個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ! 作:紡縁永遠
Side、海璃
「おお〜やっぱり広いなぁ!ここは、」
入試依頼に雄英高校に到着した俺、今日は入学式だ。
無駄に大きい扉はバリアフリーだ。大抵、公共施設の扉は大きく作られている。
「あれ?君もヒーロー科?」
「え?あ、はい!」
緑のもじゃもじゃ頭の少年に声をかける。驚きすぎだな、しかし同じヒーロー科か、今後も付き合いが長くなりそうだ。
「クラスは?」
「A組です」
「おお、おれも同じだ」
「……」
「どうした?」
「いや、同じ高校生だよね?」
「……言うな、これでも気にしてんだ」
俺の身長は159.3男子高校生としては小さいのだ。え?こんなんで大丈夫かって?メアリーの身長が158だから問題ないのだ。中学の時に身長を越したことに喜んだらカトラスを首に突きつけられた。
普通に波に対してふっとばされないように動けるし、カルヴァリン砲は空中展開だから反動もない。ちなみにだが黒髭は210、ふざけんな!なんでヲタクに成り下がったお前が俺より身長高いんだよ!目隠れフェチは188だった。俺より身長高い奴しかいないのどうにかしてくれ。
「ここか、」
「ここもバリアフリーかな?」
「そりゃそうだろ、」
「机に足をかけるのをやめたまえ!先輩方への失礼だとは思わないのか!?」
「思わねーよ!端役が!!」
ものすごい暴言を吐くやつと、入試の時に会った規律正しい委員長の中の委員長みたいな人間が喧嘩をしていた。
「なんか荒れてんな……」
「かっちゃん……」
「知り合いか?」
「うん……」
可愛そうだな
「お友達ごっこがしたいなら他所に行け……ここは雄英だぞ」
……なんか寝袋に入りながら移動してる人がきた…なんで?あ、寝袋脱いだ。
「はい静かになるまで8秒かかりました、時間は有限だ、君たちは合理性に欠くね」
唐突にディスってくるなこの人。キレそうになってるやつ何人かいるぞ?
「担任の相澤消太だ、よろしくね」
「「「「「た、担任!?」」」」」
担任なの?面だけなら海賊でも十分やっていける身なりだぞ?!
「早速だが、お前らこれ着てグラウンド出ろ」
「「「「「え?」」」」」
「寝袋から出すな!いくら新品でも衛生概念を心配するぞ!」
「お前は、こういうことを触れないたちだと思ったんだが……」
いや、新品で袋から出していない奴だとしても、さっきまで人が寝ていた寝袋に入っている服は着たくない。
海上でもっとも危険なのは病原だ。満足な治療が不可能だから、衛生管理をしっかりしていないと死ぬ。餓死とかならまだしも、病原は本能に危険だ。
「わかった取り替えてこよう」
「始めからそうしろ!」
「ショタが高身長イケメン見たいなセリフで女子みたいな指摘してる……」
「気にしてんだから辞めろ……名前は?」
「アタシは芦戸三奈、よろしく」
「ああ、よろしく頼む、世渡海璃だ」
渡されたジャージ、体育着を着て、グラウンドへ。一人変態のヤバい奴がいた。目隠れフェチよりまだましだ。
「それではこれから、個性把握テストを行う」
「「「「個性把握テストぉ!?」」」」
「入学式は?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ。雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側も然りだ」
「確かに、入試の説明も自由だったな……」
だが、まだましか……リスクなしに入学式がなくなるだけなら、別に構わないか、それに……やる気がある奴も何人かいることだしな。
「爆豪、中学の時のハンドボールの記録は?」
「67m」
「じゃぁ、個性使って投げてみろ、円からでなければ何してもいい」
「死ねええぇッ!!!」
FABOOOOOOM!!!
「物騒だな、」
「お前がそれを言うのか?」
「何がです?先生」
死ねという掛け声とともに爆豪も呼ばれた奴の掌が爆破してボールを吹き飛ばす。かなりとんだな、正確な数字は目算じゃ測れないな。だいたい6、いや700くらいか?水平じゃないしグラウンドの外は木で隠れてるからわからんな。
「785.2mまず、自分の最大限を知る」
「なんだこれ!すげー面白そうじゃん!」
「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」
「……面白そうか。ヒーローになるための三年間、君らはそんな腹積もりで過ごすつもりでいるのかい?」
「あ?」
なんだ?このあと大嵐でも来んのか?そんな悪寒がするんだが。
「よし今決めた。このテストでトータル成績が最下位の者、ヒーローの見込みなしとして除籍処分とする」
「「「「は……?はああああああッ!!?」」」」
「いくら自由だってそりゃないだろ!あんたの眼は本気だ!何人落とすつもりだ!」
「ほう、わかるのか、残念だがこの程度の理不尽、まだまだスタートラインってところだ。事故に災害、犯罪。いつどこから来るかわからないあらゆる厄災に対応していくのがヒーローというもの。放課後マックで談笑したかったならお生憎様、その期待は捨ててくれ。これから三年間、雄英は君たちに数々の苦難を与えていく。
「……理不尽、そうか航海と同じだな、」
「……」
「え?」
「いつ来るかわからない嵐におびえ、いざ来たとなれば乗り越える、上等だ、やってやろうじゃねぇか!」
俺のセリフに周りの顔つきが少し変わる。人ってのは単純で、先に誰かがいると分かればあとに続くように動けるようになる。まぁ陸上競技で俺がどこまでできるかは分からないけどな。
握力、57kg
上体起こし、48回
長座体前屈、57cm
反復横跳び、64回
持久走、5,24分
「あれ?個性使ってる?」
「緑谷くんも使ってないよ?」
俺はここまでで個性を使っていない、理由はあまり意味がないからだ!握力にヘラクレスが使えなくもないが、流石にそれを使用したら体力がなくなる。というわけで普通にやった。
もう一人俺と同じように個性を使っていない緑谷がいるが、何か考えがあるかもしれない。人には得意不得意というものがあるからな。
ちなみに次の50メートル走は個性を使用する。
月女神アルテミスを信仰する、アルゴノーツの俊足の女狩人、アタランテの力を借りる。
「2.01」
「な?!」
「負けた!」
「うし!」
弱体化ありとは言え、現代人に神代の英雄の力を借りて負けるわけには行かないんでね。緑谷は今回も個性なしか、どうなってんだ?
立ち幅跳び、264
クッソ、甲板の上なら波のタイミングでもう少し行ったってのに、やっぱ陸上は向いてないな。最後はハンドボール投げか、ほぉ、八百万は大砲を作ったか、なら俺もそれを真似しよう。
「方位角固定、撃ぇ!!」
「1457.4メートル」
「よし!撃墜」
大砲を用意して、飛ばず、ボールはしっかりと耐えてくれたようだ。まあ先に八百万がやってたから強度確認はしなくてよかったがな。
緑谷は、あ、止められた。なんか話してるな。もう1回投げるのか、
「SMASH!……」
「705.3」
「はぁ…はぁ…はぁ…まだ…立てます!」
「……っ!こいつ!」
ああ、なるほど、自らを自壊するほどの超パワーなら、それを使う部分を減らせばいいってことね、確かにその方法なら怪我は最小限で済む、だが、個性使用が最後の1回じゃあ、最下位は必然、先生の眼は本気だった。どうすんのかね、アレは捨てていい原石じゃない、磨けば相当の宝になるはずだ。
「最下位は除籍……アレは嘘、と言うのは通じん奴がいるな」
「え?」
「緑谷、それ以外もだが、俺は見込みがなければ全員除籍にするつもりだった。だか、全員が己の個性を最大限活用した、よって除籍は取り消す。だが、一つはっきりさせておかないといけないことがある」
「……」
「世渡海璃、お前の個性はなんだ」
ただ、成長期が来ていない海璃くん、初期の出久くんにすら心配されている…