ケロロ軍曹  来訪! 伝説の兵士ギャララ 、であります   作:ケツアゴ

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 【約一万二千年前】 とある宇宙戦艦内部。

 

「司令官! 第二号機信号途絶えました!」

 

「第八号機に侵入者有り! 現在交戦中!」

 

「第四号機より救難要請!」

 

「ええい! 一体どうなっているのだ!!」

 

 この日に行われたのは大規模な奇襲作戦。敵対するウール星人の基地に大戦艦十、小戦艦五十で攻撃を仕掛けて基地を破壊、捕虜として敵司令官を捕縛する、その筈だった。

 

 だが、基地まで後僅かといった所で起きた奇襲で小戦艦の八割が壊滅し、大戦艦も損害が出ている。

 

「ほ、報告します! 襲撃者の数、およそ……五人!」

 

「五人!? たった五人に此処迄の損害を受けたというのか!?」

 

 何処の誰による攻撃なのか把握するより前に立て続けに入る被害報告に司令官が拳を握り締める中、モニターに戦闘中の艦内の様子が映し出された。

 

「よかよかー!」

 

「ケロン人? いや、待て!? あの男は……」

 

 戦艦の中を自在に駆け回り、取り囲む仲間を次々に倒して行く敵性種族の掛け声に相手の正体を把握する。

 

 天敵とされるヴァイパーにさえ恐れられる伝説級の軍曹こそ画面に映る敵の正体。

 

 そしてその男が所属する小隊にはより恐れられる男が居る。

 

 曰く、星一つを一日で落とした。

 

 曰く、一人で軍隊星一つに匹敵する

 

 曰く、条約によって規制された兵器の一部は彼が理由。

 

 曰く、昨今の武力による侵略を古臭いとする流れは彼と戦わない為。

 

 ケロン軍の悪魔、銀の悪夢、破滅の象徴。数多くの異名を思い出した時、扉が通路側から吹き飛んで一人のケロン人が姿を見せる。

 

 名はギャララ。ケロン軍最強の兵士……いや、最強の兵器と呼ばれる存在だ。

 

 

「もう終わりだ。何故かって?」

 

 現れたのは銀の体色を持ち全身に傷跡が刻まれ腹に星のマークを貼り付けた男性。

 その姿を見た兵士が銃を構えるよりも前に伸びたビームサーベルが胸を貫き背後の機器に深く突き刺さる。

 

「私が来たからだ」

 

 ビームサーベルの光が消えると共に機器から火花が散り爆発を起こす。爆風に飛ばされた司令官が床に叩き付けられる中、その頭を踏んだケロン人は腕の通信機器を作動させた。

 

「敵の司令官は確保した。残った軍艦を有りったけの兵器で吹き飛ばして任務完了としよう」

 

『あの、なんでまた今回は此処迄経費を使ってるんですか?』

 

「簡単だよ、中尉。今期分の予算が余っているからだ。使い切らねばならぬのは本当に困るね。ギリギリになって気が付いて焦った焦った」

 

『隊長が毎回単身で突っ込んで終わらせるのが悪いぞ。何をしとるばい』

 

「あっはっはっは! これは厳しいな、軍曹」

 

 たった五人で艦隊を壊滅させた今回の作戦は宇宙中に知れ渡り、ケロン軍の存在を否が応でも意識せざるを得なくなる。

 

 

 そして時は流れ地球(ペコポン)にて……。

 

 

「ゲロォ〜」

 

「ヤ、ヤバイ。意識が……」

 

 毎度お馴染み侵略計画失敗後、お仕置きとして炎天下に縛られて放置されているケロロとギロロ。

 これでも精鋭扱いされる選抜部隊所属の軍人なのだが、その様な事など信じられない有様だ。

 

「姉ちゃん、そろそろ軍曹達を許してあげようよ」

 

「だーめ。あのボケガエル達、全然反省しないんだから」

 

 クーラーの効いたリビングにてこれまた普段通りの姉弟の遣り取り。残念、弟は姉に逆らえない物だ。

 

 夏美に言われては冬樹でもケロロ達を解放しには向かえず困っている中、突然インターフォンが押される。

 来客の予定など無かった筈だと思いながら夏美に言われて冬樹が玄関へと向かえば立っていたのは白髪の老爺であった。

 

 白いスーツを着こなし、右手に帽子を持って胸に当て左手に紙袋を持った彼は冬樹が姿を現すなり軽く頭を下げた。

 

「こんにちは。突然の来訪すまないね。観光でこの近くまで来たのだが、知人が此処に住んでいると聞いたのを思い出したのだよ」

 

「こ、こんにちは。えっと、ママのお知り合いですか?」

 

「いや、別の子達だよ。そうそう、これは手土産にと思って買って買って来たんだ。つまらない物だがご家族でどうぞ。地球(ペコポン)で買い求めたから問題は無いはずだが、アレルギーがあったならすまないね」

 

「いえ、大丈夫です。って、ペコポン?」

 

 それは地球人以外の地球の呼び方那。つまり目の前の男が宇宙人だと気が付いた時、目の前から男は消え去り、白髭を生やし顔に皺を深く刻んだケロン人が立っていた。

 

 

「さてと、名乗らせてもらうよ、少年。私はギャララ。ただのしがない退役軍人さ」

 

 老人の姿の時と同じく柔らかな笑みを浮かべたままギャララは再び軽くお辞儀をした。

 

 

 

 

「へー! 軍曹のお父さんの所の隊長だったんだ」

 

「まあ、昔の話さ。自由に動く私のストッパー役が彼で、後始末役だった新兵が今じゃ地球(ペコポン)侵略本部の司令官として大本部から突き上げを食らっているそうだよ」

 

「ええ!? そんなに出世したんだ。という事はギャララさんも凄く偉い軍人だったの?」

 

「一応中将までは出世させて貰ったが、同盟相手に攻撃を仕掛けた星をやり過ぎて半壊させてしまってから閉職に回されてしまってね。まあ、何時迄も軍に居座るのもどうかと思っていたから良かったよ」

 

 日向家のリビングに通されたギャララの正面に座って冬樹が話を聞く中、呼び出したタママと共に夏美は廊下からその様子を眺めていた。

 

「ちょっとタママ。あのギャララって奴、どんな奴なのよ? 何か普通の隠居したお爺さんって感じだけれど」

 

「とんでもないですよ、夏っち。ギャララ元中将といえば武力行使が普通だった時代でも過激派の筆頭。……ドロロ先輩は単独で惑星侵略が可能な実力ですけれど、あの人は惑星破壊だとさえ言われてるです」

 

「惑星破壊!? いやいや、そんな大袈裟な……」

 

「少なくても見た目通りの優しいお爺さんではないと思うです。だって軍曹さんとギロロ先輩が放置されてますし……」

 

 そう、ギャララが来た際に罰を受けている真っ最中だった二人だが、冬樹が慌てて解放しようとしたのを止めたのがギャララだ。

 

「作戦失敗で捕縛された軍人の末路を考えれば放置で良いんじゃないかな? 死なない程度なら優しい方さ。私も捕縛した敵の工作員には相応の扱いをした物だよ。はっはっは!」

 

 こんな感じで二人は罰を継続中のどつかれさん状態。ただ、ギャララの来訪を聞いてからガタガタ震え続けていた。

 

 

 

 

「今回クルルの奴が姿を見せなかったけれど逃げたわね、彼奴」

 

「絶対元中将が来るって本部から聞かされていたです」

 

 そして自分だけ逃げた嫌な奴。タママも可能なら逃げ出したい様子の中、気が付いてしまった。

 

 

 

 

「あれ? ドロロ先輩について知られたら街ごと吹き飛ばされるんじゃ?」

 

 地球が気に入って裏切った元ゼロロことドロロ兵長。もし裏切りを知れば連帯責任と言い出しかねない。

 

「来んなー! こんな時に絶対来んなですー! 空気読めよ、ドロロ先輩ー!」

 

 

 

「おっと、そろそろ映画の時間だから失礼するよ。この星は娯楽が素晴らしいから良いね。本部が私を派遣しなかった訳だ。ついついやり過ぎてしまうからね」

 

 

 タママの願いが通じたのかギャララは立ち上がって老人の姿になると庭に向かう戸を開けて二人に言葉を掛けた。

 

 

「ケロロ君とギロロ君は軍人としてもう少し反省しておきなさいね。普通なら生きてるだけで儲け物だよ? 死んだら死んだでケロン軍の報復が有るだろうけれどさ」

 

「「は…はい……」」

 

 それだけ言うとギャララは冬樹と……廊下に隠れていた二人に軽く頭を下げて家から出て行こうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとお邪魔するでござるよ」

 

「おや、ゼロロ兵長。忍び装束とはお洒落だね」

 

 空気読めずに今回に限って最大の問題児が姿を現した。

 

 

 




思い付きを書かないと第一話を頭の中で書き続けるんだ
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