個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ! 作:紡縁永遠
「海賊。海賊っぽいものなら、だいたいできるし、呼び出すことも可能。それ以上でもそれ以下でもない、何か文句でもあるのか?」
別に間違ったことは言っていない、
「なら、入試で見せた、バリアのような物はなんだ、海賊の範疇に収まらないぞ」
「え?」
「なんだ?バレないとでも思っていたのか?」
「海賊だろうが、何言ってるんだ?」
「はぁ、それがまかり通るなら俺達は「解釈にもよるが、(Fate/Grand Order -turas realta-の3章、オケアノスでヘクトールが世界最古最強の海賊団と評した)アルゴノーツも海賊だろ?」は?」
何を言っているんだ?先生は、文献は少ないがアルゴノーツは海賊と評されることもあるんだぞ。英雄を育てる雄英高校の教師が英雄について知らないわけじゃないよな?
「アルゴノーツ?」
「はぁ…なんで知らないんだお前らは、それでもヒーロー、英雄志望か?」
「いや、そもそも海賊でヒーローと言うのは少し違和感があるだろう」
「それもそうだな、だが、英雄については海賊でも問題ないだろ。アルゴノーツ、アルゴナウタイはギリシャ神話にて、金羊の毛皮を求めて旅をした冒険者、海賊と言われることもある。アルゴー号にはギリシャの英霊が数多乗ったとされ、最後は悲惨な最期を送ったが、それでも、その冒険譚は、幾多の困難を乗り越えた意志は、英雄と呼ぶにふさわしい。世界最古最強の海賊団だ」
「あくまで、英雄が基準じゃねぇか」
まだ、納得いっていない奴もいるな。
「爆豪、お前も知らない部類だろ」
「ぁ゙?!」
「フランシス・ドレイク、彼女は、生きたまま世界一周を成し遂げた航海者だ」
「英雄とは、人類をより長く、より確かに、記し続けた航海図に名を刻みし存在、たとえ多くを殺した圧政者であろうと、人類史において大きな影響を及ぼした存在。それが、それこそが英雄だと俺は思う」
この言葉のあとに口を開いたのは飯田天哉だった。
「それならば歴史的犯罪者も英雄と呼べるじゃないか!」
「なら質問だ。クリストファー・コロンブスは英雄と呼べる人間か?」
「いや、英雄だろ海賊とかと比べ物にならない」
「そういうことか……お前はずいぶんと歴史をみているんだな」
「お、先生は分かったか」
「どういうことだ?」
「クリストファー・コロンブスは英雄だ。だが、けして善人ではない。アメリカに渡った開拓者として歴史で学ぶだろうが、少し見方を変えれば悪人になる。コロンブスは、アメリカ先住民を奴隷して扱った奴隷商でもある。人を道具として扱った人間は善か?否だ。歴史に名を刻めば英雄、これはけして、善悪の判断じゃねぇ。そんなものに意味はないからだ。ヒーローだって、失敗すれば否定される可能性がある。海賊だから、ヒーローになれない、英雄ではないと言うのは辞めてほしいな」
全員黙ったか、まぁ仕方ないよな、授業ではそんな事学ばないし、これが刷り込み洗脳と言うやつか。
「それで、俺の個性については理解してくれたか?」
「わかった、それでいい、でアルゴノーツはどこまで使えるんだ?」
「ほぼ使えない、魔術が当たり前の世界で魔女と恐れられたメディアの魔術があの程度しか使えなかったからな、俺が未熟な証拠だ、」
「わかった、海賊を抜きにして、お前がお勧めする歴史の英雄は?」
「……何で聞くかわからんがいいだろう。スパルタ国より、レオニダス1世。映画300がお薦めだ。フランス革命より、マリー・アントワネット、シャルロット・コルデー、シャルル=アンリ・サンソンの三人。そして、大航海時代より、クリストファー・コロンブス。他にも白人主義との戦よりジェロニモ。英雄として誰もが知るが、人としては成功しなかったアルトリア・ペンドラゴン…」
「もういい!」
「まだあるんですか?」
「取り敢えず、授業で取り上げることもあるかもしれんから、見ておくように……」
これを聞いてわかったやつもいるだろう、俺は海賊ヲタクであると同時に歴史ヲタクである。最初にギリシャ神話を見てハマり、いろいろな歴史書を読み漁った。ゴルゴン三姉妹をお勧めするのを忘れたな……仕方ないか。
トマトンカツさん、誤字報告ありがとうございます