催眠でエッチなことはしない「よう実」   作:樹神法正

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あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「おれは前回の後書きでオレンジバーがどうこう言っていたと思ったら いつのまにか高評価がたくさん来て赤色のバーになっていた…」
な… 何を言ってるのか わからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった…


急に高評価いっぱい来てたから、本当にびっくりしたw
モチベあがりますね。ありがとうございます!!


主人公に淡々と催眠かけさせて話を進めていこうと思ってたんですが、前話の感想を見るに、みんな女の子の可愛いところが見たいのか……と思ったので、サラっと書いて流そうと思ってた部分を一話分に増量キャンペーン。


カラオケで打ち上げパーティー

 

 一学期の中間テストが終わってしばらく経ち、全クラスの平均点が公表されたとき、Aクラスを除く全クラスには激震が走った。

 

「……あり得ない。何よ、この点数は……!」

 

「Aクラスの平均点が、全教科90点台だって……!?」

 

 他クラスの生徒たちが悲鳴に似た声を上げる中、学校側が公表した各クラスの平均点には、Aクラスの圧倒的な数値が刻まれていた。国語、数学、英語、理科、社会。そのすべてにおいて、平均点は90点以上。満点合格者が続出し、最も点数の低かった須藤や山内ですら80点台半ば。当然、退学者はゼロだ。

 原作では、Dクラスのクラスメイトたちが「毎年同じ問題なら過去問さえあれば大丈夫」と勉強を怠けないように、過去問はすぐに配らず、テスト前日になって配布していた。Dクラスのメンバーの大半に、自分で勉強する習慣が無かったからだ。しかし、皆が真面目に勉強するようになったAクラスでは、そのような必要はなかった。

 

 善人が過去問を手に入れた翌日に、全く同じ問題が出るとは知らせずに、純粋に試験対策として勉強会で使う用途で過去問を配布した。そして全員がテストに向けた勉強会の中で、教材として使った過去問の内容を自然と覚えていったのだ。

 本来なら前日に貰った過去問を暗記中に寝落ちして、英語で一点足りずに赤点となる須藤も、日頃からコツコツと重ねた勉強と過去問を使ったテスト対策によって、十分な高得点を取った。

 ゆえに他の追随を許さない圧倒的な結果を残すのは当然の帰結だった。赤点を取った人間がいない以上、原作のように足りない点数をポイントで買う必要ももちろん無い。

 

 

 

 少し時を巻き戻して、中間テストの結果発表の日、各クラス平均点が全クラスに公表される前。ホームルームの教壇に立った茶柱佐枝は、どこか誇らしげな様子で息を吐いた。

 

「中間テストの結果が出た。……言うまでもないが、我がクラスは見事に全員が合格、それどころか学年トップの成績だ。学校側からは中間テストを突破したボーナスとして、各クラスに100CPが特別に付与される」

 

 教室内がワッと沸き立つ。クラスの面々が友人たちと喜びを分かち合う。

 

 その様子を見ながら、茶柱が「しかし」と言葉を続ける。

 

「来月のポイント発表までに増加分を減らしたくなければ、生活態度には気を付けることだ。まあ、お前たちならば大丈夫だと信じているがな」

 

 ニヤリと笑みを浮かべる茶柱に向かって、池が「先生、当たり前じゃないですかー!」と元気よく返事をしている。その様子を見て、にこやかに笑うクラスメイトも。

 テストの結果がこれ以上ないものだったことで、クラスの雰囲気はとても明るかった。

 

「本当によくやった。……今日のホームルームは以上だ」

 

 茶柱が教室を出た瞬間、山内が机を叩いて立ち上がった。今にもどこかに飛び出していきそうな勢いである。

 

「よっしゃあああああ! 100CP、さらに上乗せだぜ!!」

 

「正路、平田! 約束通り、今日の放課後はテストの打ち上げパーティーだな!」

 

 須藤がバシンと勢いよく、善人と平田の肩を叩く。二人はちょっと痛いと思った。

 

「……うん! カラオケのパーティルームを予約してあるんだ。今日はみんなで思い切り楽しもう!」

 

 平田が爽やかな笑顔で応じ、クラス全体のボルテージは最高潮に達した。

 

 

 

******

 

 

 

 その日の放課後、ケヤキモールのカラオケ店。最も大きなパーティールームは熱気で満たされていた。

 室内はカラフルなレーザーライトで照らされていて、テーブルの上には、フライドポテトやピザ、唐揚げ、デザートなどのフードメニューがこれでもかと並び、ドリンクバーのグラスが何度も乾杯の音を響かせる。

 

 本来であれば、こうしたクラス全体で集まる派手な大騒ぎの場には人付き合いが極端に苦手な生徒や、クラスメイトとの関わりを避ける堀北などは絶対に参加しないはずだった。もし、堀北が無理に連れてこられたとしても、部屋の隅で不機嫌そうにしているのが関の山だったことだろう。

 

 しかし、部屋の中央、ソファーの特等席では、本来ならば信じられない光景が広がっていた。

 

「あら、須藤くん。次の曲はあなたが歌うの? 楽しみにしているわ」

 

「お、おう、サンキュー堀北! 緊張するけど、一発カマしてやるぜ!」

 

 社交性を獲得した堀北は、つまらないプライドを綺麗に捨て去り、楽しそうに須藤や他の生徒たちと談笑しながらフードをつまんでいる。部屋の隅では、綾小路が善人の隣に座り、少しだけ頬を緩めて、ちびちびとりんごジュースを飲んでいた。

 

「正路、俺はこういう場所は初めてだが……お前が隣にいると、どうしてだろうか、不思議と気持ちが落ち着く」

 

「そりゃ良かった。綾小路もなにか一曲歌えよ。アニソンでもKPOPでも洋楽でも演歌でも何でもいいからさ」

 

「こういうのにはあまり詳しくないんだが、お前が聴きたいと言うのなら、挑戦してみるのも悪くないな」

 

 綾小路は普段の無気力さが嘘のように瞳の奥を輝かせて、この時間を純粋に楽しんでいる様子だ。クラス全員が各々、仲が良い生徒と共に和気あいあいとした雰囲気で、打ち上げを楽しんでいた。

 

 

******

 

 

 それから幾ばくか時間が経過し、有名なバスケ漫画のアニメ主題歌を歌い終えた須藤が、善人に近づいてくると開口一番。

 

「いやー! マジで助かったぜ、正路! あんだけの点数が取れたのはお前のおかげだ!」

 

 彼はグラスに入ったコーラを片手に、善人の肩をバシバシと叩く。勉強もバスケも両立するスポーツマンへとすっかり生まれ変わった須藤は、原作での粗暴で刺々しい雰囲気はどこへやら、善人に対して大型犬のように無邪気に懐いていた。

 

「ずいぶんと大げさなやつだな、まったく……。過去問や勉強会があったとしても必死に勉強したのは須藤自身の努力だ。バスケ部との両立は大変だったろ? よく頑張ったな、大したものだよ」

 

 善人がそう言って微笑み、彼の努力をストレートに称賛すると、須藤は一瞬だけ気恥ずかしそうに視線を彷徨わせた後、嬉しさを隠しきれない様子で鼻の下を擦った。

 

「へへ、お前にそう言ってもらえると、バカみたいにキツかったテスト勉強の日々も報われるぜ。……なぁ正路、俺、これからもバスケと勉強、どっちも手を抜かねえって決めたんだ。お前や堀北の隣に立つのに、恥ずかしくねえ男になりてえからな!」

 

「その意気だ。期待してるぞ、須藤」

 

 彼が口にした「堀北」という名前に、須藤よりも遅れて、グラスに入ったウーロン茶を片手に近づいてきていた堀北が、ぴくりと眉を動かして反応した。

 社交性と他者への敬意を身につけた彼女は、須藤の真っ直ぐな言葉に、小さく、だが確かな信頼を込めた眼差しを向けた。

 

「須藤くん。今の言葉、忘れないで。もし次の期末テストで万が一にも点数を落とすようなことがあれば、私が徹底的にあなたの頭に参考書の内容を叩き込んであげるわ」

 

「うげっ、堀北のしごきはマジで容赦ねえからな……。でも、お前が教えてくれるなら、俺、何時間だって耐えてみせるぜ!」

 

 そうやって嬉しそうに吠える須藤の姿を見て、善人は小さく口元を緩めた。

 

 

******

 

 

「みんな、本当に楽しそうだね。今回のテストがうまくいったのも、全部、正路くんがクラスを一つにまとめてくれたおかげだよ。本当にありがとう」

 

 次に善人に声をかけてきたのは、クラスの良心であり、男子のまとめ役である平田だった。

 彼は爽やかな笑顔を浮かべながら、新しいおしぼりとオレンジジュースの入ったグラスを善人の前にそっと置いた。気配りの達人である彼らしい、自然で洗練された動作だ。

 

 平田洋介という男は、過去のトラウマから、クラスメイトの退学やクラスの崩壊を何よりも恐れている。原作では、それゆえに優柔不断になり、精神的な脆さを露呈する場面もあったが、今の彼は違う。

 彼にとって善人は、「クラスを統率し、誰一人見捨てずに勝利へ導く指導者」だ。善人という揺るぎない大黒柱が存在することで、平田は余計な不安を抱えることなく、自分の得意な、みんなのサポートに専念できている。その表情には、暗い影など微塵もなかった。

 

「気にするな、平田。お前が日頃からクラスの調整役として動いてくれているからこそ、俺の言うことを素直に聞いてくれるんだ。お前のおかげだよ。本当に助かっているさ」

 

「僕のおかげだなんて、そんなことはないと思うけれど。でも、そう言ってもらえると、すごく嬉しいかな」

 

 平田は少し耳を赤くしながら、本当に嬉しそうに目を細めた。彼の中にある「クラスを守りたい」という欲求は、善人を支えるという形で完璧に昇華されている。

 

 

******

 

 

「正路くーん! ポテト、あっちのテーブルから持ってきちゃった。はい、どうぞ」

 

 次いで、部屋の喧騒をすり抜けるようにして、弾けるような笑顔で善人の正面に滑り込んできたのは、クラスの人気者――櫛田桔梗だった。

 彼女はフライドポテトの皿をテーブルに置くと、笑顔のまま言葉を紡いだ。

 

「誰も退学にならなくて本当によかったよね」

 

「ああ、そうだな。それもこれも櫛田が男子のモチベーションを上げてくれたおかげだ。本当に助かった。このクラスに無くてはならない存在だな」

 

「えへへ、そんなことないよ。私はただ、みんなで一緒に頑張りたいって思っただけだから。でも正路くんにそう言ってもらえると嬉しいかな」

 

 善人の誉め言葉に少し頬を染めて、照れたように俯く櫛田。

 

「これからもお互いに頑張ってクラスを支えていこうな」

 

「うん、頑張ろうね」

 

 にこりと笑顔を浮かべるその姿は可憐な美少女そのものだった。

 

 

******

 

 

 その様子を少し離れたソファの端から、死んだ魚のような目で眺めている男がいた。綾小路だ。

 正路に促されて一曲歌ったところ、歌ウマなのが判明し、「流行りの歌には詳しくない」と逃げようとするも、クラスメイトたちから動画を見せられ「アレを歌って」「コレを歌って」とリクエストされまくり、少し前までカラオケ歌唱マシーンと化していた。その結果、気疲れしてソファにもたれているらしい。

 

「正路。櫛田とずいぶん仲が良いんだな」

 

 櫛田が女子たちの輪へと戻っていった後、綾小路が善人の隣にやってきてボソリと呟いた。その声には、微かに、本当に微かだが、嫉妬に似たニュアンスが含まれている。自分の友人である善人が、他の友人と親しくしているのが、少しだけ面白くないのかもしれない。

 

「お互い頑張ろうって話をしていただけだよ、綾小路。それより、もう歌わなくていいのか?」

 

「勘弁してくれ、もう十分だ」

 

 綾小路は遠い目をして、そう言った。

 

「そうか。それなら、そこに座って唐揚げなりポテトなり食べて、のんびりしていればいいんじゃないか」

 

 善人がそう提案して笑うと、綾小路はテーブルの皿の上の唐揚げを見つめ、それから善人の顔を見て、小さく頷いた。

 

「そうか。お前がそう言うなら食べることにしよう。……正路、お前がこのクラスのリーダーで、本当に良かったと思っている。力になれることがあれば言ってくれ」

 

 あまり感情の起伏がない声だが、その奥にある意思は本物だった。

 

 

******

 

 

 善人は空のグラスを手にパーティールームを離れ、ドリンクバーに向かった。機械の前で何にするか迷っていると、そこにやってきたのは堀北だった。その手に持ったグラスはすっかり空になっている。

 

「もう須藤たちとはいいのか?」

 

「善人くん」

 

堀北が眉をひそめながら、少し低めの僅かにドスの利いた声で善人を呼ぶ。

 

「どうした堀北。そんな怖い顔して」

 

「……櫛田さんや綾小路君と、ずいぶんと親密なのね。コミュニケーションを取ることは大切だと思うけれど……。少し、距離が近すぎるのではないかしら?」

 

「はは、ただの労いだ。櫛田はテスト期間中、男子の面倒をよく見てくれたからな。綾小路はカラオケで引っ張りだこだったことだし」

 

「そう……。なら良いのだけれど」

 

 堀北は不満げにそっぽを向いたが、その手は善人の上着の裾を小さく掴んでいた。そんな子供じみた様子に善人は少し笑いながらも堀北に言葉をかけた。

 

「鈴音も、本当によくやってくれたよ。お前が須藤たちの勉強を見てくれたからこその、この結果だ」

 

 善人が彼女の手をそっと握りしめると、堀北はビクッと身体を震わせ、それから観念したように小さく微笑んだ。

 

「その言葉、嬉しいわ、善人くん」

 

 

******

 

 

 カラオケボックスでの打ち上げは、夜が近づくまで続いた。

 池や山内がマイクを奪い合って下手くそなアニソンを熱唱し、それに合わせて須藤がタンバリンを叩き壊さんばかりの勢いで鳴らす。

 女子たちはパフェを囲んで恋バナやファッションの話に花を咲かせ、平田はそのすべてを優しい目で見守り、櫛田は完璧な笑顔で場を盛り上げ、軽井沢は女子グループの中心で笑っている。

 そして綾小路は静かにフードを口に運びながら、善人の隣という自分の定位置を離れようとしなかった。

 

 今、この部屋にいるクラスメイト全員が幸福を享受している。原作のような、まとまりに欠けたDクラスは、ここには存在しない。

 存在するのは、正路善人に統率され、強固な絆で結ばれた理想のクラスだった。

 

(龍園、一之瀬、葛城に坂柳……。各クラスのリーダーたちがどんな策を練ってこようと、このAクラスを崩すことは決してできない)

 

 中間テストでの勝利は、これから始まる長い戦いの、ほんの序章に過ぎない。だが、この打ち上げでクラスメイトたちが見せた笑顔、信頼、それらがある限り、きっと負けはしない。

 

「正路くん、次の曲、私と一緒に歌ってくれないかしら? ……デュエット、というものを、あなたと試してみたいわ」

 

 少し照れくさそうに、だが真っ直ぐな目でマイクを差し出してくる堀北。

 

「いいよ。鈴音の綺麗な歌声、特等席で聴かせてもらおうかな」

 

 善人はマイクを受け取り、彼女の隣へと立つ。沸き起こるクラスメイトたちの歓声と拍手。その中心で、善人はこのクラスでの日常を三年間守り抜くことを改めて心に誓うのだった。

 

 

 





次回は恐らく櫛田回。

低評価入れる方は1,2話で切って、ここまで読まないと思うのでこっそり書いときますが、
実は低評価入ると、(低評価の理由が書いてないので)どんな理由で低評価かなーと気になって、当て推量するために、その人のユーザーページに飛んで、お気に入り小説とか評価つけた作品とかチェックして傾向を把握してますん。
中にはどう見ても、「こいつAI使ってる。低評価!」とつけて回っていたり、他の方の作品で低評価してるのにその作品をお気に入り登録していたり(AI使用は気に食わないけど話は面白いと思って読んでいるんだろうか?)、という人もいて中々興味深いです。
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

高評価くださった方も(低評価よりも人数が多いので全員じゃないですが)お気に入り登録を見に行くと、面白そうな作品が見つかるのでありがたいです。(あんま読んでると更新できなくなるから読めないですけど笑)
そんなこんなで、お気に入り小説は見ようと思えば他人が見られるので、自分の(性)癖が知られるのは恥ずかしいという方は非公開設定に変更しておくといいですよ!
ここまで読んでくださっている方々へのアドバイスや……。


以下、テンプレ。
モチベになるので評価、感想、お気に入り登録、ここすき
等々、よろしくお願いします!

既にしてくださった方々はありがとうございます。
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