ここではリムルがオーガ達に無双する場面ですが、リムルの力も誇示しつつ、シールダーの力も分かるような内容にしようと思いました。
お楽しみください。
リムルとシールダーが談笑していると、
《リムル様!》
「(今のは…)」
『個体名ランガからの思念伝達。
声音から救援要請と推測―』
「仲間から救援要請があった。
シールダー、一緒に来てくれ」
「勿論、マスター。」
走る。現場に到着したとき、丁度ゴブタが攻撃を受けた瞬間だった。
「死ぬーっ
死んじゃうっすー!!」
目の前にいたのは角の生えた鬼のような人型の魔物だった。
「…なんだ?お前ら」
「死ぬっすーっ!!」
「落ち着け、傷は浅い」
と、リムルが回復薬をかける
「状況を説明してくれリグル
警備隊に何があった?」
「倒れてる者達は無事です。魔法で眠らされてるだけですから。面目ありません。まさかオーガに出くわすとは思わず。」
「オーガ?あれが!?」
(うーんなんかイメージと違うなぁ
なんか鎧まで付けてるし持ってるの日本刀だよな!?)
「マスター、このゴブリン達が味方でオーガが敵という解釈でよろしいですか?」
「あぁ、!?」
ランガが空中でオーガ2体と戦っていた。
「主よ!
申し訳ありません。我がいながらこのような…!」
ゴブタが異変に気付く。眠っていた者も目を覚ます。
「回復薬かけて貰った以上に、斬られた傷があたかも無かったかのような感覚っす…」
「シールダー、お前の能力か?」
「あぁ、マスターの味方であれば発動出来る俺のスキル、
守護神(スケイプゴート)だ。味方の受けた傷、ダメージ、状態異常等々、俺が肩代わりする能力だ。まぁそれだけでは無いけどな。」
「よし、なら全員無事だな。ってお前は大丈夫なのか!?」
「心配無い。回復系スキルは勿論、全ての攻撃に対して耐性を持ってるからな。」
「マジでか…いや、今はそんなことより、
おいお前ら!事情は知らんがウチのヤツ等が失礼したな
話し合いに応じる気はあるか!?」
リムルがオーガ6体に声をかける。
状況的に、警備隊の殆どが無傷で無力化されてるということは、訳がありそうというのがリムルの考えだ。
「お兄様、あの者の仮面…」
ピンク髪の女の子のオーガが赤髪の男のオーガに耳打ちする。すると、
「正体を現せ 邪悪な魔人め」
「お、おいおいちょっと待て!
俺が何だって!?」
「普通の人間が魔物を使役するなど到底出来るものではない。オーラを抑えているようだが、オーガの巫女姫の目は誤魔化せんぞ。同胞の無念、その億分の一でも貴様の首で贖ってもらおう。」
「マスター、オーガ達は殺る気のようですが」
「あぁ、大丈夫。負ける気がしない。」
「ですが、6体相手にするのは些か戦闘が長引くかもしれませんが?」
「ここは俺の力を見て欲しいな。さっき仲間を助けてくれたからさ、ここは俺に任せてよ。」
「なるほど、俺の出番は無さそうですかね。」
「あ…でもそうだな…ランガ!魔法使ってたのは誰だ?」
「はっ、あの巫女と呼ばれていた桃髪の女です。」
「と言うわけで、あの巫女の相手は頼むよ」
「ま、それも良いか。ですがマスター、守護神は発動させて貰いますよ。マスターを護るのがサーヴァントの務め。」
「尚更負ける気がしないな!」
リムルと5体の戦闘が始まる。
同時にシールダーと桃髪の巫女の睨み合いも始まる。
「なぁお嬢さん。うちのマスターは穏便に済ませたいんだ。何もせず手を引くか、事情を話してくれると助かるのだけど…」
「……不思議な方ですね」
「?」
「何がだ?」
「強大な力を持っているのに、とても悲しそうな目をされています」
一瞬。
シールダーの表情が止まった。
「……そう見えるか」
「はい」
「君は怯えてるように見える。」
「そうかもしれません。それでも、あの仮面の魔人に使役されてる時点で我々の敵です。戦うしかありません。」
「でもね、お嬢さんの得意技、俺に効かないよ?」
「そんな大口叩いて後で吠え面かかないことです。」
「威勢は結構でも…」
シールダーが魔力を解放する。
「!?な…なんですかこの魔素量…」
「?魔素?へーこの世界ではこれを魔素と呼ぶのか…
どうかなお嬢さん。これでもまだ1割くらいの放出量何だけど?」
「馬鹿なこと言わないでください。だってその量、質、共に魔王に匹敵するレベルじゃないですか…」
「む、リムルが腕を斬られたか。あの白髪の爺さんやるねぇ。」
「お~いマスター。大丈夫かー?」
「大丈夫だって、超速再生でっ…え?発動してないのに治ってる…」
『告、シールダーの守護神の効果と推測。ダメージはおろか、斬られた事象ごとシールダーが肩代わりしています。』
「(そんなことしたらシールダーが保たないんじゃ…)」
「あー、マスター!俺の心配はいいから自分のやるべきことをやってよ!俺の他の能力、後で話すからさ。」
「あぁ、分かった!
(お、おう、主君の威厳ゼロだけど、お前がそこまで言うなら……!)」
『告。個体名:黎明のシールダーの固有能力【守護神】の効果と推測。対象(マスター)へのダメージ、および『負傷した因果』そのものを肩代わりしています。シールダーの頑強値がマスターの総HPを上回っているため、実質ノーダメージです』
「(俺のサーヴァント、硬すぎない!?)」
「だったら心配なく、本物の炎ってヤツを見せようかな?」
放ったらかしにされてる桃髪の巫女が攻撃してくる。
「戦闘中によそ見とは随分余裕ですね!」
「あぁ、すまないすまない。軽視してた訳じゃないんだ。
でも…君と俺とじゃ格が違い過ぎる。」
シールダーはワザと巫女の攻撃を受ける。
そして、
「んーー、全然守護値溜まってないけど、俺の力の一端も見てもらうとしよう。」
そして、シールダーが詠唱を始める。
「この世の中辛いことばっかりだ
いや…案外シアワセも見つかりそうだ
そのために!
シアワセを見つける為に!
シアワセを見つけて貰う為に!
理不尽を、精神疾患を、精神疾患を生む敵を!
その構造を!
打ち倒す力を我に!」
エネルギーが、魔素が高まっていくのを桃髪の巫女は肌で感じていた。そして、この攻撃を防ぐ術も自分には無いことを悟っていた。
「『願わくば、これが最後の一撃となりますように
(ラスト・ブロウ)』!
なんちゃって!」
シールダー渾身の一撃は不発に終わらせた。
一瞬でその破壊的なエネルギーを完全に霧散させて平然と微笑むシールダー。
「!?何故…」
「どう?これでも俺と戦う?」
「いえ、私でも私達の力を合わせても太刀打ち出来ないことを理解しました…それに、これ程の力を持つ者があんな卑怯な手を使って里を襲うはずがないとも思いました。」
「里が襲われた?」
ほぼ同時刻、リムルの炎が完成した。
またしても、桃髪の巫女が驚く。
「あれは…あの炎は…
周囲の魔素を利用したものではありません。
炎の大きさが純粋にあの者の力――!!」
「姫様を連れてお逃げ下さい、若。」
「くっ…無残に散った無念の同胞の仇を前にそんな真似出来るわけなかろう!」
「では、爺もお供いたしますぞ。」
「(あちゃ~そう来たかー
どーしよっかなー)」
とリムルが悩んでいると、桃髪の巫女が止めに入った。
「お待ち下さい!」
「何故止める!?」
「この者達の力を持ってすれば、我々の里を全滅させようなど、数撃あれば十分です。それなのにオークに里を襲わせた。どうも辻褄が合わないのです。それに、周囲の者達はこの仮面の者を信頼しております。オーク共を引き連れていた魔人とは別人なのではないでしょうか。」
「ぐっ…いや、しかし…」
ここでリムルがすかさず
「なぁなぁ、もしこの仮面が気になるなら好きなように調べてもらっていいからさ、戦うのやめない?これ、もう要らないよな。」
と、炎を捕食した。
「!?あれだけの炎が…
お兄様、仮面、調べさせてもらいましょう。」
桃髪の巫女が仮面を調べると
「この仮面には抗魔の力が備わっているようです。」
「だが襲ってきた魔人はオーラなど隠しておらなんだ…」
「では…我々の勘違いだったと…
すまない。謝罪を受け入れて欲しい。
貴方はいったい何者なんだ?」
「スライム、スライムのリムル。
そして、俺のサーヴァントのシールダー!」
「よろしく」
「さ、サーヴァント?」
「あーまぁその辺は気にせず俺の仲間ってことだ!」
「そうか」
「今日うちで宴会やるんだ!お前らも来いよ!
ついでに何があったか教えて貰えると嬉しいな。」
「いい…のか?」
赤髪のオーガが不思議そうに聞く。
「ああ!宴会は人数が多い方が楽しいだろう?」
「ふっ、それでこのタイミングで俺が呼ばれたと。」
「いや、それはたまたま….」
「あ、そーいやオーガ達に名前は?」
「俺達に名持ち(ネームド)はいないよ」
「ふ~ん、そっかぁ そっかぁ…」
警備隊とオーガ達、リムル、そしてリムルのサーヴァント、シールダー。皆で村に帰るのだった。
第2話いかがでしたか?
リムルの戦闘シーンを減らす代わりに、シールダーと
桃髪の巫女のやりとりをオリジナルで追加しました。
さて 第3話 オーガ達の苦難
シールダーの能力設定も少し公開します。
お楽しみに