てかギャグが滑ってないかが心配、誰か感想聞かせて欲しいです…
コポコポと部屋に置かれる鍋、その中には色々な素材が少年、シオンによって放り込まれていく。
「アンブロシア一欠け、銀河の雫を一滴、ドライアドの樹皮を少々…ノーブル・エリクサーも、うん、さっき入れた不死鳥の羽も良い感じになってる…ミトラの聖水も入れたしこれで後は煮るだけ。」
見たことも無い素材をふんだんに使い、それはどこか神秘的な光を放つ薬鍋。
そして部屋にはシオンと、ヴァリエール家の一家が総出で居た…シオンは鼻歌を歌ったりなどしているが、ヴァリエール家の面々の反応は三者三様だった。
最初は不安だったが、過程を見て、どこか安心する様子のカリスとカリーヌ。
未知に触れ、とてつもない興奮を覚えるエレオノール。
元々信じており、二人でシオンを見ながら、ルイズの好物であるクックベリーパイを食べるルイズとカトレア。
「さて、そろそろ出来上がるけど、用意してもらいたいものは用意してくれた?」
そう言うシオンにカリーヌは答える。
「ええ、タライを用意しろと言われた時は何に使うのだと思いましたが…それも結構大きいですが、こんなもの、必要なのでしょうか?」
「必要なんだよ、要らない物を全部吐き出す必要あるからね。」
「「「「「吐き出す?」」」」」
「そうだね、そう言えば原理を説明してなかったね。」
そう言って説明を始めるシオン。
「まず、カトレアが弱ってる原因だけど、魔力の循環器が生まれつき上手く機能していないんだ。元々身体が弱かった理由はコレだね…それに加えて呪い…コレは身体を蝕むタイプ、放っておいたら死ぬけど、今はもう大丈夫だよ。」
「それはどうして?」
「回復魔法、使ったでしょ?アレには呪いの解呪効果は無いけど、抑える効果はあるんだ。」
「なるほど、今は症状を抑えれてると言う訳ね、そしてその間に治療をすると。」
「そうそう、その薬ももう出来たよ。」
カリーヌとエレオノールの質問に答える。
シオンが鍋をかき混ぜるたのに呼応するかのように鍋の中の薬が淡く光る。
「本当に副作用は無いのかね?先ほど例に挙げたモノだと何かしらの副作用が有ったかのようだが…」
「大丈夫、言ったろ?俺は副作用とかそういうの好きじゃないんだ、なんのデメリット…まぁ強いて言うなら三日かかるのがデメリットかな。」
「今まで誰も治療できなかった病が三日で治る…凄いわ、シオン…アンタ本当に天才だったんだ。」
「そうじゃなきゃ探求心マックスの師匠が解剖せずに弟子にしないさ。さて…」
カリスとルイズの質問にも答えながら、薬鍋の中身を瓶に詰めていく彼を見つめる全員。
「覚悟は出来たかい?カトレア。もしも今からでも治療法変えたいなら受け付けるよ。」
そう言って寄生生物を取り出すシオン。
「クケェー‼」
「うんうんやっぱお前も治療してあげたいのか、いいヤツだなお前は。」
どうしてそんなにその治療法を推すんだ?
そう思いつつも飲み込む全員だった。
代表するかのようにカトレアが答える。
「ありがとう、でも私は薬がいいかな、せっかくシオンが作ってくれたんだし。」
「そっか、お前の出番はまた今度な。」
「クケェー…」
シオンは、しおらしく鳴く寄生生物をカバンにしまい込むと詰めた薬瓶の中から一つとタライを差し出す。
「飲みな、効くよ。」
そう簡素に言われ、差し出された薬をカトレアは口にする。
飲み干すカトレアを見て頷くシオン。
「効果は直ぐにでるよー。」
「そうな…カフッ⁉」
目の前のタライに赤黒い血を吐くカトレアに驚くヴァリエール家の一同。
「これは…⁉カトレア⁉」
「全員、タライの中身には触れないで。タオルも吐き終わった後に渡すからそれを使って。」
「どうして触れてはいけないのですか?」
「この中にはカトレアを蝕む呪いも吐き出されていく、しかもそいつは寄生型でね、宿主を求めるから触れた奴に取り憑く。」
「触れなければ大丈夫なのと、吐き出された事によってカトレアには憑かないから俺とカトレア以外はこのタライには触らないでね。」
「シオンは大丈夫なの?」
「俺はこの指輪があるからね。」
「それは何かしら?」
「魔除けのお守りって所かな、これ一つしかないからカトレア以外の人は今は近づかない方が良いかも。」
「お父様、お母さま、姉さん、ルイズ、彼と二人にして欲しいわ。」
平時ならば絶対に許されないカトレアの提案。
公爵家令嬢が身分も定かでない少年と二人きりになる…。
醜聞にすら成る、絶対に認められないだろうその提案を言われた当人達は…
―――――
「提案が通るとはね、通らないもんだと思ったんだが…実際こっちのが気にしなくていい分やりやすいが…」
「なんだかんだ言って皆シオンの事を認めてるんだと思うわ、じゃないと受け入れてもらえなかったわ。」
お父様とルイズなんかは気に入っちゃってると思うけどね、とカトレアは呟く。
それに対して悪戯っ子のような笑みで返すシオン。
「良い家族じゃないか、カトレアを心配してる、暖かい家族だよ。」
「シオン、アナタ…家族は?」
「…居ないよ、俺に家族なんていない。」
明確な拒絶だった、これ以上は聞かないで欲しい、そう言われた気がした。
話題を変えるかの如く、シオンはカトレアに話しかける。
「どうだい?体の調子?結構良くなったと思うよ。」
「うん…ありがとう、シオン。」
「これを後二回繰り返したら完治するよ、そしたら今よりもっと体は軽いはずだ。」
「本当に…何と言っていいのか…」
それに応え、柔らかく笑うシオン。
「恩返しさ、君も助けてくれただろ?だから気にしないの。」
「じゃあ今度は私が恩返しするわね。」
「それ、終わんないヤツじゃん。」
「そうよ、治してもらってすぐ終わり…ってのは寂しいから。」
クスクスと笑い合う二人に、二つの月はまるで笑いかけるように見守るのであった…
丸く収めるのもたまにはね…