転生したらキングメーカーだった件   作:ヴァシレフスキー

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05.始まりの地

「強き者よ、我らに守護をお与え下さい! 

さすれば我らは、貴方様方に忠誠を捧げます.......!」

 

 なんやかんやでゴブリン村に来た。

 そして、リグルドとリグルが地に平伏している。

 まあ正確には二人ともなだ名無しの、ただの野良のゴブリンなんだがな

 

 狼達との遭遇の後、ゴブリン達が現れて、リグル(であろうゴブリン)が話し掛けてきた。『万能物質』で人に完璧に擬態しているおかげで、意思疎通は難なく取る事が出来た。

 リムルと一緒にゴブリン村へお邪魔すると、村長であるリグルド(これまたであろうゴブリン)から、最近森を守護していた(正確には封印されていただけ)竜神が消えてしまい、森で魔物の縄張り争いが激化し、このゴブリンの集落が牙狼族に襲われていることを聞かされた。

 

 実はあの時遭遇した牙狼族の一行には、ランガ(予定の狼)がいたのだ

 額に星型の模様がある狼だから直ぐに分かったが、ランガ達は魔素ダダ漏れのリムルにビビって逃げてしまった。まあ、これも予想できていた事であった。

ゴブリン達に会い、案の定魔素量にビビったリグル達から、オーラを抑える様懇願されやっとリムルは溢れ出すオーラを抑えた。

 

「お前達の願い、"暴風竜"ヴェルドラに代わりこのリムル・テンペストが聞き届けよう!」

 

 言うねえ〜!、さすがはあのリムルだよ。

 俺があんな振る舞いをするのは、もう少し後になるかな。そんな事を考えていると、

 

「この村のことは俺とエリゾで引き受ける!俺の弟分だ、よろしくな」

「俺はエリゾ・テンペストと言う。どうぞよろしく」

「はっ! リムル様、エリゾ様、どうか我らをお導き下さい....!」

 

 俺とリムルは"五分の兄弟"というものになったようだ。種は違えども、俺とリムルが親しくしているのを見て、ゴブリン達は特段疑問もなくあっさりと兄弟であると言う設定を受け入れてくれた。

 

 但し、いずれ彼らの名付け親となるのはリムルだ。この魔国連邦始まりの地、この村での名付けに関しては俺は干渉するべきでは無い、と言うのが今の考えだ。無論、欲しい部下はいるが今の時点では手に入れる事が出来ない。だから今は静観を貫くのだ。

 俺は、スキルを使い国を豊かにする。原作以上の強国に押し上げる。その結果を以て信頼を勝ち取る予定なのである。

 

 

 『万能物質』を使い始めてもう随分と経ち、再現能力と創造力は既にかなりの物となっている。手始めに村に家を作るのだ、最初からある程度レベルの高い建築を手本にさせれば上達も早くなるだろう。

 まずは木組みの家、木工建築から始めたいところだ。

 

 

リムル視点

 

 

 牙狼族にやられ、負傷したゴブリン達が寝かされている建物。

 皆怪我の程度は重く、死期が近い物もいると尊重から聞いていたが、怪我人を『捕食』して、俺が体内で作った回復薬をぶっかけることで、治療に成功した。

 洞窟での備えが身を結んだと言う訳だ。用意していた回復薬が日の目を見たことに気を良くした俺は、次々とゴブリン達を処置していく。

 そこへ、一人のヒトが入ってきた。

 

「おーい、リムル」

「おお、エリゾ。どうした?」

「どうしたもこうしたも、防護柵を作れって言ったのはリムルだろう?」

 

 負傷者の様子を見る間、エリゾには村の周囲を防護する柵の設置を任せた。まあエリゾのスキルなら設置は容易だろうと、そう考えていた? 。

 ただ、こんなにも早く俺を呼びに来たとは、まさか柵の作り方がわからないのか?それとも問題が発生したのか?

 

「終わったよ」

「終わった...?」

「柵の設置がね」

「柵の設置が!? もう終わったのか!?」

 

 いくらなんでも早すぎる。頼んでから、まだ一時間も経ってない! 

 レトラの後ろからついてきたモブゴブリンが、事の顛末を説明する。

 

「最初の一つは、家を壊して何とか作ったんすけど。これじゃ材料が足りなくなるって、エリゾ様が手をかざしただけで、柵がなにもないとこれから生まれてきたんす!、それで直ぐに柵の設置が終わったんすよ!」

 

 エリゾは『万能物質』というスキルを持っている。おそらく、魔素を素材にして万能物質を作り出し、それをあらゆる素材に変化させて、さらに強度や質感も自在に変えられるそうだ。

人間にすら完璧に偽装できるエリゾにとっては、柵の作成と設置という仕事はあまりに簡単だったという訳だ。

 ただしかしな、エリゾをテントの隅に呼びこそこそと話す。

 

「にしてもやりすぎだ。『万能物質』が便利なのはわかるが、何から何までやってやるんじゃアイツらのためにならない。援助が全てじゃ無いんだ、大事なのはゴブリン達が自立して行動する事だろ?」

「....分かってるよ、ごめん。ただ今は非常時だから、一刻も早く防備を整える必要があると思ったんだ。」

 

 エリゾは真面目な奴だ、自分に出来る事を、精一杯やろうとするだろうし、スキルの力を十分に発揮してくれるだろうと思った。しかしこの事態は.....ゴブリン達にも知らず知らずのうちに俺らに頼りすぎる、俺らが何とかしてくれると他力本願になる可能性だってある。エリゾには注意してもらわないといけないな。

 

「てかエリゾ、魔素は足りたのか?結構村の周りは広かったけど、」

「まだまだ余裕はあるよ」

「そうか、ならいいんだが、無理はしないでくれよ?」

「分かってるさ、リムル」

 

 エリゾの魔素量は一体どれくらいなんだろうか?まだまだ余裕があるというくらいだから、相当量を保有しているんだろう

 ...これでも一応エリゾを任されている身だ、任されたからには、守護ってやらなければならないだろう。守護られる様な存在かどうかは置いておいてだ。

 

 

エリゾ視点

 

 

 しまった、リムルに怒られてしまった。やりすぎだ。と

 ゴブリン達の仕事を全て奪ってしまったのが不味かったのだろう。

ただ、俺は自分の判断を間違っていたとは思わない。

原作にはないがイレギュラーが存在する事で歴史が変わり、村が奇襲を受ける可能性がないとは言えなかった。

 俺が存在しなければ、心配する必要もない話だったが、俺という存在が有る以上、自分の影響による危険の芽は自分で刈り取らなければならない。

 これは、このスタンスは、今後も変わることはないだろう。

 

 餓狼達の襲撃が始まる。リムルの勇姿を特等席で観させてもらうとしようかな。




ステータスに変化がない為、今回は無しとします。
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