ポケットモンスター サイクルを極めし転生者   作:Notebook119

5 / 6
第5話「ストライク、進化への道――鋼の翼を得る意味」

旅の途中。

レンの手持ちは三匹になっていた。

 

ヒポポタス。

ウォッシュロトム。

そして――

ストライク。

 

「……まだ荒いな」

 

レンは森の中で戦いを見ながら呟く。

ストライクは強い。

速い。

攻撃も高い。

だが。

レンが求めているのは、ただ強いアタッカーではない。

サイクルの一員として戦える強さだった。

 

「シザークロス!」

 

ストライクが野生ポケモンへ突撃する。

一撃。

相手は倒れる。

しかし、

 

「そこだ」

 

レンは言う。

ストライクが振り返る。

 

「今の勝ち方は間違っているわけじゃない」

「でも、相手がもっと強かったら?」

 

ストライクは黙る。

レンは前世の経験を思い出す。

ストライクというポケモン。

進化前でも高い性能を持つ。

しかしサイクル構築で真価を発揮するのは――

ハッサムになってから。

弱点の少ない鋼タイプ。

先制技。

回復技。

交代技。

積み技。

 

「役割が増える」

 

それが進化の意味だった。

ある日レン達は山間の町に到着した。

そこには古い鉱山がある。

 

「昔、ここで珍しい鉱石が採掘されていたらしい」

 

レンは掲示板を見る。

そこに書かれた名前。

メタルコート。

 

「……あった」

 

ストライクはその名前を見て、少し不安そうにする。

レンは気付いた。

 

「怖いか?」

 

ストライクは目を逸らす。

今の自分。

速い。

強い。

森では誰にも負けなかった。

 

でも進化すれば変わる。

 

身体が重くなる。

飛ぶ速度も落ちるかもしれない。

その夜ストライクは一人で森にいた。

レンが後を追う。

 

「進化したくないか?」

 

ストライクは静かに頷く。

レンは少し考える。

そして、

 

「なら、無理に進化する必要はない」

 

ストライクが驚く。

 

「……」

「進化は強制じゃない」

「でも」

 

レンは続ける。

 

「君が悩んでいる理由は分かる」

 

レンはノートを開く。

そこにはストライクの名前。

その横に書かれた未来。

ハッサム

 

「俺が欲しいのは、ハッサムというポケモンじゃない」

 

ストライクを見る。

 

「君が、君自身の可能性を広げることだ」

「今の君は速い」

「だから、とんぼがえりで有利な場所へ戻れる」

「でも相手が強くなれば、いつか問題が出る」

「一発耐えられない」

「場に残れない」

「仲間を守れない」

「鋼になることは、速さを捨てることじゃない」

「戦い方を増やすことだ」

 

翌日レン達は鉱山の奥へ向かった。

そこには野生ポケモンが集まっていた。

メタルコートを守るように。

 

「来るぞ」

 

レンは構える。

しかしストライクが前へ出る。

 

「一人で戦うのか?」

 

レンが聞く。

ストライクは頷く。

違う。

これは昔のような無謀な突撃ではない。

自分の答えを出すための戦いだ。

ストライクは戦う。

攻撃する。

しかし。

以前とは違った。

相手が強い。

なら――

 

「とんぼがえり」

 

攻撃。

そして戻る。

 

「ロトム」

 

ウォッシュロトムが出る。

相手の攻撃を受ける。

 

「ボルトチェンジ」

 

ヒポポタスへ。

砂が舞う。

ストライクは理解する。

一人で勝つ必要はない。

仲間と勝つ。

それがレンの教えていたこと。

戦闘後、ストライクはメタルコートを見る。

そして、自分から触れた。

光が包む。

身体が変化する。

両手は鋭い鎌から全てを断ち切るハサミへ変化し、身体は鋼鉄に。

そして、新たな力。

 

「ハッサム……」

 

レンは静かに笑った。

 

「ようこそ」

「俺の構築へ」

 

ハッサムは自分の身体を見る。

重い。

確かに以前より速くはない。

しかし。

不思議だった。

力が溢れている。

守れる。

戦える。

そして、仲間へ繋げられる。

レンはノートを書き換える。

 

【対面操作】

ストライク

ハッサム

 

技候補:

とんぼがえり

バレットパンチ

インファイト

はねやすめ

つるぎのまい

 

これでレンの構築は三つの柱を得た。

砂で盤面を作る。

ロトムで流れを繋ぐ。

ハッサムで有利対面を維持する。

しかしまだ足りない。

サイクル戦には必要なものがある。

相手の受けを破壊する力。

レンは次の町へ向かう。

そこで出会うのは――

炎の舞で全てを焼き尽くすポケモン。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。