──暗闇が晴れると見知らぬ部屋が見えて来た。
洋風の広間に1人立っているヒメノ。
・・あれ・・・・なんか前にここ見たことある気がする・・・・
人影が数人見えて来た。
・・ヴェン‼︎・・・・アイツもいる・・!・・またこのパターンか‼︎
ヒメノは大声で喋るもヴェンには聞こえないようだ。
ヴェンは見知らぬ男2人に取り押さえられていた。
もう1人の影・・アクィラが口を開いた。
「ガンダムはどうだったかな・・?」
そう聞くアクィラにヴェンが興奮しながら返す。
「・・ヒメノが乗っていた‼︎あのガンダムに乗っていたのはヒメノだった‼︎」
「・・そうか・・これも悲しい運命か・・・・ならば・・」
「違う‼︎ヒメノは助ける‼︎手を出すな‼︎」
・・助ける・・助けるって何からなんだよ・・ガンダムって・・
「何も取って食おうというんじゃない・・我らの同志になってもらうために迎えに行くのだ・・」
「なら俺が‼︎」
「・・いや・・君が行けば彼女に気を取られ危険が及ぶかもしれない・・おそらく連邦も本腰で来るだろう・・」
「では私が・・」
ヴェンを抑えてる1人の若い男が口を開いた。
「・・ああ・・アルも頼む・・少し運動してくるといい・・起きたばかりだろう・・?」
・・大体コイツらなんなんだよ!なんで私が同志になんなきゃいけないのさ‼︎
アルと呼ばれた男が答える。
「おお!なら思いっきりかますぜ!アイツがいるかもしれないしな!起きたんだろ?」
「ああ・・感じる・・・・何か仕掛けるつもりだろう・・・・ただほどほどにしてくれ・・まだ時期じゃない・・」
「ん〜・・!わかった!約束だかんな!」
「フフ・・ありがとう・・アル・・」
「お前ら‼︎約束したじゃないか‼︎ヒメノを助けるのを手伝うって‼︎」
・・やっぱそう言う感じで騙されたのか!このバカ!知らない人の言うこと信じるなってずっと言ってたのに‼︎
「おい!」
もう1人の男が部下を呼びヴェンを連れていってしまう。
・・ヴェン‼︎くっそ触れない‼︎
ヒメノはジタバタするも一向に近づけない。
「アクィラ‼︎騙したのか⁉︎」
ヴェンは叫び訴えるも部屋の外に連れて行かれてしまう。
・・は〜・・大体わかった・・大方私が連邦に捕まった!助けなければ!君に力を貸そう!みたいな感じだろう・・
「イー・・手荒な真似はしないようにな・・」
「はっ!」
イーと呼ばれた男は背筋をピシッとする。
この顔覚えたかんな!いつかぶっ飛ばしてやる‼︎イケメンだからって容赦しねぇぞ‼︎
いくら啖呵を切っても気づかれないヒメノ。
アルと呼ばれた男が口を開いた。
「そういえばアンタの計画はどうなんだい?順調?」
軽薄な調子で聞くアルにアクィラが答える。
・・計画‼︎
「ああ・・概ねアクシズも賛同の意は示してくれている・・ただもう少し様子を見たいそうだ・・待とう・・彼らの決断を・・・・」
・・は?アクシズの意思?石が何判断すんだ?
「ハハッ!アクシズの意思ねぇ・・」
「アル!貴様アクィラ様に向かって・・‼︎」
・・うわ・・ツッコミが被った・・コイツと一緒もやだ・・
「いやアルの感想はごもっともだ・・ただ彼らも地球の動き、そしてガンダムの動き・・全てを見定めるにはもう少し時間が要る・・」
・・また出たガンダム!白閃?それとも新手のホワイトドールか?
「じゃあ地球の奴らをもうちょい揺さぶってやんないとな‼︎」
「・・フフ・・そういうことだ・・・・何度もいうがほどほどにね・・」
「おう!」
「ハッ!」
2人は部屋を出ていった。
・・来る!アイツらが攻めてくる!夢だけど夢じゃない‼︎
窓から見えるアクシズを眺めながらアクィラは呟く。
「君を感じるよ・・面白くなって来た・・・・君と彼女・・どっちが強いかなぁ・・ライラ・・・・」
──ヒメノはカッと目を開きながら起きた。
・・ライラってなんだっけ・・?なんだっけ・・え〜・・・・
「伝説の英雄‼︎」
「きゃあ‼︎何⁉︎ビックリした‼︎」
「うわっ‼︎何⁉︎・・え・・リリアさん?どしたの?」
あたりを見渡すと医務室である。
「どうしたのじゃないわよ!昨日ヒメノの部屋出た後怒鳴り声が聞こえたから戻ったらあなた気絶したまま浮いてたのよ!」
・・あーあの時アクシズに叫んであのまま寝ちゃったのか・・・・めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん・・
「あの〜・・ごめんなさい・・心配かけて・・」
「本当よもう!うなされて何か言ってるし、大声で変なこと叫んで起きるし!あ〜ビックリした!」
・・変なこと・・・・え〜・・なんだっけ・・‼︎
「そうだガンダム‼︎」
「⁉︎何っ⁉︎急にどうしたの⁉︎」
また急に大声を出すヒメノにビックリするリリア。
「ガンダムって何?」
「・・ガンダム?ヒメノコロニー育ちなのによく知ってるわね。」
・・?・・・・育ち関係ある感じ?て言うか思ったよりカジュアルな感じ?・・
「ガンダムっていうのは地球の神話というか童話というか〜・・なんていうか〜・・まあ守り神様みたいな感じね。」
「え!」
そっち系か〜・・思ってたのと違った・・
「すごいざっくり言ってしまえば、世界に悪しき物が現れた時、大きな繭から白い神の化身が生まれて悪しき物を滅ぼしてくれる。っていう感じね。」
・・悪しき物・・・・白い神の化身・・・・滅ぼす・・
「あの本の白い悪魔‼︎あ〜・・でも逆か・・」
「確かに似てるけど逆ね、向こうは世界を滅ぼすでしょ?これは悪しき物を滅ぼす・・まあただのお話だから・・」
「そんな有名なの?」
「有名も何も地球では誰でも知ってるわね、子供の頃から絵本読み聞かせられたり・・連邦本部にも壁画があるのよ。世界文化遺産だとかなんとか・・」
・・絵本・・壁画・・・・ガンダム・・・・うーん・・
「ホワイトドールと関係ないの?」
「あるわよ?」
「・・‼︎」
さっきからすごくあっさり‼︎ガンダムってそんな感じ⁉︎
「ホワイトドールは白い神の化身をモチーフにしてるから・・」
・・そう来たか〜・・・・
「・・話がこんがらがって来た・・ホワイトドールは神様で白い悪魔のガンダムということでいいかな・・?」
「え〜っと・・ガンダムは神の化身で、地球の一部の地域でそれを模したホワイトドールという像を崇拝する文化があるの。それから取ってあのタイプをホワイトドールと呼ぶようになったらしいわ。ややこしいわね。」
・・うん!
「オッケー!わかった!ありがとう‼︎」
「?今のでわかったの?というかどうして急に?」
「え?ううん!最近ガンダムとか白い悪魔とか色々よくわかんないワード多いからさ!」
「ああ〜・・まあテロリスト達からしたら白い悪魔なのかもしれないわね。」
「え?」
「黎明という最初のホワイトドールは鬼神と呼ばれるくらい強かったらしいわ。あと2体ほどいたみたいだけど実戦記録はないし。白閃は最近できたばかり、やっぱり黎明の伝説の印象が強いのかもね。」
・・ああ・・そういうことか・・?・・じゃあ全部で4体・・昨日見たホワイトドール達ってマジで何・・?
「本当にどうしたの?大丈夫?」
「う〜ん・・夢で変なホワイトドールみたいなのがいっぱい出てきたから・・」
「?変なのがいっぱい・・?」
「あ゛‼︎」
「はいっ⁉︎本当にどうしたの今日は⁉︎」
夢だ!夢じゃない方の‼︎
「敵!敵が来るの‼︎2人‼︎1人はイケメンのクソ野郎でもう1人は馬鹿野郎‼︎夢で見た‼︎」
「イケメン⁉︎・・じゃなくて夢⁉︎敵は2人だけなの⁉︎」
「2人が来るって言ってたけどもっといっぱい来るかもしれない‼︎急いでマルコに伝えないと‼︎」
ヒメノが医務室を出ようとしたその時艦体が大きく揺れた。
「もう来たのか⁉︎」
「違うわ!何この感じ⁉︎」
ヒメノ達の乗る巡回監視艦「群雲」は巨大な要塞戦艦に飲み込まれたのであった──