名探偵コナン Adrestian Empire Police Story 作:アサシン・零
静まり返った教場に、重い靴音が響く。
教官フェルディナンダ・アレックスヴォルト・ヘヴリングスソンは、後ろに従えた4人を引き連れて教壇へと足を進めた。張り詰めた空気の中、教官の鋭い視線が列の先頭に立つ男を捉える。
「アレクシヴァルト……お前たちは今日から私の教場で学んでもらう。アレクシヴァルト……お前が班長になるというのは……一昨日メールで送られている。しっかりとやってほしい……」
「了解しました、フェルディナンダ教官」
アレクシヴァルト——梶谷朝陽は、完璧な姿勢のまま短く応じた。
フェルディナンダは満足そうに頷くと、アレクシヴァルトのすぐ前に座るひとりの人物へと視線を移した。
「君は誰だ……?」
問いかけられた男は、ゆっくりと顔を上げた。その瞳には、どこか冷徹で深い影が宿っている。
「Alfrădvis Jăsonvind Uhtredsssonだ……よろしく……アレクシヴァルト……」
「私のことは縮めてアレクと呼ぶといい」
アレクシヴァルトは穏やかな、しかし全てを見透かすような笑みを口元に浮かべた。
「Alfrădvis Jăsonvind Uhtredssson……君の正体は知っているよ。父が確か……教務省政務官だったね……?」
アルフラドヴィスは微かに目を細め、静かに言葉を返した。
「うん……父さんは……素晴らしい人……。母さんは日本人の移民のせいで……攻撃に遭ったんだ。そのせいでもう故人だけどね……」
淡々と語られる凄惨な過去。その言葉に、後ろに控えていたレオンヴァルトが静かに一歩を踏み出した。その表情には、同病相憐れむ深い同調の色が浮かんでいる。
「私と同じですね……。貴方はアルと呼んでも構いませんか……?」
「別に大丈夫……」
アルフラドヴィスは短く答え、思考を切り替えるように教壇へと視線を戻した。
緊張感が最高潮に達した教場で、フェルディナンダは短く咳払いをした。
「コホン……始めるぞ。お前たちの訓練は……まず走るところからだ。そして体力をつけなければならない。犯人が逃げたりしたら……追いかけることも多いからだ……」
教官の声が、教場の隅々にまで低く響き渡る。
「とはいえ……1人の警察官でできることは限られている。心配するな……報告・連絡・相談が大事だ……」
警察組織の基礎とも言える教訓を口にしたフェルディナンダだったが、その次に紡いだ言葉は、一般的な警察学校の領域を遥かに逸脱していた。
「それが済んだらClose-quarters combat techniques……CQC(近接格闘術)及びAssassination Combat Arts、略してACA(暗殺格闘術)を学んでもらう……」
教場に一瞬の静寂が訪れる。だが、アレクシヴァルトをはじめとする面々の顔に驚きはない。ここが単なる市民の治安維持機関ではなく、国家の「実力行使」を担う精鋭の精錬所であることを全員が理解していた。
「それが終わったら剣術だ……。当面の目標はこれらだな……」
フェルディナンダはそう締めくくると、教壇の上の書類に視線を落とした。
国家の病巣を解剖する頭脳を持つ男たちと、過去の傷を背負いし新たなピース、アルフラドヴィス。そして過酷な実戦技術を叩き込もうとする伝説の教官。
アドラステアの命運を担う若き実力者たちの、真の訓練が今、幕を開けようとしていた。
広大な運動場に、初春の冷たい風が吹き抜けていく。
先頭を一定のペースで軽々と走り抜けるのは、バルタザールとアレクシヴァルトだ。二人の足取りには一切の乱れがなく、息乱すことすら見せない。その少し後ろを、一定のテンポを守りながら黙々と追うアルフラドヴィスとクリスハルトヴァルト。
そして、その隊列の最後尾で、あからさまに呼吸を乱し、肩を上下させている男がいた。レオンヴァルトである。
教場の脇からストップウォッチを手に彼らの走りを見つめていたフェルディナンダは、その視線を鋭くレオンヴァルトに固定した。
「レオンヴァルト……!! お前だけは体力がないな……?」
重厚な教官の声がグラウンドに響き渡る。レオンヴァルトは額の汗を手の甲で拭い、息を荒げながら苦笑いを浮かべた。
「すみません……科学だったら得意分野なんですけど……」
法務・警察官僚の血を引き、頭脳労働に特化してきた彼にとって、長距離走という純粋な肉体的負荷は最も不得手とする領域だった。
その返答を聞いたフェルディナンダは一瞬足を止め、顎に手を当てて深く考え込んだ。そして、走り続けるレオンヴァルトの横に並ぶように歩調を合わせると、低く問いかけた。
「レオンヴァルト……帝国消防法で定められている……危険物取扱者資格Ⅱ(日本で乙種危険物取扱者資格相当)の問題を出すから答えてくれないか……?」
走りながら思考を巡らせろ、という教官なりの試練であり、同時に彼の「得意分野」を利用して限界を超えさせるための的確な意識散らしだった。
レオンヴァルトは荒い息を整えようと深く息を吐き出すと、眼鏡の奥の瞳に知的な光を取り戻した。
「分かりました……いつでも大丈夫です……」
「……pH6の水溶液として正しいものは……?」
フェルディナンダの問いかけに、レオンヴァルトは走るテンポを一瞬も乱すことなく、即座に、かつ正確に答えた。
「弱酸性です。水素イオン濃度指数において、7を中性とし、7未満が酸性……pH6はその直近に位置するため、極めて緩やかな弱酸性を示します」
「正解だ」
フェルディナンダは微かに口角を上げると、再びストップウォッチに視線を戻した。
前方を走るアレクシヴァルトは、後ろで繰り広げられたそのやり取りを耳にし、横を走るバルタザールと視線を交わしながら、静かに口元を緩めた。
「体力は底をつきかけていても、脳の演算速度は一切落ちないか……さすがはレオンだな」
「ああ、だが俺だったら、走りながら化学式を答える前に教官をCQCでぶん投げてやりたくなるところだけどな」
バルタザールがニヤリと笑い、アルフラドヴィスもまた、最後尾で必死に食らいつくレオンヴァルトの姿を静かな瞳で見つめていた。
肉体の限界に挑む運動場で、彼らの「個性の試練」は、早くも始まっていた。
運動場のトラックを周回し続ける足音が、一定のリズムで土を蹴る。荒い息を吐き出しながらも、レオンヴァルトの思考回路は限界を超えて鋭く研ぎ澄まされていた。
フェルディナンダは、ストップウォッチを握り締めながら、並走するように教官室前のコース際から声を張る。
「アセトアルデヒドの性状について、次のうち誤っているものは……?
①水によく溶け、アルコールにもよく溶ける。
②無色透明で刺激臭がある液体である。
③空気に触れると、直ちに発火する。
④燃焼範囲が広く、日本でいう第四類の危険物の中でも引火の危険性が高い。
⑤沸点が非常に低く揮発しやすい……」
走りながら、レオンヴァルトは思考のギアを切り替えた。化学構造式と危険物の性質が、脳裏に一瞬で組み上がる。
「……③です! アセトアルデヒドは特殊引火物に分類され、発火点は約175度、引火点はマイナス39度と極めて危険ですが、空気中で直ちに自然発火する性質はありません。空気接触で直ちに発火するのは、黄リンなどの自然発火性物質です!」
「正解だ……。では次だ、メタノールとエタノールの違いと共通点を述べよ……!」
教官の容赦ない追撃に、レオンヴァルトは大きく息を吸い込み、途切れそうな声を絞り出すように答える。
「……共通点は、共にアルコール類に分類され、無色透明で揮発性・引火性を持ち、水にも有機溶媒にもよく溶ける点です! 違いは分子構造と毒性です。メタノールは炭素数1の分子構造を持ち、体内で代謝されると有害なホルムアルデヒドやギ酸を生成するため失明や致死の毒性があります。一方、エタノールは炭素数2で飲用(酒類)の主成分となり、毒性はメタノールに比べて極めて低い点です!」
「見事だ……。では最後だ、石油、軽油、灯油、ガソリンの違いについて述べよ……!」
周回遅れになりかけながらも、レオンヴァルトの目は知的な光を失っていない。
「……すべて原油を蒸留分離して得られる炭化水素の混合物ですが、沸点と用途が異なります! ガソリンは最も沸点が低く(約30〜220度)極めて引火しやすい揮発性油。灯油は沸点が高く(約150〜280度)暖房や燃料に使われ、軽油はさらに沸点が高く(約140〜380度)ディーゼルエンジンの燃料となります! そして『石油』とは、これら精製前の原油、あるいは炭化水素油全般を指す総称です……!」
一息に答えきったレオンヴァルトに、フェルディナンダは小さく頷き、ストップウォッチのボタンを押した。
「よし……合格だ。肉体は悲鳴をあげていても、脳の知識データベースは一切ブレないな。その執念、見上げたものだ」
前方を走っていたアレクシヴァルトとバルタザールがスピードを緩め、呼吸を整えながらレオンヴァルトを振り返る。
「おいおい、走りながらの危険物取扱者資格Ⅱ(日本で乙種危険物取扱者資格相当)暗記テスト完走かよ。相変わらず頭の中どうなってんだ」
バルタザールが呆れたように笑うと、クリスハルトヴァルトも口元に薄い笑みを浮かべた。
「肉体派のバルタザールには真似できない芸当ですね。ですが教官、彼のこれ以上の過負荷は、化学知識の開帳ではなく低酸素脳症を引き起こしますよ」
「ふん……分かっている」
フェルディナンダは全員を指差し、重々しく告げた。
「全員、走行訓練終了だ! 水分を補給し、次はCQCと暗殺格術(ACA)の講義へ移る。……レオンヴァルト、倒れるのは教場の外にしろよ」
「……善処、します……」
膝に手をつき、荒い息を吐くレオンヴァルトの背中を、アルフラドヴィスが静かに叩いた。走ることと知識を吐き出すことを同時にやり遂げた彼らの絆は、過酷な訓練の中で着実に深まりつつあった。
武道館の厳かな空間に、冷え切った空気が満ちていた。板張りの床からは凛とした木の匂いが漂い、壁に掲げられた格言の掛け軸が静かに訓練生たちを見下ろしている。
フェルディナンダは腕を組み、重厚な声を静かに響かせた。
「CQCは……パリィなどの受け流しが多い……。銃を持ったままの相手でも……気絶……あるいは死なせることで……無力化する……」
教官の鋭い視線が、武道館に並ぶ面々を順番に射貫いていく。
「一方でACAは文字どおり相手を殺害するのみ使用される……。あまり公安警察や公安検事以外はアドラステア帝国でも使わないがな……。ただ覚えておくに越したことはない……。それでは実戦練習始め……!!」
教官の号令と同時に、対戦形式の実技訓練が始まった。
バルタザールは対峙する訓練生を前に、静かに空気を整えるため深く息を吸い込んだ。精神を研ぎ澄ませ、相手の目、肩の動き、重心の移動をミリ単位で捉える。
相手が踏み込み、強烈な投げ技を仕掛けてきた瞬間——バルタザールは最小限の動作で身を翻し、相手の力をそのまま殺すパリィを放った。軌道を外された相手が体勢を崩した隙を見逃さず、逆に相手の肘と首元を固めてそのまま豪快に床へ叩きつけ、制圧してみせた。
相手の呼吸が止まりかけたところでスッと技を解き、バルタザールは不敵な笑みを浮かべた。
「フッ……どんな敵でも……オレが敵う相手じゃない……」
軍需産業と軍務の血を引き、幼少から実戦格闘を叩き込まれてきた男ならではの絶対的な自信。だが、その言葉をフェルディナンダの低い声が断ち切る。
「慢心はいけないぞ……バルタザール……!」
「了解です……教官……!!」
バルタザールは即座に表情を引き締め、教官へ一礼した。
その一連の動きを傍らで見つめていたアレクシヴァルト(梶谷朝陽)は、静かに顎を引いた。
「相変わらず見事な受け流しだな、バル。力のベクトルをそのまま殺さず反射させる……CQCの模範のような動きだ」
「フン、お前に褒められても嬉しくねぇよ、アレク。だが……ACAの技術まで本格的に叩き込まれるとなると、この学校もただの交番勤務を育てる気がないのは明白だな」
バルタザールが汗を拭いながら呟くと、隣で柔軟体操をしていたアルフラドヴィスが静かな声で言葉を重ねた。
「……相手を確実に消す技術。教務省の人間には縁遠い世界だと思ってたけど……母さんのような犠牲を二度と出さないためには、持っておくべき力だ……」
アルフラドヴィスの瞳に宿る暗い炎を感じ取り、レオンヴァルトも息を整えながら頷いた。
「ええ。法を守るためには、時に法を超えた圧倒的な武力が必要になる……悲しいかな、それが国家の現実ですからね。……まあ、私の場合、まずは体力をつけないと技を出す前に酸欠で倒れそうですが」
「自覚があるなら結構だ、レオンヴァルト」
フェルディナンダが歩み寄ってくる。
「次は剣術の型だ。道着を整え、木刀を持て。アドラステアの警察官たる者、刀身の一振りにも『国家の威信』を込めねばならん。全員、集中を切らすなよ!」
「「「「はい!!」」」」
武道館に四人とアルフラドヴィスの力強い唱和が響き渡り、彼らの訓練はさらに密度の濃い領域へと足を踏み入れていった。
武道館の空気が、ふっと一瞬で引き締まる。
重厚な静寂の中、木剣を構えるアルフラドヴィスの佇まいは、それまでの物静かな印象とは一線を画していた。
目元を覆う静かな影の奥で、澄み切った殺気が刃のように研ぎ澄まされていく。
すっと息を吸い込み、深く吐き出す。精神を極限まで研ぎ澄ませたアルフラドヴィスは、対峙する訓練生の間合いへと静かに踏み込んだ。
「ッせぇい!」
相手が鋭い踏み込みとともに上段からの唐竹割りを繰り出す。だが、アルフラドヴィスはその木刀の軌道をミリ単位で見切っていた。
最小限の半身で刃筋をかわすと同時に、相手の腕の隙間をすり抜け、木剣の柄頭(つかがしら)で相手の水月(みぞおち)を鋭く突く。
間髪入れず、打たれて前屈みになった相手の首元へ、返しの刃で一閃。木刀が相手の首筋数ミリ手前でピタリと止まった。
「……そこまで」
倒れ込む対戦相手を見下ろし、アルフラドヴィスは静かに残心をとった。
「……見事だな」
壁際で観戦していたアレクシヴァルト(梶谷朝陽)が、感心したように細く息を吐き出す。これで何人目の対戦相手だろうか。
体力測定や座学では目立った主張をしなかったアルフラドヴィスだったが、剣を手にした瞬間の鋭さと隙のなさは、教場の中でも群を抜いていた。
バルタザールが腕を組み、ニヤリと口角を上げる。
「へえ……教務省の息子の戦闘技術にしちゃ、ちと筋が通りすぎているな。無駄のない軌道と相手の急所を一突きで殺す踏み込み……ありゃあただの剣術じゃねぇ、流派の匂いがするぜ」
「力で押し切るのではなく、相手の動力を奪い、最小限の力で制圧する……」
息を整えたレオンヴァルトが眼鏡の奥の目を光らせる。
「……母親を理不尽な暴力で失った過去があるからこそ、二度と不覚を取らないよう、身を守る技を極限まで磨き上げてきたのかもしれませんね」
アルフラドヴィスは木刀を静かに下ろすと、深くもう一度息を吐き出し、乱れた呼吸と集中を静かに収めていった。フェルディナンダ教官がゆっくりと歩み寄り、その立ち回りを目に焼き付けるように深く頷く。
「……アルフラドヴィス。剣筋に一切の迷いがないな。型に囚われず、相手の急所を的確に叩く実戦の剣だ。……良し」
教官は全員に向き直ると、静かだが威厳のある声を武道館全体に響かせた。
「走法、CQC、ACA、そして剣術……。お前たちが持つポテンシャルの高さはよく分かった。だが忘れるな。個の武芸がどれほど秀でていようと、組織としての連携を欠けば、国家の巨大な犯罪や裏の暴力には立ち向かえん」
フェルディナンダの鋭い視線が、班長であるアレクシヴァルト、そしてレオン、クリス、バルタザール、アルフラドヴィスの5人を射抜く。
「今日はここまでだ。汗を流し、明日の座学と実践演習に備えよ。解散!」
「「「「「はい!!」」」」」
武道館に響き渡る5人の揃った唱和。
知性、武力、過去の傷、そして国家への冷徹な視座を持つ精鋭たちが、ひとつの班として完璧に噛み合い始めた瞬間だった。
過酷な実技と座学の訓練を終え、教場の夕闇が落ちる頃、彼らの進路と「日本社会における新たなる貌(かお)」が静かに定まろうとしていた。
アレクシヴァルトとクリスハルトヴァルトの二人は、その卓越した観察眼と情報収集能力、そして何より感情や歪んだ主義主張に流されない冷徹な中立性を高く評価されていた。
思想が過激や急進に傾くことなく、国家の構造と冷徹な利害関係を完璧に客観視できるその資質は、治安維持の深層を担う公安部関係者の目に留まり、早い段階からスカウトの打診を受けることとなる。
しかし、彼ら5人が目指す到達点は、単なる一地方警察や現場の警察官に留まるものではなかった。彼らが揃って据えた真の進路先は、国家警察の司令塔であり、日本の警察組織の頂点に君臨する——「警察庁」。
そのために彼らはあえて警察学校という現場の最末端に身を置き、組織の末端から泥を啜り、日本の警察機構の骨格と現場の息遣いをその身に叩き込んでいたのだ。
そして、日本という国家システムの中枢へ足を踏み入れるにあたり、彼らは新たなる名を授かる。
アレクシヴァルト=梶谷 朝陽(かじたに あさひ)
クリスハルトヴァルト=山村 渉(やまむら わたる)
バルタザール=前田 篤志(まえだ あつし)
アルフラドヴィス=町田 智也(まちだ ともや)
レオンヴァルト=佐藤 晴之(さとう はるゆき)
アドラステア帝国の冷徹な血脈と高尚な志を胸に秘め、日本のありふれた氏名を身に纏う5人の男たち。
彼らは、一般的な日本人を遥かに超越するIQ130以上の英知を誇り、神から授かりし怪物的な天賦の才——「ギフテッド」を持つ精鋭たちであった。
梶谷 朝陽という絶対的なシステムアーキテクトを中心に、実務と情報の山村 渉、武力と現場の前田 篤志、剣法と静けさの町田 智也、そして法と科学のデータベースである佐藤 晴之。
国家という巨大な機械のバグを取り除き、歴史の歯車を正しく組み替えるための5人の怪物たちが、日本警察の頂点へと向かって踏み出した歴史的瞬間であった。