光を手にして 作:ウルトラ8兄弟大好きマン
俺こと、「カミヤ アキヒサ」は転生者だ。
俺が転生したのは、現代とさほど変わらない世界だ。
本当だ。ただちょっと変わった所があって…
そこまでおかしくもないさ。この世界には怪獣がいて、それと戦う組織があるだけだ。
十分おかしいか。
俺も生まれてすぐに怪獣が現れて、両親はその時に死んだらしい。
俺としては、生まれてすぐ過ぎたもので、顔も見たことがないため、特に心に来るものはない。
今は施設で暮らしている、元気いっぱいの五歳児だ。
まあ自分語りはこの辺にしておこう。
さっきも言った通り、この世界には怪獣がいる。
さまざまな場所から現れては、街を壊し人の命を奪う。
災害みたいな奴らだが、災害と違って迎え打つ方法が人類にはある。
それが、
圧倒的な科学力で様々な対怪獣兵器を作り出し、これまで多くの怪獣に打ち勝ってきた。
例を挙げると、ゴモラ、ネロンガ、ゴメス、アーストロン等、テレスドン、テレスドン…
それこそ、ゼットンや、ガタノゾーアのような最強格とは戦っていないとはいえ、あのゴモラやゴメスを倒している時点で、その異常な実力はわかるだろう。
他にも色々いるが、それらを自分たちの兵器のみで屠ってきた腕前は、歴代シリーズでも屈指の実力だろう。
ちなみに、昔は、科学特捜隊って名前だったらしい。
納得だな。
まあわかった人もいるだろうが、ここはおそらくウルトラマンの世界だろう。
ゴモラやレッドキング等、有名な怪獣が出てるしな。
まあ、それが余計問題なのだが。
その問題を語るために、長々と怪特対の話をしたのだが、お気づきの方は多いだろう。
この世界には、ウルトラマンがいないのだ。
ここからは誰もが知っているような事の解説なので、少しばかり飛ばしてもいい。
ウルトラマンとは。
俺にとっては、子供の頃から憧れだった。
誰かを守るために命を懸ける、光の戦士。
この世界に一番必要な存在だ。
そんなウルトラマンが主役のため、彼らがいなければ、物語もクソもないのである。
だがまあ、これだけならば彼らがまだきていないで片付けられることだが、そこへ他の問題が絡んでくる。
まず、一つ目。
怪特対が強すぎる。
はっきり言って、ウルトラマンの力を一切借りずに、ここまで戦い続けているのは異常なのだ。
二つ目。
怪獣の登場作品がバラバラ。
先程あげた奴らだけでも、初代に帰マン、ティガ。
これらの怪獣が混ざっているのだ。
これらを総合した結果、導き出される最後の可能性は、
まだ公開されていないニュージェネレーション系のウルトラマンか、過去のどれとも関係を持たない独自の世界。
おそらくそのどちらかだろう。
どちらにせよ、この世界がかなり危険な事には変わりない。
現在、人類は宇宙人と接触をしていないのだ。
過去に怪特対が倒したのは、どれも元々地球に存在したものばかり。
明確な知性を持ち、会話が可能な地球外生命体はおろか、宇宙怪獣とも、戦っていないのだ。
もしも、今後何かしらの形で異星人が現れたら。
せいぜいダダやバド星人程度ならいい。
メフィラスも…下手に武力行使はしないとは思うからまだよしとしよう。
やばいのは、もっと過激な奴らだ。
現代の技術を正確には知らないが、どの程度かによってはザラブ星人にすら負ける可能性がある。
それをエンペラ星人やらで、考えてみろ。
抵抗のての字もなく地球ごと消されるぞ。
はっきり言って、こんな物騒な宇宙でウルトラマンなしで生き残ることは不可能に近い。
だが、俺は5歳。
宇宙の彼方どころか、怪特対の上層部に言葉を届けることすらできない。
ならばどうするか。
希望とは、死力を尽くしたその先で掴み取る物だ。
探すとしよう。眠っている光を。
「アキヒサ!!メシだぞ〜!!」
施設長に呼ばれ、俺は自室から、食堂への一本道を走った。
9年後
「はぁ、はぁ、ここが…」
東北地方の山奥。
豊かな山林が広がる中の、崖が露出しているあたりにアキヒサはきていた。
これまでの九年間。
怪特対に関して調べる側、この山林である物を探し続けて、早9年。
思えば、自身の幼少期は幼馴染達とこの山林に使い果たした。
そりゃそうだ。小学生は義務教育。
前世では割と真面目に生きていた故に小学校程度であれば、授業中寝ていようが、予習復習をしていなかろうが、余裕でやっていけるのだ。
代わりに内申点が絶望的だが。
だが、ようやくだ。
九年、正確には7年ぐらいだろうが、多くの時間を費やし、ついに見つけたのだ。
「はは、大丈夫。きっとあるはずだ。」
目の前の岩壁に触れる。
俺はリュックから折り畳み式ツルハシを取り出すと、全力で岩壁へと叩きつけた。
30分後。
「はぁ、はぁ。まだ出てこないのかよ。」
30分間の間、その中学生にしては鍛えられた肉体で、壁を掘り進んだが、一向に壁を突き破れる気はしない。
「しょうがないか。最終手段だったが。」
そう言って、アキヒサはとある物を取り出した。
赤く、導火線がついたソレ、ダイナマイトを数本取り出し、ガムテープで巻いて固定。
十分ほどかけて、追加で小さな穴を作り、その中へと押し込む。
あ、これをどこから調達したかは聞かないでくれ。
大丈夫、あくどいことやってた奴らがお縄についてる時にこっそりかっぱらっただけだからだ。
火をつけ、全力でその場から離れる。
さっきも言ったが、これは本当の意味でも最終手段だ。
ミスすれば自身が怪我を負いかねないだけでなく、音を聞かれたことで、怪特対が来る可能性もある。
将来的には、怪特対に入ろうと考えてる身としては、中学生で目をつけられる訳にはいかないのだ。
ドカン!と爆発音が鳴り響き、こちらまで小石が飛んでくる。
岩壁へと近づいていき、白煙をかき分けると…
さっきまで壁だった場所には、人は一人入れるほどの穴が空いていた
懐中電灯を取り出し、内部を照らす。
そこには、巨大な洞窟が広がっていた。
「やった。やった。やった!!」
嬉しさのあまり、大きな声で叫んだ。
俺の九年間がついに実を結んだ瞬間だった。
手元の懐中電灯と、ヘッドライトの両方で、洞窟内を進んでいく。
俺は何を9年間も探し続けていたのか?
わかる人もいるだろうが、正解は「超古代の遺跡」だ。
正確には、そこに眠る存在だ。
ウルトラシリーズの第9作目、海外作やOVAも含めると16作目。
記念すべき、平成最初のウルトラマン。
「ウルトラマンティガ」
この作品は、従来のウルトラマンとは、少し設定後異なる作品だ。
ティガは、約3000万年前、超古代文明のに存在した光の戦士だ。
種族的にはその他のウルトラマンと大きな違いはないのだろう。
彼らは、かつて地球の危機に現れ、怪獣と死闘を繰り広げたが、ある4人の戦士が心を闇に呑まれる等の事件もあり、最終的にその文明は終焉を迎えた。多くの巨人達がどうなったのかはわからないが、一部はこうした遺跡の中で、石像となり眠っている。
ティガもその一人であり、かつては、最強の戦士とまで言われた存在だ。
作中では、古代人の血を引く、マドカダイゴと一体化し戦った。
30年が経過しても、根強い人気を誇るウルトラマンだ。
だが、本来ティガと二人の巨人が眠っていたのは、山のひらけた場所にあった、巨大な黄金のピラミッドだ。
そんな物が有れば、7年もかけることはなかっただろう。
そのため、俺は諦めて、別作品の「ウルトラマンX」の劇場版に出てきた方を探していたのだ。
とはいえ、俺に、古代人の血が流れているのかはわからない。
そもそも、力を持つのは俺でなくてもいいのだ。
ただ、この世界を守れる存在が欲しいだけ。
ファンとしてウルトラマンになれるのなら嬉しいが、この世界を守りれる人なのであれば、誰だっていいのだ。
そんな事を話している内にそろそろたどり着くだろう。
さて、ティガの石像は…
どこだ?
10分後
「そんなのって、ありかよ…」
結論から言おう。
ここには、石像はなかった。
洞窟は一本道。
壁には模様が彫られていたため、脇道などもないだろう。
はっきり言って、がっかりだ。
俺はここでティガや他の石像をみつける事で、ウルトラマンがいないという問題の解決の糸口をつかもうとした。
結果はこれだが。
「なんなんだよ。俺たちには、守られる価値すらないってか?」
ウルトラマンは希望だ。
その強さは、存在だけで多くの人に勇気を与え、その身をかけて、怪獣や、侵略者達から地球を守り抜いた。
そんな存在がいればいいと思った。
前世では、現実に心をおられた時。
今世では、怪獣が出るたびに怯えて泣き出す女の子の為に。
ただの創作物が、多くの人に希望を与えた。
それが現実にいたのならば。
この世界は強い。
人はきっと、どんな時も負けないだろう。
「そうだ。まだだ。諦めるのはまだ早い。」
まだ遺跡は残っている。
九州にも一体の石像が。
他にも文明の遺産が残った遺跡もあるはずだ。
「絶対に諦めない。何があってもだ。」
そうして俺は立ち上がった。
それと、洞窟の最新部には、石像はなく、正体不明な石の塊があった。
他の石とは明らかに材質が違う、まるで、磨かれていない宝石の原石のような。
3年後。
結論から言う。
戦士の石像は発見できなかった。
九州の遺跡は見つけられなかったため、ちょいと伝手を使って、古文書を偽装したりして、怪特対が調べるように誘導したが、そもそも遺跡そのものの存在を発見できなかった。
あの遺跡にあった水晶だが、これと言ってわかったことはない。
強いて言うなら、めちゃくちゃ硬い事。
ツルハシで殴れば、ツルハシが砕け、借りてきたドリルは刃がかけ、ダイナマイトを使っても傷一つつかない。
ただ、近くに、手で握れるほどの大きさのかけらがあったため、それを持ち帰り、鑑定に出したが、ただの綺麗な石ころとの事。
今ではお守りとして肌身離さず持っている。
そして、俺も高校生になった。
「はい。これでホームルームを終わりにする。今日は職員会議で部活がないが、寄り道せずに家に帰るように。わかったな?」
「「「「は〜い!」」」」
「起立! 礼! ありがとうございました!」
「「「「ありがとうございました〜」」」」
「アキヒサ、帰ろう!」
「ごめん、先生にプリント出さないといけないから、先に校門行っててくれ。」
「わかった。ユウキとミコにも言っとくね。」
「ああ、頼んだ。」
そう言って、俺の幼馴染の「カミヤ ヒカリ」は走り去っていった。
前にも言ったが、俺は施設で育った。
施設と言っても、ある男の自己満のような場所であるが。
怪獣によって、妻と生まれたばかりの息子と娘を失った男は、同時期に怪獣によって親を失った四人の赤ん坊を引き取った。
男、俺たちのおやっさんは、元々は人気プロレスラーだったことと、実家の古い日本家屋から、新しく新居を建てようとしていたこともあり、資金は潤沢にあった。
彼は、家族と過ごした日本家屋を修復し、新たな生活を始めた。
そこで育てられたのが、俺たちだ。
カミヤの苗字はおやっさんから、それぞれの名前は事前にそれぞれの親が決めていたものを。
俺たち アキヒサ、ユウキ、ミコ、ヒカリの四人はそんな、不器用だが、優しい男の元で育った。
「今日もマック行かない?」
「ダメ。昨日食べたでしょうが!」
「そうだよ!今日の食事当番サボりたいからってダメだからね!」
「そんな〜アキヒサはどうだ?マック。食べたいよな?」
「おやっさんとユウキのプロレスショー付きなら見たいかな。」
「人の心ねえのかよ〜」
これがいつもの日常だ。
ユウキがふざけ、たまにヒカリが乗りながらも、ミコや俺でそれを止める。
だが、
俺は知っている。
この世界では、平和の終わりはいつも奴らがくることを。
ビイイイイイイイイイイ!!!
「「「「!」」」」
「怪獣警報か!」
「すぐに避難しよ!」
すぐに避難所の方へと向かおうとするユウキとミコ。
反対にヒカリは、体を震わせるばかりで、動こうとはしない。
「ヒカリ、動けるか?」
「…」フルフル
声は出せないが、首を振ってヒカリは答える。
「わかった。急ぐぞ。」
俺はヒカリを背負い、3人で避難所へと駆け出した。
避難所は、山の中腹にある俺たちが通う学校の体育館の地下にある怪特対の設置したシェルターだ。
直撃かつ、近距離でなければ、一回だけならゴルザの光線をくらっても壊れないと言う超高性能シェルターだ。
中にはモニターがついており、外の様子を見ることが可能。
俺たち四人もまさにそのモニターで外を見ていた。
「こいつら、以前怪特対に倒されてたやつだよな?」
「ああ、ゴルザとメルバだな。」
今回現れたのは、ティガ第1話でも出てきたゴルザとメルバの2体だ。
まあ、どちらとも過去に怪特対によって倒されているため、2体同時とはいえ、なんとかなるだろう。
だが、その10分後だった。
現在、ゴルザとメルバの2体は離れた場所で暴れており、それぞれの周りを2機の怪特対の戦闘機が攻撃を仕掛けている。
東京にある、怪特対本部にて隊長の「ハシモト ユカコ」と副隊長の「シンジョウ リュウゴ」は多くのオペレーター達と共に巨大なモニターから見ていた。
「作戦は順調のようね。」
「はい。2体とも、過去の作戦の改良案が上手くいっています。」
「作戦完了率、50%です!」
オペレーターの報告の直後。
「これは…一体?」
「?どうした?」
別のオペレーターが言葉を詰まらせた。
「…!!大気圏に正体不明の飛行物体が出現!」
「確認しました!落下予想地点は…2体の怪獣から北へ5キロの地点です!!」
「何!?」
「ん?あれって…」
「ユウキ、どうした?」
ユウキがモニターの中に何かを見つける。
それは、ここからそこまで離れていない場所にある商店街。
その中から走って出てくる小学生二人の姿だった。
「おい!嘘だろ!?」
おそらくは兄弟。姉と思われる少女が、弟と思われる少年の手を引いて走っている。
「っ!」
即座に立ちあがろうとした俺を、ヒカリがつかむ。
「行かないで、そばにいて。お願いだから…」
振り絞るようなか細い声を聞き、心が揺れる。
「ヒカリ。大丈夫。俺はちゃんと帰ってくるから。」
そう言って俺はヒカリの手を解いた。
「アキヒサ、おれm「いや、」」
「ユウキはここにいてくれ。二人を頼む。」
「…わかった。」
ユウキにこの場を任せ、俺はシェルターの外に出た。
全力で走って、5分ほどの場所に二人はいた。
すぐに駆け寄ろうとした時だった。
ドォォォォン!!!
巨大な何かが、地上に降り立った。
「なんだ?….嘘だろ?」
ビルの隙間から見えたそれに、俺は自身の目を疑った。
トカゲのようでありながらゴツゴツとした皮膚を持ち、腹部は白く、小さな前足と尾をもつ怪獣。
我らがウルトラマンが地球に来た理由であり、1番初めに視聴者に怪獣という存在を見せつけた。
その名は、ベムラー。
宇宙怪獣 ベムラー。
ウルトラマンにおける、始まりの敵である。
「っ!」
あまりの衝撃に、完全に姉弟が頭から消えていた。
即座に二人の方へ目をやると、二人とも転んでしまっている。
先程の衝撃で膝を擦りむいてしまったらしい。
だが、視線は、二人の真上に釘付けになる。
そこには、ビルの落下してきているビルの破片があった。
「!、危ない!!」
咄嗟に体が前に出た。
二人を抱え、走り出そうとするが、おそらく間に合わない。
そのため、見える範囲にあった、植木へと投げ込む。
直後、俺の体をとてつもない衝撃が襲った。
突如現れたベムラーに、怪特対内は混乱していた。
過去のデータに一切ない怪獣、それも宇宙から来た存在。
対処は慎重にならなければならないのと同時に、他の2体にも対処しなければいけないのだ。
だが、当のベムラーは、そんな事お構いなしかの如く、ゴルザとメルバに応戦している、怪特対の戦闘機、「クロスウィング」の一機を光線で撃ち落とす。
これを好機と捉えた他の2体も、先ほどから鬱陶しかったクロスウィングを積極的に襲い始める。
これのよって、あと1時間もあれば、2体の討伐に成功していたはずの前線は、完全に崩壊した。
瓦礫に挟まれたアキヒサは、誰かに呼び起こされる形で、目を覚ました。
「目を覚ましましたか!?」
「はい。あなたは、」
「怪特対のキリシマ ダイゴです。」
そう名乗った男は、確かに怪特対の戦闘服をきていた。
「そこの…植え込みに、子供が二人いるはずです。」
「はい、確認しています。」
「その二人を連れて、◯✖️高校の、シェルターまで届けてあげてください。」
「それよりもまずはあなたです!クソっ、スーツが壊れてさえいなければ!」
通常、怪特対の戦闘員は、身体能力のサポートと、防御力が向上するパワードスーツを着用している。
だが、このダイゴ隊員は、先程墜落したクロスウィングの操縦者だったが故に、墜落の衝撃で、スーツが壊れていたのだ。
「俺は、大丈夫です。怪獣の進行方向は、真逆ですよね。」
「…わかりました。必ず戻りますので、もう少しだけ踏ん張ってくれますか?」
「ええ、帰るって約束したやつがいるので。」
そうして、ダイゴ隊員は、二人を抱えると、避難所の方へと走っていった。
「とはいえ、たぶん無理だな。」
瓦礫の下でアキヒサは、自身の命の終わりを感じ取っていた。
現在、アキヒサは、胸から上は、瓦礫の外のため、一見すると無事に見えるのだが、瓦礫の奥、下半身は、完全に瓦礫に押しつぶされていた。
下半身の感覚はない。痛みがないのは、アドレナリンのおかげだろう。
後悔も、悔いも山ほどある。
だが、今この瞬間、アキヒサは安堵に包まれていた。
自身の行動で、小さな命を救えたことを。
こんな自分でも、誰かの代わりになれた事に。
結局、自分のやってきたことは実を結ばなかったが、それでもみんなとの生活はとても良いものだった。
アキヒサが余韻に浸りながら、静かに目を閉じようとした時だった。
巨大な足音が聞こえてくる。
おかしい。ゴルザとメルバは、もう過ぎ去ったはず、ベムラーは、まさか!!
その時、アキヒサは見た。
ベムラーが、進行方向を変える瞬間を。
「だめだ、やめろ…そっちには!」
みんながいる避難所がある!!
「やめろ!!止まれ!!」
どう叫ぼうが、そんな事で怪獣が止まるわけもなく、無情にも、ベムラーはゆっくりと、確実に避難所へと進んでいく。
どうすればいい?
何を、どうすればいい?
大声でやつを引きつけるか?
おそらく現在進行形で、避難は進んでいるとは思うが、あれだけの人数を逃し切るのは無理だろう。
何より、ヒカリはともかくユウキなら避難誘導の手伝いで最後まで残りかねない。
俺が死ぬだけならともかく、あいつらは絶対に死なせない!
誰でもいい、なんでもいい!
頼む。
自分の大切なものを、守るための力を!!!
その時だった。
学生服の裏に入れていたお守りが光り出した。
同時に洞窟の奥の水晶も共鳴するかのように光り輝いた。
その時、人々は目撃した。
正義のために
光の国から現れた光の使者の姿を。
第二話に続きます。