アタシだよ!!
ネクサスヤクザがあんなとこ入ったらそりゃイラストレーターに自分がなった気分になっちゃうって。
あと、個人的にウルサマ大千秋楽から梯子したのですが、そんなムーブかましたのは、拙者だけだったでござる。
ウルサマ参加した人、あの階層にセブン大大師匠のスタチューあったの知らなかったって人が多そうだなと思いました。
ちょっと更新が少し遅くなりましたが、すみません。
シンプルに言うと、私の体調不良が原因です。
インフルではないのですが、前回アップしてから、大真面目に体の節々調子が悪く、かつ、一気にどかっと来ることばかりでして。
1日で2件も病院はしごしたりとあったので、健康第一、という言葉の重みを痛感させられます。
皆様の無病息災を願います。
それと、ちょっと今日から、夜更新に変更したいと思います。
朝更新にしてたのですが、pixivだとリアルタイムで更新しなければならず、地方なので配信勢が故、ゆっくりウルトラマンテオを楽しめないため、そうさせていただきます。
決して読まれたいから夜更新にしたとは(ry
長くなりましたが、4話、ご覧ください。
「よーし、それじゃいくよソラトー!」
「おー!いいぜー!」
ツクヨミ内のとあるスタジオ。
その声と共に、かぐやはRECのボタンを押す。
カメラに映らないところでは、彩葉とコウセイが、プロデューサー、ないしはディレクターのように、何かトラブルが起きないかと不安を抱きつつ様子を見ている。
「かぐやっほー!かぐやだよー!みんな元気ー?今日の動画はねー、対談企画なんだけどね、その相手は、みんな驚かないでね?実は私もつい最近出会ったんだけど、なんと。」
ドドン
「なんと!」
ドドン!
「なんと!!」
ドドン!!
「(効果音こんなにいる?)」
効果音の量に内心そう思うコウセイだったが、特に突っ込むことはせず、そのまま続けることにした。
「初めてできた!地球以外の!別の星の!宇宙人の!お・と・も・だ・ちーーー!!で、せっかくだから、その宇宙人の友達と、今日は~、あーんなことからこーんなことまで、たっぷりガチトークしてくよー!それじゃ~、自己紹介よろしく!」
「・・・あ、これか?よっ、俺はソラト。オオキダ ソラト。かぐやのマブダチだ!」
「いぇー!よろしくソラトー!」
「よろしくー!」
「犬DOGEもすっかりソラトとなかよしだねー!」
「アウゥーン・・・」
「おー、よしよーし。どうだ犬DOGE、俺の仲間になるか?」
「ちょっとソラトー!犬DOGEは私のなんだからー!」
2人の挨拶が終わると、タイミングよくパフパフーという効果音がかかる。ソラトの膝の上でご満悦そうな表情を浮かべながら終始撫でられている犬DOGEと共に、早速、本題へと入っていく。
「で、えーと、じゃあまずは自己紹介っていうか、ソラトはどこ生まれの宇宙人?まぁ、私は月から来たんだけど。」
「俺はなぁ・・・えーっと、どーこだっけなぁ。遠い昔過ぎて忘れちまった。」
「えっそうなの!?生まれた場所も覚えてないって、それマジ!?」
「おう、マジマジ。すっかり忘れちまったなあ。」
「てか、遠い昔っていつくらい?」
「うーん・・・何千年か何万年前か忘れちまったんだけど、仕事しすぎて、あんま覚えてないんだよな。あんまそういう年齢とか、俺気にしたことないから。」
何千年何万年と、ヤチヨレベルの年単位の言葉がポンと飛び出たことにかぐやだけでなく、画面外の彩葉も驚くが、むしろかぐやは、仕事、という言葉の方が驚いた。まさかソラトが仕事をしていたとは思わず、そのことについて聞いてみることにした。
「えっそれ初めて聞いた。ねぇソラト、仕事って、何してるの?」
「あ、そこ言ってなかったか。俺の仕事は・・・まぁざっくり言うと、星を見守るのが仕事なんだ。」
「へー、初めて聞いた。星を見守る仕事って、何すんの?」
「ん?見守るだけだぞ。」
「・・・え?それだけ?」
「それだけ。」
「・・・マ?」
「ま。」
ソラトの仕事。それは、星を見守る仕事だと本人は語るが、今言った言葉を反芻し、少し自分の中で消化する時間をかぐやも設けた後、
「・・・えっめっっっっちゃつまんな!!君それ何がおもろいん!?君それ何が目的なん!?」
思わず大声で突っ込んでしまったが、無理もない。
仕事をしていたと聞き、その内容を聞いてみたところ、ただ見守るだけ。その仕事の何が面白いのか、何の意味があるのかと素直に思ってしまった。それはかぐやだけでなく、画面外で見ていた彩葉も同じ考えだった。
「あーでもな、ちゃんと目的はあるんだよ。」
ただ、ソラトがフォローするかのように目的があると言い、その仕事の意義について語り出す。
「1つの星の、生命の純粋な営みを見続ける。その星の始まりから終わりまでを見続ける。数多の星々の始まりから終わりまでの記録を集めることによって、どうしたら宇宙に平和が訪れるのかっていうのを研究するのが、俺たちの仕事なんだ。」
「あっ、ちゃんと意味はあるんだ!てか、俺たちってことは、他にも仲間がいるの?」
「そうそう。地球だけじゃなくて、宇宙にあるたくさんの星も、俺の同胞たちが観測し続けてるんだ。だからもう、そりゃとんでもない量のデータがあるんだ。」
「ソラトさん、研究員みたいな仕事してたんですね・・・」
画面外で聞いていた彩葉こといろPも、ソラトの見た目や性格とは異なる仕事のギャップに思わず反応してしまったが、ただ、一方のかぐやは、別の思考に行っていた。
「てかだっるー!?ずっと見てるだけなのー!?超つまんないんだけどー!」
「だよなー!わかるわかる。けど、観測しているその星を侵略しようとする宇宙人や、宇宙からやって来た悪い怪獣がいたら、その星に行かせないようにするために戦うことだけはするんだよ。そういうやつらをその星に行かせたら、純粋な観測にならないからな。」
「えーそうなんだ。そんな真面目な仕事やってたんだソラトって。あれ?じゃあいつコウセイと一心同た「あーあーあーあー!!?」
その瞬間、慌てていったんRECを停止し、画面外にいた彩葉とコウセイが入ってくる。
「かぐや!ソラトさんとコウセイさんの一心同体の話は言っちゃいけないって約束したでしょ!前に言ってた、確か、ウ、ウルトラ・・・」
「ウルトラマンオメガ!」
「そう!そのウルトラマンオメガってバレるでしょ!それに、そんなのと繋がってたら、私達の生活もヤバくなる!!」
「えー。だってー、せっかくだからガチで喋りたいじゃーん。」
コイツは・・・またもや彩葉が頭を抑える一方、ソラトとコウセイもまた、違うところについて話し合っていた。
「お前・・・他の観測隊員が聞いたら卒倒するぞ。そんなに喋っていいのかよ?」
「だーいじょうぶだって。観測隊についてーとか、どんな仲間がいるのかってことは言ってないんだから。それに、別に教えたって向こうがこの世界をどうこうするわけじゃないんだし。」
「・・・まぁ、お前がそう言うならいいんだけどさ・・・とはいえさっきの一心同体のくだりのとこも含めて、危ないこと言ったらカットするからな!」
「えーなんでーコウセイー!せっかくならぶっちゃけて話したいじゃーん!」
「ぶっちゃけすぎてみんなの生活がやばくなったらそっちの方が困るでしょ!?てかいきなり秘密の約束破られてこっちだって困るんだけど!?」
話に入ってきたかぐやに対し、あーだこーだとコウセイとかぐやが話し合う一方で、先ほどのかぐやとソラトの会話の中でふと気になったことがあり、彩葉はソラトに質問をしてみることにした。
「あの、ソラトさん。ソラトさんがさっき言ってた仕事って、コウセイさんも一緒にやってたんですか?」
「いや、コウセイはやってない。俺たちの世界の月面で、ゾヴァラスっていう怪獣と戦ってた時に俺は負けて、地球に落ちてきたんだ。で、その影響で記憶をなくして、その後にコウセイと会ったんだ。だから、記憶喪失だったから、俺がその前まで何をしてたかも思い出せなかったんだよ。」
「そう、なんですね・・・色々気になるところはあるんですけど、あんまり深くは聞かないようにしておきますね・・・ただ、記憶が戻ったのなら、またその仕事をやってるんですか?」
「あー・・・まぁそこは、色々あって、今はちょっとやってない。」
「やってないって・・・それ、大丈夫なんですか?」
「んー、まぁ大丈夫。ていうか、今は俺のほうが、同胞たちの観測対象になってるからな。」
「えっ?」
深く聞くことはしないと先ほど言ったため、あまり深くは聞かないようにしようとしたのだが、ソラトの口から気になる言葉が出た。
今は自分の方が、観測される立場になっている、ということ。
その発言の真意が気になったが、先程そう言った手前、これ以上深くは聞けないことに加え、今そのことを口にした後のソラトの表情を見ると、これ以上深くは聞けない。そう直感で思ったからだ。
今のソラトの表情は、例えるのが難しいのだが、あえて言うならば、そう。
どこか、今の状況に満足し、希望に満ち溢れた顔をしている。
そんなことを感じている中、撮影を再開するという話になったため、それぞれカメラの前、カメラに映らないところへと戻り、撮影を再開する。
「えーっとねー、じゃあ次なんだけど、これ私からの質問なんだけど、ソラトが今まで宇宙で見てきた中で綺麗なものってなんだった?」
「そうだなあ・・・うーん・・・あ!あれ!金色の鳥!」
「鳥???」
「前に宇宙で見かけたんだけどな、金色に光る青い目の美しい大きな鳥が宇宙を飛んでてさ、あれめっちゃキレイだったんだよなー!」
「えっ何それ!?不死鳥!?フェニックス!?」
「かぐや、不死鳥とフェニックスって同じもの。」
「いやーどうかな~。俺も初めて見たからわかんなかったんだけど、でもあれ、めっちゃキレイだったぜ。後はそうだなぁ・・・あ、そうそう!あと、前に一回だけ見たんだけどさ、いろんな楽器が体についてて、素敵な演奏を奏でる怪獣がいたんだよ!」
「えっ!?何その素敵な怪獣!?」
そこからはもう、ひたすらソラトの、綺麗な、そして面白い宇宙怪獣紹介コーナーと相成った。
宇宙の雪や、扉の向こうからやってくる伝説の怪獣。見ただけで相手の記憶を忘れさせる猫のような名前の怪獣から、自分でホームページを作って配信もできる、ムーキットなる怪獣などなど・・・ソラトが記憶を思い出したからか、これまで語ってこなかった宇宙怪獣の情報がわんさか出てくる。
それに目を輝かせる宇宙人のかぐやと対照的に、なんじゃそりゃ・・・となり、頭を抱える地球人のコウセイと彩葉。
「・・・ソラトさんって、いっつもあんな感じなんですか・・・?」
「・・・前はこんなんじゃなかったけど、今回は記憶思い出したから、余計色々喋りたいんじゃないかなぁって・・・」
「てか、宇宙怪獣って、そんなカオスなのばっかなんですか・・・?」
「俺もこれまで聞いたことなかったから全部初耳だよ・・・」
そうして喋り倒した後、ようやく視聴者からの質問タイムということで、この動画を撮影する前にかぐやのアカウントに寄せられた、ファンからの質問に入っていく。
「えっとねー、じゃあまずこれから。宇宙人が好きな地球の好きな食べ物は?だって?」
「俺はー、焼きそばとかカレーとか、あと、ラーメンとか。あ、そうそう。確かあの、どこだっけな・・・どっかのドームの近くでやってたイベントで食べたクレープもおいしかったなぁ。宇宙って意外と、美味しいもんとか、味濃いものそんなないよな?」
「わかるー!それまじわかるーー!地球の食べ物って、どれもほんっっっとおいしいよねー!私はー、パンケーキと、オムライス!だからこそ早くツクヨミでも味覚実装してほしいよねぇ。」
「だよなーー!!ここじゃ何食っても味しないとか、ほんっとつらいよな!見た目と口に入れた時のショックほんとやばいよな!」
地球の美味しい食べ物で盛り上がる宇宙人2人を横目に見つつ、
「・・・宇宙人って、お子様舌なんですかね?」
「・・・かも、しんないね・・・」
地球人2人は、その味覚に疑問を呈していた。
次の質問へと移る前に、かぐやはあることが気になり、そのことを尋ねてみた。
「ちなみに、宇宙で美味しい食べ物ってなんかある?」
「そうだなぁ・・・やっぱ、マンダリン草饅頭だな!あれ超うまいんだよ!手土産にもいいし!あ、あと、そのマンダリン草使った、マンダリンジュースも結構うまいぜ!」
「えっ何それどんな味!?」
「そうだなぁ・・・味で言うと、甘い、かな?あ、ただこれ、地球人が食べたらダメなやつだから、今度宇宙行ったら、一緒に食べようぜ。」
「えーマジー!超気になるー!じゃあ今度一緒に宇宙行ったら食べようね!てか、手土産にもいいんだ!じゃあ、宇宙の友達作る時に持ってこーっと!あ、でも帰るつもりないけど。」
「はよ帰れ。」
そんな閑話休題を挟みつつ、さらにかぐやはファンから寄せられた質問をソラトに投げかけていく。
「宇宙人って寝るの?だって?いや普通に寝るよねー。眠くもなるし、夜から朝までちゃんと寝るよね?」
「うん。寝る寝る。なんなら、カゼだってひくし。」
「えマジ!?ソラトカゼひくの!?」
「おう。俺カゼひいたことあるぜ。そん時大変だったなー。おかゆも味しなくておいしくなかったし。」
身近な生活の話から
「UFO(宇宙船)ってやっぱりあるの?だって。どう?」
「うーん。宇宙人にもよりきりだけど、あんまり他の惑星の人と交流しないから細かいところまではわかんないなぁ。ただ、宇宙人は、UFOとか宇宙船はよく使ったりするって、記録で読んだことある。あ、でも宇宙怪獣とかは、そのまんま飛んでくるようなやつが多いな。」
「ちなみに形ってどんなのが多いって質問もあるけど?」
「そこもその星の住人によりきりだし、いろんな形があるからなんとも言えないな・・・宇宙人によっては、自分の体をミクロ化して、一つの宇宙船に何億人って乗ってる宇宙人もいたりするから。」
「えっマジ!?ヤバ!?」
宇宙人のテクノロジーの話から
「本当の姿はどんな?だって。」
「ヒミツ。かぐやは本当の姿ってあるのか?」
「あるわけないわ!!このまんまの美少女かぐやちゃんだわ!!」
しょうもなさそうな質問まで、ちゃんと回答をしていく。
そんな中、「あ、この質問いいかも。」とかぐやが選んだ質問は、宇宙人が思う地球人のいいところ、という質問だった。
「そうだなあ・・・俺は、地球人の優しいところと、あきらめないところだな。」
「お、深いねえ。」
「こう言ったらあれだけどさ、地球人って、弱いじゃん?怪獣にもすぐやられちゃうし、力で見ればすっごい弱い存在だけどさ、それでもあきらめない。どんなに相手が強くて、勝てないような相手にも立ち向かっていって、大切なものを守ろうと頑張るところ。どんなに大変な状況でも、誰かを思いやる優しさを持っているところ。そういった全てが、宇宙人の俺から見たら、とってもまぶしく見える。だから俺は、地球人のそういうところが、とっても大好き。」
ソラトの言った言葉、それは、地球に住んでいる人間からすれば、当たり前かもしれない。けれど、その目に見えるものは、宇宙人の彼にとっては、最初は理解ができなかったが、ただ、とても眩しく映った。
そういった地球人を近くで見続けてきたからこそ、彼は、彼だけの答えを見つけられたのだが、それはこの場では言わずに、ソラトだけの秘密にしていた。
その一方で、かぐやは目を潤ませていた。
「うっ、うっ、うっ、ソラト~~~~!!急にいいこと言うなよ~~~!めっちゃ泣けるじゃんかーーー!!」
「へっへーん。どうだ。いいことちゃんと言えるだろ?で、かぐやは?」
「ん?」
「かぐやは、地球人のいいところってどこだと思う?」
「え?私?私は・・・わ、私もそういうところいいと思う!みんな本当優しくて、かぐやが宇宙人だって言ってるのに、それでもめっっちゃ応援してくれるから、みんな大好き!」
ジーンとかぐやが来ているタイミングで、ソラトから逆に質問をされたため、まさか同じ質問をされるとは思わず、つい似たような答えをしてしまった。
もちろん、今言ったことは、全て本当であり、かぐやの本心だ。配信を見てくれているファンのみんなには本当に感謝しているし、優しいから大好きというのも嘘偽りがない。
けれど、なぜだろうか。
─────本当にそれは思っていることなのに、今の回答は、自分の言葉で言ったような気がしていない。口には出さないが、かぐやはそう感じていた。
そんなことを感じていたが、あまり今はここを深堀する必要もないため、質問に戻ることにし、「あ、じゃあ最後にこれいいかも。」とかぐやが選んだ質問は、これだった。
「宇宙人から見て、地球の女の子って可愛い?あとかぐやちゃん可愛い?彼女にしたい?だって!どう思う?」
「うーん・・・あんまよくわかんないなぁ。なんだかぐや?かわいいって言ってほしいのか?」
「ほしい!」
「かぐや、かわいいぜ!」
「ありがと!そういうソラトも、かっこいいぜ!」
「おーサンキューかぐや!イエーイ!」
「イエーイ!」
結局お互いを褒め合い、終いにはハイタッチを交わすという、これを視聴者が求めていたのかいないのかわからない終わりに着地し、これで質問も終わり、動画もこれまで・・・と思っていた矢先、「あ、そうだ!」と、かぐやがあることを思いつき、ソラトに話しかけた。
「ねえソラト、この動画はここまでにするけど、この後さ、私と一緒に踊ってみた動画撮ろうよ!」
「おう!なんか楽しそうだしいいぜ!」
かぐやが提案したのは、踊ってみた動画を一緒に撮ろうということ。特定の誰かの踊りを真似し、踊ってみたという動画。今や説明する必要もないほど、スタンダードな動画であり、この世界でも、それは当たり前に定着した文化である。
そのことにソラトもOKを出したため、一旦対談動画はここまでにし、踊る準備をするためのセッティングと、練習を始めるために、かぐやが指定した曲を聞かせてもらうことになったのだが、曲を流している最中、大事なことをソラトとコウセイに伝えた。
「実はね~、なんとこの曲、私の曲なの!」
「おっそうなのか!?かぐや歌手だったのかー!」
「まぁ歌手じゃなくてライバーなんだけどね。ちなみに曲を作ってくれたのは、ここにいる彩葉なのだー!」
「マジ!?彩葉が作ったのか!?すっげーいい曲じゃん!」
「あ、ありがとうございます・・・た、ただこの曲、過去に作っていた曲をアレンジしただけですし、歌詞もかぐやが書いたんで、別に私はそこまで・・・」
「いやいや、それでもめっちゃすげーよ!な、コウセイ!」
「ああ。俺の周りにはこういう曲作れる人とか全くいないから、本当に凄いよ!もうプロ目指せるんじゃないの!?」
「あぁ、いや、それは・・・」
"形無しで成功するんはホンマに一握りや。楽しんでる場合やあらへん。お父さんからもらったもん、遊んで食い潰すんか。"
そこまで言いかけて、頭に浮かぶのは、母の一言。自然と、それ以上進もうとする自分の思考に待ったをかけるように、頭に浮かんだ。
だからこそ、それだけ褒められても、
「・・・私よりもっと才能ある人、いますから。私じゃプロとしてやっていけないですよ。」
思わず、いや、いつも通り、そう口から出てしまった。
その様子に、先ほどまで盛り上がっていたコウセイもすぐに察し、冷静になった。
「・・・あ、ああ。そう。そっか。」
「ん?なんでだ?こんなすっげーいい歌なのに。」
「・・・あ、おいソラト!かぐやちゃんと踊るんだろ!ほら、まずはそっち優先しろって!な!かぐやちゃんも教えなきゃだもんな!」
「そうそう!ほらソラトー!早く教えるからこっちこっちー!」
「お、おう・・・」
これ以上この話を深く踏み込まないためにも、コウセイが間に入り、かぐやに踊りのレクチャーをしてもらうよう誘導したうえで、思惑通り、2人が踊りの練習を始める一方、彩葉はコウセイに近づいた。
「・・・コウセイさん、あの、ありがとうございます。気、遣わせちゃったみたいで・・・」
「あ、あぁ、まぁ気にしなくていいって。ほら、誰にだって言いたくないことだってあるんだし、突っ込まれたら嫌なことだってあるからさ。ソラト、そういうこと気にせずズバズバ聞いてくるから・・・あいつ、空気読むとか知らないからさ。」
今の彩葉とかぐや同様、ソラトに色々と困らされた経験があるからこそ、こういう時どう対処すればいいのか、どうフォローすればいいのかは否が応でもわかる。特にソラトは、シンプルかつ正しいことなのだが、人の痛いところを突いてくるような質問を、本人は特に気にしてはいないのだが、ズバッと言うことがある。だからこそ、今回もまた、同様のケースであったため、すぐさまフォローに入り、間を取り持つことにした。
そのため、気を遣ってくれたのを彩葉もすぐに察し、コウセイに感謝をした。
一方のコウセイは少し照れつつも、苦笑いを浮かべながら、かぐやと一緒に踊りの練習をしているソラトを親指で指さした。相棒だというのに、少し邪険に扱うその様に、先ほどまでの申し訳ないという気持ちが少し晴れ、小さく笑みを浮かべた。
「・・・お互い、大変ですね。宇宙人と一緒に生活してると。」
「まぁね。その気持ち、よくわかるよ。それに、なんかあの2人、似てるから、彩葉ちゃんが悩んでることとか、なんかわかる気がするよ。なんでもやりたがるところとか、ご飯のこととか、大変でしょ?」
「めっちゃ大変です!それで私のスケジュールが狂ってて本当に困らされて!食事も定額制にしたからまだいいですけどその前とかほんっと大変で・・・」
話を変えるかのように振った話題がきっかけで、彩葉のかぐやに対する愚痴がどんどんと出てくる。それに対しても、一つ一つ真摯にコウセイも聞き、時には彩葉の話す内容に共感する。
いつの間にか、先ほどまであった少し重苦しい空気は、晴れていた。
「で、こうやって、ここで手を2回あげて、で、指で矢印を作って前に突き出す!」
「おぉ、けっこう難しいな。でもなんとなく、わかってきたぜ。足ってあげたほうがいいのか?」
「んー、まぁあげてもあげなくてもいいよ!」
その一方、踊ってみた動画を撮るために、かぐやがソラトに踊り方を教えていた。
当初は難しいと思っていたようだが、かぐやが思っている以上にソラトの呑み込みが早く、少し教えただけで、ばっちり踊れるようになっていた。
そして、何度か練習を重ねたうえで、ついに踊るために、動画を回し始めた。
「よーし、それじゃいくよー!」
『♪~』
ポップなサウンドに合わせて踊るかぐやとソラト。短時間で覚えたとは思えない振りつけを見事にこなし、踊ってみた動画の撮影は、奇跡的に1テイクで撮り終えることが出来た。
「できたー!てかソラト超うまいじゃん!なんかダンスとかミュージカルとかやってた!?」
「あー、ミュージカルってのはわかんないけど、ダンスなら前にみんなで踊ったことあるぜ!マサっさんたちと一緒に!」
「えっ!?あんの!?てかマサっさんって誰!?」
ソラトは踊りなんてしたことない。そう思っていたからこそ驚いた。まさかソラトが、ダンスまでやっていたとは。とはいえマサっさんという人物については謎なのだが。
「まぁ、俺が踊れるやつは、子供も踊れるようなダンスだから、そんな難しくはないけどな。どうだ?一緒に踊ってみるか?」
「えマジ!?てかそれって・・・別の世界の曲で踊れるってこと!?うっひゃー!何それめっちゃ面白そうなんだけどー!やるやるーー!!」
かぐやもかぐやで、ソラトの話してくれたダンスに興味津々であり、かつ、そのダンスで踊る曲はおそらく、というか間違いなく、この世界にはない曲だろう。そこにかぐやも気づき、よりテンションが上がったため、すぐさまやることを決めた。
「コウセイ、確かあの曲あったよな?」
「あ、ああ。確か俺のスマホに入ってるけど、歌詞はなくてもいいか?なんか、歌詞まで使うと色々ヤバそうだし・・・」
「えーつまんなーい!あとで編集するから、この場では曲そのまんま流してよー!」
「あ、そっか。編集するのか。じゃあ、後で歌詞のないやつに差し替えるだったら、大丈夫かな・・・?」
「まぁ、大丈夫じゃねぇか?その人たちに迷惑かけるわけでもないし、その人たちも別の世界で自分の歌が流行ってたら、喜ぶだろうし。」
「そういうもん、なのか・・・? 」
色々言いくるめられた気もするが、とはいえ、なぜかはわからないが、その曲を丸ごと公開することに対し、物凄く嫌な予感がした。そのため、公開する時はインスト版にすることとしたうえで、この場では、歌詞のある原曲で踊ることに決めた。
そうしてかぐやと彩葉の手ほどきを受け、このツクヨミのアカウントの方に音楽をなんとか落とし込み、踊りの準備を始める。
「じゃあ、今から教えるのは、オメガダンス、っていうダンスなんだ。」
「えっそれまさか、ソラトのダンスってこと!?」
「なのかなあ。まぁ、そういうことにしといてくれよ。」
というわけで、今度はかぐやが、ソラトからオメガダンスを教わることとなった。
しかし、先ほどまでとは違い、細かい手の振りというのがなく、大きな動作が中心のため、かぐやもすぐに覚えていく。
「あ、意外と簡単。確かにこれなら子供も踊りやすいね!」
「だろ。だから、子供たちにも結構人気なんだぜ、このダンス。な、コウセイ?」
「ああ。ラジオとかでそういう話題は聞いてたから、多分そうなんだとは思う。」
「ていうか、こんな結構ロックサウンドで子供が踊るんですか・・・?」
「うーん・・・そうみたい・・・」
近くにそういった子供たちがいないことや、触れ合ったこともないためわからないが、いつも聞いていたラジオでは、オメガダンスが子供たちにも流行っているということを電波に乗せて伝えていた。
おそらくラジオで嘘をつくわけがないため、コウセイもそれが真実なのだと思っているため、ウキウキで踊るかぐやと、若干疑っている彩葉にもそう伝えた。
そして少しの練習を終え、いよいよ、オメガダンスの撮影を始める。
「じゃあ、いっくぜ~。コウセイ、ミュージック、スタート!」
『♪~』
「(・・・これ、ダンスっていうより、体操じゃない・・・?)」
彩葉が色々なところに思わず心の中で突っ込んでいたのだが、そのダンスを見て、ダンスより体操と思ったのも無理はない。
頭に両手を当てて、真っすぐに伸ばす運動や、肘を前に突き出したり体を大きく回したりと、ダンスというよりは、どこか体操に見える。
しかし、別の世界のダンスということだけあってか、かぐやもソラトも、楽しそうに踊っている。だからこそ、これ以上ツッコむのは野暮かと思い、踊り終わって楽しそうにしている2人を見ていることにした。
ちなみにこの撮影後、一連の動画をあげた際のコメントとして、
【想像よりもちゃんとしてて草】・【ガチなのか設定なのかわからないけどいい人そう】・【美少女宇宙人の友達はイケメン宇宙人かよ】・【宇宙人の地球人への言葉に俺氏涙が止まらない。】・【男女の友情は成立する?いや、し・・・てるわこれ】・【この2人で街ブラロケ行ってほしい】・【ファミレスのメニュー全部食べてみたとかやってほしい】・【ウチの小学生の娘はかぐやちゃんのダンス踊ってるけど幼稚園の息子がオメガダンスに興味持ったので今度一緒に踊ろうと思います。】・【これ体操じゃない?】
などのコメントが寄せられた。
数日後─────
「ねぇねぇ、こことかどう?」
夏休みのある日。夏期講習も今日はないことや、まだバイトまで時間があったため、2人で買い物のためにかぐやと外に出ていた。その目的地へ行く道中、たまたま目に入った不動産屋の店先に貼り出されている物件に、思わずかぐやは飛びつき、つられて私もその物件を見てみた。
<極上空間を味わうデザイナーズマンション 3LDK 家賃35万円>
「・・・こんなとこ住んでたら人間おかしくなるって・・・」
そこに書かれている家賃と部屋の広さ。羨ましさ以上に、こんな成金が住むような部屋を見て、思わず頭を抱えた。
今の家賃の・・・あれ?8倍?9倍?いつもなら簡単に割り出せるのに・・・なんか、頭がぼーっとするな。暑いからかな・・・あ、これが、熱中症ってやつかな、やばい、水分とか塩分とか・・・あれ、なんか・・・さむい・・・あだめだ、ちょっと気持ち悪い・・・
「・・・彩葉?彩葉・・・?」
かぐやの声が、凄く遠くに聞こえた─────
「・・・ん?」
気が付くと、私は自分の部屋にいた。
あれ?私、いったい何してたっけ?
確か、不動産屋の前で物件を見て、それから・・・それから・・・ダメだ、思い出せない。
てか、今何時・・・?
あれ?もう夕方・・・?
・・・夕方!?
「ヤバイ!バイト!」
「あ、彩葉!大丈夫!?しんどい!?」
「平気、すぐ出るから。」
そう言って立ち上がろうとしたが、やっぱり身体が動かない。これじゃあ・・・せめてバイト、休む連絡を入れないと・・・
「バイト休む連絡入れといたから。彩葉、もう休んで。」
「 ・・・え、かぐやが?」
突拍子もないことを言われて、思わず思考が完全に途切れた。
かぐやがバイト先に連絡を入れて休むと言ってくれたこと。それが信じられなかったが、確かにスマホを開き、バイト先のグループチャットを開いてみたら、電話をした履歴があり、店長からもわかりました。お大事にしてください。というメッセージが入っていた。
本当に、かぐやが連絡を入れてくれたんだ・・・驚きと、少しの感動と、感謝と、そして・・・休んでしまった罪悪感。色々な感情が私の中で出てくるが、そもそも、一番大事なことに気づいた。
「ていうか、なんで私、家にいるの・・・?かぐやが連れてきてくれたの?」
そう、体調が悪くて思い出した。
確か私は、かぐやと不動産屋の前で話してから、急激に気分が悪くなった。そして、そこからの記憶がない。
ただ、少なくとも言えるのは、私とかぐやは外出していたということ。距離感は曖昧だが、家からも少し離れていたと記憶しているため、いくらなんでも、かぐやが私を担いでここまで連れてきたわけはない。
タクシーか何かを使ってここまで運んできてくれたの?と尋ねたところ、ううんと言いながら、かぐやは首を横に振った。
「コウセイに連絡して、ここまで運んできてもらったの。」
「・・・コウセイさんが?」
遡ること、少し前─────
突然、コウセイの今この世界で使用しているスマホが鳴り、持っていた段ボールを置き、慌てて画面を見る。
画面には、かぐやの名前が出ていたため、慌てて電話に出た。
「もしもし?」
『もしもしコウセイ!?彩葉が、彩葉が!』
電話越しだが、普段とは様子が違い、慌てているかぐやに驚くが、すぐに対応を切り替えることにした。
以前に受けた、怪特隊の医療関連講習の経験から、今のかぐやに落ち着いて説明をしてもらうのは無理だということは瞬時にわかった。
そのため、クローズド・クエスチョンで、一つずつ質問をしていくことにし、現在の状況と今いる場所を聞いたうえで、まずはどこか日陰のある場所へ彩葉を連れていくよう、電話で指示を出しながら、コウセイもすぐに倉庫を飛び出して車に乗り込みその場へ着くと、彩葉とかぐやを乗せたうえで、一旦家へと連れて帰ることにした。
病院という手も考えたが、かぐやが冷静でないことに加え、そもそもこの場にいる2人、彩葉とどういう関係性なのかを言われると、正確に答えられない。もっと言うと、自分は別の世界の人間であり、かぐやも宇宙人だ。保険証が使えるわけがないことに加え、以前にソラトが風邪を引いたときに考えた、最悪のことも想定される。そうなったら、彩葉やかぐやの今の生活に影響が出る可能性が高い。
それに、今彩葉は一人暮らしだが、そもそもなぜ一人暮らしをしているのか。親がいるのかどうかという、プライベートなことはこれまで一切聞いてこなかったため、親御さんに連絡は?ともし病院に行って医者から尋ねられた際、どう返してもいいのかもわからない。
だからこそ、いったん家へと連れて帰り、様子を見たうえで、その後で病院に行くかどうかを決めることにした。
そうして一度家へと連れて帰ってきた後、薬やスポーツドリンク、栄養ドリンクなどを買うためにいったんコウセイは外へ出て買い出しに行き、その間、かぐやが彩葉のそばについて看病をし、そして今ようやく目が覚めた・・・という一連の流れをかぐやから聞き、彩葉もなるほど・・・と納得した。
「かぐやだけじゃなくて、コウセイさんにも申し訳ないことしちゃったな・・・」
話を聞き、コウセイも急遽仕事を一時中断して飛び出してきたのだということはすぐにわかった。かぐやだけでなく、コウセイに対しても迷惑をかけたことを申し訳なく思っていると、かぐやが不安そうに、声をかけた。
「・・・なんで彩葉は、そんなに一人で頑張らないといけないの?」
えっ?とかぐやの方を彩葉は向くと、かぐやの目が少し潤みだしていた。
「うっ、うっ・・・ かぐやのせい?かぐやもめっちゃ無理言っちゃったし・・・彩葉あ、死んじゃったらヤダぁーー!!あーーーーーん!!」
そっちが泣くの?というか、鼻水まで・・・どっちが病人なんだかわからない・・・そう思いつつも、かぐやをなだめながら、制服から寝間着に着替え、マスクをしたうえで、彩葉は、自身の境遇を話すことにした。
─────元々私は、京都の生まれで、中学までは京都にいたということ。そんなある日、子供の頃に亡くなったお父さんの話。東京に一人暮らしをしに出て行ったお兄ちゃんの話。お父さんが亡くなってから変わった母の話。その母と対等に向き合うために、一人暮らしをすると決め、東京に出てきたこと。
これまで、かぐやに話してこなかった自分の境遇を、赤裸々に打ち明けた。
「それで、私が一人で学費も生活費も賄うならってことで、やっと折り合いがついたんだよね。」
「えらい簡単に言ってるけど、みんなそんなことしてなくない?」
確かに、かぐやの言うことも一理ある。芦花や真実も、というか私のクラスメイト。いや、それこそ学校内全体でも、ここまでしている人間など、片手の指で数えられるどころか、下手したら私だけだろう。
ただ、ここまでしなければ、母と対等には喋ることなんてできない。そうしないと認められない。その想いは、ここで一人暮らしをした頃から変わらない。
「お母さんはそのくらいのこと平気でやってたし、私も譲らなかったし。最初にここで目を覚ました時のことよく覚えてる。何にもないし、誰にも頼れないけど、自分の力で生きるんだって思ったらめっちゃ力湧いてきた。よっしゃ、なんかラッキー、みたいな?」
「いやいやいや、ラッキーじゃないっつーの!宇宙人調べでもそのお母さん激ヤバおかしいって!おかしいーおかしいー!!」
かぐやは私の境遇に駄々をこねて叫んでいるが、確かに、かぐやの言う通りだと思う。私だって、自分で言っていながらも、そう思う。
でも・・・
「かぐやには・・・」
「え?」
「・・・ううん、なんでもない。」
何かまだ聞きたげな表情をかぐやは浮かべていた。でも・・・私としてはもう、あんまり喋りたくなかった。それは、体調という意味もあるのだけれど、それ以上に・・・
そんな折、突然かぐやは立ち上がったかと思うと、玄関まで向かっていくと、ドアを開けた。
「コウセイ、いるのわかってたよ?」
「・・・」
近くの駐車場に車を停めてから、近所にあるドラッグストアで色々なものを買いだしてきたコウセイが、ドアをノックしようとした瞬間、ドア越しに聞こえてきた、彩葉の過去。本来ならば聞こえないものだが、ソラトと合体したことで、前よりも少しだけ、耳がよくなっていた。だからこそ、聞こえてきた、いや、聞いてしまった、彩葉の過去。
初めて会った時から口には出さなかったが、一人暮らしの女の子が住むには、このアパートは正直、どうかと思った。オーナーの人柄がいいのは承知しているが、ただ、それでもセキュリティ面はしっかりしているわけでは到底なさそうな、いわゆる、ボロアパートだったからだ。
しかし、こんなところで一人暮らしをしているということは、ひょっとしたら、両親共にいないのかもしれないと思っていたが、実際は、かなり複雑な家庭環境であり、思わずコウセイも苦い表情を浮かべる。
そして、何よりも・・・タイミングが、悪い。こんな状況では、とてもではないが入れない。
ならばもういっそ、このまま買いだしたものだけ玄関において立ち去るべきか・・・そう思っていると、ドアがガチャッという音と共に開いた。
「コウセイ、いるのわかってたよ?」
「おぉぉえぇっ!?お、俺はたまたまちょうど・・・」
「ううん、ありがとコウセイ。気遣ってくれて。やっぱりコウセイは、やさしいだね。」
かぐやの言葉に思わず黙りこくってしまうが、とはいえこれ以上の言葉も言えないことや、ここまで来たら、もうはぐらかす必要もないと開き直った。部屋に入ると、彩葉とかぐやに色々なものを手渡しながら説明をしていく。
「はい。こっちが熱覚まし用の薬で、こっちが一般的な風邪薬。それと、栄養補給用のスポーツドリンクとかゼリー飲料。それとあと、消化にいいようにうどんとかも買ってきたから。」
「ありがとうコウセイ!じゃあ私うどん作ってくる!」
コウセイが説明を終えるや否や、かぐやは早速うどんを茹でるため台所へと向かい、夕飯の準備を始めた。
「あ、ありがとうございますコウセイさん。運んできてもらっただけじゃなくて、こんなにいろいろ買ってくれて・・・」
「気にしなくていいって。こういう時はお互い様だろ?そんなに気にしなくていいって。むしろ、こっちこそごめんな。病院連れてけなくて。別の世界だからさ、保険とか今俺も使えなくってさ・・・」
「いえ、いいんです。これは私の問題ですから、コウセイさんは気にしないでください。体調崩した、私が悪いんで・・・」
「いやいや!自分責めんなって!それだけやってたらしょうがないって!とりあえず、今はゆっくり休むこと。いい?」
「は、はい・・・」
お互いに気を遣いあっているからか、表面的な会話しかないが、とはいえコウセイが買ってきてくれたものは、何も指定していない。彩葉のことを思って買ってきてくれたものばかりだ。自らも大変なのに、こんなにたくさん買ってきてくれた。その優しさに感謝するが、向こうはなんてことないように返してきたため、思わず次の言葉が出なくなる。
本当にこの人は、優しい人だと、彩葉は改めて思っていた。
『なぁコウセイ、ちょっと彩葉に聞いてみたいことがあるんだけどいいか?』
「あぁ。いいけど、どうしたんだ?」
『いや、ちょっとな。』
そんな折、ソラトが彩葉に質問をしたいことがあるとコウセイに尋ねてきた。
これまで、ソラトが彩葉に何かを尋ねるということがなかったため、そのことに少し気にはなったが、とはいえ否定する必要もないため、ソラトが彩葉に尋ねたいことがあると伝えると、向こうも承諾し、ソラトの声が聞こえるよう、彩葉もかぐやのブレスレットに手を置いた。
『なぁ彩葉。彩葉って、何がやりたいんだ?』
「・・・え?」
そのソラトさんの質問の意味が、わからなかった。
「えっと、どういうことですか・・・?」
『彩葉がそういうお母さんとの約束事を守って一人で暮らしてるのはわかった。そのために勉強も運動も頑張ってるのもわかった。頑張ってるのはとってもすごいけど、それって、何かやりたいことがあるから頑張ってるんじゃないのか?』
・・・それは・・・
「そ、そうしないと生活ができないっていうか、そうじゃないと認めてもらえないから・・・」
『自分を認めてもらうために頑張るっていうのは、俺は違うと思う。何かになりたいとか、やりたいことがあるとか、自分の中に目標があるから頑張るんじゃないのか?ていうか、お母さんと対等に喋るって、彩葉がどういう状況になったら、お母さんと対等になるんだ?そもそも、お母さんは、彩葉が自分と対等になることを望んでるのか?』
「そ、それは・・・」
・・・そのソラトさんの発言に、ただでさえふらふらしている頭が、よりクラっとしてきた。
「・・・あ、あー!彩葉ちゃんごめん!ソラトが変なこと言って!ただでさえ体調悪いところこんなこと言ってごめん!あ、俺も仕事途中で抜け出してきたからそろそろ帰るね!じゃあまた!お大事にね!」
『お、おいコウセイ!』
その流れに耐え切れなくなったのか、コウセイさんが慌ててその場を制し、急遽帰ることにした。
しばらく私達2人ともに呆然としていたが、そうこうしている間に、鍋がぐつぐつと煮える音がしてきたため、慌ててかぐやもコンロへと向かう。もう少しでご飯が出来るということなので、買ってきてもらったスポーツドリンクを飲みながら、待つことにした。
・・・ただ、私の心の中に強烈に、先程の言葉は残った。
"彩葉って、何がやりたいんだ?"
"彩葉がどういう状況になったら、お母さんと対等になるんだ?"
""お母さんは、対等になることを望んでるのか?"
これまでは、勉強をして、いい大学を出て、いい仕事に就いて、それでお母さんに認めてもらう。
それが一番大事というか、それ以外の道はないと、そう思っていた。そうすれば、私のことを認めてもらえると思ったからだ。
一人暮らしをしてから今まで、そのことは決して揺るがないし、それしか道がないと思っていた。
けれど、熱に浮かされてなのか、寝不足だからなのか、気持ちが悪いからなのか…それとも……宇宙人という、地球外生命体だからこその意見を真に受けてしまったからなのか………初めて、思ったことがある。
……私がやりたかったことって、お母さんに認められることだったんだっけ?
……ていうか、どこまでやったら、お母さんは認めてくれるんだろう?
……私って、本当は、なにがしたいんだろう?
……私のやりたいことって、なんなんだろう……
「おいソラト!あんなこと体調悪い彩葉ちゃんに聞くなよ!大体お前そういうところがなぁ!」
『あーもう悪かったよ!ただ、気になったんだよ。彩葉は、あんなに全部頑張ってるのに、何がしたいのかわからなかったからさ。』
一方、倉庫へと戻る車内では、コウセイがソラトに対し、軽く説教をしている状態となっていた。
「彩葉ちゃんも色々あるんだよ。それに、たぶんそこまで言うってことは、かなり厳しいお母さんなんだろ?」
『うーん・・・厳しい、ってのはあんまよくわかんないけどさ、ただ、彩葉は頭がいいのに、誰かの役に立ちたいとか、誰かのためになることがしたいとかって目標がなくて、お母さんに認めてもらいたいっていうのだけで頑張るっていうことは、俺は違うと思うし、それじゃなんのために頑張ってるんだろうって、いつかわかんなくなる時が来ると思ってさ。』
前に彩葉に話していたが、ソラトはその気はないが、無意識のうちに、人の痛いところを突いてくる癖がある。
だが、実際ソラトが口に出すことは正論であり、それを聞いた当人もまた、わかっている。だからこそ、それを突き付けられると、困ってしまう人が数多くいる。というよりも、何人もいた。
今回もまたそうであり、コウセイに諌められつつも、ソラトは、自分の考えを口にした。
ただ、コウセイもソラトの考えを決して否定しているわけではなく、むしろ、言っていることに対しては概ね同意している。
というのも、まさに自分が、そうだったからだ。そして、事実、手痛い失敗もした過去がある。
あの時、認めてもらいたいという自分の慢心が原因で、多くの人を傷つけてしまった。そうしてボロボロになったNDFの作戦基地の光景と、エルドギメラに倒されるオメガの姿は、一生忘れることはないだろう。その苦い経験から、認めてもらうために頑張るということはしなくなり、元々自分が思っていた、やりたいこと、を思い出し、それを大事に行動するようになった。もう、認めてもらうための行動というのは、自分はしない。
しかし、彩葉は自分とは違い、顔も知らない不特定多数の人に認めてもらうというわけではなく、その先にいる対象が、母親だ。かつ、聞いていた限り、家族仲があまりよくないからこそ、この問題については、ソラトの立場に立つということもできず、かといって彩葉の立場に立つというわけにもいかない。そして、家族のことに対して、第三者の自分がとやかく言うわけにはいかない、本当に難しい問題だからこそ、コウセイも頭を悩ませていた。
「・・・その気持ちはわかんなくはないけどさ、ただ、ソラト。家庭の問題っていうのは、お前が思っている以上に本当に難しい問題だし、他の人の家庭の問題に安易に首突っ込むわけにもいかないんだよ・・・」
『ふーん。そんなに難しいんだな、家族の問題って。』
「そういうもんなんだよ。エーイチ君だってさ、トクサツをこれからも撮るために、親や先生と相談して、勉強も頑張ってるって前に話してたしさ、たぶん、どこの家庭もそうなんだと思う。てか、俺だって、実は親から結構言われたりも前はしてたしさ。」
『そうなのか?』
「ああ。陸上辞めた直後は、結構言われてたんだよ。お前これからどうすんだーって・・・実際さ、オーナーのところに入るまで、結構色々あったし。ていうか、ソラトと出会うまで、俺もやりたいこと、見つかんなかったしさ。」
ソラトに言ってこなかったが、コウセイにも親からそう言われていた過去があり、そっか・・・と、ソラトも思わず黙りこくってしまう。そのまま静かな時間が続くが、『あ、でもさ、』とソラトが切り出した。
『俺一つだけ思うんだけどさ、彩葉は、かぐやと一緒に何かしてる時、めっちゃ楽しそうに見えるんだ。コウセイと、俺みたいに。』
「あー、確かにそうかもな・・・」
それは、前にかぐやの動画をコウセイと一緒に見ていた時に感じたことだったが、どことなく、彩葉が楽しそうに見えた。加えて、ツクヨミにログインしている回数はそこまで多くはないものの、それでもやはり、かぐやと一緒にいる時の彩葉は、喜怒哀楽に溢れている。怒ったり笑ったり、忙しそうであり、その時の彩葉は、そんな複雑な事情を抱えているようには見えなかったのはもちろん、心の底から、楽しそうに見えた。
それはまるで、自分と、コウセイの関係のようにも見えた。
それは、コウセイもそう感じていたようであり、そのことを聞き、「・・・ひょっとしたらさ、」と、今度はコウセイが切り出した。
「彩葉ちゃんも、かぐやちゃんと一緒にいるからこそ、やりたいことが見つかるかもな。俺がソラトと出会ったからこそ、やりたいことを見つけられたみたいに。」
『だといいな・・・ただコウセイ、一つだけ忘れてることあるぜ。』
忘れていることがあるとソラトは含みを持たせたように言うが、そのことにピンと来ていないコウセイに対し、ソラトはオメガメテオの中から、大事なことを伝えた。
『俺だって、コウセイと出会えたから、自分のやりたいこととか、宇宙観測隊のオメガじゃ見つけられなかった答えを、見つけられたんだ。』
「・・・そうだったな。」
それから数日後─────
「ソラト!コウセイ!おねがい!力貸して!!このままじゃ私、お嫁に行かされちゃう!!」
「「はあ?」」
「あんたどこでそんな言葉覚えたのよ・・・」
あれから数日経ち、彩葉の体調も回復したそうで、体調の回復と併せて、コウセイへの感謝の連絡があり、そこについてはコウセイも一安心したのだが、その連絡と共に、急遽ツクヨミで話したいことがあるということで、こうしてツクヨミ内の個人的なミーティングスペースに集まったところ、真っ先に言われたことがこれだった。
「えっと、いったい何が・・・?」
事情を全く呑み込めていないコウセイに対し、彩葉が目の前に出してきたのは、一つの巻き物だった。
ただ、巻き物の形をしてはいるが、このツクヨミではメールやメッセージが具現化したものでもあり、メッセージが届いた際には、設定の変更をすることで、こうして巻き物形式で読めるようにもなっている。
そのため、巻き物の中身もとい、2人宛に届いたメッセージに目を通すことにした。
・・・・・・・・・
Black onyX 帝アキラさんからのメッセージ
はじめましてかぐやちゃん!
俺はブラックオニキスの帝アキラ
ファン数 100万おめでとう!
ここからは提案なんだけど・・・
KASSENで
帝 VS かぐやの竹取合戦
ってのはどう?
かぐやちゃんが負けたら……
やっぱ俺と結婚、かな?
こっちが負けたら、なんでもお願い聞くよ
俺らでツクヨミ盛り上げようぜ!
・・・・・・・・・
「マジ!?かぐや結婚すんの!?」
「ちーがーうーソラトー!させられそうになってんのー!!」
「むしろ、どっちかっていうと、宣戦布告かと・・・」
ソラトの大真面目なリアクションに、思わずかぐやが突っ込んだ後、彩葉がざっくりと、現在の状況の説明を始める。
Black onyXとは、別の世界からやって来たコウセイとソラトが知らなくて当然だが、現在このツクヨミ内で一番人気のあるグループだと言われており、そして、まさにかぐやが目標としているヤチヨカップでも、現在トップを独走しているグループでもある。
そのグループのリーダーである帝アキラから、今回こうして結婚を申し込まれたそうなのだが、その方法というのが、このツクヨミで大人気のゲーム【KASSEN】にて対戦をし、向こうが勝ったら結婚、というルールでの勝負を申し込まれた。
これが、メッセージで言われている事の内容である。
「えぇっ!?それってめっちゃやばいじゃん!?」
「そうなんですよ・・・ただまぁ、正直半分は冗談だと思いますけど。」
「えっ、そうなの?」
「あ、まぁ、はい・・・過去の配信とかでも、ブラックオニキスってそういう誇張表現よくしてたんで、今回もそうかなー、って・・・」
その彩葉の言い方がなんだか歯切れの悪い言い方だったが、とはいえソラトとコウセイも、その帝アキラ、並びにBlack onyXの各メンバーの人物についても知らなかったためそこまで深く聞くことはせず、改めて、本題に入ることにした。
「でさ、さっき言ってた、力を貸してほしいって、どういうこと?」
そのかぐやのお願いについて、代わって彩葉が説明をした。
そのKASSENにおいて、基本は3人1チームとなってプレイをするのだが、困ったことに、今はかぐやと彩葉の2人しかいないため、実質プレイができないというのだ。
だからこそ、ソラトとコウセイのどちらかがチームに入ってほしい。それが力を貸してほしいということなのだが、ここでコウセイは、あれ?と、あることに気が付いた。
「あれ?でもさ、確かかぐやちゃんと彩葉ちゃんの友達の、ROKAって子とまみって子は?その子たちはどうなの?」
コウセイの疑問はもっともだった。
前に話していたROKAとまみまみ。彩葉のリアルの友人でもあり、かぐやの友人でもあるあの2人はどうなのかと尋ねてみたところ、あぁ・・・と、明後日の方向を向き、半ば諦めたような顔を、彩葉こといろPは浮かべた。というか、今現実でもこんな顔をしているような気がした。
「芦花はさすがに相手がプロゲーマーは無理だからパスって言われて、真実は・・・」
「まみは・・・?」
複雑な表情を浮かべた後、彩葉の口から語られた、まみまみこと、真実が断った理由。
それは・・・
"えぇえぇえぇえええぇっ!?わ、わだしが帝様とKASSEN!?む、むりむりむびるりりりむりぶりたえられないたえられないしんじゃうしんじゃうむりまじたえられrんnbこあbぁ・・・"
「・・・ってなりまして。真実、帝のガチオタクなんで・・・」
「あー・・・」
なんというか、この状況を聞くだけで納得した。もう、これ以上の追及も不要だ。
しかしだからと言って、公募というのも時間がないことや、そもそもそうしたところで、シンプルにBlack onyXと渡り合える実力があるのかどうかということもあるが、それ以上に、見知らぬ第三者を仲間に入れることで、かぐやが宇宙人だとバレることのほうがまずいと、彩葉は判断した。
だからこそ、もう身近で頼れる人が、ソラトとコウセイしかいなくなったというわけで、今日こうして連絡をし、相談を持ちかけた・・・というのが、メッセージで相談をした理由だった。
彩葉から説明を受け、納得はしたものの、コウセイは悩んでいた。
当然ながら、KASSENなるゲームはプレイをしたことがない。ましてや相手はプロゲーマーだ。初心者のこちらが勝てるかどうか・・・
「めっちゃ面白そうじゃん!やるやる!いいぜ!」
「ソラトぉ!?」
そんなコウセイの憂いを全く考えず、あっさりソラトはOKを出し、それに対しコウセイは驚く。
「ほんと!?ありがとうソラトーーー!!うんうん、持つべきものは、やっぱ宇宙人のマブダチだね~!」
「ほ、本当にいいんですか!?」
「おう、いいぜ。かぐやと彩葉も困ってるし、それに、ゲームなんてしたことないから、めっちゃ面白そうだしな!」
ワクワクが隠せないのか、笑顔を浮かべているソラトに対し、彩葉は一番重要なことを尋ねる。
「あの、受けてくれるのはもちろん嬉しいんですけど・・・ていうか、ソラトさんKASSEN出来るんですか?」
「そうだよ!お前そもそもわかんねーんだろ?KASSENがどんなゲームなのか!まぁ、俺もなんだけどさ・・・」
3人目の仲間が見つかったことには一安心だが、とはいえソラトがKASSENを知っているとは思えない。そう思ってその質問をしたところ、コウセイもかぶせてきた。
「わかんない!だからさ、教えてくれよ。」
予想は、当たった。
「「・・・不安だ・・・」」
この言葉が見事に被ったのだが、これを言ったのが誰なのかは、言うまでもないだろう。
ちなみにその隣にいる宇宙人2人はこれから起こる不安など露知らず、犬DOGEと戯れていた。
「・・・で、天守閣にこれを打ち込むっていうゲームです。」
「へー!楽しそうだなこれ!んじゃあ・・・」
それからしばらくし、4人はKASSENの練習フィールドへと来ていた。
彩葉からKASSENについての概要を聞いたうえで、ソラトはコウセイの方を向いた。
「コウセイ、メテオカイジュウ達貸してくれ。」
「んなもん使わせるか!お前ツクヨミ破壊する気か!?」
速攻ダメと言われ、ちぇーという反応をソラトもするが、その理由をコウセイは語る。
「大体、そこに入れるのは3人だけなんだろ。俺が遠くからレキネス達を操ることだって無理あるし、そもそもあいつらちゃんと出したら、50メートル近くになるんだぞ。そんなもん出したら一発アウトだ!」
「・・・あの怪獣たち、そんなに大きくなるんですか・・・?」
「すっげーー!それでブラックオニキスを一発KOだ!」
「それ、100%チート。不正行為と見なされて垢BANくらうから・・・」
メテオカイジュウ達の詳細な能力をコウセイから聞き、驚くかぐやと彩葉だったが、しかし同時に、そんなもの出したらそれはチート・垢BAN。つまり強制退会だと論破されてしまう。
しかし、その説明を聞きながらもソラトは、腕を組みながら首を少し傾けており、しばらくした後、首を真っすぐにし、彩葉を呼んだ。
「・・・なぁ、このKASSENって、結構何でもありなんだろ?」
「えっと、そうですね。本物の戦国時代の合戦さながらに、結構自由度は高いですね。」
「それに、さっき彩葉も動物で移動してただろ?で、そのブラックオニキスってのも、彩葉みたいに、なんか移動手段持ってんのか?」
「は、はい。そうですね・・・虎型のバイクで移動してますね。私の高速のものとは違って、中速の移動手段ですね。」
「・・・てことはだ、別に移動限定にして、なおかつちっちゃくすりゃ、メテオカイジュウ達も連れてっていいんじゃねぇか?トライガロンとか、ヴァルジェネスとか!」
「「「・・・え?」」」
それは、チート・垢BANぎりぎり一歩手前かもしれないのだが、同時に、決してソラトが今言ったことも、あながち突拍子もない意見というわけではなく、ちゃんと考えたうえでのことだった。
確かにKASSENには、移動手段として、空を飛べる高速なものと、地上を進む中速のものがあり、中速のものは特に制限なくどこまでも乗れる。先ほど彩葉が話していた、Black onyXが使用する虎型のバイクは、その中速の移動手段に該当する。
一方、先ほど練習時に彩葉が乗っていた黒いオオタカは、高速のものに該当される。こちらは、空を飛んでフィールドを移動できるものの、ある程度まで進むと、地上に無数にいるNPCの敵キャラこと、ミニオンたちから総攻撃を受けるので降りる必要がある。
そして、先ほどソラトが提案したことは─────その高速の移動手段にヴァルジェネスを。中速の移動手段にトライガロンを使用する、ということだった。
「で、できんのかよそんなこと!?大体ソラト、あいつらだって大きさが──」
「わーかってるわかってるってコウセイ。けどな、言ってなかったんだけど、あいつら、大きさ結構自由に変えられるんだよ。」
「・・・え?そう、なのか?」
本来の持ち主の意見に、そうだそうだと言わんばかりに、メテオカイジュウ達も一度吠えた。
コウセイがメテオカイジュウ達を操っていた時は、手に持てるサイズのスリープモードから巨大化をさせていたのだが、ソラト曰く、それはあくまで、オメガや怪獣たちに合わせて大きくさせていただけであり、実はメテオカイジュウ達の大きさは、自由に変えられるのだという。
そのことにコウセイも驚いていたが、確かによくよく考えたら、そんな中途半端な大きさの怪獣なんて出たことがないことや、そもそも、常に相対する怪獣の大きさに合わせて巨大化させていたため、いつの間にか、あいつらは巨大化するか、こうして小さくなるかの2択しかないと思い込んでしまっていた。
コウセイもメテオカイジュウ達のことはよく知ってはいるものの、ソラト、いやオメガが本来の持ち主だということもあり、まだ知らない使い方を教えてくれたことに驚いたが、それと同時に、まだ知らないことがあることに少しだけショックを受けるも、そんなコウセイを慰めるのもまた、メテオカイジュウ達であった。
そのため、ソラトや彩葉、かぐやを乗せるだけのサイズなら、せいぜい2,3メートルあれば十分であり、かつ、小さければコウセイへの体や脳への負担も少ないため、メテオカイジュウ達も長時間出すこともできるだろう。
それに何よりも、ここではある意味、メテオカイジュウ達も魂だけの存在だ。そもそも体や脳にどれだけ負荷がかかるのかも未知数であるため、ひょっとしたら、体へのダメージもないのかもしれない。
そのような説明を受け、全員もなるほど・・・と納得をした。
「まぁ、それならメテオカイジュウ達も連れてっていいのかもな・・・」
「そうだよー!大体、向こうプロゲーマーなんだから、このくらいのハンデなきゃ勝てないっつーの!おい帝ー!女の子フルボッコにしたら嫌われちゃうぞー!」
「いや大体そもそもこんな宣言してくる時点でハンデとか考えてるわけないって・・・ていうか、この場で言っても向こうに伝わってないから。」
そんな話をしていた矢先、あることに彩葉は気がついた。それは、移動手段以上の問題だった。
「そういえばソラトさん、武器ってどうするんですか?何か買いますか?」
「ん?あるぞ?」
え?と彩葉が言った矢先、ソラトは頭の上に右手を構え、その右手を目の前に伸ばした瞬間、額から赤い光の何かが飛び出すと、一瞬で右手に収まった。
「これでいいだろ?」
「・・・え”?」
このツクヨミ内では、彩葉のアバターも、キーボードから、現在ツクヨミで使用している武器である、双剣を連結させたブーメラン状の武器のようなものまで一瞬で出せる。
そのため、今ソラトが行った方法もそれに近いが、ただ、エフェクトが明らかに異なっており、赤い光と共に頭の上から突如現れたのだ。それこそ、手品のように。
というより、それ以上の問題として、ソラトが武器を購入しているところは見ていない。というか、この様子なら、買い方もわかってはいない。
つまり、これは・・・おそらく・・・いや間違いなく・・・
宇宙人の、ウルトラマンオメガの、武器。
「えー何今の超カッコイイーーー!!ソラトなにそれなにそれ!?」
「これか?これは、オメガスラッガーって言って、まぁ、俺の体の一部、みたいなもんだな。これ、ブーメランみたいに投げて相手を倒せるし、持って構えたら剣みたいに切ることだってできんだよ!」
「えーすっごー!めっちゃかっこいいー!もう一回出してー!」
「・・・宇宙人、もうわけわかんない・・・」
盛り上がる2人と、呆然とする彩葉の一方で、コウセイはプレイをするわけではないが、これで本当にいいのか、内心不安ではあった。
それこそ、メテオカイジュウ達やオメガスラッガーまで使う。もっと言うと、何故かは未だにわからないが、一緒にツクヨミに入ってこれている、魂だけの存在であるソラト。彩葉やかぐやと違い、何かを操作するわけではなく、ソラト本人がそっくりそのまんまゲームキャラとしてKASSENに参加するということ。そして、オメガに付随する能力を使うことが、先程話していた、チート、不正行為になりかねないか。それが不安であった。
「大体、ソラトもトライガロンもヴァルジェネスも、不正行為って見なされねぇのかなぁ・・・?」
「んー?ちょっと色々グレーかもだけど、でもまぁ、これでブラックオニキスとバランスは取れそうだからいいよ。」
「あぁそうですか・・・え?」
声が聞こえてきたためコウセイも反応したが、ふとコウセイは疑問に思った。
そもそも、この場にいるのは自分を含めて4人だけだ。ソラトとかぐやちゃんと彩葉ちゃんの3人は今自分の目の前にいる。
だから・・・後ろから人の声が聞こえてくるなんて、ありえないのだ。
そう思い、後ろを振り返ったところに、いた。
「ヤオヨロ〜!ちょっと様子が気になったから、見に来ちゃった♡」
─────このツクヨミの、管理人が。
「る、月見ヤチヨ!?」
「ひぃぃぃっ!?ヤ、ヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤチヨ!?!?なななななななななななななんでなんでなんで!?!?」
「なんだ?どうした彩葉?」
「ソラトー。彩葉はね、ヤチヨの限界ギリギリガチオタクなの。」
「むっむむむむむむむむむむむむりむりむりむりむりちかいちかいちかいちかいななんあなななななんでなんでこのパーソナルスペースにヤヤヤヤチヨがあああああああばばばばっあっばばばばばば」
「もー、落ち着きなって彩葉ー。」
「彩葉もさっき話してたまみみたいになってんぞ?」
突然目の前に現れた推しに、言葉と視線がままならない彩葉をかぐやとソラトがなだめてるその横で、コウセイはヤチヨに話しかけた。
「で、えーっと、月見ヤチヨさん、ですか?」
「もー、ヤチヨでいいよ、コウセイ。」
「えっ?俺の名前も知ってるんですか!?」
「もっちろん!ヤチヨは管理人だから。なーんでも知ってるのだー!だ、か、ら、」
楽しそうにスキップしていたが、立ち止まると、振り返り、ソラトの方を見た。
「そこの、どうやって入ってるのかわからない、かぐやの友達の宇宙人、オオキダ ソラトのこともね。」
急に、声色が変わった。表情は先ほど同様笑みを浮かべてはいるが、先程までの楽しげな表情とはまるで違う。
例えるならそれは、異物を排除しようと言わんばかりの、管理者としての表情。
だからこそ、コウセイも先ほどまでとは打って変わり、ヤチヨに対し、少し身構える。
「・・・ソラトを、俺たちを、どうするつもりですか?」
「ん-と、そうだなー・・・」
口元に人差し指を当て、クスリと笑みを浮かべた後、周囲をゆっくり歩き回るヤチヨ。
笑みを浮かべてはいるものの、どこか底知れない恐ろしさを感じる。今のヤチヨはまるで、コウセイとソラトの生殺与奪の権、その全てを握っているかのように、ゆっくり歩き回っている。
「けどねー・・・」
だが、立ち止まると、背を向けた。そして少しすると、肩が少しずつ震えだしてきた。
その様子に、コウセイも訝しげにヤチヨを見つめる。
そして、少しの間を置いた後・・・
「わっかんなーい!!ねぇコウセイ、ソラトのこれどうやってんのーー!?」
こちらを振り向くと、まるで鼻水かのように、たらーんとヤチヨの目から涙が出る表情に変わり、そう言った。そしてすぐ、コウセイも往年のアニメ作品のようにずっこけた。
「コウセイなにしてんだ?」
「いやいや、予想外のことにずっこけんだろ!?大体、あんな真剣な顔されてそんなこと言われたら、俺たちツクヨミから追放されるかもしれなかっただろ!?」
「いや、追放なんてされないだろ?だって、コウセイはツクヨミで何も悪いことしてないのに、追放されるって変だろ?それに、俺は今コウセイと一心同体になってて、魂だけの存在なんだから、俺だけを追放することもできない。そうだろ?」
ソラトの指摘に、コウセイもハッとさせられ、ヤチヨの方を見る。
「せいか~い!そうなんだよね~。そこのソラトは、最初のログインからずーっと、ログイン情報はコウセイのデバイスからって出る。でもログインするとなぜか2人分毎回出てくる。おやおや~?これは何の不正だ~?って思って調べてみても、1台しかスマコンを使ってないから共用しているっていうわけじゃあない。でもやっぱりログインすると、2人が毎回ツクヨミには存在する。おやおや~?ってなって調べても、やっぱり1台しかスマコンを使ってないから共用しているっていうわけじゃあない。おやおや~?って調べても、」
「いやさっきから話がループしてる!で、結局何が言いたいの!?」
「つまりねー・・・このことについて、もう考えるのがめんどくさくなっちゃったー!だ、か、ら、ソラトとコウセイがツクヨミの中で悪さしないなら、もういいやー!ってことにしたの!」
「な、なるほど・・・管理人なのにそんな雑な対応でいいんだな・・・」
「ん~?なんだいなんだい?ヤッチョがそんなに完璧人間だと思ったかい?ざんねん!ヤチヨはー、実は悪いやつなのです!なぜなら、こんな不正ログインをしている悪いやつを見逃しているのですから!」
「いやいきなりの手のひら返し!?」
「それに~、ヤッチョは8000年も生きていても、わからないこともあれば、この歳になって初めての体験もあるのだよワトソン君!」
「今度はシャーロック・ホームズかよ・・・」
「おぉ~。コウセイはなかなかツッコミがうまいね~。どおどお?ワタシのツッコミ役として働いてみない?1日150ふじゅ~とかで!」
「やっっっす!それ150円ってことじゃん!」
「ん~?でもアイスくらいなら買えるよ?それでー、仕事が終わったら~、私にアイスを買うっていう条件でどう?」
「いやそれ結局俺タダ働きってことじゃん!!・・・ていうか、今更なんだけど、そもそも、なんでこのツクヨミの管理人が、こんなところに来たんだ?」
話があっちに行ったりこっち行ったりしていたが、ようやく、そもそもどうしてこの場にツクヨミの管理人であるヤチヨが来たのか。その理由をようやく聞くことにした。
「お前らがチートしてないか見に来たんだよ!」
それに対して回答をしたのは、ヤチヨではなく、ヤチヨの肩からにゅっと飛び出した、ヤチヨの隣にいるマスコットキャラクターであるFUSHIだった。
だが、チュートリアルの時とは違い、可愛げが一切ない、荒げた口調で答えたため、あれ?とコウセイも疑問を浮かべた。
「このキャラ・・・こんなキャラだったっけ?」
「うるさい!あれは仮の姿だ!大体、ヤチヨがここに来たのは、お前らがブラックオニキスと対戦するにあたって、チート使って不正行為してないか見に来たんだよ!大体──」
「おー。こいつ触り心地いいな。」
「おい!やめろ!はなせ!」
FUSHIが説明をしている最中、ソラトが横からやってきてFUSHIを持ち上げると、あちこち触りだしていく。その触り方にFUSHIも嫌がり、声をあげるものの、ソラトは触ることを一向にやめず、ひたすら触り続けながら、ヤチヨの方を向いた。
「でも結局は、俺もメテオカイジュウ達もOKってことなんだろ?」
「そう!もし不正してるのがわかったら、アカウント消しちゃうよー!ってしようとしてたんだけど、そもそも今言ってたみたいに、ソラトは魂だけの存在なんだから、プログラム書き換えられるわけないもんねぇ。でもって、その子たちも、ソラトと紐づいてるんだもんね?」
「そうそう。メテオカイジュウって言うんだけどな、こいつらも今、俺と一緒にコウセイといるんだ。」
「だったらもう、こっちが消すのなんて不可能だよ~。それを制限するなら、コウセイ殺人事件!とかにでもしないと制限できないし。」
「おい!俺を被害者にすんなよ!てかそんな物騒な計画立てんなよ!?」
「もしチートしてたら、ヤッチョが彩葉とかぐやのチームに入ってもよかったんだけどぉ・・・」
そう言うと、チラッと、彩葉の方を見る。
「ひっ!ヤ、ヤチヨとKASSEN・・・!?いやいやいやいやそそそそっそそそそそそそんなの無理無理無理無理!!ヤチヨに恥かかせられない!!」
「こうなっちゃってるからねぇ・・・たぶん、当日私が参加したときもこうなっちゃう気がするから、それなら、ソラトの方が緊張しないだろうし。だから、プロゲーマーでもあるブラックオニキスとの戦力差とかも踏まえて、その子たちも、特別にOKしてあげる!」
「おっ、サンキュー。ヤチヨ、結構やさしいんだな。」
「当然!あ、そういえば、この前のかぐやとの動画見たよ!面白かったー!あのオメガダンスってのもよかったよ!」
「でしょー!」
「おっ!そうか!どうだ?一緒に踊るか?」
「うんうん!今度ヤチヨも、一緒に踊ろうよ!」
「うーん、それはまた今度ね!じゃあそろそろ、時間だから私帰るね~・・・あそうだ!それを言い忘れてた!」
何かを思い出したかのように、ヤチヨは振り向く。
「いーろは!」
「は!ひゃい!なななんなな、なんでしょうか・・・?」
「試合、手抜いたら、私がっかりしちゃうから、ちゃんとやること!いい?」
「は、はい!も、ももももちろん!全力でやらせていただきますし全力でガードさせていただきます!」
「アハハ!何をガードするのー?かぐやをー?」
「あ、あああああああああ、い、いい今のhあわすれてもらえると!」
「彩葉、噛みすぎて何言ってるか分からないよー!」
「彩葉ちゃん、さすがに落ち着きなって・・・」
「お、おおお落ち着けるわけないでしょこんな状況!大体2人はわかってない!これが今どれだけありえない状況なのか!!今この状況は──」
彩葉が手を抜かないよう釘を刺したのだが、いつの間にか、彩葉がかぐやとコウセイにこの状況がどれだけありえないかの熱弁を始めた。その熱量にたじろぐかぐやとコウセイを眺めながらふふっと笑っていると、ある感覚を感じ、そちらの方に体を向けた。
そこには、ソラトがいたのだが、右の手のひらを開いてヤチヨの方に向けていた。少しすると、手のひらを少し横に曲げ、斜めにする。
「ん-?なんだいなんだい?ソラト?」
ソラトがいきなり何をしているのかヤチヨもわからなかったのだが、ソラトは何も言わず、手はそのままの状態で、ゆっくりと、腕を下げていく。
「(なんだか・・・ちょっと、くすぐったい・・・)」
だが、口にも表情にも出さなかったが、内心、ヤチヨはそんなことを思っていた。
そうして、ソラトが、その一連の動作を終えると・・・
「・・・なんか、俺と似てる?」
「・・・えっ?」
ソラトの口から洩れたのは、そんな言葉だった。
「ソラトさん!今の言葉どういう意味ですか!?ヤチヨとソラトさんが似てるわけないじゃないですか!」
「いやいや違うって彩葉!そういう意味じゃなくてだな・・・・」
「何がそういう意味なんですか!ソラトさんそんな変態趣味あったんですか!?」
しかし、似てるという言葉にカチンときたのか、説明を急遽切り上げ彩葉がソラトに詰め寄り文句を言いはじめ、思わずソラトも彩葉をなだめようと必死になる。
「ふふっ、まあいいや。じゃあ、まったねー!試合、私も見に行くから、頑張ってねー!」
「またねー!ヤチヨー!」
その横では、ヤチヨが別れの言葉を言い残しこの場から姿を消した。それを見送るようにかぐやはバイバーイと言わんばかりに手を振っていた。
そんな中、コウセイは一人、あることを考えていた。
「(・・・ソラト、ヤチヨを観測してたのか・・・?)」
先ほど、ソラトがヤチヨにしていた動作は、オメガスコープ、と呼ばれる動作である。
これは、相手を観測するポーズであり、基本、オメガとなって怪獣と向き合う際、まず最初にそれをしてから怪獣と相対する。
記憶がない頃は、体に染みついた癖、のようなものだと思っていたが、今一心同体になっているからこそコウセイもわかったのだが、これをすることで、相手のことが、なんとなくわかるようになった。これは、ソラトが観測隊員だった記憶を思い出したからこそ、この技の本当の使い方も思い出したのかもしれないが、本人は特に口にすることはないため、あくまでコウセイの中でそう結論付けていた。
だからこそ今回も、ソラトはヤチヨを、観察しようとしていた。そのために、オメガスコープをヤチヨに向け、どんな人物なのかを知ろうとしていたのか。そんなことを考えている中で、ふとコウセイは、あることに気づき、一人顎に手を当て、考えごとを始めた。
「(・・・そういえば、なんでヤチヨは・・・俺とソラトが一心同体になってることとか、ソラトが魂だけの存在ってことを、そんなに驚かなかったんだ・・・?そんなやつ、この世界にいないはずなのに・・・AIだから驚かなかったのか?)」
「・・・期待してるよ、ソラト・・・ふふっ、コウセイ、やっぱりツッコミうまいなぁ・・・はぁ、楽しかった・・・」
「ヤチヨ・・・」
「・・・大丈夫だよ、FUSHI。私は大丈夫。あーあ、やっぱりソラト、私のこと、わかっちゃうんだな・・・」
一方、ツクヨミの中のどこかの一室。そこでヤチヨは、先ほどの会話を思い出し、噛み締めるように、笑みを浮かべていた。
その様子を心配したFUSHIがヤチヨに近づくと、FUSHIを片手で持ち上げ、もう片方の手で撫でていく。
その表情は、優しげな、けれどどこか、儚さも感じられる表情を浮かべながら。
「・・・また、アイスも、食べたかったな。」
次回予告
「ついにきた!かぐやいろPチームVSブラックオニキス!これは夢の一戦だ!」
「しかもかぐやいろPチームには、この前かぐやちゃんの動画で話題になった宇宙人友達のソラト氏が参加とか熱すぎ!あれ?でもこの人のKASSENの腕前どんななんだろ?」
「そこは見てからのお楽しみってことで、次回のかぐや姫Ωは、【合戦!ブラックオニキス(前編)】」
「果たして勝利はどちらの手に!?」
メインヒロイン(自称)ついに登場!やったねヤッチョさん!
え?何で踊らせたかって?
かぐやに、オメガダンス、踊らせたいだろぉ?ソラトに、私は、わたしの事が好き。踊らせたいだろぉ?
だってソラトの中の人はミュージカル経験者だもん!とうけ・・・おっと誰か来たようだ。
ちなみにしれーっとまたどう〇しょうネタぶち込みました。正確に言うとどう〇しょうじゃなくて西〇警察なんですけどね。
あと、ソラトの食べ物に出てきたイベントというのは・・・ソラトのウルトラもぐもぐファイトを見ていただければわかります。
毎回思いますけど、こんな長いもの読んでいただき、ありがとうございます。
次回は話の都合上、前後編にさせていただきます。
あと、とりあえず更新期間不定期ですが、終わらせはしますので、今後もよろしくお願いします。