フィアーの過去編
1話
「どうせ死ぬならその命、私にくれないかな」
初対面でいきなりあの人はそういった。
無遠慮な人だなと思ったけど、まあ、今更惜しい命でもないか。
だから、心臓に刺した剣を抜きながら、いいよ、とあたしは答えた。
胸を貫いていた穴がゆっくりとふさがっていく。それをあの人はニヤニヤしながら見つめていた。
なにこの人。気持ちわる。それがあの人の第一印象。
彼女の名前は今も知らないけど、なんて呼ばれてたのかならよく知っていた。
「皆殺しの魔女」
指先ひとつで世界を滅ぼす恐るべき魔女は、子供のような笑顔をあたしに向けていた。
2話
「魔女の力は心の力。死なない力は、死にたくないと願う心から生まれたはず。なのにどうして死にたいんだい?」
なんでそんなことを知りたいのかと思ったら、君を救いたいんだとあの人は答えた。
そんな綺麗事を信じるほどあたしも愚かじゃない。
でも、そんなに知りたいなら教えてあげる。
あたしの村に盗賊がやってきて、家族が襲われた。それを見たあたしは恐怖で魔女になった。
目の前で家族が襲われてるんだから、普通は助けようと思うでしょ。
でも、あたしは思えなかった……。
怖くて怖くて仕方なくて、あたしは自分だけが助かりたいと願ったのよ。
3話
あたしだって皆を助けたかった。家族が大好きなはずだった。
なのに、怖くて……死にたくないって、そればかり考えて……みんなを見捨てて逃げ出して……その時に得たこの力は、罰なのよ。
ほら、見なさいよ。こんなに刺しても、潰しても! 壊してもッ!!
……死ぬことすらできない。永遠に、一人で生き続けるのよ……
「大丈夫。その力が救いになることもあるよ」
……適当なこと言わないでッ! 知ってるわよ「皆殺しの魔女」。街ひとつを滅ぼしたんだって? あたしにもそんな力があれば……
言いかけたあたしに向けて魔女は首を振った。この力はそんないいものじゃないと。
4話
あの人は語り始めた。
「私こそつまんない話だよ。」
事故で恋人が亡くなってね。絶望した私は、こんな世界滅べばいいと叫んだんだ。
もちろん本気じゃない。一時の感情さ。
でも理不尽な世界への怒りだけは本物だったんだ。
願いは叶った。気がつくと街がなくなっていた。
家族も、友達も、街にいたすべての住民も、全部砂になっていた。
触れた物を砂に変える皆殺しの力。
これが私の望んだ願いの形なんだ。笑えるだろう? 私こそ人の形をした醜い怪物だったんだよ。
そう言って楽しそうに笑う。この人の心も、あたしとは違う形で壊れていた。
5話
それからあたしたちは二人で旅をした。
「皆殺しの魔女」は賞金首だ。街を転々と逃げながら、実験と称してあたしの体を砂に変えた。
死んでる間に何をしてるかは知らない。蘇ると、いつも必ずニヤニヤした笑みが目の前にあった。
「おはよう。何度見ても気持ち悪い顔ね」
「ありがとう。じゃあもう一回殺してみよう」
こんなやり取りにも慣れてしまった。命の軽さに現実感さえ失ってしまう。
そういえば今の街もそろそろ移動する頃合いね。
次は料理が有名な南の街かしら。北にある温泉も行ってみたいけど。ねえ、あんたはどっちがいい?
たずねるあたしに、あの人はいつものニヤニヤしたものではない、優しい笑みを浮かべた。
「旅は終わりだよ。ようやく私たちの願いが叶う」
その体が砂に変わり始めていた。
6話
「私の力は私自身も壊すんだ。だから間に合ってよかったよ。最後に私の力を結晶化して残す。それを使えば君でも死ねるはずだ」
どうして、そんなことを……?
「呪われた力でも誰かを救える。力は化け物でも、心はちゃんと人間だ。それを証明したかったんだ」
……そう、なんだ。
「おかげで人として死ねる。ありがとう。君にも幸福な死が訪れますように」
そう言い残して、あの人は砂になった。足元に一輪の白い花を残して。
……「私たちの願い」か。ほんと、最後まで勝手な人。
手にした花はあの人と同じ体温で、枯れたはずの涙が一筋だけ流れ落ちていった。
7話
皆殺しの魔女は、最後にその力をあたしのために使った。
呪われた力だとしても、誰かを想う心は紛れもなく人間だ。それが「人として死ねる」ということ。
あの人が遺した花をそっと撫でた。これがあればあたしも死ねる……
だけどそれは今じゃない。
あの人の遺志に応えよう。それこそが、あたしの「人間の証明」になるから。
花を胸に刺して、あたしは歩き出した。
人として死のう。それまでは生きよう。
それがあの人の願いであり──
あたしが化け物ではなく、普通の女の子として死ぬための、唯一の方法だから。
[フィアー]あの人の意志に応える為にも私は世界をも救ってみせる
[本編]
[エリス]フィアーさんあなたのこと見させていただきました。特例で魔王のいる世界にそのままの状態で移動してもいいと報告を頂きました。
[フィアー]ここどこだろ、まぁいいや。ところであなた誰?
[エリス]私はエリスです。ここにあなたを呼んだ理由は魔王の侵略で人口が減ってきている世界を救って欲しいんです。現状を見かねた天界のお偉いさんは、他世界から若くして死んだ者を転生させ、移民させると同時に、魔王を討つ冒険者を募ることにしたんだけどね、ごくまれにお偉いさんが特例で選んだ人はそのまま討伐に向かうことが出来るんだよ。もちろん選択権はあなたにあります。ここから特典を1つ選んで向かうことも出来ますよ。どんな武器やアイテム特殊能力でも構いませんよ。
[フィアー]じゃあ私に合った1番いい装備をお願い。手入れも必要ないものだと助かるかな。
[エリス]分かりました。メタトロンシリーズ4つ、サタンシリーズ2つを渡します。防具や武器の能力は向こうで冒険者のレベルが上がると常に最大まで強化されるのでご安心を。冒険者になるには1000エリス必要なのでこれも渡しておきますね!それでは頑張ってきてください!
[フィアー]はいはーい。頑張ってくるねー
[フィアー]ここはどこだろ、路地裏かな。とりあえず人通りのあるとこに向かおうかな。
[フィアー]あのすみません冒険者になるにはどこに行けばいいですか…
[カズマ]ああ、冒険者になりにこの街にきたのか。(ってめちゃくちゃ可愛いんだが!?)俺で良かったらギルドに案内するけどどうする?
[フィアー]じゃあお願いしようかなぁ
[カズマ]ああ!俺に任せとけ!っていっても結構すぐそこなんだけどな
[カズマ]着いたぞ!そういえば名前聞いてなかったな。俺は佐藤カズマだ。君は?
[フィアー]私はフィアー。呼び捨てで大丈夫。よろしくね。それじゃあ行こうか。
[カズマ]ああ!よろしくフィアー!(ダウナー系も結構ありだな。)
[フィアー]ここにきたら冒険者になれるって聞いたんだけど。
[ルナ]はい、ここで登録出来ますよ!それでは登録料で1000エリス頂きます。
[フィアー]はい、登録よろしくね。
[ルナ]それじゃあこちらに必要事項をお書きください。
[フィアー]はいはーい。
[ルナ]フィアーさんですね。それでは冒険者カードを作成しますので、そちらに手をかざしてください。
[ルナ]体力、防御力、器用がずば抜けて高いです!他は並のステータスですがここまで高いのは初めて見ました!上級職からはクルセイダーが出てます!間違いなくこれがおすすめですよ!
[フィアー]じゃあそれで登録お願いしようかなぁ
[ルナ]わかりました。今日からフィアーさんはクルセイダーです!
[フィアー]ありがと。ええっと?
[ルナ]あ、私はギルドで受付係をしている、ルナといいます。
[フィアー]ありがと。ルナさん。
[ルナ]いえいえ!ご活躍を期待してますね!
[カズマ]フィアー凄いじゃないか!おめでとう!出会ったのもせっかくの縁だし良かったらうちのパーティ入らないか?
[フィアー]私魔王討伐目指してるんだ。あなた達は?
[カズマ]ああ!俺たちのパーティの目標も魔王討伐だ!
[フィアー]じゃあ入ろうかな。よろしくカズマ。
[カズマ]じゃあ屋敷のメンバーに会いに行くぞフィアー。
[フィアー]そういえば仲間に相談とか大丈夫なの?
[カズマ]まぁ大丈夫だろ!さぁ行くぞ!
[カズマ]おい、お前ら新しいメンバーを連れてきたぞ!
[フィアー]フィアー。職業はクルセイダー。よろしく。
[ダグネス]クルセイダーだと!?カズマ!私というものがありながら!?まさか解雇されてしまうのか!
[カズマ]いやそんな薄情じゃないから。メンバーはそのままだよ!とりあえず実力が気になるからどこかクエストに行こう!それでいいかフィアー?お前らもそれでいいな?
[フィアー]ええ、そうしまょう。
[アクア]まぁいいわよ。
[めぐみん]構いませんよ。
[ダグネス]ああ、問題ない。
[ルナ]「冒険者の皆さーん、今年もキャベツの収穫時期がやって参りました!今年のキャベツは出来がよく、1玉の収穫につき一万エリスです!ぜひぜひ多くのキャベツを捕まえて、こちらに収めてください!」
[カズマ]丁度この時期だったか。お前ら行くぞ!フィアーも付いてこい!
時間はかなりかかると思いますが続きます!フィアーには幸せになって貰いたい!アクア×フィアーにしようと思ってます!アクアがどんどん過保護になっていく予定です!