あの後、レビィ、ジェット、ドロイを大木からゆっくり降ろして、全員で病院に運んで行った。
数名は病院に残って、他の皆はファントムへ。カチコミに行った。
俺も内心腸が煮えくり返るような怒りが湧いていたが、俺はフェアリーテイルの正規メンバーではないので、病院に運んで行ったあと、すぐにギルドに戻った。
現状、最大限ギルドの為になれる行動はギルドの修繕をしながら、今ある建物をこれ以上破壊されないようにすることだ。
皆が戻って来たのだが、マカロフがやられてしまったようだ。
そしてルーシィが攫われていたらしい。ナツが救出して事なきを得たみたいだ。
ファントムの襲撃の理由もルーシィを実家に連れ戻す依頼を受けたからなのだとか。
ミラはすぐに動けるS級魔導士としてラクサスに要請したのだが、ルーシィが俺の女にあるなら助けるとか、マカロフに引退してマスターの座をよこせとか言っていた。
それを聞いていた俺は激怒してしまった。
「おい、素直にジョゼが怖いから戦いに行けませんって言えよ。名ばかりのS級七光り小僧が。」
「てめぇ、今なんつった?そもそもてめぇはどこの誰だよ。」
「口だけのクズに名前を答えるほど人間できてないんだよ。おい、小僧。貴様はそのまま指咥えて取り巻きと一緒に強者ごっこ遊びをし続けているんだな。」
吐き捨てるように言って通信用ラクリマを握りつぶした。
カナとミラは俺の怒気にあてられて怯えていた。
「勝手なことをしてすまない。自分を抑えることができなかった。」
口では抑えられないと言ったが、実際は抑えることができた。皆から一線引いているが、それでも俺にもギルドの皆を大事に思う心はある。だからこそ、ファントムのしたことは到底許せるものではない。だが、正規メンバーではない俺が出しゃばるのは違うと思い、我慢していた。先ほどのラクサスの発言を聞くまでは。これ以上のストレスは溜めこむことができないと思い、ラクサスをガス抜きに利用させて貰ったのだ。
そうして怒りをコントロールして、謝罪をした。
その後、外からとんでもない地響きが鳴った。
確認のために外に出た。
そこにはファントムのギルドが歩いて攻め込んできたのだ。
建物から巨大な砲身が出てきて、収束した魔力が砲弾となって発射された。
エルザが受け止めようとして駆け出したが、あれでは間に合わない。
それを察して、俺は全力で駆け出した。
そして全員の前に躍り出て、破魔の大盾を出して受け止めた。
だが、人生で初めて全力を出したせいで、制御できず体制が悪かった。
踏ん張りが利かず、このままでは受け止め切れない、格好は悪いが魔力砲弾のベクトルを変えて一緒に飛んでいこう。
近くにエルザがいた。よし。
「エルザ!!体制が悪くて、もう踏ん張りが利かない!だから俺ごとコイツをそらして吹っ飛んでくる!俺は問題ない!だから後は任せた!!!」
エルザが俺の名前を叫んでいたが、もうかなり距離ができてしまったのですぐに聞えなくなった。
大盾が魔力を無効化するまではこのままだろう。格好悪いなぁ、と思いながらもどうしようもない状態なので諦めた。フェアリーテイルは強いから大丈夫だろう。
今回の騒動での俺の役割はこれでおしまいだろう。
それに任せた以上、後は信じよう。
魔力の無効化は空の旅を始めて、だいたい20分くらいかかった。
後は墜落するまでこのままだ。
飛ばされ続けたから、かなりの高度だ。墜落まであと5分くらいか。
そうして5分ほど経って墜落した。もちろん無傷だ。フィジギフって凄いなと感心していたのだが、そろそろ現実に戻ろう。
「ここどこだよ…。」
そう、迷子である。生まれて初めての迷子である。正直、焦る。
海を渡ったわけではないから、フェアリーテイルまで地続きであるのはたしかだ。
それでもかなりの速度で吹っ飛んでいたので距離はかなりのものである。
そして飛んできた方向に歩いていけばいいのだが、墜落したせいで方角が分からなくなってしまったのだ。下手に行動を起こして今以上に遭難してしまう。
高いところに上って周りを見ても一面樹海。これは詰んだな。
開き直ってしまった。
自力で帰るのを諦めて、助けを待つことにした。
その間、自分の力を確認する期間にしよう。
修行の始まりだ。助けが来るまで頑張ろう。
修行期間にしてストーリーを無理やり進めようと思います。
ついでに修行を経て、少し性格に変化が現れます。