転生したので、好きに生きる   作:牛丼の並、汁だくだくで。

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力を示しちゃった

 村を離れて、少し経った。

 俺は遠くで発生した謎の破壊音と地響きを感知した。

 (微かにだが、聞こえ、感じた。なにが起こったんだ?)

 エルザ、ルーシィ、グレイ、ハッピー、俺の5人で走っていたのだが、気にせず、グレイは口を開いた。どうやら俺だけが感知したようだ。

 

「リオンは昔から、ウルを越えることだけを目標にしてきた。だからそのウルがいなくなった今、ウルの倒せなかったデリオラを倒す事でウルを越えようとしているんだ。」

「そっか…死んだ人を追い越すには、それしか方法が…。」

「いや…あいつは知らねぇんだ。」

「え?」

「確かに、ウルは俺たちの前からいなくなった。だけど…ウルはまだ生きている。」

「えぇ!?」「うそぉ!?」「う〜ん?」

「どういう事だ?過去に何があった。」

「10年前だ…。」

 

 移動しながらグレイ達の過去の話を聞いた。

 そうして遺跡が見えてきた。どいうわけか、遺跡が傾いていた。

 (あの破壊音と地響きはこれが原因だったのか。おそらくナツだろう。)

 

「遺跡が…傾いている…?」

「どうなってんだー!?」

「ナツだな。どうやったか知らねぇが、こんなデタラメをするのはアイツしかいねぇだろ。狙ったのか偶然か、どちらにせよ、これでデリオラに月の光は当たらねぇ。」

「話はそこまでだ、大人数がこちらに向かっている。」

「なに?誰だ?」

「分からない。だけど味方ではないことはたしかだろう。」

 

 草をかき分ける音が聞こえ、大勢の足音がすぐ近くまで聞こえてきた。

 

「見つけたぞ!!フェアリーテイル!!!」

「うわぁ!?」

「変なのがいっぱいいる!?」

 

 エルザが敵の大群に一歩前に出た。

 

「ここは、私に任せろ。」

「エルザ?」

「リオンとの決着をつけてこい。」

 

 グレイは頷き、決心した顔をして、遺跡に駆けていった。

 ルーシィとハッピーもグレイに続いた。

 

「エルザ、指示はないのか?今回の俺達は一蓮托生なんだろ?」

「だが、お前は先ほど勝手にすると言っていただろう。」

「言ったね。今でも俺は自分の発言を撤回するつもりはない。だけどエルザはあそこで尻尾巻いて逃げる選択肢をとらなかった。今だってグレイの気持ちを優先させた。だから発言の撤回はしないがエルザに対する考えは改めただけだよ。」

「なるほどな、随分と傲慢な考えだ。だが、お前の言ったことはあながち間違っていないのかもしれないと思い始めたんだ。だから今ここに残って指示を仰いでくれたこと、感謝している。人数はおよそ、30人。全てやれるか?これでマスターから言われた実力を確かめる内容としては不足ないだろう。」

「この程度なら問題ない。すぐ終わらせる。」

 

 そう言って、俺は先頭の敵に一瞬で接近し、地面を割るほどの力で左足で踏ん張り、膝から腰、腰を捻り上半身、肩、肘、拳へと運動エネルギーを一切殺さず流して、敵の腹部へぶつけた。骨を砕いた感触も内臓を潰した感覚もなかったが、殴られた敵は後ろにいる奴ら巻き込んで一緒に吹っ飛んでいった。

 割合で言えば10%ほどだ。それでもかなりエグい力だ。自分でやっといて自分の力に引いたが、流石はアニメの世界だ、前世だとこれで人は木っ端微塵になるところだが、ここでは多少怪我はするだろうが死にはしない。流石に頑丈だなぁと感心した、が、これにて一件落着だ。

 

「終わったぞ。」

「想像以上だな、これがお前の本気か。かなりのスピードとパワーだ。」

「いや、割合で言えば10%くらいだよ。本気でやれば殺してしまうだろうからね。今後のためにどの程度であれば殺すことはないか確かめようと段階的に試そうとしたら10%から始めたら終わった。」

「そ、そうか。しかも話によると、まだ馴染みきっていないみたいだが本当なのか?」

「うん、本当だよ。でも生まれて初めて10%を出してみたらほんの少し馴染んだ気がする。多分この肉体を使い続けないと馴染まないんだと思う。感覚的に出力上限が上がった気がする。」

「本気ではなく、10%。それにまだまだ伸び代があるとはな。もうすでに私以上だろう。ラクサスやギルダーツとやり合ってもお前が勝てるかもしれんな。それはそうとみんなを急いで追いかけよう。」

「うん、よし、行こう。」

 

 そうして、遺跡へと走って行った。

 素早く片付けたことによってルーシィとハッピーには追いついたが、グレイはいなかった。おそらくリオンとやらの元へ行ったんだろう。

 グレイ達を探して30分ほど経ったとき、大きな声が聞こえた。

 

「オオォォォォォォ!!!!!!!」

「な…何、この声!?てか本当に声なの!?」

「ルーシィのお腹の音かも!!」

「本気で言ってるとは思えないけどムカツク!!」

「例のデリオラとかいう魔物か?」

「そんな…まさか…復活しちゃった訳!?」

「待って、あの光!見覚えがあるよ!」

「見覚え、ムーンドリップってやつか?」

「うん!そうだよ!」

 

 そうして、またさっきと同じ声が聞こえてきた。

 

「ルーシィ、何か食べたら?」

「あんたこそネズミに食べられちゃえば?」

「はいはい、軽口はそこまでね?デリオラの声はするけど儀式は継続されてる。だとしたら復活はまだしてないはずだ。」

「あぁ、その通りだ、お前達ついて来い!!」

「え!?デリオラは下だよ!?」

「儀式を叩けばまだ阻止できる。急げ!」

「悪いが俺は下、デリオラの元に向かう。下から物音と声が聞こえる。ナツと老人の声だ。だから最悪の想定を考慮して下に向かう。」

「わかった。ナツを頼む。」

 

 そう言ってエルザ達と別れた俺は下に向かう。

 急に地面が崩れた。そうしてまたデリオラの声が響いてきた。

 落ちかけたが、大きい瓦礫を使って先程の場所まで戻った。

 崩れた地面から下を見ると、デリオラと倒れてるリオン、不思議な構えをしながら魔力を放出しているが、ナツが立ちはだかっている。

 

「どけっ!!!邪魔だよ!!!!」

「死んでほしくねぇから、あの時止めたのに、オレの声は届かなかったのか。」

 

 なにやら深刻な雰囲気を感じる。そんな中でデリオラが腕を振り上げナツ達を叩き潰そうとしていた。

 

「まずい、止めなければ。」

 

 飛び上がり、天井に両足をつけ、デリオラに向かって脆い天井だから10%の力で踏み抜いた。

 空中で体勢を変えて、飛んだ勢いのまま踵落としをする。

 が、感覚的には脆い岩石を踏み抜いたようだった。

 踵が当たった瞬間ボロボロと崩れていった。

 

「そうか、デリオラはもう死んでいたのか。」

「どうゆうことだ!」

「グレイか、俺のことは後にしてデリオラの件だな。俺はデリオラに攻撃を当てた瞬間に崩れていったんだ。つまり、デリオラはもうすでに死んでいたんだ。グレイの師匠が長い時間をかけてデリオラを倒したんだ。」

「そうか、ウルが…。」

「オレたちは…その最後の瞬間を見ているというのか…。かなわん、オレにはウルを超えられない。」

 

 グレイは泣いていた。そして言葉を紡いだ。

 

「ありがとうございます…。師匠…。」

 

 

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