつつある。
弾薬と食料が不足。支援を……要請する!」
部下の一人が血まみれで駆け寄ってきた。
「隊長! 中国軍がさらに増援を上陸させています!」
高橋は歯を食いしばった。
1991年の札幌市街戦を思い出しながら、彼は叫んだ。
「絶対に後退するな! ここを死守すれば、南西諸島全体の反攻の足がかりになる!」
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**台湾本島 激戦地**
台湾北部では、中国人民解放軍の第31軍団と第42軍団が台北近郊まで迫っていた。
台湾軍はF-16とIDF戦闘機を総動員して抵抗。
市街地ではM60戦車と台湾歩兵が中国軍と激しい近接戦闘を繰り広げていた。
台北市内の一部地域では、すでに手榴弾と銃剣による白兵戦が発生。
台湾総統李登輝は地下指揮所から国民に呼びかけた。
「一寸の土地も渡さない。台湾は自由を守るために戦う!」
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**米軍の本格的動き**
米海軍第7艦隊は、損傷を受けた「ニミッツ」を後方へ下げつつ、「インディペンデンス」を中心に東シナ海・フィリピン海で反撃を開始した。
3月14日午後、米軍は以下の作戦を同時展開:
- **空母打撃群**による中国艦隊への大規模空襲(F/A-18とF-14による対艦攻撃)
- **B-52**と**B-1B**戦略爆撃機による台湾海峡と先島諸島への精密爆撃
- **第3海兵師団**の緊急展開(沖縄から台湾および宮古島への増援)
米太平洋軍司令官は、日本政府に対し正式に通告した。
「我々は台湾関係法に基づき、台湾を防衛する。
同時に、南西諸島における日本の主権を完全に支持する。
中国の行動は明白な侵略であり、容認できない」
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**千歳市 高橋家**
佐々木美咲は、防衛省の緊急任務で夫の状況を把握しようと奔走していた。
娘の遥を抱きながら、テレビに映る宮古島の炎上映像を見て唇を噛んだ。
「高橋さん……あなたは5年前も生きて帰ってきた。今度も絶対に……」
遥が小さな声で言った。
「パパ、赤い国に負けないよね?」
美咲は涙を拭い、強く頷いた。
「ええ。パパは強いよ。北海道を守った人たちだもの」
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**宮古島北部 前線**
高橋の部隊は、中国軍の夜間攻撃を受けながらも陣地を維持していた。
無線に米軍の声が入る。
「This is US Marines. We are coming to Miyako. Hold the line!」
高橋は暗闇の中で微笑んだ。
「よし……援軍が来る。
あと少し、耐えろ!」
東シナ海では、依然として大規模海戦が続いていた。
ミサイルと航空機が夜空を埋め尽くし、21世紀最初の本格的海上決戦は、両軍に甚大な損害を与え続けていた。
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