剣持志郎…少々弱気で考え込んでしまう小学生。
ブルート…名前、製造目的不明のフレロボ。物静かな性格をしている。身長:210cm(角除いて180cm)、体重101Kg。
【挿絵表示】
園山留依…志郎の同級生で、何事にも負けない前向きな少女。
スナイル…明るく、気さくな性格をしたフレロボ。留衣の子守り担当兼ボディーガード。
身長:198cm(アンテナ除いて178cm)、体重85Kg。
【挿絵表示】
嵯峨山紅蓮…志郎達の同級生である乱暴者。金稼ぎの為ならなんでもする。
ディッキー…紅蓮の家で働くフレロボ。粗暴だが、紅蓮の事を心配している。身長:200cm、体重190Kg。
【挿絵表示】
ワイルダー…一明博士の下で働くフレロボタウンのリーダー。身長:174cm、体重71㎏
園山一明…フレロボ発明、開発始祖にして第一人者の好々爺。留依の祖父。
【挿絵表示】
ブロッサ…志郎達のクラスの担任フレロボ。教育熱心で生徒達の将来を心配している。身長:163cm、55㎏
【挿絵表示】
7-1
天使は片膝を地につけ佇む。金属、機械で全身を構成し、陽の光を浴びて神々しい姿を更地で無防備に晒しながら。
「あれが、ブルートが覚醒し、作り上げた姿か?」
「そうだ、タウンのありとあらゆる物を作り替え、あぁなった…」
待機する自衛用フレロボ十数体を背にして、約百m離れた丘からスナイルとワイルダーは静かに話す。
かつてここには、フレロボタウンがあった。
しかし、彼らが立つ地もまた、以前まで賑やかであった地が嘘であったかのように風で砂埃が立つほどの更地となっていた。それだけではない。遠景には砂浜、海、地平線がはっきりと見える程でもあった。
「ワイルダー、知ってるか?あの天使、ちまたの人には輝かしき未来を見せてくれる救世主って言われてるらしいぜ」
「あぁ。無理もないな。絶望しか残っていないこの世界に、救いの手が突然として現れたんだからな」
二体は天使を見る。天使に取り付けられた無数ものモニターには、笑顔で幸せに暮らす子供達が映し出されていた。
時は一週間前、天使が現れた翌日に遡る。天使の周囲では戦車といった軍用機が数十も取り囲んでいた。車体には『人財管理専用軍』と書かれている。その名の通り、有事の際にと、東山が設立した人間だけの私設軍隊である。
「行け行け行け!!ゴーゴーゴーッ!!」
隊長の指揮で、装甲車から迷彩柄の歩兵達が飛び出す。そして予め決めていた役割、位置に構え、手にした小銃で狙うのは、身動き一つさえしない天使の胴体であった。
「あーっ…マイクテスト、マイクテスト…巨大な天使の、方…?に告げる!!」
歩兵、戦車の配置完了を確認し、隊長は指揮車のマイクから対話を試みた。
「我々は人財管理局の私設軍です!!あなたの名前、目的を教えて頂きたい!!もし差し支えなければ我々との共存を希望したい!!返答の程、求めます!!」
天使の中にはこれからの世界を担うブルートの超常的技術がある。迂闊には手を出せない。拡声器の声が鳴り止み、耳がつんと痛む程の静寂の中で軍は固唾をのんで返答を待つ。すると、天使の身体にあるブラウン管モニターの数々が画面を光り輝かせた。歩兵は警戒し銃口を向ける。攻撃が始まると考えたからだ。だが、他の部品類にそれ以上の動きはない。画面を見ると、映し出されていたのは、笑顔溢れる子供達であった。
「あの子達は、フレロボタウンの子か…!!」
隊長はファイルの写真リストを見比べて確信する。
「だとしたら、あの子達はなにをやってるんだ…!?」
そして顔を上げ、改めて驚愕した。各画面の子供達が笑顔でいるのは、第三者の目から見ても夢溢れる空間で過ごしていたからだ。
『あぁ~と打ったーっ!!数田選手、これで九十九打席連続ホームラン!!世界新記録ですっ!!』
『いやぁ〜数田選手、今日も見事なバッティングでした。なにか一言お願いします』
『はい、ここまで来れたのはファンの皆様のおかげです。ありがとうございます!!』
『『ワァァァァァ…!!』』
ある少年は、プロ野球選手の身体となって満員のスタジアムで大活躍。
『食らえ大魔王!!究極炎魔法!!』
『ぐわぁぁぁぁぁっ!!この大魔王が、一発でぇぇぇぇっ!!』
『キャー勇者様素敵!!結婚して!!』
『違うわ、私と結婚するのよ!!』
『いーや、私だ!!』
『しょうがないなー、じゃ皆と結婚するか!!』
『『『キャー!!勇者様素敵ーっ!!』』』
別の男の子は伝説を受け継ぎし勇者に。
『皆ー!!今日は来てくれてありがとーっ!!』
『『『やぁぁぁぁぁぁっ!!かぜつむぎちゃぁぁぁぁぁん!!』』』
『それでは聞いてください、希望の未来っ♪』
『『わぁぁぁぁぁっ!!』』
ある少女はアイドルとなって数万人のコンサート会場で歌う。それだけではない。とある男子はカードゲーマーとして派手な龍を背に圧倒的に勝ち進み、別の子は配信者として1000万人の視聴者を相手にし、また、別の子は家族で食卓を囲み温かいご飯を食している最中であった。暖かな無限の夢と結果が、そこにあった。
「な、なんていい世界なんだ…」
「皆、輝いてる…」
「あぁ…」
「うん…」
気がつけば、軍人は全員引き金から指を離してぼぅっと、見惚れていた。規律ある姿勢も乱れる。その時であった。天使の台座が原子を変換し、純白の羽衣を着た若き黒髪ロングヘアの女性が生成されたのは。隊長はハッと我に返りファイルをめくる。
「あの女性は…エリカ博士!?」
彼女もまた、最後のページに記載されていた。エリカ博士らしき人物は優しげな笑みを浮かべ、静かに語った。
『はじめまして、私はエリカ。エリカの本人の人格と記憶をコピーし、あなた方が天使と呼んだ『フュージェリン』でボディを廃材から原子変換させた存在でございます。結論から申します。この世界はもうどうしようもありません。セルトランスの下で誰もが争い、奪い、憎み合い、弱者は取捨選択される。これはどれだけ年月を重ねても変わりませんでした。その根本は現実や他人という隔たりなき世の中だからだと思います。これではオリジナルのエリカが愛した子供に、未来はありません。ですので、弱者となった彼らをヒューストレージに変換し、人格と記憶から各々が願うデータ世界で生きてもらい、望ましい夢を体験させる事にしました。ブルートの経験のおかげで第一段階は上手く成功しました。ゆくゆくは全ての人をヒューストレージに取り込み、真の幸せで平和な世界へと変えていきます』
「な、なんだと!?そんな事が出来る筈がないだろう!?」
『出来ます。世界にばらまかれた廃材などを使えば可能となります』
「そ、そうなのか…?聞こえましたか司令部、どうされますか?」
隊長が通信機で指示を仰ぐ。タブレット出力で人財管理局が出した返答は『威嚇射撃』であった。
「…了解しました。各員撃てっ!!あの女を狙い、本体は破壊するなっ!!」
並んだ小銃の銃口が、一斉に震えて何度も銃弾を発射する。戦車の砲塔からも火が吹く。線を引くように、無数の弾がフュージェリンへと迫る。しかしエリカは表情一つ崩さない。静かに手をかざすだけであった。
弾は確実に命中した。着弾音が響き、爆煙も起こった。だが、それらは不自然なまでに、まるで吸い込まれるかのように瞬時に収束し、視界が一気に晴れた。巨大なフュージェリンには傷一つついていない。それどころかエリカは微笑んだままその場に立ち続けるままであった。
『…皆様、エネルギー材料のご提供誠にありがとうございます。お返しに、私からささやかな歌を差し上げます』
兵器は何一つ通用していなかった。エリカは大きく口を開き、満面の笑みで賛美歌を歌った。フュージェリンから美しいオルガンの音色も聞こえる。それまではうろたえ、あとずさっていた歩兵は徐々に足を止めた。表情もまた怯えから一転、憧れへと変わっていた。重奏感のある演奏、清らかなる歌声、そしてデータ内とはいえ人生を謳歌する子供達。それらを目の当たりにして心の底から魅了され、生命線となる武器さえ落としたのだ。気がつけば、彼らが向かうのは踵の方ではなくつま先の方へと駆け出していた。
「お、俺もそっちに行かせてくれぇぇっ!!一流のミュージシャンになりたかった!!」
「俺は宇宙飛行士になりたかった!!叶えてくれぇぇっ!!」
「地上最強の漫画主人公にしてくれ!!筋肉ムキムキでかっこいい秘術とか使う奴な!!」
「金持ちにしてくれぇぇっ!!」
『どうぞ。私は夢を追う方をどなたでも受け入れます』
エリカは歌いながら両手を広げ、彼らを迎え入れる。
「うわぁ~い、やったぁぁぁっ!!」
フュージェリンに触れた歩兵は次々と取り込まれ、機械内でヒューストレージへと姿を変える。ブラウン管が増えた。『夢』を叶えし彼らの姿があった。笑顔が、花畑のひまわりのように並んでいる。戦車や装甲車に乗っていた者でさえ、曲を耳にしては急ぎで降り、フュージェリンへとなだれ込む。隊長は必死で止めようとするが一人の若い歩兵を捕まえるのがやっとであった。
「き、貴様ら武器を捨ててどこへ行く!?戻れ、戻って戦わんかっ!!」
「嫌です!!お断りします!!」
「き、貴様っ!!それでも管理局軍人か!!誇りはないのかっ!!」
「そんなの、初めからありませんっ!!だって自分は職と行き場がなく、仕方なく軍に入っただけなんです!!それに、ここの軍はどうかしてますよ!?」
「なにっ!?どこかだ!?」
「戦闘で負傷し、戦えなくなった後の話ですよ!!補償もなく、ただ追い出すだけだそうじゃないですか!!実際そうなった同僚がどうなったかご存知ですか!?どこでも働けず、金も尽きて家をも追い出され、セルトランスと貧困、人体発電機に怯える毎日ですよ!!これが、おかしくないって言うんですか!?」
「ぐっ、それは…えぇい黙れ!!軍人ならばこの地の未来の為に戦うのだ!!」
「未来って…現時点でなにもないじゃないですか!!隊長だって、お子さんを思えばこうも止めたくはないんじゃないですか!?」
「か、家族、か…」
身内に思う事があり、熟考する隊長は掴む力を緩める。その隙に若い歩兵は振りほどき、フュージェリンへと走り出した。気が付けば、残るは、がらんとした車両と、隊長だけとなった。
「な、なんて事だ…皆、行ってしまった」
一人ではどう足掻いても勝ち目はない。隊長はおそるおそるフュージェリンを見上げた。命を失う覚悟もあった。しかし、フュージェリンは勿論、エリカは微笑むだけでなにかしら仕掛ける様子は見せなかった。ホッと一安心する隊長だが、同時に常識外れの相手にこの後はどうすべきか頭を悩ませていた。と、管理局から指示が入る。撤退のサインであった。「…了解」と指示を受け入れた隊長はエリカを視界に入れぬよう俯き、装甲車に飛び乗り、エンジンをかけてその場を後にした。
『イェーイッ!!皆ノッてるかーいっ!!東京、名古屋、そして大阪っ!!ありがとぉぉぉぉぉっ!!』
『管制塔聞こえるかっ!?今俺は月に来ている!!これで三番目だっ!!三番目に到達した男となったのだ!!』
『美味しい!!美味しい!!三食のウニ丼と神戸牛ステーキは勝ち組の特権だぜぇぇ!!』
夢を叶えた部下達の映像を背に、アクセルを吹かして。
そして現在、ワイルダーとスナイルはフュージェリンの見張りを続けている。人間に任せると取り込まれる恐れがあるとして、人財管理局の命令によるものであった。
『わぁっ、みんなでそだてたアサガオに、花がさいたよ』
『毎日、みんなでがんばってそだてたからだね』
『これからもいっしょに、たのしくお花をそだてよう!!』
『うんっ!!よぉし、今度は電車ごっこであそぼう!!今日は、僕が運転手さんだよ』
『『『いいよ-っ!!』』』
『それじゃあ、しゅっぱつ、しんこーっ!!』
ブラウン管の一つには、二足歩行で、二頭身の猫や犬達が楽しくおしゃべりをする姿が映る。あれもまた誰かの夢なのだろう。スナイルはワイルダーの方へ向き、話しかけた。
「全く、ブルートの中身もとんでもない物を隠し持ってたんだな。人々を機械の一部に作り替えて幻を見せるなんてな。しかも子供相手にもだぜ?な、ワイルダー?」
「かもな…」
「かもな…って、なんだよ。別に思う事があんのか?」
「…正直、あの子達はあの中で暮らすのが一番幸せだと思う。人生や物を奪い奪われ、なんの役にも立たぬと烙印を押されてつまはじき者として見捨てられ。あげくの果てには社会の歯車、というよりは燃料として扱われ…そうなる位ならあぁして架空の世界で暮らした方が幸せかもしれない」
「なに言ってんだよワイルダー!!あんな姿になって、機械に閉じ込められて、幻覚見せられて!!それが幸せだってのかよ!!」
「ならば現実の人々に幸せを与えられるのか!?あそこならセルトランスの不安もないし、なによりも誰にも迷惑をかけていない。そして、邪魔をする権利はどこにもない…筈だ」
「でもよぉ…!!こんなの、生きるのを諦めるのと一緒じゃねぇか!!」
「現時点で諦めねばらない時代になっていると思えば、こそだ。それに、悪い事ばかりじゃない。あれが現れてからは世界中の争いが止まった。恐らく、下手に動けば自分達に火の粉が降りかかると思っているんだろうな」
「じゃ、ワイルダーはもし、奴らが攻めてきて、無抵抗で人が吸収されてもいいってのかよ!!」
「そうは言ってない。生きていたい人もいるのは間違いない。とにかく、ここで見張りを続け、異常があればすぐ対処、殲滅を…」
その時、後方からけたたましいエンジン音が聞こえた。話を中断し、二人が振り向いたと同時に、スナイルは猛スピードのファミリーカーに轢かれた。
「な、なんだっ!?」
フロントガラス、屋根と伝ってスナイルが転がり落ちようとも、車はアクセルを緩めない。ワイルダーは車を追う。スナイルも続いた。二人はフュージェリンの前で追いついた。運転席から降りてきたのは、初日に唯一撤退した隊長であった。
「あ、あなたは…!!どうしてここに来たんです?取り込まれる可能性があるからフレロボ以外の立ち入りは固く禁じられていますよ!!」
「わかっている。だからこそ来たんだ。私の家族と、子供に幸せをもたらす為にな!!」
ワイルダーが見ると、後部座席から幼子、助手席から赤子を抱いた女性が降りてきた。
「…あっ!!」
瞬間、スナイルはロボながらもおもわず息を呑んだ。どちらの子供の皮膚の一部が、昆虫特有の外骨格で覆われていたからだ。
「…見ただろう。テレビで言っていたようにセルストッパーが増えすぎた人口、世代の進化に耐えきれず、セルトランスの症状が出てしまった。この子はやがて一生を人体発電機で過ごす事となるだろう。だから私は家族総出でフュージェリンに救いを求めに来た。この子と一緒に、別世界で幸せを掴む為にな」
「ダメだっ!!きっと救いの手はあります!!最後まで諦めないで…!!」
「そんな言葉、何年と続いた!?ロボットの君になにがわかる!?私は責任を取らねばならない。産んだ自分の子にさえ幸せを与えられず、生の苦しみばかりを知らせてしまった責任を!!さぁフュージェリン!!私は妻と子供を連れて帰ってきた!!どうか寛大な処遇を与えたまえ!!」
隊長は膝をつき、神に祈るよう手を合わせた。妻と子も続く。すると、フュージェリンは腹部から伸ばしたケーブルが集束し、うねって動き、人一人通れるトンネルを作り上げた。言葉にせずとも受け入れる態勢であるのは自明の理であった。隊長は眼前に訪れた『未来』に、目を見張るばかりであった。
「おぉ、天使様よ…攻撃を加えた我々にも導いてくれるのですね。さ、行こう母さん。家族で幸せになろうじゃないか」
「はい…」
夫は妻の手を引き、母は子に服の裾を掴ませる。一つになった家族は一歩、また一歩とフュージェリンへと進む。
「待て!!止めるんだっ!!一度行けば、戻れないんだぞ!!」
「やめろっ!!」
スナイル、ワイルダーは家族の前に立ち塞がろうと駆けた。自衛用フレロボも続く。だがフュージェリンから伸びる残りの無数のケーブルが縦横無尽にうねり、暴れまわって行く手を阻む。それでも突き進むフレロボ達は頭部を突き刺され、内部のコンピューターを砕かれ、機能を停止して次々と倒れる。と、ケーブルは彼らを本体へと取り込み、変換、身体の一部として組み込んだ。スナイルはフュージェリンに狙いを定め、ロックスライフルを撃ち込む。ワイルダーも専用ライフルからレーザーを連射する。だがどちらもずぶずぶとめり込み、共に構成する一部としてまたも組み込まれるだけであった。
「くそ、本当に無敵かアイツはっ!!」
スナイルの前で、無数のケーブルはのたうち回るように暴れ続け、迫る物を阻む。そうこうしているうちに、ぽっかりと開き続けたトンネルは隊長であった一家を迎え入れ、後続が続かぬようぴったりと閉じた。フュージェリンの身体にブラウン管が一つ増えた。
『お父さん、次はジェットコースター、ジェットコースターに乗りたいっ!!』
『よ~し、お父さん一度も叫ばずに乗り切ってみせるぞっ!!見てなさい母さん!!』
『ふふふ、はい…』
『ばぶぅ~…』
画面には遊園地ではしゃぐ、かつては隊長であった者の一家団欒。子にセルトランスの兆候は見られない。不安と絶望のない、未来永劫続く幸せが、そこにあった。
「空想の世界は家族間も共有出来るのかよ…」
「そのようだな…」
変換された以上救いの手がない事態に、抵抗を止めたフレロボ達。対抗するケーブルもピタリと止まった。戦力上我々に勝ち目はない。しかし、こちらに攻撃の意思がなければ反撃は行わない。ならば、次にすべきはなにかと、ワイルダーが見渡したその時、空からの影が仲間含め彼自身を覆った。
「…見ろスナイル!!エリカ博士があんなに!!」
「なんだありゃ!?」
見上げると、フュージェリンから飛び出す無数の微笑むエリカ、それも背中に天使の羽根をつけた状態で空を飛んでいた。さながら渡り鳥の群れのようであった。
「なにをするつもりだフュージェリン、いやエリカ博士…!!」
疑問をぶつけるワイルダーに、一体のエリカが降り立つ。
『覚醒から丁度400時間が経過しました。時間通り飛行能力を手にした私達は街へ行き、データの世界を求める方々を集めます』
「何故だ!?これ以上増やす事もないだろう!!」
『残念ですが幸せを与えるのが我々の目的です。では失礼します』
「待てっ!!」
ワイルダーは拳を極限まで熱くさせ、エリカに殴りかかる。が、ふわりと飛び上がる彼女を前に空振るだけであった。
視界範囲内の空三割を覆う程、エリカ達は飛び去る。向かう先は内陸の奥、人が待つ市街地へと。
どうも皆さん。
さて、今回で最終回となります。
果たして、目覚めた天使はどう出るのでしょうか?
その続きは次へと参ります。
(ちなみに、前回と比べて2倍以上の量があります)
8/15投稿