それは理解の上、お楽しみください。
「治す…?ちい姉さまの身体を…アンタが?」
「シオン、アナタが普通の子供じゃないのはわかるわ、けど私の身体は今までどんな名医にも治せなかったのよ。」
二人が否定するのは当然だろう、これまでどれだけ…どんな思いで彼女たちはこの病と向き合ってきたのだろうか…
元々疑い気味のルイズだけでなく、受け入れようとしているカトレアですら否定する事しか出来ない。
しかしそんな二人を見て鼻を鳴らし、不敵な笑みを見せるシオン。
「言ったろ?俺は伊達に無茶振りに答えてきた訳じゃないんだぜ?ま、信じるか信じないかは二人次第だ。だけど…その前に…」
「「?」」
「ご飯下さい…お腹がやばいっす…」
「あらあら、そうね。起きてから何も食べてないものね、用意するから、食べてる間に家族みんなで話してくるわ。一人で食べれる?食べさせてあげましょうか?」
「いいよ、家族で話してきなよ…あ、俺の実力を家族に話す時の参考にする為に、これ使って。」
シオンはそう言うと3つの緑の薬瓶を取り出す。
「これは何?」
「俺が作ったポーション、大体の病気の治療と切断された手足なら繋がる程度のそんなに効果の無い…まぁ手習い程度だけど軽い参考にならなるだろ。」
「病気の治療に使えるならちい姉さまも…って⁉切断した手足を治せる⁉凄い効果じゃない‼」
「ん~カトレアの場合は特殊だからこのポーションじゃ治せない、だから専用の魔法と薬じゃないとな。それにこの程度のポーションなんて幾らでも作れるし。」
「アンタ、凄い変わってるわね…けどこれじゃ治せないなんて…」
落ち込むルイズの頭をシオンは撫でる。
「大丈夫、専用の治療をするのは必要だけど、治せるから安心しな…約束だ。」
「ふ、ふん‼私も説得するからちゃんとちい姉さま治さないと許さないわよ‼」
「ああ、約束だね。」
カトレアは嬉しそうに笑う。
「あらあら、ルイズともこんなに直ぐに仲良くなるなんてね、それじゃ、少し待っててね。」
「あいよ~、飯食って待っとくよ。」
部屋を出るカトレアとルイズを見送ったシオンは賢者の石を起動する。
「ん~、リスクが無い方法としては…これと、これか…んと、魂…アストラルを一度引き剝がして治療してから戻す魔法と…ちょっとだけグロテスクな寄生生物を飲み込んで全身の魔力波長を治す治療法か…」
「おれがどっちにするか選んじゃっていいかな。いっか、まぁどっちにしろ後に残るタイプじゃないし。普通に飲み薬も作れるけど三日とかかかるし、早く治療してあげた方がカトレアの負担も少ないよね。」
そんな事を思案してるとコンコン、と部屋がノックされ、シオンは賢者の石の確認を取りやめる。
「どうぞー。」
シオンがそう答えるとメイドが料理を持ってくる。
ベッドの横に料理が配膳される。
「どうぞ、カトレアお嬢様からは食べれそうになかったら食べさせてあげて欲しいと言われたのですが、いかがいたしましょうか?」
「あー大丈夫、一人で食べれる、むしろ、これだけじゃ足りないかもしれないから、お代わりとか必要なら貰える?」
メイドはクスリと笑い、頷く。
「わかりました、必要ならいつでも呼び出して下さいね。」
「ありがとう。久しぶりのご飯だなぁー、食べれるだけ食べちゃおうかな。」
彼女はやんちゃな子供を見て、微笑ましく感じながら部屋の隅に佇んでいた。
そんな彼女を少しチラリと見た後、食事に集中するシオンだった。
―――――
気楽なシオンの部屋とは対照的にカトレア、ルイズの居るヴァリエール家の家族の部屋は重苦しい空気だった。
家の主であるヴァリエール公爵、そしてその妻カリーヌ、長女のエレオノールはシオンの差し出したポーションを眺めながら唸る。
シオンと直接会ったことのない三人にとって、目の前のポーションのみが彼に対する対応を決める判断材料だった。
しかし、目の前のポーションは高度過ぎて、一流のメイジ三人ですら解析が完全に出来ない物だった。
「うむう、ここまで高度なポーションを手習い程度だと、そう言ったのだなカトレア、ルイズ?」
ヴァリエール公爵の問いかけにカトレアが答える。
「はい、彼…シオンは幾らでも作れる…そう言っていました。」
「私も聞きました‼お父様‼それに、なんか言葉に出来ないんだけど、凄い雰囲気を一瞬出して…」
「黙りなさい、おちび。それが本当ならとんでもない人物よ、あの少年は。」
ルイズが窘められ、ビクッとしてしまう。
カリーヌがビシッとした良く通る声で止める。
「エレオノール止めなさい、今は細かい事を気にするより、目の前の事に対応しなければ…確かに、今このハルケギニアにいるメイジではカトレアを治す事は出来ない…それが出来ると言うのは扱いが難しい。」
「しかし、扱いに関しては今は後回しにするとして…本当に治せるのか…だ。カトレア、お前の身体は変な治療に振り回されたら保たない、それはわかっているな?」
カリーヌのシオンの扱いをどうするかより、ヴァリエール公爵にとってはカトレアの身を案じていた。
カリーヌも同じ想いだったが国の騎士として生きた過去がシオンという劇薬にも等しい存在を危ぶむ気持ちが強かった。
しかし、そんな危惧する三人を見て強く、そして笑顔で安心させる様にカトレアは見せる。
「大丈夫だと思うの、三人とも。もしもどうしても信用できないなら、一度彼に会ってみて欲しいの…それで解ると思う、彼が信じるに値するか。」
「…わかった、一度会って話してみよう、それでいいな?カリーヌ、エレオノール。」
「「わかりました。」」
カトレアとルイズの二人は頷き合う三人を見てハイタッチをした。
―――――
積み重なる器の山、ガツガツと食べる音が響き、その場に居るメイドは顔を引きつらせながら、少年を見ていた。
「お代わりー。」
「ま…まだ食べるのですか?もう20人分は食べていると思うのですが…」
「ここ数年は食事を摂っていなかったからね、もうちょい食いたいかな、これからエネルギー使う訳だし。」
「ここ数年…?あなたは一体…」
それに次何時こんな美味しいご飯が食べれるかわかんないしな…と思うシオン。
メイドの疑問に答えても良いけど、魔法に詳しく無いと、まず意味わからんだろうなと考え、流す事にしたのであった。
(ハルケギニアの魔法技術では欠片も理解できません、そもそも不可能です。)
「ま、とにかく腹ペコなんでお代わり。」
「は、はい。」
メイドは今日何度目かわからない厨房へと走る、その顔は半泣きになりながらもプロとして動くのだった。
「んー…さてと、三つ目の選択肢の薬を選んだ場合も考えておくか、フェニックスの羽と…ドライアドの樹皮と…あとは…」
カバンの中に入ってる素材を選ぶ。
「まあ代謝の関係上、トイレに行くと大きいのが銀色に光るのと、小さいのが虹色に光るのは仕方ないよね。」
全然仕方なくないのであったが、ツッコむ人間は居ないのであった。
シオン君の常識はレザード基準だけど人の心はあります。
良心 シオン>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>レザード
実力 レザード>>シオン
才能 シオン≧レザード
位に考えてます、才能に関してはvp中の誰よりも凄いシオン君です。