というわけで、多数決となり申し訳ないですが、本作は前作同様、1話に何万字もどかんというスタイルでお届けします。
ニンニクアブラマシマシみたいなスタイルでよろしくお願いいたします。
(ちなみに私は基本二〇ではニンニクアブラカラメが主です。味ネギのある店舗ではヤサイスクナメでネギをヤサイのメインに据えるのがオススメだよ☆)
そのうえで、ちょっと間が空きましたが、実は理由があり、先週投稿しようと進めていたのですが、実は熱中症になってしまい、軽度ではありましたが、ちょっと書ける状態になかったため、今週の投稿となりました。
ただ、軽度とはいえど、あ、これやばいかもとなったため、皆様も熱中症にはくれぐれも気を付けてください。
水分補給だけでなく、塩分補給も大事ですし、エアコンの効いた部屋にいるもそうですが、扇風機などで体を冷やすことも大事なので。
ちょっと、余談というか、私のおしゃべりに少しお付き合いください。
実はこの間、ウルサマ行ってきました。
今年のライブステージ、激エモすぎました。
ウルトラマンが好きな人ほど、刺さりすぎるステージでした。
まさか、ほぼ大半のウルトラマン、ご本人ボイスとか思わんやん・・・ゼアスとメビウスまでは本当に驚きました。
あと、ここ最近見られなかった、エクリプスメインのコスモスなのが嬉しかったです。作者はコスモスではエクリプスモードが一番好きです。
加えて、これはまぁそこまでのデカイネタバレにならないと思うので言いますが、ゼットンが出てきてウルトラマンと戦うのですが、その中で、ある行動をしていたのですが、一部で言われていた、とあるシーン、それを再現しており、ある意味この方が、マジかよ・・・ってなりました。
これをあまり言ってるウルトラファンが言っていないため、ここであえて言いました。
これから行く人は、そこもぜひとも注目して見てください。
で、今サンシャイン水族館では超かぐや姫!とのコラボイベント、ツクヨミアクアリウムがやってるんですね。
かつ、ウルサマの1週間後からツクヨミアクアリウムが始まって、やってる期間もほぼ同じ。しかもウルサマのチケットを買えば、サンシャイン水族館10パーセントOFFでチケット買える。
そして、今サンシャインシティ公式サイトのイベントページ覗けば出てきますが、マジで期間中、どの日も、ツクヨミアクアリウムの下に、ウルサマの告知があります。
・・・ツクヨミアクアリウム、実質ウルサマの兄妹イベントって言ってもいいんじゃないの???
加えて、一つだけお伝えしたいことがあります。
作中、災害のところで現金~~という文がありますが、本文自体は、前々から書いていたものであります。
そのため、先日発生した、令和8年熊本地震とは一切関係がありません。
ですが、被災された方には、心からお祈り申し上げますと同時に、一日でも早く、前のような生活が送れることを、心の底から願っています。
というわけで、長くなりましたが、第2話、ご覧ください。
「えっと、こっちがかぐやちゃんで、こっちが彩葉ちゃんのだよね?」
「あ、ありがとうございますコウセイさん。」
「コウセイありがとー!いっただっきまーす!」
『いいなー。俺も飲みてーなーコーヒー牛乳。』
あれからしばらくし、彩葉とかぐや、そしてコウセイの3人、正確には4人だが、その3人は、彩葉が暮らすアパートのワンルームへと来ていた。
先ほど出会ってすぐに、この話は、おそらく外でするべきではない。かぐやの正体がバレることに加え、自分の身の安全もやばいと、彩葉は直感で確信した。
だからこそ、話を聞くために、現状最も安全な場所である、自分の部屋に行くことを提案した。
一人暮らし、いや今は二人暮らしか。そんな部屋に男を連れ込むなんて・・・と我ながら思うが、おそらくそんな色恋沙汰の話は、100%起こらないというのも確信している。
というより、自分もこのままほっとくわけにはいかなかった。それは元来持つものなのかもしれないが、この時ばかりはこれが困った方向に働く。
だがしかし、向こうも困っていそうな時に、見て見ぬふりはできなかった。それが、いい方に働くのか悪い方向に働くのかは置いておいて。
というわけで、先ほど出会った路地から彩葉のアパートに向かうまでの間にコンビニに寄り、色々なものを買い足した。そういえば動画のネタを買いに本来外出していたんだというのを店内に入ってから思い出したが、今日ばかりはもう、それを撮っている余裕はなかった。
加えて、これから迷惑をかけるということで、コウセイがお金を全て出してくれるということになり、ジュースやアイス、軽いお茶菓子を買った。遠慮なしに買いこもうとするかぐやを彩葉が制することになったことは置いておこう。
「この世界でも、紙幣とか同じなんだな・・・助かった・・・」
ただ、支払い時、ふとコウセイの口から零れたその言葉が、彩葉は妙に気になったのだが。
そうしてようやく、冒頭に戻り、彩葉が住むアパートのワンルームへとやって来ていたのである。
また、ここに来るまでの間に、お互いの名前などの自己紹介も軽く済ませ、全員がそれぞれの名前もすでに把握した。もちろん、コウセイの中にいるソラトについてもだ。
「えーと、改めてなんだけど、突然ごめん!こんな急に押しかけちゃって!」
「いえいえいいんですよー。どうぞごゆっくりー。」
「勝手に話進めんな。でえっと、あの、それで、コウセイさんは、いったい何者なんですか?まさか・・・宇宙人、ですか・・・?」
彩葉が気になったのはそこだった。ホシミ コウセイと先ほど名前を聞いており、姓名はあるため、日本人ではあるとは思うが、まさかかもしれないが、宇宙人かもしれない。その不安を払拭すべく、まずそこを質問した。
「あーいや違う違う!俺はれっきとした地球人だよ!そこは安心して!ちゃんと高校も卒業してるし、免許も持ってるから!ほら!」
そう言ってコウセイは、斜めがけにしているボディバッグの中から財布を取り出し、中から免許を取り出すと、彩葉に手渡した。かぐやも隣から免許証を見て、写真写りについてかぐやは気になったが、一方の彩葉は、違うところに目が留まった。
「(大仁市・・・そんなとこ東京にあったっけ?)」
彩葉は学年首位の成績を誇る。文武両道・才色兼備。優等生中の優等生として、学校では通っている。予習復習も欠かさない。だからこそ、全教科ちゃんと勉強しており、無論、地理についても勉強はしっかりしている。
・・・の、はずなのだが、大仁市という地名は、全く聞いたことがなかった。免許証を見る限り、この市は東京都内にあるというが、頭の中で都内の地図を思い浮かべてみても、そんな地名はどこにも存在しない。
過去の区や市、町の地名だった可能性もあるかもしれないが、いったんそれ以外の項目に目を移すと、免許証の有効期限は、2028年になっている・・・
・・・え?
「2028年が有効期限って、あの、これ有効期限切れてますよ!?今2030年ですよ!」
「・・・え?に、2030年・・・?2030年!?」
『そうかー。ここは俺たちの時空から、ちょっとだけ未来の地球なんだな。』
そこが決定的な違いとなった。
今は西暦2030年。2028年が有効期限なんておかしい。2年も前の免許証なんて、とっくに効力がない。だが、堂々と免許証を手渡してきたため、本人はいたって真剣なのだろう。だとしたら、このホシミ コウセイという人間は過去から来たのか。
そんな折、ソラトが何か理解したように言うと、その言葉にかぐやが反応した。
「えっ何ソラト!?俺たちの時空って何!?」
「ちょっ、かぐや、またその、ソラト・・・さん?が何か言ってたの?」
「うん。俺たちの時空よりちょっとだけ未来の地球なんだー、って。」
「俺たちの時空・・・?」
どうやら免許証を両手で持っている間にソラトが何か口にしており、その内容をかぐやが説明してくれたが、気になるワードがまた飛び出た。
俺たちの時空より、ちょっとだけ未来の地球・・・言っている意味がまるでわからない。
「・・・あの、改めてなんですけど、コウセイさんとソラトさんは、いったい何者なんですか?どこから来たんですか?」
彩葉の質問に対し、腕を組み、うーん・・・と悩むような表情を浮かべた後、よし、と小さく呟くと、コウセイは覚悟を決めたかのように、真剣な表情で、2人の方を向く。
「2人とも、驚かないでほしいんだけど・・・俺、ああいや、俺とソラトは、別の時空。こことは違う、別の地球から、悪い宇宙人を追いかけてやって来たんだ。」
「・・・は?」
「えーすっごーー!!別の地球ってなに!?悪い宇宙人って何!?すっげーーー!!」
方や、言葉が出てこない。方や、未知の事柄にワクワクしている。両者ともに驚いているが、そのリアクションの仕方は大きく違う。対照的だなぁ・・・と思いつつも、コウセイは簡単に、自分の世界と現在の状況を伝えた。
コウセイのいる地球では、この時空の地球よりも4年ほど前、2026年であるが、昨年から突如、怪獣、と呼ばれる存在が頻出している世界になっており、コウセイはその世界で、怪特隊と呼ばれる、怪獣を調査・研究する組織に所属し、怪獣たちと向き合っていること。
そして、今ここにいるソラトは、実は宇宙人であるが、人間の姿と宇宙人の姿、その両方を持っており、一時は人間の姿で一緒に暮らしていたのだが、今は理由あって、コウセイと一心同体になっていること。そして、どうしてこの世界に来たかの経緯などを、ざっくりとではあるが説明をすると、かぐやは目をキラキラさせ、彩葉は言葉も出ないのか、唖然と言わんばかりの表情をしていた。
「すっごーい!で、それで怪獣たちが、ワーッて暴れてるのを、コウセイがやっつけてるってこと!?」
「あーいや、倒すだけじゃなくて、怪獣たちとの共存も目指して、今頑張っているって感じかな。武力は、最後の手段ってことで。」
「えーマジ!?じゃあコウセイとソラト、正義のヒーローじゃん!」
「いやいや、ヒーローだなんてそんな大げさなもんじゃないって。」
「・・・なんか、もうスケールでかすぎて、私ついてけないんだけど・・・」
怪獣映画というのをそこまで、というかほぼ見たことはないが、とはいえそのような映画があるというのは、なんとなく知識として持っている。
しかし、そのような世界が本当にあり、目の前にいるホシミ コウセイという男性は、その現場の第一線におり、怪獣に立ち向かっている。そんな別の世界の人間が、目の前に今いる。事実ではあるが、内心では未だに理解ができていない。
だが、そんな中で彩葉は一つだけ、あることを思い出した。
"この世界でも、紙幣とか同じなんだな・・・"
「(だからさっき、そんなこと言ってたんだ・・・)」
あの時ボソッと言っていた言葉にそのような意味があったことに驚く一方、今度はソラトから、かぐやに向けてあることを尋ねる。
『ていうか、俺の声が聞こえるってことは、かぐやも宇宙人なのか?』
「そう!月から来た!」
「月!?」
「たぶん!」
「たぶんって何!?」
『そっかー。かぐやは月星人だったってわけか。』
「宇宙人同士だからか理解が早い・・・」
『そうか?コウセイも俺と出会ってすぐ、俺が宇宙人だって理解してたよな?』
「まぁ・・・な。大体、ソラトだって、出会ってすぐの頃からとんでもないことばっかやってたからだろ!・・・って、月?かぐや?」
かぐやのブレスレットに手を当てながらではあるが、彩葉もまた、ソラトとコウセイと会話をしている中で、ふとコウセイは、ある可能性に行きついた。
それは、目の前にいるかぐやが月から来たということ。そして、名前がかぐやだということ。そこから考えられることは、一つ。
故に、恐る恐る聞いてみた。
「あ、あのさぁ、もしかして、なんだけど・・・かぐやちゃんって・・・かぐや姫、だったりする?」
『かぐや姫?』
ソラトが疑問を浮かべる一方、コウセイは少し緊張しながら、かぐやからの回答を待っている。
「わかんない!かぐやは彩葉がつけてくれた名前だし!てか、私記憶ないからそーいう細かいとこわかんないんだよねー。」
「そうなの!?てか、かぐやちゃんも記憶喪失なの!?」
『おーかぐやも記憶ないのかー!で、名前も彩葉につけてもらったって、俺たち、そこも同じなんだな!』
「えっ!?ソラトも記憶喪失なの!?てか、ソラトも名前つけてもらったの!?もしかして、コウセイに?」
『そうそう。俺のオオキダ ソラトって名前も、コウセイがつけてくれたんだよ。ただ、今はもう全部思い出してるけど、記憶喪失の気持ち、よくわかるぜー。案外、記憶なくても楽しいもんな?』
「あーそれめっちゃわかるー!いやー同じ宇宙人なのにここまで似てたら、もうソラトとは宇宙人同士のマブダチだね!イェーイ!」
『イェーイ!』
かぐやのことを知りたかったのに、記憶喪失というところから盛り上がり、宇宙人同士で意気投合している。ソラトがこの場にいたら、今かぐやとハイタッチを交わしている光景が目に浮かぶ。
「なんか勝手に話が進んでる・・・」
「すみませんウチのかぐやが・・・」
それとは対照的に、蚊帳の外にされている地球人側の2人。
ただ、先ほどの説明を聞くと、彩葉がある意味、かぐやの親的な存在となっていることに気付き、彩葉に尋ねてみることにした。
「でさ、本当にかぐやちゃんは、かぐや姫なの・・・?」
「・・・正直、私もわかんないです。7月の三連休前のバイト終わりの帰り道の夜空に流れ星が流れたんですけど、家に帰ってきたら、今登ってきたところにある電柱がゲーミング電柱・・・ああすいませんわかりづらいですよね。その電柱が、七色に光ったと思ったら、そこから突然赤ちゃんのかぐやが出てきて・・・最初は赤ちゃんだったんですけど、たった数日で今くらいの大きさになったんで・・・私はかぐや姫だと思ってますけど、ただ、本人は月から来たってことだけはなんとなく覚えていても、他のことはなんにも覚えてないんで、手の施しようがないって言うか・・・今の話聞いてもわけわかんないですよね・・・?」
七色に光る電柱?そっから赤ちゃんのかぐやちゃんが出てきた??でもって数日でこれだけ大きくなった???
そうなんだ・・・と相槌は打つものの、色々疑問しか浮かんでこない。ソラトはもう出会った時からあのままだったが、出方や成長スピードだけを聞くと、ソラトよりもかぐやちゃんの方がハチャメチャだ。コウセイも一部、理解が及んでいないところはあった。
しかし、何の因果か、こちらも、宇宙人と出会って一緒に暮らしていた。いや今も一緒に暮らしてはいるのだが、そういった意味では、自分のほうが先輩だ。だからこそ、戸惑うその気持ちは、よくわかる。
「でもまぁ、気持ちはわかんなくないよ。俺もソラトと初めて会った時なんて、いつの間にか3階にある俺の倉庫に入ってきて俺の昼飯勝手に食うし、書類とか本とかを掴んでは落とすを繰り返したと思ったら、次にはスマホを盗まれて外に逃げてさ。でもって追いかけて警察に通報しようと思ったら、それこそその日に怪獣が出たりもしたからさ、どうしたらいいんだって戸惑う気持ちとか、常識の通用しない相手に頭が痛くなる感じとか、よくわかるよ。」
「そう、なんですね・・・」
変な人だと思っていたが、話を聞いてみると、ある意味、今の自分の置かれている状況の、先輩にあたる人だと感じ、少しだけ親近感が湧くと同時に、先程から思っていたが、とても誠実な人であった。だからこそ、話していくうちに、彩葉の表情も少しずつ明るくなっていく。
そんな中、かぐやがあることを思い出した。
「そういえばさ、さっき言ってた、オメガ、って何?」
「あーそれは・・・」
『オメガは、俺のもう一つの名前で、俺の本来の姿、みたいなもんだ。』
「おいソラトぉ!?」
これを言うべきか言わざるべきか。そんなことを思っていると、あっさりソラトが正体を伝えたことに驚く一方で、かぐやはその話を聞き、また目をキラキラさせた。
「すっげー!ソラトの本来の姿!?宇宙人の姿ってこと?」
『そうそう。俺の本当の姿。宇宙人の姿、ってやつだな。』
「・・・はっ!てことは、ソラトとコウセイは一心同体になってるってことはさ、もしかして、コウセイがその、ソラトの本来の姿のオメガになって、怪獣と戦ったりするってこと!?」
「あーんと・・・まあ、そう。今は俺が、その、ソラトの本来の姿であるオメガ。正確に言うと、ウルトラマンオメガって言うんだけどね。ソラトと一緒にオメガになって、怪獣と戦うこともあれば、時には怪獣を保護することもある、っていうね。」
こんな簡単に正体を伝えていいものかと思いつつも、もうここまで来たら、隠す必要もないとコウセイも思い、今は自分がソラトと一緒に、ソラトの本来の姿である、オメガこと、ウルトラマンオメガになっていることを伝えた。
「ウルトラマン、オメガ・・・?」
「すっげーー!!めっちゃ強そーー!ねえねえ!ここで変身してよ!そのウルトラマンオメガってやつに!」
「あー、かぐやちゃん、それはちょっと無理だなあ・・・」
「えー!なんでなんでー!!やだやだー!変身してよー!!」
「かぐや、あんただって宇宙人って他の人に知られたらまずいでしょ。それと同じ。それに、そんな怪獣と戦うようなのに私のアパートぶっ壊されたら困るんですけど。あんたも私も、住むとこなくなるよ。」
「あそれならやっぱいいでーす。」
「ありがとう彩葉ちゃんフォローしてくれて・・・でさ、2人にお願いなんだけど、これは絶対、他の人には言わないでもらっていい!?お願い!」
「それはまぁ、いいですけど・・・あの、だったらこっちも、かぐやのこと周りに言わないでもらっていいですか?お互い正体知られたら困りますから・・・かぐやもそれでいいよね?」
「うっはー!なんか私達だけの秘密があるって興奮するー!いいよー!でもまぁそっか~。この前配信の時にやったあのヒーローのゲームでも、正体を隠しながら街で暮らしてたしー・・・ってあれ?」
かぐやが思いだしていたのは、この前配信の時にやったゲーム。それは海外のコミックのヒーローを題材にしたゲームであり、主人公がその正体を隠しつつ、街では普通の人として暮らしていた。ヒーローはそうじゃなきゃ暮らせないんだー・・・とプレイしながらかぐやは思っていたため、ソラトもコウセイも同じなんだ~と感心していると、あることに気が付いた。
「そういえばさー、コウセイはどこに住むの?」
「・・・えっ?」
それは、かぐやがふと気になったことだった。
コウセイは、別の世界から悪い宇宙人を追ってこの世界に来たと言っていた。
だが、その悪い宇宙人を倒すまでの間、どこに住むのか。というより、そもそも別の世界なのに家なんてあるの?と、今ここに居候させてもらっている身分のかぐやだからこそ、そう質問をしたのだ。
しばらく無言の時間が続いた後、「あーーーーっ!!」と大声をコウセイは出し、頭を抱えだす。
「そ、そうだよ!俺、あいつを追うことで頭がいっぱいで、その後のことなんんんんにも考えてなかった!!あーどうしようどうしよう、どこに住めばいいんだ俺!?野宿か!?」
慌てふためくコウセイに対し、彩葉もなんとかしたかったが、さすがにこれ以上は無理だというのはわかっていた。もうかぐやだけでもいっぱいいっぱいなのに、これ以上宇宙人・・・いや地球人だが、とはいえ、この部屋にもう一人住まわせるのは物理的には無理だ。だが、向こうも困っているからなんとかしたいものの、こちらとしてもアテはない。どうするべきか・・・
そんな中、ピンポンが鳴ったため、一度全員会話を止め、主である彩葉がはーいという声とともに、ドアを開けた。
「よっ、彩葉ちゃん。」
そこにいたのは、アロハを着た、恰幅のいい、初老の男性。その手には、大きなビニール袋を持っている。
「大家さん!?」
「オーナー!?」
「「・・・えっ?」」
やって来たこの老人の名は、大矢 光助。
彩葉にとってはこのアパートの大家であり、ごくたまに部屋に訪れては、アパートに関するお知らせを伝えたり、時には、野菜などのおすそ分けをしてくれることもある。それに加え、必要なことがあったらいつでも頼っていいんだよと親身に話してくれることもあるのだが、ただ、そう親身にしてくれるのにも、実は理由がある。
この大矢は、彩葉の祖父とは若い頃からの知り合いであり、東京で独り暮らしをするとなった際、祖父がこの大矢と連絡を取ったことにより、なんとかギリギリ、バイトだけでも住めるこの格安のアパートに決まった背景がある。
だからこそ、彩葉にとっても恩人の一人であり、ある意味、東京のおじいさん、のような人でもあるのだ。
なのだが、今ちょうど部屋にいるコウセイが、この人のことをオーナーだと言った。それに思わず彩葉も振り返ってきょとんとした顔をするが、それはこの、大矢という大家も同じだった。
「あ、あー・・・あんちゃん、俺を誰かと見間違えてねぇか?おらぁ君のことなんて知らねぇんだけどな・・・」
「・・・あ、あ!す、すいません!お、俺の勤め先のオーナーとあんまりにも似てて!すいません・・・」
「はーはーそうかいそうかい、へー、そんな似てんだねぇ・・・」
いまいち腑には落ちていないようだったが、そこまで詰める必要もないため、本日来た要件を改めて伝える。
「で、彩葉ちゃん。これ、知り合いから送られたんだ。よかったら食べな。」
左手に持っていた大きいビニール袋を目の前に突き出され、それを受け取ると、ずしっと重たい感覚がある。
中身を見ると、スイカが丸々一玉、そのまんま入っていた。
「す、スイカですか!?しかもこんなに!?」
「あーいいんだいいんだ、食べな食べな。仕事の知り合いから貰ったけどな、おらぁもうこんなに食えねぇんだ。だったら、若い子にあげた方がいいって思ってな。」
「えーホントに!おじいさんありがとー!」
「んあ?この子は?」
喜んでこちらにやって来たかぐやに、大矢は疑問を浮かべる。
というより、そもそもなんで今日こんなにこの部屋に人がいるのか。今になって、そのことを少し不思議がりはじめる。
その表情を見て、彩葉もすぐに察し、慌てて大矢に説明をしようと、頭をフル回転させる。
「あ、あー・・・こ、この子はかぐやって言って、私の親戚なんです!で、ちょっと今日明日と泊りに来ててー!すいません・・・」
「はぁーかぐやちゃんねぇ。いいじゃねぇか。女の子2人、楽しめばいいさ。で、そっちのあんちゃんは、そのかぐやちゃんのお兄ちゃんかい?」
コウセイに視線を移すと、コウセイもまたたじろぐが、慌てて彩葉が仲介に入る。
「あ、そ、そーなんですよ!この人はかぐやのお兄さんで、わ、私の親戚でー!」
「そ、そう!そうなんですよ!ちょっとたまたまこっち来ててー!で、今ちょっとお邪魔してあがりこんでたんですよー。あははあはは・・・」
「えっ私のお兄ちゃんじゃないじゃん。」
「ちょっと黙っててー!・・・あー、そ、そう、反抗期なんで、こうやってお兄ちゃんぶられるのが嫌でこんなのお兄ちゃんじゃないって言うんですよ~あははははぁ・・・」
なんとか取り繕う彩葉とコウセイだが、これ以上怪しまれたらまずい。なんとかして早く帰ってもらいたい・・・彩葉とコウセイがそう思っている中でふと、彩葉はあるところに視線が行った。
「あの、大家さん。足、どうされたんですか?」
よく見ると、大矢は右足首にギプスをしていた。その様子が気になり、すぐに帰ってもらいたいとは思っているのだが、なんとなしに質問をしてみてしまった。
「ん?あぁこれかい。いや実はなあ、段差を踏み外しちまってなぁ、足首の骨にヒビが入っちゃったんだよ。1か月経って、ようやくこうしてギプスしたまま自力で歩けるようにはなったんだがねぇ。」
「えっ!?大丈夫なんですか?」
「あー、まぁちったぁ歩けるようになってきたから平気だよ。ただなぁ、これが困ったことに、おらぁもう一つ、仕事してんだけどな、そっちの仕事が溜まりに溜まって困っちまってんだ。だから実は、さっきのスイカも、本当はな、知り合いがお見舞いだっつって持ってきたもんなんだよあっはっはっ!」
スイカの裏にある背景を話し、豪快に笑う大矢にそうなんですねと相槌を打つ彩葉だったが、
「ちなみに大家さん、お仕事ってもう一つ、何されてるんですか?」
大矢の仕事が他にもあることを知らないからこそ、ふとなんとなしに、尋ねてみた。
「ん?まぁ荷物の管理とかをする、倉庫の管理人、だな。」
その言葉に、コウセイは目を丸くした。
オーナーとそっくりな大家さん。それがまさか倉庫の管理人をしている。まさかこんな偶然があるなんて。
だからこそ、一か八か。そう思い、藁にも縋る思いで、話に入った。
「あ、あの!えぇっと、彩葉ちゃんの大家さん突然すみません!俺、ホシミ コウセイって言うんですけど、もしよかったらなんですけど・・・俺、代わりに働きますよ!もしよければ、住み込みで何時間も働かせてください!俺、倉庫業経験者なんで、力になれると思います!」
「「・・・えっ?」」
「いやー、なんとかなったなソラト・・・」
『おう。よかったなコウセイ。』
あれから数時間後。
コウセイは、彩葉の住むアパートから車で約10分ほどのところにある、ビルの中にある倉庫にいた。
その名も、(有)満月倉庫商会。
ビルの中にある倉庫、だけでも似ているのに、更に名前も近しい。これは偶然なのか・・・?そうは思いつつも、そんなことは口には出さない。
ここまでの状況を説明すると、この大矢には、ちょうどたまたま、コウセイの働いてる倉庫の管理人が世界一周の旅に出ていて、その間はお休みになるから、しばらく暇を持て余していた、という適当な言い訳をつきつつ、加えて、この後両親に許可を取って、働かせてもらう・・・という嘘もついた。
そのうえで、自分もかぐやも遠いところから来たからこそ、せっかくならもっと東京にいたいので、常駐の、住み込みの管理人をやらせてください!お金もいりません!と提案をしたところ、さすがに働いてもらった分は出すということになったが、ただ、向こうも溜まりに溜まった仕事を片付けてくれる。しかも、経験者ならば願ったり叶ったり、ということで、大矢もOKを出したため、奇跡的に住む場所に加え、今後の生活の不安もなくなった。
ちなみに一応様子見ということで、彩葉とかぐやも着いてきたうえで、せっかくだからということで、大矢のおごりで出前もご馳走になった後、このビルの専用車であるハイエースを大矢が運転し、彩葉とかぐやを送り届けていった。
そのうえで、コウセイはこの近くにある銭湯で汗を流してから、今こうしてようやく、管理人室でまったりできている、というのが、数時間前から現在までに起こっていた出来事である。
「しっかし、こういう時は現金多く持っててよかったな・・・とはいえかなり節約しながら暮らさないとだけどな・・・」
今や当たり前になった、怪獣への対応。その場合、電気やガス、水道といったライフラインが途切れることもある。
その際、いわゆるキャッシュレスだと、電気が使えなくなった際に支払方法がなくなり、ものが買えなくなるということが頻繁に起きている。
だからこそ、コウセイの世界では、キャッシュレスだけでなく、災害時の備え・怪獣災害の備えに、一定の現金を持ちましょうというCMすら流れているほどである。
そのため、コウセイも怪特隊の一員だからこそ、現金は常に持ち歩くようにしていたが、とはいえ今はこれが自分の手持ちの全て。働いた分は貰えるとのことだが、とはいえ帰るまで、節約しなければならないことに変わりはない。
「あ、そうじゃん!!」
『ん?どうした?』
そんな折、帰るというワードからあることに気づき、またもや頭を抱えだした。
それはある意味、住むところ以上の問題であった。
「俺たち、どう元の世界に帰ればいいんだ!?」
コウセイが気づいたこと、それは最も重要な問題であった。
あのネメクというゲネス人を追ってこの世界にやって来た。しかしそれは、ネメクがブルトンを使って時空の穴をこじ開けたからであり、こちらはその後を追ってやって来ただけだ。自分たちの力で来たわけではない。
つまり、今の自分達には、元の世界に帰る手段が、ない。
住むところ以上の重要な問題にコウセイが気付き慌てだすと、オメガメテオの中にいるソラトは、『コウセイ落ち着けって。』と落ち着かせた上で、冷静に解決策を伝える。
『あいつのブルトンを奪えたら奪って、それで元の世界に帰る。それしか方法がないだろ。』
「やっぱ、それしかないのか・・・でもあいつが、そんな簡単に渡してくれるとは思えないし、そもそも、今も手元にあるのかもわかんねぇよな・・・ていうか、どう探せばいいんだろうな・・・この世界でKモニター持ってうろついてたら、それこそ警察沙汰になりかねないしなぁ・・・どうしたらいいんだ・・・」
Kモニター。それは、怪特隊の人間が持てる装備であり、怪獣の探索から機材を動かすリモコンにもなるなど、これ一台で様々なことが行えるのだが、ただ、ここは別の世界だ。
彩葉とかぐやの反応を見るに、この世界は怪獣災害もない世界だ。そんな世界でKモニターを持ってうろついていたら、それこそ不審者だ。
だからこそ、ネメクを探したいのはやまやまなのだが、結局は、向こうが動くまで待つか、違う方法で探すしかないという、手詰まりな状況となっていることに、コウセイはまたもや頭を抱えた。
『はぁーあ、こんな時に、ガメドンでもいてくれたらなぁ。』
「・・・ガメドン?ソラト、ガメドンってなんだ?」
そんな中、ふとソラトの口から出た、ガメドンという言葉。
コウセイもソラトから初めて聞く言葉であり、かつ、いてくれたらという言葉から、ソラトにとっても身近な存在なのかもしれない。
『あ、そっか。』と、ソラトもコウセイがそのことを知らないことに気づき、ガメドンの説明をすることにした。
『ガメドンは、俺が持ってる、4体目のメテオカイジュウなんだ。』
「4体目のメテオカイジュウ!?ソラトの仲間のメテオカイジュウって、レキネスとトライガロンと、ヴァルジェネスだけじゃなかったのか!?」
『そうそう。実は4体いたんだよ。ただ、ガメドンの目的は、他の3体とは違うんだ。』
「違うって・・・どういうことだ?」
ガメドンが4体目のメテオカイジュウだということがわかったが、目的が違うと語った。そのガメドンというメテオカイジュウの目的を、ソラトは語りだす。
『ガメドンは、情報収集が目的なんだ。それに、ガメドンは単独で時空を超える能力を持っているから、別時空、異なる世界の情報も集めたりしてるんだ。』
「マジかよ!?そんなメテオカイジュウまでいたなんてな・・・じゃあ、そいつは今、情報収集をするために、ソラトとは別行動をしてるってことか?」
『そうそう。ちょうど、俺が地球の任務に就く前に別行動をすることになってな。ただ、これも記憶を思い出したから、ガメドンの存在も思い出したんだけど、未だに現れないから、コウセイにも言う機会がなかったんだ。』
「なるほどな。でも、まさか4体目のメテオカイジュウがいるなんてな・・・」
そこまで言った後、コウセイはある可能性を思いつき、パッと表情が明るくなる。
「じゃあ、そのガメドンってのと連絡がつけば、元の世界に帰れるかもしれないのか!?」
『それはそうだけど、そもそも俺たちがこの世界にいるってのをガメドンに伝える方法がないからなぁ・・・結局、向こうが探して来てくれるのを期待するしかないと思う。』
元の世界に帰る光明が見えたかと思いきや、結局はガメドンと連絡する方法がないことがわかり、またもやコウセイは肩を落とす。
結局は、あのネメクからブルトンをなんとか奪うか、もしくは、そのガメドンが自分たちを何らかの方法で見つけてくれることを願うしかないのか・・・
『そういやコウセイ、さっきかぐやに言った、かぐや姫、ってなんだ?』
そんなことをコウセイが思っている中、ソラトが脈絡なく、違う質問を投げかけた。
それは先ほどコウセイがかぐやに言った、かぐや姫、という言葉についてだった。
そしてコウセイもまた、内心あ、そっかと、一人納得をした。
ソラトが日本語を覚える際に、コウセイの住んでいる太陽倉庫にあった本を色々引っ張り出し、様々なジャンルの本を読んでいたものの、昔話、のような本は本棚にはなかった。
それに、ソラトの肉体があったときも、子供と触れ合うということは少なかったため、そういった日本の昔話に触れる機会も、ほぼほぼなかった。
だからこそ、日本語に慣れたとはいえ、ソラトがその話を知らなくても無理はない。コウセイはそう思い、ざっくりとではあるが、かぐや姫のストーリーを話すことにした。
「あぁ、かぐや姫ってのはな、日本の昔話で、ある日、おじいさんが山に行くと、一本の光る竹があって、その竹を切ったら、中に小さな女の子がいて、それを拾ったおじいさんとおばあさんが、その子をかぐや姫って名付けて育てていったら、実はその子が、月から来たお姫様で、大人になったときに、月から迎えが来て、かぐや姫は地上の記憶をなくして、月に帰る・・・っていう話なんだ。」
『へー。なんか、けっこう悲しい話なんだな。』
「まぁな。大抵、日本の昔話ってのはめでたしめでたし、で終わるんだけど、俺も最初に聞いたときは、全然めでたく終わってないじゃん!って子供ながらに思ったなぁ。」
『で、そのかぐや姫ってのが、かぐやかもしれないって?』
「・・・かも、だけどな。ただ、実際にかぐや姫が本当にいるとは思えないし、出方も竹じゃなくて電柱だし、色々謎なところがあるから、一概にかぐや姫、って決めつけるわけにはいかないかな。逆にソラトは、かぐやちゃんについてどう思う?」
かぐや姫についての説明をコウセイから聞いた上で、うーん・・・とソラトは少し悩んだ後、自分の見立てを話しはじめる。
『たぶんだけど、かぐやが宇宙人なのは間違いない。記憶喪失だったからわかるけど、宇宙から来たって直観的に思うもんなんだ。』
「そういうもん、なのか・・・?」
『かぐやと同じ、記憶喪失だった宇宙人の俺が言うんだから間違いないって。ただ、そのかぐや姫、ってやつなのかはわかんないな。俺も月星人は見たことないし、そもそも俺、月に落ちたときは、ゾヴァラスと戦っててそれどころじゃなかったから。』
「そういえばそうだったな・・・あれ?」
ソラトとかぐやについて話す中、ふとコウセイが、あることに疑問を持った。
「なぁソラト、なんでかぐやちゃんは、この地球に来たんだろうな?そもそも、この世界にも、目覚めの刻が来る可能性って、あるのか?」
目覚めの刻
それは、コウセイ達が今まさに直面している現実の怪獣災害のことを、宇宙人呼称でそう呼んでいる現象のことである。
何千年かに一度、その星に眠っていた怪獣達が一斉に目覚める現象をそう呼んでおり、そういうことが起きた星は、どちらかが滅ぶか、場合によっては、その星の人類と怪獣の生存競争により、人が住めなくなる死の星になってしまうことも、実際にあった。それはまさに、追ってきたネメクというゲネス人の星が、まさにその道を辿った。
地球もその道に行こうとしたのだが、現在はオメガや怪特隊、NDFなどの頑張りにより、怪獣を全て倒すという方針から軌道を変え、怪獣たちとの共存を目指していこうという形で、目覚めの刻を乗り越えようとしている。
故に、この星に宇宙人のかぐやが来たということは、この星にも目覚めの刻が発生するのかもしれない。そう思いコウセイは尋ねてみたものの、ソラトはうーん・・・と、姿はないが、一人悩んでいた。
『どうかなぁ・・・そもそも別の時空だから、俺たちの宇宙みたいに、目覚めの刻が起きるとは思えないんだよな。それに、俺みたいに観測隊の仕事してたとは、かぐやが思えないしなぁ・・・』
「じゃあなんだ?その・・・こんなこと言いたくないけど、かぐやちゃんの住んでる月の文明が何らかの影響で滅ぼされちゃって、それでかぐやちゃんは一人この地球に逃げてきたとか?」
『それもないと思うんだよなぁ・・・たぶん。というかそもそも、あのネメクってゲネス人は、俺たちがいない世界を狙うためにブルトンを使って、この時空の地球に来た。だから逆に、この世界は安全だからこそ、あいつも狙ったのかもしれない・・・ただ、ブルトンの四次元空間を完璧に制御できる存在なんて、宇宙でもそう多くはない。だから、あいつもこの世界にやって来たのは、偶然なのかもしれないな。』
「そう、なのか・・・?だとしたら、ますますかぐやちゃんのことよくわかんないな・・・」
どれもこれもがピンと来ず、じゃあ一体、彼女は何のためにこの地球に来たのか。その理由をあれこれ考えてみた結果、考えが袋小路になってしまう。
『でもなコウセイ、俺一つだけ、わかってることあるぜ?』
そんな中、ソラトが少し自信ありげに話しかけてきたため、なんだ?とコウセイは返した。
『かぐやは、たのしいで、俺の、マブダチだ。』
「・・・なんだよそれ。」
ジョークに聞こえるが、それはソラトの本心である。それは、一緒に過ごしてきたからこそ、ソラトが嘘をつかないということを、コウセイもわかっている。
とはいえこのタイミングで、思ってもみなかったことを言ってきたため、コウセイも小さく鼻で笑い、同時に、あれこれ考えるのが馬鹿らしくなってきたため、あれこれ考えるのは、ここで一旦やめることにした。
そんな中、ふと目についたものがある。
それは、この管理人室に置かれている、テレビだった。
これは大矢の意向なのか、あるいは本人の暇つぶしなのかはわからないが、ラジオだけでなく、テレビも置かれていた。
そのことに気づいてはいたものの、ようやく話も一段落ついたため、情報収集のためと思い、テレビをつけてみることにした。
『♪I will get my tomorrow 君の手をとり歩いていく 自分らしくいられる場所 いつか辿り着くまでは~』
「・・・なんだこりゃ・・・」
テレビに映るのは、ゆるキャラなのかなんなのかわからないが、見たこともない着ぐるみのキャラ達がたくさん出ているCM。全く見たことのないCMだと思い、他のチャンネルを回してみるも、どれもこれもが見たことがない。というより、よくよく考えたら、今住んでいる太陽倉庫にはテレビはなかった。テレビなんて久しぶりに見たなと思っている中、ちょうどニュースをやっているチャンネルがあったため、それを見てみることにした。
しかし、ニュースを見ていても、基本的には国内の政治のことや事件のことなどを報道しており、目覚めの刻を迎える前までのニュースって、こんな感じだったよなと、ふと感慨に至ってしまう。
『続いてのニュースです。国内で今や、3人に1人が利用しているツクヨミ。この人気の背景にはいったい何があるのでしょうか?』
「・・・ツクヨミ?」
そんな中、次のニュースの話題で流れた、ツクヨミ、という全く聞きなれない単語。故に、そのニュースを先程以上に注視してみることにした。
そのニュース内でしっかり特集と説明がされていたが、今この日本では、仮想空間のツクヨミというのが大流行しているどころか、もう日常の一部になっているそうであり、既に全世界のユーザーは、1億人に上るのだという。
さらに、この中の配信活動で稼げる通貨、ふじゅ~と呼ばれる通貨は、実生活にも使えるため、これだけで生活する人も少なからずいることや、この中での遊び方も自由自在なこと、多種多様のゲームが出来ることなど、仮想空間と言いつつも、多くの人にとってのエンターテインメントの場であると同時に、人によっては、生活の基盤にもなっているのだという。
『んーと、ヤッチョはね~、誰も争わず、みんなみ~んな、幸せでいられる環境を作ったんだ~。』
そんなツクヨミを作ったと言われている管理人の、月見ヤチヨというAIキャラクターのインタビューも流れており、気づけば終始、このニュースに釘付けとなっていた。
「・・・なんか・・・すげぇな・・・」
そのニュースの内容に、コウセイも圧倒されていた。
誰も争わない環境。それを実現する難しさは、今自分がよくわかっている。人間だけでも難しい中で、怪獣たちとも一緒に、地球の平和を作っていこうとしているからこそ、よりその難しさを痛感している。
しかしこの、ツクヨミを作ったという月見ヤチヨは、そこまで難しいことではないように、簡単に言ってのけた。
その方法と手腕、そして、仮想空間上ではあるが、それを実現したこと。それら全てに驚き、圧倒された結果出た言葉が、先程の言葉だった。
その一方で、ソラトは子供のように、オメガメテオの中で一人ワクワクしている。
『いいなー!めっちゃ楽しそうじゃん!俺も行ってみたいなぁ、このツクヨミってとこ!』
「まぁ、そりゃ俺だって行ってみたいけどさ、けどこういうのは金がかかるし、今の俺たちは住めるだけありがたいってことで。とりあえず今日はもう寝ようぜ。疲れたし。」
ツクヨミは気になるものの、このようなところに、違う世界からやって来た自分たちが行けるわけがない。そう判断しつつも、そもそも今日は、ただでさえアボラスとバニラの2体の怪獣を倒してから、今この別の世界に来た。そして、色々あっての今だ。いくらなんでも色々ありすぎて疲れたため、寝ることが優先だと思い、事務所の床に敷布団を敷き、タオルケットをかけて、寝ることにした。
そして、疲れからか、すぐにコウセイは眠りへと落ちた。
「・・・どうやらこの世界は、怪獣もいないようですね。うんうん、いいことだ。」
一方その頃、どこかの町中を、例のゲネス人、ネメクは歩いている。
笑みを浮かべながら見つめる視線の先には、巨大なモニターに映る、月見ヤチヨの姿。
「・・・まずは第一段階として、同じ異星人として利用させてもらいますかね。いい空間を作ってくれてありがとうございます。さて、まずは・・・」
ネメクが顔を上げると、空に見えるのは、欠けた月。
「連絡手段の構築から、はじめましょうか。」
「ねーねーそこのおじさん、ちょっといい?」
そうネメクが独り言を言っていると、後ろから誰かが声をかけてきた。
ネメクが後ろを振り返ると、そこには数人の、ガラの悪そうな男女たちがいた。
「おや、なんでしょうか?」
「俺らさ~、今お金持ってないんだよね。だからさぁ、おじさん、お金ちょーだいよ。」
そう集団の男の一人が言うものの、表情はニタニタしており、決して、丁寧な物言いとは言えない姿勢を取っている。
そもそも、見知らぬ人物にそう言う時点で、どういう魂胆なのかは目に見えている。
それを瞬時に察し、はぁ・・・と、小さくため息をネメクは零した。
「・・・ヴェラ・ナム・サクル」
「あ?なんか言ったおっさん?」
何か言ったが、その言葉が聞きなれない言葉であったため、男は思わず反応をした。
しかし、ネメクは全く意に介していないように、表情を変え、その集団の方を向くと、先程までの笑みは消えていた。
その表情は、まるで、他者を見下すかのように。
「ザバル・テラ・マギル」
次回予告
「ハーやっぱりツクヨミ最高!なんでもやれるしお金も稼げる!気温も一定!まさに理想郷!」
「そうだねえ。ところでオタ公ちゃんはスマコンでやってる?僕はPCなんだけど。」
「ウチはスマコ~ン。あ、乙事照氏は元ゲーマーだからPC勢か~。」
「そんな今使ってないから再利用してるみたいに言わないの!」
「てことで、次回のかぐや姫Ωは、【ツクヨミ】。で、ほんとは何でログインしてるの?」
「そこ疑う必要ある!?」
というわけで、第2話、お届けしました。
独自設定として、彩葉のアパートの大家さんを登場させました。
というより、大家さんいるなら、そりゃオメガの方の大矢さんと組み合わせますよええ。
ちなみに、下の名前を変えてあるのは、まぁ、演者さんのことを考えたら、そりゃ印象的なのは、あの人の方ですから、そこをもじりました。
でもって、ここから少し、今回の話で使った楽曲解説をしていきたいのですが、それを説明するうえで、ちょっと、この方に説明をしていただこうかと思います。
それでは、お願いします!!
カッカッカッカッカッカッ
「こんばんは土井〇晴です。さっいきなりの登場で若干驚いてるでしょう。僕もなんですよ~。さっなんで僕が登場したかと言いますとね、今回の話で使った、使用楽曲について細かい解説をしていくわけですよ土井〇晴です。さっ、今日の料理はですねぇ、あ違う。楽曲解説。ほなそっちやりましょか。というわけでですね、今回使った楽曲はこちらなんですよ~。」
アーティスト名:20th Century/楽曲名:always
使用楽曲コード:057-2505-4
「この曲はですね、中の人的に言うとね、ダイゴ隊員が歌ってるーいうもそうなんですけどね、なんと約30年前に、円〇プロの企業CMにこの曲が使われたんですよぉ。だからこの作中に曲どころか、そのまんまCMごと入れてみたわけなんですわぁ。ただ、なんとですね、実はこの楽曲、よー聞いていただければわかるんですけどね、なんとあの、水曜どう〇しょうさんでもおなじみの、1/6の〇旅人のメロディをそっくりそのまま使ってるんですよ。びっくりですよね~。ただですねぇ、実はパクリでもなんでもなく、作曲者の樋〇さんが、どう〇しょうさんが終わったー思て、ト〇センさんに楽曲提供しちゃったっていう勘違いからなんですわぁ。それで権利問題で使えなくなって生まれたのが、今や番組の代表曲にもなった、1/6の〇旅人2002なんですよ~。まさか円〇さんとどう〇しょうさんにこんな繋がりがあるなんてびっくりでしょ~。そして奇しくもウルトラマンもどう〇しょうさんも周年というのもまた不思議なもんですねぇ。これからもどちらのコンテンツも末永く続いていってほしいですねぇ。あそうそう。実は今回のタイトルも、その番組にちなんでつけたんですわぁ。だから、イントネーションも、その番組みたいに、読んでほしいんですわ。さここでクイズですよ。次回、なんとまた、とあるどう〇しょうさんにちなんだネタ入れてるんですよー。それはどこか当ててみてくださいねー土井〇晴でした。」