さて、オークロード戦も終わったのも束の間、
事後処理という名のめんどくせー仕事があるそうで。
ただ、シールダーの言っていた覗き見とは一体誰が?
その辺含めてお楽しみください!
「俺の…俺達の勝ちだ。安らかに眠れ」
リムル陣営が歓喜に沸くなか
「さすがはリムル様。見事約束を果たして下さいましたね。」
ドライアドのトレイニーが現れる。
「いいタイミングだな、トレイニーさん。」
本物のドライアドに戸惑う者がいる中、トレイニーは淡々とことを進める。
「森の管理者の権限において事態の収束に向けた話し合いを行います。日時は明日早朝。場所はここより少し南西森よりの広場。参加を希望する種族は一族の意見をまとめ代表を選んでおくように。以上です。」
(「流石は社長(仮)。こういう時は頼りになる。後処理は俺が出張らなくてもよさそうだ」)
「それから異論はないと思いますが…
議長はリムル=テンペストとします!」
(「え!?」)
「マァスター、良かったじゃないですかぁ」
「やめろシールダー!そのニヤけ顔!苦手なんだよ。こういう事後処理…」
「勝った者の宿命ってやつですよ。まずはこちらに被害が出なかったことを喜びましょうよ」
「ま、それもそうだな」
−−−−−−−
翌日、早朝
出席者はリムルとシールダー、鬼人達
そして、リザードマンの首領と親衛隊長とその副長
ドライアドのトレイニー、ガビルに連れてこられたゴブリン達から数名、そして、オーク達から10名の代表が集まった。
(「戦後処理なんてどうやって進めればいいかわかんねーよ。まぁ…こうなってしまった以上仕方ない。俺なりの考えを伝えよう。」)
「えー、こういう会議は苦手なんだ。だから俺が思ったことだけを言う。その後皆で検討して欲しい。ます、俺はオーク達に罪を問う考えはない。被害の大きいリザードマンからしたら不服だろうが事の原因と現状を話す―」
「―なるほど大飢饉…
それにゲルミュッドなる魔人の存在ですか…」
「そうだ」
「マスター、付け足してもよろしいですか?」
「あぁ、確か覗き見がどうとか言ってたな」
「はい。ゲルミュッドを通して、ガビルの言うラプラスと言う魔人や、とある魔王がこちらを観ていました。魔王の詳細は分かりませんが、名はクレイマン、そう
「ゲルミュッドが小物っぽい感じしたけど、ラプラスやら魔王クレイマンとやらが裏で動いてた可能性は高そうだな。」
トレイニーが口を開く。
「ゲルミュッドと仮面を付けた魔人が話しているのを確認しています。おそらく仮面を付けた魔人がラプラスだと思われますね。」
「仮面を付けた魔人だと!?」
鬼人達が反応する。
「体格はどんなだ!特徴は!太っていたか!」
「体格は普通、かなりおちゃらけた軽い性格の魔人でした。」
「そうか…俺達の里を襲った魔人とは別か…」
「ベニマル殿、魔人は別でも組織としては同じ可能性は残ってます。このラプラスと魔王クレイマンを調べるのは得策かと。」
「シールダー殿、確かにその通りだ。すまない、感情的になりすぎた…」
「いえ、感情的になるのは分かります。それに、情報の分析・解析も私の得意分野なのでお気になさらず」
「さて、シールダーの追加情報がまとまった所で、俺の意見を改めて言う。俺にオーク達の罪を問う考えは無い。そもそも賠償できる程の蓄えが無いしな。」
「ま、現実問題そうなりますね」
「いや、まぁ、それは建前なんだけどな」
リザードマン首領が問う。
「建前?では、本音の方を伺ってもよろしいかな?」
「オーク達の罪は全て俺が引き受けた。
文句があるなら俺に言え。」
ゲルドの側近が戸惑う。
「お、お待ち頂きたい!いくらなんでも道理が…」
「それが魔王ゲルドとの約束だ」
「なるほど。ですが、それは少々ズルいお考えですな」
ベニマルが切り出す。
「弱肉強食。魔物に共通する不変のルールだ。立ち向かった時点で覚悟はできていたはずだ。」
「そなたはソウエイ殿同じ鬼人か!
確かにその通り。駄々を捏ねてはリザードマンの沽券が下がりましょう。」
「いいのか?」
「もとよりこの戦の勝者はリムル様です。貴方の決定に異論はありません。が、しかし確認せねばならぬことがございます。オーク達の罪を問わぬということは生き残った彼ら全てこの森にて受け入れるおつもりですか?」
「確かに簡単なことじゃない。けど…夢物語のように聞こえるかもしれないが、森に住む各種族間で大同盟を結べたらどうだろうか」
「大同盟…」
「オーク達にはひとまず各地に散らばってその土地土地で労働力を提供してもらいたい。その見返りに衣食住を提供しよう。」
「わ、我々オークがその同盟に参加してよろしいのでしょうか…」
「ちゃんと働けよ?サボることは許さんからな。」
「もちろん…もちろんです!!」
「リザードマン首領として宣言しよう。我らも異論はありません。」
オーク達に続きリザードマン達もリムルに跪く。
(「うん?同盟結ぶのにこういう仕来りとかあるのか?じゃ俺も…」)
「何をなさろうとしておられるのですか?」
シオンがリムルに問いかける。
「ん?そういう儀式?みたいなのがあるんじゃ?」
「ありません。ホントにもうリムル様は…」
鬼人達もリムルに跪く。シールダーも(面白半分で)跪く。
(「え?何で俺に跪いてんの?」)
「よろしいでしょう。では森の管理者としてわたくしトレイニーが宣誓します。リムル様をジュラの大森林の新たなる盟主として認め、その名の下に"ジュラの森大同盟"は成立いたしました!!」
(「え、盟主!?ちょっと待ってくれトレイニーさんが盟主じゃないの!?てかおいシールダー半笑いじゃねーかクソ。後で殴る。」)
「ププッ(堪えろw堪えろw)」
「じゃあそういう訳なんでよろしく頼む。」
「「ははっ!!」」
こうしてジュラの森大同盟は成立したのだった。
「マスター、かっこよかったですよププッ」
「シィルダー?1回殴らせろっ!」
「おお〜怖い盟主様だぁ」
「皆一旦休憩!シールダー逃げんなぁ!」
−−−−−−−
ゲルドの側近がベニマル達に話しかける。
「オーガ…いや、鬼人の方々よ」
「何か用か?オークの生き残りよ」
「………本当は今でも里を襲ったオークを根絶やしにしたいのだろう。弱肉強食と言っても憎しみはそう簡単に割り切れるものではない。」
側近が土下座する。
「詫びて詫びきれる訳がない。虫のいい話であるのは承知している。だがどうか、この首1つでご容赦願えないだろうか…!」
ベニマルが静かに口を開く。
「……会議の前リムル様に呼ばれた。鬼人族は今後どうするのかと。我らに帰る里はもはや無い。今後ともリムル様の下に在り続けたいと伝えたら、俺達に役職を下さった。今回の働きを見て考えてくださったらしい。」
シオンが誇らしく
「私は"
ベニマルが続けて
「ハクロウは"指南役"、ソウエイは"隠密"だそうだ。この場に来ていない2人にも授かった。で、俺は"侍大将"の座を賜った。軍事を預かる役どころだ。そんなところに就いちまった以上、優秀な人材を勝手に始末するわけにいかんだろう。」
側近が驚いた表情を見せる。
「リムル様に仇なす者ならば容赦はしないが、同盟に参加し盟主と仰ぐなら敵ではない。」
「仇なすなど…!あの方は我らを救ってくださった。従いこそすれ敵対等あり得ん!」
「では俺達は同じ主をいただく仲間だ。せいぜいリムル様の役に立て。それを詫びとして受け取っておこう。」
「父王ゲルドの名に誓って…!」
−−−−−−−
「マスター。少しだけ真面目な話があります。
……魔王クレイマン。私は、いずれそいつがマスターとして我々に敵対する可能性が高いと考えています。」
「!!魔王クレイマンがマスター!?
なるほど、確かにそうなるといずれクレイマンと戦うことになるかもな…」
−−−−−−−
「ラプラス、貴方のおかげで面白いモノが見れましたよ。特にあの盾使い。いずれ私とキャスターとで倒さねばならない敵ですねぇ」
「ヒヒ!退屈、退屈ですねぇ。彼の頭をこうスパーンと吹き飛ばしてくれないものでしょうか!」
「なんやよう分からんけど、マスターってもんは大変そうやなぁ。なんや2人とも声似とるし。」
クレイマンとラプラスそしてキャスター、"3人"での会合が裏で行われているのだった…
第9話ありがとうございました!
今回はシールダーの出番があまり無く苦戦しました。
ですが、クレイマンがマスターで、サーヴァントがキャスターということが明らかになりました。
さぁ今後の展開や如何に。
次回 第10話 魔物の街の完成とガゼル王襲来
お楽しみに